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Adam P. McIver
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KOI games
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2人用
5分
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コインエイジ
駿河屋で購入
コインエイジは2人用のゲームです。
地図カード1枚と同梱のコインだけで遊ぶことができます。
両プレイヤーは各手番中ルールに従ってコインを振り、地図上に配置していきます。
各マスの支配は何度もくつがえり、最終的により価値のあるマスを支配できたかで勝敗が決まります。
プレイ感
キックスターターで3ドルで募集されてたゲームが、パッケージとなって日本語版としてでた。キックスターターの時は僅かカード1枚とルールという形だったが、ルールを読むと非常に面白そうで出資しようと思ってたのだがいつの間にか忘れてしまい、終わってた。というわけで今回のパッケージは非常に嬉しい。手軽に出来そうなので、miaと久しぶりに夜中に起きてやってみた。
4種類の大きさの厚紙コインをそれぞれ特大1、大2、中3、小4個ずつ持つ。これは元々アメリカのセント硬貨だったのを利用したゲームだったのだ。つまりクオーター、ニッケル、ペニー、ダイムを使っていた。セントは何故か10セントが一番小さいという訳の分からない仕様である。
まあ、そんな話はどうでもよく、わざわざ硬貨を用意する必要はなく、最初から付いているのはありがたい。
自分の勢力がコインの表か裏を決める。ちなみに表は表王国で、裏は裏共和国らしい。
コインを均等に半分ずつ分けたらちょうど良い。ボードはカード1枚サイズ。わしが表でmiaが裏である。
で、手番に種類の違うコインを1枚ずつ持ち(つまり最初は4枚)じゃらじゃらと手の中で振ってからテーブルにポロリと落とす。自分の面が出ている数で行えるアクションが下のように決まる。コインの配置は自分の面が出ているコインを使うことと、上に重ねる場合は、出ているコインより小さい必要がある。つまり4の上に1は置けるが、逆は出来ないという事。またアクションは行わなくても良い。
0.ボードの一番上にあるコインを1枚回収 & 1つの山を隣に移動させる
1.コインをボードに配置 & 1つの山を隣に移動させる
2.コインを2枚ボードに配置
3.コインを2枚ボードに配置
4.コインを2枚ボードに配置 or コインを3枚ボードに配置して残りの1枚を相手にあげる
コインをこのように振る。今回は表が3枚でたので、表になってるコインを2枚ボードに配置できるわけだ。
こうやって交互に手番を行い、マスが全て埋まるか、どちらかの手元のコインがなくなればゲーム終了。
各マスで一番上のコインのプレイヤーが、そのコインの数字だけの勝利点を得る。さらにエリアボーナスとして色分けされたエリアで支配マスの多いプレイヤーは倍額貰える。それらの合計点と手元のコインの枚数を足して勝敗を決める。
わし「ほんじゃま、わしからやるで」
じゃらじゃら、ぽとん
当初、コインをピンと弾くのかと思ったが、手の中で空間を作って、混ぜてぽとりと落とすだけ。あちこちに飛び回らずとても良い感じ。
表は金色、裏は銀色なので視認性はとても良い。本物のコインでやったら解りにくいかも。
あっちゅうまに終盤。コインは重ねてもよいが、数字はより小さい数字でないといけない。
ルールは簡単だが、陣取りの要素はなかなか濃厚である。
わしは1マスだけで1エリアを支配できるマスに1を置いた。1のコインを置いてしまえば、移動させられるか、回収されるまでは置いておく事ができる。ただし最終的にエリアボーナスが付いたとしても2点にしかならない。
つまりここはそれほど熱くならず2点手に入るだろうという作戦である。
コインは常に上書き上書きでやっていくが、このゲームのキモはなんといってもエリアボーナスである。エリアボーナスがあるからこそ、ゲームが動くように出来ている。
上書きの面白いところは、コインを1つ回収アクションである。このアクションはかなり強く、相手のコインをとりされば、自分の手元にコインが増えるわ、下の自分のコインがさらに勝利点をあげて(取り除いたらその下のコインは当然高いのが置かれている)くれるわで、一石二鳥なのだ。
ゲームをやる前にいくつかネット上の意見を読んだが、コインが1しかなくなると、確率2分の1でコイン回収アクションがおきるので、泥仕合に成りやすいとの事だった。
しかし今回、miaとやったケースでは、そういった事も起きずにmiaが最後にマス目を埋めて勝利した。
所要時間5分
最後はmiaが2マス埋めて勝利。
残ったコインはこんな感じ。
これは簡単で面白いという事と、泥仕合になるかを調べてみたかったので、マップを変えて再戦。このゲームではマップが4種類付いてるのだ。
で、2回目もまた泥仕合になる前にわしがマス目を埋めて勝利。最後にマス目を埋めたプレイヤーが勝つと断言しておく。負けを確定させて埋める人はおらんからw
別のボードで再戦。
miaのコメント
久々にゲームやったけど、やるともっとやりたくなる。非常に軽くて面白かった。手の中でじゃらじゃらするのも楽しい。
ソマーリオ
今回はあっさりと終わってしまったので終了間際の泥仕合について検証は出来んかったけど、簡単なルールでたったの5分間で陣取りゲームの要素がしっかりと詰まっているのには驚いた。
いや、驚いた訳ではなく、ルールを読んで、「これは絶対におもろいぞ」と思ってたのを、再確認したに過ぎない。
相手のコインの上に置くことで陣地を奪う事はできるが、勝利点は小さくなる。また強いコインほど勝利点が小さい。ドイツゲームのお手本のようなシステムである。それにオセロのような回収アクションのおかげで、どんでん返しも起こりえる。
運の要素もたっぷりあることから、負けたとしても「もう1回!」となるのだ。
また手の中でじゃらじゃらとするのもアナログならではのポイントをしっかり抑えてて楽しい。
たった5分で終わるのだが、陣取りゲームの満足度がしっかりと味わえる傑作である。
ここまで短く楽しいゲームならば、ちょっとだけ追加要素をたして、地政学ゲームにできないかとさえ思ってしまった。8分帝国が20分掛かるが、コインエイジならほんまに8分のゲームが出来る筈だ。スピード感は失われるが、追加ルールで考えてみるのは面白いだろう。
短い時間で出来る陣取りゲームとして比較してみると、ありきたりな8分帝国のシステムに比べてコインエイジには素晴らしい煌めきを感じる事ができる。
いくらルールを絞ったところで、得てして時間が掛かってしまう陣取りゲームをこんなにシンプルにして、短時間で終わらせるアイデアは凄いとしか言いようがない。そして濃厚だ。
KOIゲームとして安価な小箱シリーズが4種類出ているが、今後のラインナップにも期待したい。
シリーズイメージとしては500円ゲームズに似ているが、このコインエイジもラブレターと同等のミニマリズムの最高峰と評価が与えられてもおかしくないだろう。