Klaus Teuber

KOSMOS
GP

2〜4人用
120分

カタン 宇宙開拓者


カタンは発展を続け、ついに開拓の舞台は宇宙へ。
1999年に発売され絶版となっていた、ファン待望のアイテム「カタン 宇宙開拓者版」
宇宙船に乗り、遠くの惑星へと旅立ちます。途中には、様々な惑星が現れ、拠点を増やして、宇宙の奥へと開拓を進めていきます。

このゲームの魅力は、各コンポーネントに描かれた美しいイラストに加え、リアルな宇宙船です。
様々な装備を加えて宇宙船を強化することで、見た目のワクワクも増えていきます。

また、宇宙人と遭遇するもの、このゲームを盛り上げるポイントの1つ。
裏切られたり、援助を受けたりと様々なイベントが含まれています。
さあ、みんなで宇宙への旅に出かけましょう。

プレイ感

カタンの宇宙開拓者は今から20年前に発売されたが、2019年になって復刻された。宇宙船のガジェット感がたまらないモノだったが、B級SF分科会の長時間ゲームで間延びするみたいなレビューを読んで価格の問題もあり、別におすすめしていたカタンの宇宙船を購入した思い出がある。
というわけで当初は買うつもりはなかったが、というよりカタンの亜種は基本的にあんまりおもろなかったというのもあったのだが、GP社のTwitterリツイートによるハロー効果により買うてしまった。
コタ9歳、miaとの3人プレイにて。


最初はお勧めの配置で行うように推奨されてたので、そのとおりに配置する。なれてくると惑星のタイルをランダムに配置すると良いが、裏面に星1つと星2つによって遠いところと近いところという配置があるようだ。強い宇宙人を遠くにするという効果がある。また惑星の上に載せる数字タイルは裏向けに配置する。

セットアップは結構時間が掛かる。各自の宇宙船に規定の色玉を入れておく。これは宇宙船を移動力を決めるサイコロみたいなもんだ。
それから各材料を8枚ずつとり、それをまとめてシャッフルして供給札とする。


ボードは3つのヘクスに穴が空いており、そこに惑星系のタイルをはめ込むように出来ている。これで配置を変えられる訳だ。またボイド空間のようになにもない空間タイルもあって、これらを組み合わせてボードを作る。数字タイルは、完全にランダムだとバランスがおかしくなるため、裏面に微妙に違った模様が描かれており、惑星の模様と一致させて置く。

素カタンと違うところを書いたほうが良いかもしれない。
最初の材料は、自分の基地のある惑星の資源からではなく、供給札からランダムに3枚ずつ配る。
惑星タイルに載っている数字タイルは、惑星の軌道上に誰かがたどり着いたら、すべてめくる。これはもちろんカタンの資源の目である。ただし、7が出ても盗賊はでない代わりに、誰からでも1枚資源を奪う。さらに7を出した以外のプレイヤーは供給札から1枚ずつ貰えるので、取られた人以外は資源が1枚ずつ増えることになる。8枚以上あったら半分ほかすルールは同じだ。


宇宙船は、コロニーや貿易ステーションと組み合わせることで用途が変わる。

サイコロを振って全員がその目の資源を貰えるのだが、手番プレイヤーは追加で、自分の勝利点によって供給札から0枚から2枚まで資源を貰うことができる。得点が高いと0枚になる弱者救済システムとなっている。供給札はこうしてかなり使用頻度が高いので、枯渇することが多いが、その場合は、また8枚ずつ取ってシャッフルして作り直すことになる。

同じ資源を3枚で好きな1枚と交換できるが、資源の交易品だけは2枚で交換できるのでお得である。
都市の代わりとなる宇宙港は、資源を2枚貰うことはできないが、こいつの隣に宇宙船駒を置くことができる。

手番に宇宙船駒の移動フェーズがある。ガジェット宇宙船を振ると、下に2個色玉が見える。青1黄2赤3と特別な目の黒がある。これを組み合わせて宇宙船駒の移動力がきまる。自分の持つすべての宇宙船駒は、これの数だけヘクスの角をマス目として移動することができる。街道は繋げる必要があったが、宇宙船駒で移動した先に開拓地を立てるイメージだ。黒がでたら、他の色関係なく3マス進めるが、その前に遭遇カードを引いてこれを解決する必要がある。


最初はおすすめのボード設定にした。ここから人類の宇宙開拓の歴史が始まる。巨大な宇宙船のロケット噴出孔をみると色玉が見える。これが常に2個みえるようになっており、この宇宙船を振ることで、サイコロの役割も果たすのだ。

宇宙船駒は2種類建造できる。コロニー(素カタンの開拓地)を作る移民船と、宇宙人と交易するための船だ。それぞれ目的地が違い、移民船は資源のでる惑星、交易船は宇宙ステーションを目指す。一旦コロニーにしてしまえば、もう移民船にすることはできず、サイコロの目で資源カードが貰えるようになる。交易船は宇宙ステーションタイルの真ん中にたどり着けば、その宇宙人と交易を開始したことになり、特殊効果を持つ宇宙人友好タイルの好きな1枚を貰うことができる。発展カードの代わりと思えば良い。またその宇宙ステーションへの交易ステーションが最も多いプレイヤーに宇宙人親善駒が貰える。これは勝利点2もある。最長交易路と最大騎士力の代わりだ。

さて巨大なガジェットの宇宙船だが、武器、ブースター、船倉と強化することができる。このカタンは、資源カードで手に入れるものが数多くあるのだ。武器は、宇宙海賊と遭遇が置きた時に役立つ。ブースターは1個毎に追加の1移動力を手に入れる。船倉は宇宙ステーションに交易ステーションを置く時に必要だ。

