たけだ

チームきりたんぽ(仮)

2〜9人
(推奨2〜5人)
5分

星の黒ねこ

黒猫としま猫はおじいさんと一緒に暮らしていました。
おじいさんは毎晩、ぴかぴか光る不思議なメガネをかけて
黒猫としま猫にお話を読んであげていました。
ある晩、おじいさんはメガネを落として壊してしまいました。
これでは本が読めなくなってしまいます!
そこで黒猫としま猫は、ぴかぴか光るお星さまを集める旅に出たのです。
たくさん星を集め、おじいさんに本を読んで貰いましょう!

プレイ感

せっかく東京にいるので、ゲームマーケットに初参加してみた。で、前々から気になってたチームきりたんぽ(仮)はとりあえず抑えとこうと、一番最初にブースに行ってみた。仔ブタ急便は、残念ながら売り切れてたので、残ってたリビングデッドティルドーンと新作らしき星の黒ねこを購入した。大阪に帰った時、同人ゲームはあまりやる事もないやろうと思って、翌日のゲーム大会のプレとしてTAMを呼んでmiaと3人で軽くやってみる事にした。


同時出しのトリックテイクで、黒猫と縞猫のカードがありそれぞれ1〜3の強さがある。ほとんどハゲタカの餌食と同じ、トップタイなら、2位が総取りするって奴だ。ただいくつか独自のルールがある。ひとつは黒猫と縞猫の駒。こいつらが自分のところに来てたらトップタイであっても、勝利する事が出来るので呼び寄せるように動かせばいいのだが、こいつらは反時計回り、時計回りにそれぞれ動き、今回出した全員のカード枚数によって移動しやがる。つまり黒猫で得点しようと目論んでも、黒猫カードを出す人数次第では、自分のところに留まってくれず、負けてしまったりするように出来てる。それに拍車をかけるのがおじいさんの存在。同じカード構成を持つおじいさんが必ずゲームに参加し、おじいさんは最初にカードをオープンしておくのだ。

※トリックは黒猫カード、縞猫カードそれぞれで判定して総取りする。


おじいさんも含めて全員同じ手札を持つ。黒猫としま猫それぞれ3枚ずつ。右端がおじいさんで、最初に1枚めくられる。黒猫、しま猫のスタート位置はおじいさんからで、それぞれ逆方向に動くのだ。

このルールで、このゲームの概要は掴めたと思う。おじいさんのカードが弱いカード(弱いカードほど、得点が高い)で、欲しいと思っても、相手の出方次第で、猫駒がどっかに行ってしまうのだ。カードはたった6枚しかないので、バッティングは頻繁に起こる。だからこそ猫駒の存在が非常に大事になってくる。

席順は非常に重要。おじいさん->TAM->mia->わし で座った。猫は2匹ともおじいさんからスタートである。


今回はおじいさんは黒猫☆☆。有利に進めるためには黒猫を呼び寄せたいところだが、反時計回りの黒猫がわしのところに来るに一人以外の全員が黒猫を出さねばならない。尚かつ強いカードが望まれる。む、むずい。。

やってみるとやたらとmiaの元に猫がやってくる。わしとTAMは非常に苦戦である。当然、一度目はmiaの元にたくさんの☆が集まった。

mia「わぁ、いっぱい集まったよ。きらきらしてる!」

むむむ。確かに傍目からみて、黄色い☆がやたらときらびやかに見えて、美しい。ちょっとうらやましい。

わし「なんかわしらの元に全然、猫こんかったな」

TAM「ほんまですねえ。おじいさんの位置じゃないすかね」


左隣のmiaのところにたくさんの星が集まった。わしは全部で5つだけ。何故かやたらと偏るのだ。

今、この稿を書きながら、ちょっと動きを整理してみる。

おじいさんが、黒猫3を出してたとする。これは欲しいと思っても、反時計回りの隣プレイヤーの場合、黒猫1を出したところで、黒猫駒はおじいさんと自分のカード合わせて2マス移動してしまうので、自分のところをスルーして勝てる可能性は低くなる。つまり、おじいさんの出した猫カードの猫駒が、自分の隣にいた場合、おじいさんと同じ猫カードで勝負してはいけないという事だ。

例えば今回の3人プレイのスタートからだと、おじいさんの対面にいるmiaが有利となる。そこで3番目のわしが自分のところに引き寄せる為に黒猫カードを出す。それを防ぐ為にmiaが縞猫を出したとしても、バッティングはおこらず(おじいさんが最強カードを出していない限りは)わしが必ず勝つ事になる。

む? そうなると、一番有利なのは3番目プレイヤーとなるのか??

