Kai Haferkamp

KOSMOS

2〜4人
15分

小さいおばけ

このふくろう城には、昔から小さいおばけが住んでいます。

小さいおばけは夜の12時になると、箱から起きてふわふわと遊びに出掛けるのです。
トルステンゾン将軍を懲らしめにいくのでしょうか? それともみみずくのシューフーと楽しいお話をするのでしょうか?

いずれにせよ、13個ある魔法の鍵束をさっと振れば、どんな扉でも開いてしまうのです。小さいおばけはこの鍵束を気に入っているのです。



プレイ感

あまりにも可愛くて衝動買いした、2005年度ドイツ子供ゲーム大賞受賞作。

このゲームはドイツの有名な童話作家オトフリート・プロイスラーの書いた小さいおばけをテーマにしている。より深くテーマを知りたいわしは早速アマゾンにて購入した。メビウスがタイトルを『小さなオバケ』と変えたのは非常に残念である。おそらく著作権の問題を避けたのだろうと思う。ジョーコデルモンドでは原作通り小さいおばけと表記する。
BBに見せると、すぐにもやりたい感じ。つうわけで二人プレイにて。


時計が12時を指している。
小さいおばけが訪ねなければならないのは、椅子のあるところである。


深夜12時はおばけ時間。夜おばけが箱からむっくりと起き出してうろうろするのだ。小さいおばけの左手には13個ついた魔法の鍵束がある。これは磁石になっててどんな扉も一振りするだけで開いてしまうのだ。ちなみに時計は長針である。おばけ時間は1時で終わりなのだ。短針は箱に刻まれてる。

BB「最初は分からんから適当に。……はい、終わり」

おばけの訪ねる場所が変わる。

わし「これって、失敗しても訪ねる場所が変わってったらなかなか探されへんのとちゃうか」

ルール間違いかなと最初は思った。


こんな感じでどんな扉も開けてしまう。ミミズクのシューフーが見えたが、訪ねる所はフクロウヤマの城下町でした。失敗。これはダイヤルになっていて、ぐるっと時計を動かすと12時の下にある訪問先の絵が変わる仕掛けとなっている。

ところが3巡4巡しているうちに、
BB「これはここかな? やった!」

ぐるぐる回っているうちに場所を覚えていったのだ。

BB「あ、鍵はこっちや」

こうなると連発である。大体の場所は何度か回ってるうちに見ているのだ。

わし「さ、大砲の玉を転がせや」

当てた数だけフクロウ城の博物館で玉転がしをして遊ぶ。

わし「ほんまは10数える間やけど、大人やし、5にしよか。いーち、にぃー、さーん……」

BB「わ、わ、わ、入らん」

わし「ごぉー、終わり!」

BB「ちぇ、1個だけかあ」

この大砲の玉を8個先にいれるか、一気に6つの場所を訪問すれば勝ちなのだ。


上蓋は博物館となっている。小さいおばけがここで大砲の玉を転がして遊ぶのだ。

わし「じゃ、わしも2個ね」
BB「1、2、3、4、5! 終わり」
わし「しばくど! 早いんじゃ!」

とまあ、前半はそれで良かった。

後半から記憶力の無さが露呈してくる。
わし「ここかな? って、ここ鍵やったわ。。」

……

わし「椅子か、どこやったかなあ……ここや! って鍵やんけ!!」

BB「笑える。さっきから同じとこばっかり開けてるわ」

わし「うっさいな。トルステンゾン将軍か。ここやったかな? 鍵……_| ̄|○」

BB「わはは。じゃ、私の番ね。これは、ここ。当たり。時計を回してと、これは、ここね。当たり。また時計を回してと、ああ、どこやったかな、……ここ? 当った!」

と次々にあてて、時間はもう深夜12時半である。このゲームがただの記憶力ゲームと違うのは同じ絵柄は再び出てくるというところ。つまり全ての場所を覚えておく必要はなく、一連の繋がりを覚えているだけで勝てるのだ。何度も同じ絵で得点可能だ。

BB「やったー。勝ったー!」

所要時間15分


見事深夜12時半に全て訪問した小さいおばけは満足そう。

リベンジ戦では、もっと記憶が酷いことになって惨敗したとさ。

BBのコメント

なんか記憶力落ちたわ。昔は神経衰弱好きやったのに。でも、笑える。またあそこ開けるでって思ってたらほんまに開けるもんな。それがおかしいのなんのって。このゲーム10回やったら10回勝つ自信あるわ。にしても、このおばけ可愛いわあ。

ソマーリオ

なんで子供ゲームって記憶力ゲームばっかりなんかのう。
年食うたら記憶力が弱るとか言うけど、わしゃ昔からこんな感じやからな。
なんで同じところばかり開けるかと言うと、

うーん、どこやったかな。
前に開けたとこあけたらしゃあないしなあ。
あ、こんなとこ、ちょっと捻ってて開けへんで。
(|| ゜Д゜)ガーン!!
また同じとこ開けてもうた。

とまあ、こんなメメントな現象を何度も起こしてしまうのである。
本人は奇をてらってるつもりなのだが、毎回同じ奇のてらい方なので、同じところを開ける。

ある意味これは凄い。

しかし二人でやってみて感じたのは、二人共開け方に癖があり、まったく開けてないところも存在した。(おそらく大砲の玉転がしとうアクションを加える事で記憶を飛ばせるという意図があるのだろう)

ゲームにならないのであまり好きなタイプではないが、BBが気に入ってるので、今度は大砲の玉4個にしてハンデくれと言うたら、玉入れるのん上手いから大丈夫ちゃう? と言われた。

分かってへんな、2回目、BBが8個いれた時、わしは1個しか入れてへんかってんぞ!

とまあこんな感じで終わったのだが、日をあらためてリベンジした。(まあ、ほぼ完璧なメモリーゲームなので、オバケだぞ〜の方が私的には楽しめるかな)

わしの記憶力は確かにない。そこで一計を案じた。小さいおばけを読み、意味づけをした。そして、当日、くだらない事をしゃべらずに、戦った。結果、見事、6連続の訪問を達成して勝利!

二回目に気付いた事がある。扉は13個あるのに、訪問先は12個しかないのだ。なんで?? とないのを調べてみると、小さいおばけが寝る箱だった。ヴァリアントルールで13個めの箱でお休みするのですって書いてる意味がこれでようやく分かった。なるほどなあ。上手いこと出来てるわ。

ちなみに小さいおばけを読んで、あまりの物語の巧さに(最近、翻訳モノは文章が下手すぎて読めないのだが、これは元がいいのだろう)すっかり感心してしまった。子供に対する教訓もあり、素晴らしい物語である。オトフリートプロイスラーの虜になってしまったわしは追加でホッツェンプロッツ3冊とクラバートを購入してしまった。

その後、大どろぼうホッツェンプロッツは同じハーファーカンプによって小箱ながらゲーム化された。


gioco del mondo