Klaus Teuber

Gold Sieber

2〜4人
45分

エントデッカー

おーい、島が見えるぞ!
新発見の時代にいらっしゃい。果てのない海があなたの前に広がっています。
そこでは、いったい何があなたを待ち受けているのでしょうか。小さな島でしょうか、大きな島でしょうか、たくさんの財宝でしょうか。

プレイ感

かなり昔のゲームだが、最近レビューしたミシシッピークイーンと共にボードゲーム黎明期にエポックから出したことがある。が、実はこれ、初代のエントデッカーではなく少し改良を加えたバージョンであった。その改良があまり評判が良くなかった。今回のレビューは初代バージョンである。
エントデッカーは、その後ドイツゲーム大賞をとったカルカソンヌの元となったゲームだ。

前置きが長くなったが、スーパーファミコンの大航海時代2を久々にやってたら7歳のコタに取り上げられてそのままはまってしまったので、テーマが同じエントデッカーをmiaと3人でやってみることにした。


まず手番トッププレイヤーが、ルーレットを回して全員の今回の収入を決める。

手番プレイヤーが、船駒を受け取り、航路上におく。最初はボードの外側にしかないが、進展していくとタイル上にもおける。
それから今回の航海にいくら費用をつかうかを宣言する。例えば3ゴールド支払うと言えば、タイルを順番に3枚まで引けるのだ。

タイルは1枚ずつ引き、船の航路上におけるなら必ず配置しなければならない。もし整合性がとれなくておけない場合はタイルを廃棄する。それから船駒をそのタイルに移動させて次のタイルを引くか、探検隊を送るかを決める。



○印の上に船をおいて航海していく。最初は外洋から発見したい場所を航海していくのだ。右下に見えるのが収入に使うルーレットで、昔のスクールパンチのようだ。ドイツゲームでは珍しい。その上にちょっと見にくいが自分の現在の持ち金が表示されているタイルがみえる。

陸地に探検隊を送ることにしたら、その探検隊の規模に応じてお金を支払って手番終了だ。

手番最後に、カルカソンヌのように陸地が完成したら、得点計算を行う。得点はタイルの枚数だ。探検隊に砦以上がいれば、さらにボーナスの発見タイルをめくりその得点を加える。
プレイヤーが置いた探検隊の規模に応じて、トップは丸々、2番手はその半分、3番手はその半分という風に得点をえる。


このように陸地が確定したら得点を貰う。これは2個で成り立っているので2点だ。ちなみにこの発見タイルのめくりは間違いなので気にしないでw

こうして地図が完成したらゲーム終了。ボーナス点として、発見タイルが一番多いプレイヤーはその枚数分の得点を加えて、合計点が一番高いプレイヤーが勝ちである。

最初は、何もない地図なので、大海原から進入する。

わし「航海になんぼ払う?」

コタ「うーん、2かな」

というわけで最初に1枚めくる。タイルは5つの山に分けておき、その好きな山から取れるのだが、ここに少し仕掛けがあって、?マークが付いてるタイルがある。このタイルは海賊が出たり、嵐にあったり、遺跡を発見したり、原住民とあったりと、イベントが隠されている。


タイルは適当に5つの山にしておき、好きな山からめくる。?マークはイベントがあるタイルであえてこれを選ぶのもありだ。
数字の書いてあるタイルは真ん中があくなど、地形がそれしかおけない場合に使うタイルで、表向けにしといた方が解りやすいかも。6種類で全てのニーズが満たせる。

最初に1枚ひき、配置。船をそのタイルの上に動かす。

ここで陸地が出た。

わし「ここで探検隊を送り込めば、手番終了やけど、どうする?」

というわけで、偵察隊を送り込んで手番終了。この場合、1ゴールドは損になるが、海原タイルだけやと手番がまったく無駄になってしまうのでリスクヘッジとなっている。
中盤以降になれば、相手の探検隊を送り込まれる前に陸地を完成させたいという戦術的な理由で大量の探検費用を突っ込む場合もある。そこがこのゲームのおもろいところだ。


当初はみなそれぞれの航路からやっていたが途中から様相は変わってくる。ちなみに偵察隊駒だけはいつでも手元に戻す事ができる。

とまあ、こんな感じで進めていく。陸地の完成得点は探検隊を送ってからなので、カルカソンヌのリップ都市が出来る時に、さっと探検隊を送ると良い。

わし「よし、じゃあ、ここで砦を作る」

探検隊は、偵察隊1ゴールド、砦3ゴールド、開拓地6ゴールドとなっており、先に書いたように砦以上がおかれていれば、発見タイルをめくることができる。

わし「メロン発見!」

発見タイルは陸地の基礎点をあげる効果があるのだ。もちろん他プレイヤーが絡んでも価値があがるので全員が恩恵を受けることになるのだが、実はこの発見タイルを入手するかがこのゲームのキモであったりする。


砦以上の駒があれば、発見タイルをめくれる。この場合だとタイル3枚+2点で合計5点となる。

コタ「じゃあ、?タイルをやってみる」

遺跡発見。+3点

わし「おお、まじか。わしも?タイルを引くか」

敵対的な原住民。

(|| ゜Д゜)ガーン!!

