William Jacobson
&
Amanda Kohout

Asmodee

3〜10人
40分

アイデンティク

親の指示に従って絵を描こう。
重要なチェックポイントは10個。
さて、上手く描けたかな?







プレイ感

2010年度のドイツゲーム大賞ノミネート作で大賞に輝いたディクシットと同じフランス産。フランス人はコミュニケーションゲームが好きなんか? と思ってしまった。2作もコミュニケーションゲームがノミネートされたので、ニョキニョキとタケノコのようにコミュニケーションゲームが出たので、食傷気味になってしまい買わなかった。オビ湾が持ってるつうので、持ってきて貰う事にした。タメラ、オビ湾との3人プレイにて。


絵が描かれたお題カードを親がみて、1分間で説明する。その際、質問とかは一切駄目。子は親の説明を聞いて黙々と絵を描くのだ。そしてお題カードをケースから抜き取るとその絵に対してチェック項目が10個書いてる。例えば、太陽の斜線が5つ以上描かれているとか、顔が全体の半分占めて描かれているとか。で、その数だけチェックして得点集計。親は子の描いた奴が最低でも1つチェックされているかどうかで得点する。つまり一人だけ当てて貰うのが一番良いわけだが、まあ、そんなのは狙っては出来ない。本来なら1回ずつ親をやって終わりなんやけど、3人やとそれじゃ少ないというオビ湾の機転で、親を2回ずつやって勝敗を決めることにした。



こんな風に質問が下に隠れたケースを使って、絵の内容を説明する。他のプレイヤーは親の言う事を聞いて絵を描く。


左オビ湾画伯。右タメラ画伯。わしの説明が素晴らしかったので、それぞれ1問ずつ間違っただけで全て正解。下にチェックする項目がある。右が得点だ。絵の下には10個の項目が書いてある。

まずはオビ湾が親。お題をまず聞く。

オビ湾「マウンテンハイク」

それからゲームスタート。砂時計をひっくり返し、オビ湾が説明。わしらはそれを信じて描くのみ。

オビ湾「リュックをしょってる人がいる」

描き描き…

オビ湾「空には太陽がひとつ、雲が5つ」

描き描き…

オビ湾「あ、リュックに車輪がついてて、引っ張ってる」

(なにぃ? しょってるから車輪なんか付けられへんし、今更引っ張れんぞ)

しょうがないので、リュックを大きく描き直す。そして車輪をつける。

とまあ、こんな感じでストップ。

答え合わせの前にタメラと絵を交換する。

オビ湾がシートを引き出して、チェック項目を読み上げる。

オビ湾「1つめ、男は左側を向いている」

わし「タメラ、右向きやな。アウト」

オビ湾「2つめ、車輪は一つである」

わし「タメラ、2個付いてるな、アウト」

とこんな感じでチェックしてその数だけ得点する。ただし、最初にさいころを振って1つだけボーナスとして2倍になる項目がある。


左タメラ、右わしのマウンテンハイクの絵。

それが終わると、親をチェンジして、タメラの番。

タメラ「お題はチキンで大わらわ」

タメラ「鶏が、画面の右側半分を占めるくらいの大きさでいる」

描き描き…

タメラ「足の指は4本」

描き描き…

タメラ「鶏はバイキングの帽子を被ってる」

(ん? ○○○の帽子? 聞き逃した。きっとコックの帽子やろ)

描き描き…

タメラ「ひび割れの卵がひとつ、割れてひよこが出てる卵がひとつ、割れてカエルが半分出てる卵がひとつ」

描き描き…

タメラ「あっと最後に、バイキングに5つのビスが打ってる」

(バイキングにビス?? あー、食い物のバイキングの事か。最後にいきなりテーブルの事なんか言うなよなあ。鶏のコック長がバイキング料理を出してると、そゆことやな? タメラ!)

終了。答え合わせ。

わし「あーー!! バイキングって、海賊のバイキングの事かー!! テーブルにビス5つ描いたつうの」

オビ湾「バイキング料理って! どっからそんな発想が」

鶏→コックの帽子(わしが間違った)→卵料理→バイキング と連想。


右がわしの間違ったバイキングの絵。最後にいきなりバイキングと言われ、慌ててテーブルを描いたが、時間が間に合わず料理は1皿のみというしょぼさ。

しかし、チェック項目は大きく外れず。むしろトップ目w


これがわしの2回目。左オビ湾、右タメラ。今回は説明が悪かったなー。5点と6点だけ。

とまあ、こんな感じでゲームは楽しく進み、ゲーム終了。

勝者、わしw

所要時間40分

タメラのコメント

これは確かに面白いです。描くのが速い方が有利ですね。

オビ湾のコメント

人が絵を書きながら談話すればそりゃたいてい楽しいわな。

ソマーリオ

いやあ、おもろいわ。お題カードが120枚なんで限られてしまってるけど、和気藹々と話しながら、絵描いたらそらなんでもおもろいやろというオビ湾の意見に賛成。

ゲームとしても、チェック項目がまるで受験問題のように、重箱の隅をつつくような微妙なところをあげてくるので、わしのような大きな勘違いでも勝利する事が出来た。
結局、ポイントをとらえていればいいので、絵が下手でも勝てる。また絵が下手な方が笑えてより楽しいと思う。

ディクシットと比べて、楽しさは絵を描くのがわしゃ好きなのでアイデンティクの方が上に思ったが、想像力があれば、ほぼ無限に楽しめるディクシットを大賞にしたのはしょうがないと思う。また問題や鉛筆や紙などの備品も不要であるというところも大きい。

それでも絵を描く行為そのものが楽しいし、他の人の絵を見るのも楽しいので、問題が尽きなければどちらをやりたいかと問われれば即座にアイデンティクと答える。もちろん仲間内でやるのがどちらも必須だ。

絵の専門家でない限り絵の良し悪しなんて解らない。ましてや専門家であっても絵に点数を付けることなど不可能である。
そこにこのゲームの心地良さの秘密がある。自分の描いた絵の良し悪しが点数として定量的に判断されるのだから、とても解りやすいのだ。本来曖昧である絵に、セーフ、アウトと断定できるところにこのゲームのミソがある。

プレイ感はピクショナリーそのものだが、あちらが絶版、さらにゲームの収束性もこちらの方が断然高い。その分、問題依存という弱点がある。なんつっても、所有者は、日本語シールを貼る時に絵ばかりか答えを見てしまうのは大きな欠点である。日本語版を誰か出してくれんかのう。さらに言うなら追加問題集も欲しい。
というか、このゲーム、欲しい。買おかな。

ちなみにわしの描いた絵は他にもオビ湾のブログに上がってる。

gioco del mondo