たくや

チームきりたんぽ(仮)

2〜4人
8分

バベル5

人はおごり高ぶった。
神の住む空へ届けとばかりに塔を建設し始めた。
神は怒り、その塔を破壊し、人々の言葉を変えて二度と結束が出来ないようにした。
その塔はバベル、乱れ、と名付けられた。

プレイ感

同人ゲームとしては出色のものをリリースし続けるチームきりたんぽの絶版ゲームで、ずっと欲しかったのだが、2009年再販される事になった。miaとの二人プレイにて。


1〜5のサイコロの目が描かれた塔がある。手番になると、サイコロ大2個とサイコロ小1個を振る。出目に従って塔にそのサイコロを載せなければいけない。同じ塔に載せる場合は一度に載せる事、片手で行う事、載せるサイコロ以外の物品に触れてはいけないというのがルールだ。

実はこの塔、載せる部分の面積が違い1〜5に従って広くなっている。5は広々としてるのだが、1はとがっているくらいの細い面積しかない。塔によって難易度が違うように出来ている。6の目はワイルドカードとなっており、好きな塔に載せる事が出来る。


手番には石材に見立てた大2個小1個のさいころを振る。で、出た目にあわせて、その塔にバランスよく載せるのだ。

塔を壊してしまうと、そのサイコロを受け取って失点となる。失点の計算はちょっと変わってて、大きな目の塔ほど失点が大きくなっている。最終的に全てのサイコロを使った時に、失点の少ないプレイヤーが勝ちだ。

こんな単純なルールなもんだから、ゲームはさくさくと進む。
サイコロを振って、載せる。それだけだ。


徐々にさいころが乗っかって行く。塔にはどのさいころの塔か一目で解るように、さいころの目が刻まれている。面積は数が多いほど広いが、崩したときの失点も高くなっている。


ここらへんはまだ序の口。

わし「うわあ、5もうやばい。無理ちゃう?」

mia「やってみる…」

わし「おおー! なんか重みで安定してるやんけ」

ものが小さいがアクションゲームとしての盛り上がりは十分である。
特に大きな目の塔は、壊すと失点がでかいが載せやすい為山積みになるのだ。


恐ろしい高さになってきた。

わし「よし、じゃ、1を」

がっしゃーん!

mia「1って厳しいね」

わし「3個載せるのが至難の業やな、ま、失点3やからええわ」

失点の計算は変わってて、塔の目から順番に降順にしていく。例えば4の塔で5個壊してしまった場合、4+3+2+1+1(後は何個あろうが全部1の失点)=11となる。その目にして手元に置いておく。今回は1の塔だったので1+1+1=3の失点で済む訳だ。

わしは1の塔がやばくなったら、即座に引き受ける事にする。載せるのが無理やと思ったら、その目にしたまま失点として引き受ける事が出来るのだ。ただし最低1個は載せるチャレンジをしなければならないので、やばい目だけ引き受けてしまえばいい。

おかげで1のサイコロが大量になる。かたやmiaは、サイコロの目が悪く、4を壊してしまい、大きな失点を受ける。

mia「ちぇ〜」


失点はこのようにさいころの目を向けておいておく。

しかしわしも笑っていられない。

わし「ぐわあ! しまったあ! 5を破壊してしもうたあ」

ダメージは甚大である。
このまま負けるかと思われた矢先…

mia「あー、またしてもやってしまった」

ラストを前にして失点を計算する。その差は僅か4点でわしがリード。

ここでわしは会心のぞろ目を出す。

わし「よっしゃあ! 全部ゾロや」

3個ともぞろ目の場合、手番はパスとなる。


会心のぞろ目! これが出たら資材置き場に戻して今回は何も載せなくてもいいのだ。

最後はmiaが全て載せてゲーム終了。そのままわしの勝利。

所要時間8分


最後はこんな感じで終わり。


失点を計算してわしの勝利!

お手軽でおもろいつうことでその後2回やって、2勝1敗でした。

miaのコメント

単純だけど面白い!神の怒りに触れそうなくらい積み上げたくなる。もう絶対ムリだと思っても積み上げたくなる。。

ソマーリオ

よくあるバランスゲームなんやけど、サイコロの目に着目してそれを積み上げるという独自の視点をもってまったく素晴らしい仕上がりになってる。

大小2種類のサイコロを使うところ、サイコロの目によって面積が違うところ、失点の違い、ぞろ目の処理、その全てが見事に洗練されてて、完璧な完成度を誇っている。
なんせ、サイコロ運と載せる実力が見事に調和している。サイコロ運がついていれば、ぞろ目で助かったり、小さい目ばかり出して失点が少なかったりして実力がなくとも勝てるのだ。実力勝負になりやすいバランスゲームではこういった運の要素をいかにして絡めるかが重要となってくる。

くまさん力持ちには運の要素が少なすぎた。傾いてるよ、傾いてるよ、オイにはしっかりとあった。そこに誰もが遊べる名作バランスゲームと普通のバランスゲームの違いが生まれるのだろう。(といってもジェンガなんかは運の要素はないのに名作やったりするが、これは手のアクション部分の難易度が低いためだろう)

コンポーネントは同人とは思えない質のバベルの塔駒といい、しっかりとした土台タイルといい、僅か8分程度で1ゲーム出来るお手軽さといい、準備の簡単さといい、ケチの付けようがない。同人ゲームとしてではなく、ラベンスバーガーに企画を持って行って小箱シリーズとして出せばいいと思う。そんじょそこらの小箱シリーズよりおもろいねんから、審査はあっという間にパスする筈だ。

ところでわしの買うたのはリメイク版で、前の版とバベルの塔駒が若干違うようだ。前の方が面積が広く感じるのだが、色々と修正してこの面積になったんやろか? まあ、新版の方がピーテル・ブリューゲルが描いたバベルの塔に近いフォルムをしている。


こちらが第一版。Play:gameより拝借。

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