あきお船長「皆殺しにして、金を全部奪ってしまえ」

その他にも海賊がでたりと、どうもわしは?マークとは相性が悪かった。


このように真ん中があくとどんなタイルが入るかが決まるので数字のタイルで埋める。ところどころ海賊やら原住民やら遺跡のマークタイルが見える。ここはどうやら集中しているようだ。

中盤以降は、細かく得点を積み重ねるコタに対して

わし「ここ、繋がってる可能性があるな。よし、砦じゃ」

mia「ちょっと!! 何すんのよ」

とカルカソンヌおなじみ、相手の陸地と実は繋がってた作戦が展開される。

miaも負けじと、閉じさせようとするがなかなか上手くいかず、当然

mia「じゃ、わたしもここに開拓地を」

なぬぅ。


よっしゃ、とうとうmiaの最初に開拓していた島とわしの島は同じ島であることが解った。大陸だ。

こういう争奪戦を繰り返すと潤沢だった資金が乏しくなってくる。資金調達ルーレットが重要だ。

わし「4でろ、4でろ」

2

_| ̄|○

陸地が完全に繋がり、大陸であることが解る。
でかい。
なけなしのお金をかけながら、まるで米ソ冷戦時代のように力と力の勝負。

あと1枚で大陸が完成する。
現在、miaが開拓地1、砦1、偵察隊1に対して、わしは砦2、偵察隊1という不利な状況。開拓地を立てる事が出来れば勝てるのだがわしの手元にはお金が7しかない。つまり航海に使えるお金は1ゴールドという状態だった。

わし「こい……」

キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!


きた!! すぐに開拓地をおく。さらにとうもろこし4点という鬼引き。こりゃあ勝ったな。

まさかのワンチャンで大陸が完成。

mia「あーーーー!!! くっそー」

さらに発見ボーナスも最高のとうもろこし4点という、まさにアメリカーンで新大陸発見な感じである。
カルカソンヌと違い、2位も半分貰えるのでダメージはちょっとだけ少ない。

こうして最期は、左隅の余っているところを埋めて、ゲーム終了。
最期のところは海原だけで浪漫がなかったけど。

さて発見タイルボーナスを加える。小さな島を発見しまくったコタがぶっちぎりのトップでそのまま6点入る。

この得点が非常に高くて、コタ勝利。

所要時間50分


これが最終。ゲームをやってた時は大興奮してたが、客観的にみるとなんちゃら諸島みたいなイメージだった。

コタのコメント

すっごい楽しかった!!

ソマーリオ

客観的にみたできあがりの地図は、どうみても細かい島がいっぱいある南洋諸島という感じで浪漫の欠片がないのだが、人間の想像力は大したものでゲームをやってると、大冒険浪漫が脳内で展開される。
途中で敵対的な原住民とあったり、タバコを発見したりと、ルールはシンプルながら、ここまで発見をテーマにした大航海時代を再現したゲームは希有だと思う。

カルカソンヌよりも手順が細かいので煩わしいと思う人もいるかも知れないが、浪漫を感じさせるという点であれば、圧倒的にエントデッカーだ。
地図に限界のないカルカソンヌの面白さを認めつつも、エントデッカーの方がわしは好きである。

中間に穴が空いた配置も、6種類ある特殊タイルでさっと埋めるルールがあるので、カルカソンヌのようなどうにもこうにもみたいな状況がおきないのは素晴らしいの一言。
しかもプレイ時間は僅か50分程度だ。

ルールはシンプルで文句なしなのだが、ひとつだけ気になるところがあるとしたら発見タイルボーナスがトップしか手に入らないため、ここで勝敗が決まってしまうところかも。ここは2位以下も手持ち発見タイルの半分くらいはあった方が良かったかも知れない。

ニューエントデッカーは、その発見タイルの入手方法や資金の調達が個人ごとに変更されているようで、冗長という話もありシンプルとは言えない感じがする。ま、やったことないのでどっちが良いかは解らんけど。

ニューエントデッカーでさえ古いゲームであり、入手難易度が高いが、NGOあたりがこそっと再版してくれたりすると良いかもしれない。

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