縞猫を考えてみる。縞猫は黒猫では不利なTAMが出すだろう。miaが縞猫を出したとすると対面にいるmiaが勝つ事になる。おじいさんの出していないカードは、2番目プレイヤーが有利だ。例えTAMがまったく意味のない黒猫を出したとしてもmiaは自分の出したカードを取る事が出来る。

うーむ…

現実には、カードに強さがあり、使い捨てという事でここまで単純計算出来ないのだが、やってみて○×のように感じた違和感というのはそういう事だろう。相手が使ったカードをカウントして(たった6枚なのでそれほど難しくない)、おじいさんのカードと猫の位置を見てみれば、最善手が見えてくる。

軽くて、非常に可愛らしいので、もっかいやってみた。今度はわざと外すようにして猫の位置をずらせば、わしのところにたくさんの星が集まった。


わし「わ、ほんまにキラキラしてる」

所要時間5分

TAMのコメント

なかなかよく出来てるゲームですね。でも場所に有利不利があるような気がします。

miaのコメント

星が集まると凄く嬉しい。

ソマーリオ

テーマといい、猫の絵といい、猫がプレイヤーの周りを散歩するってのにも凄く雰囲気が出ている。カードを集めると星が非常に賑やかに見えて「集めた!」って気にさせてくれるのも絵のデザインの勝利だろう。またカードを傷つけない猫立ての仕組みも素晴らしい。システムも単純にハゲタカの餌食のコピーなどせず、デザイナーが何か新しいものを生み出そうとしているのがありありと見え、非常に好感度が高い。実はこれをやる前に、その手のゲームをやって、そのまんまやんと非常に評判が悪かっただけに、皆がシステムに不備があるかなと感じつつも、全員が星の黒ねこに好意を寄せたのだ。

同人ゲームという事で許してしまえば、あまりにも惜しい。何かほんのちょっとシステムをいじるだけで、デザイナーの意図したゲームになるんじゃないかと思っている。例えば、猫駒はおじいさんのカードを加えずに移動するというのはどうだろう。おじいさんの出した猫カードはたとえ全員が同じ猫カードを出しても決して隣には来ないのが解っているので、隣プレイヤーに不要カードが出てくる訳だから、一人だけだと自分のところにやってくるケースを作ると上手く機能するかも知れない。

あるいはセットで出すことで猫移動に自分のカードはカウントしないという特殊カードを作ったりしてもいいかも知れない。もしくはもうちょっと単純にプレイヤー人数を調整すればこのままのルールで問題ないのかもしれないが数学的に考えるのは苦手なので、上記のルールが上手く機能するかどうかは解らない。
ただこのまま同人レベルで終わらせるのは非常に勿体ないシステムなのだ。是非チームきりたんぽにはここらへんを踏まえてルール改正を行って欲しいと思う。

同人ゲームを評価するのはR-Ecoに続いて2作目だが、システムに不備があるように感じるのだが、なんだか雰囲気の好きなゲームなので、つい取り上げてしまった。リビングデッドもまた理不尽だが面白いシステムのゲームなので、機会があれば取り上げたいと思っている。既に同人レベルではないカワサキファクトリーのように、チームきりたんぽも製品版を出せるようなレベルの高いゲームをいつか世に出すのではないだろうか。入手はもう無理だろうが、仔ブタ急便やバベル5もどんなプレイ感なのか気になるところだ。

作者たけださんから掲示板でルール間違いの指摘を受けた。どうやら、猫が移動するのは、黒猫と、縞猫のカードが出た場合であって、黒虎と黒鼠、縞虎と縞鼠では動かないらしい。あーー!! そっか。わしはてっきり黒と縞で分かれてると思ってたが、どうやらそれぞれ手元に1枚ずつしかないカードで移動するらしい。完全にルール間違いのため、後日再プレイ後、レビューし直したい。

というわけで正しいルールで3人で再戦

全く持って申し訳なし。以前書いた改善点は不要であった。
黒猫と縞猫だけで移動すると前に書いた奇妙なプレイ感はすっかり消えてなくなった。場所の有利不利も当然ない。ハゲタカのえじきの亜流として立体的な構造が加わった。
ただしカードの数字が全体的に低く抑えられているのとカードの種類が少ないのがプレイの選択肢の幅を狭めてしまったように思う。多人数やと、選択肢があまりに狭くて面白くないと思うので、プレイ人数を3〜4人にして、数字を倍にした方がいい気がする。今回は3人なのでアツいと言われた2デッキ持ちでプレイしたので余計にそう感じた。勝つためには読み合いとカウンティングが必要となってくるので、プレイ感は短いくせにやや重めだが、ほのぼのとした絵がそれを緩和してくれる。星がいっぱい集まったらほんまにキラキラしてて嬉しいのは変わらず。そして、なんつっても一番素晴らしいのは、2匹の猫はゲームの終わりには必ずおじいさんの元に戻ってくるという事だ。なるほどなあ。それをみて自分の前に猫が来るタイミングを計る事が出来る。

gioco del mondo