こうして15勝利点を得たプレイヤーが勝ちである。ちなみにコロニー1点、宇宙港2点である。その他に遭遇等で活躍した時に貰えるハーフメダルが2枚で1点、宇宙人親善駒は2点だ。

サイコロを振って資源カードを貰うのは同じなのだが、それよりも弱者救済のカードにより、あんまり資源の場所って関係がない。カタンって資源貰えるのって貰えるかもらえないかがほとんどで、序盤、貰ったとしても2枚貰えると多い印象だ。それが毎回2枚、何の資源かは解らず入ってくるのだから、イメージがつかめると思う。

わし「やっぱ最初は移動力が必要よなあ」

宇宙船を振ってでても3とか4マスくらいしか進めない。恒久的に追加移動力をつけるにはブースターをつけるべき。

わし「というわけで、燃料2枚使ってブースター強化」

コタ「ぼくも」

mia「わたしも」

と、燃料大人気。こうした付属パーツは5個か6個までつけることができる。


ヘクスの頂点から頂点へ辺に沿って移動させる。惑星系にたどり着いた時点で、数字タイルをめくり、まだ移動力が残っていれば続けて移動できる。4とみえるのは海賊の基地で、武器が4以上でないと植民できない惑星である。取り除けたら、普通の数字タイルと交換する。

次に欲しくなるのはなんといっても武器である。
フルチンでニューヨークのハーレムに飛び込んだら、どう考えてもやばいだろう。いや別の意味でやばかったので例えが悪かった。
宇宙にでたら、宇宙海賊ってのが絶対にでてくるはずだ。宇宙とはそういうもんだ。それを撃退できるのは武装のみ。

そこから武装強化とブースター強化が大人気となった。

コタ「あ、黒がでた」

遭遇である。遭遇はカードを右隣の人が読み上げて、どうするかをプレイヤーが判断する。

わし「流浪種族の宇宙船と遭遇した。銀河中から尊敬されるこの種族はあなたに寄付を依頼した。資源を何枚贈りますか?0枚から3枚」

といった風に選択肢が与えられる。

コタ「じゃあ、1枚渡す」

遭遇カードはフローチャートになってて、その結果が分かるのだ。

わし「流浪種族の祝福を受けた。ハーフメダル1枚を獲得」

この遭遇でわしも宇宙海賊を撃破し、ハーフメダルをゲット。


遭遇はちょっとしたTRPGになっている。このようにフローチャートになっており、プレイヤーの選択肢で内容が変わるのだ。

続いたコタの遭遇では

わし「宇宙海賊が取引を持ちかけてきた。資源を1枚貰えれば、好きな資源と交換するという。どうする?」

コタ「やる」

わし「宇宙船を振って、数を教えて」

というのもある。

宇宙パトロール「おい、お前、海賊と何を取引しとるんや。密輸品やんけ!!」

と、宇宙パトロールに闇取引を見つかり、ハーフメダルを没収されてしまった。

わし「おもろいやん!」

miaは、宇宙ステーションが最も近く、交易ステーションを配置。当然、最多なので、親善駒をもらい、好きな効果の友好カードを貰う。

mia「あんまり強くないな」

わしも宇宙人と交易がしたくて、少し遠乗りして別の宇宙ステーションへ向かう。きちんと船倉を追加しておいた。

で、到着して、カードをみるとなかなかに良さそう。わしの惑星開発状況からみるに、交易品カードが手に入れやすいので、これを手に入れる場合、2倍貰えるという効果にする。宇宙人の種族によって効果に差があるのだ。さらにいうと、宇宙人の絵柄は全員違い、名前も違うという凝った作りとなっている。

この2点が殊の外大きく、毎回2枚貰えるカードが1枚に減ってしまった。
miaも追い付いてきた。

しかしその頃、コタは、ひたすらに自分の宇宙船の改造につとめており、勝利点はまったく伸びていない。
宇宙船は完全武装を施している。

わし「わしも武装強化しよう」

なんつっても、遭遇カードで戦う相手は、隣のプレイヤーなのだ。隣が武器を強化したら自分も強化しとかんとやばい。

コタ「これ何?」

惑星の数字タイルをめくると、2種類、へんなタイルがある。
ひとつは、宇宙海賊の基地で、この数字以上の武器を持てば退治できる。退治すると勝利点1手に入り、代わりの数字タイルを置く。
もうひとつは、氷惑星で、この数字以上の船倉を持てば地球化できる。その他は海賊退治と同じ。
ちなみにこの数字タイルは別途分けられてあり、大きめの数字が用意されている。

コタ「あ、じゃあ、この海賊退治するね!」

わしは交易品が倍貰える宇宙人のおかげで、手札はかなり潤沢になった。
そしてとうとうあの遭遇が起きた。

コタ「ブラックホールの近くに巻き込まれた。ワープを試みますか?」

わし「やるやる」

コタ「左隣と移動力勝負」

わし「勝った!」

コタ「自分の船を1つ選び、ワープを実行できる」

わし「ワープってなに?」

説明書を読んでみても出てこない。もう1冊ついているアルマナックという本を開く。
好きなマスに移動できるとあった。
ちなみにこの本は、用語集とか、宇宙人の種族などの背景などが書かれている。じっくり読んでおくとよりカタンの世界に没入しやすくなる。

わし「うぉお、まじか。じゃあ、この交易船を遠くの……」

ちょうまてよ。これ、ひょっとして

わし「やめた。移民船をここにワープさせて、コロニーにする」

遠いところに移動させた。

それから次のターンに宇宙港へアップグレードさせる。

外宇宙に橋頭堡ができた。ここからなんぼでも開拓や、上級宇宙人と交易できる。

mia「何それ!」

新たな宇宙人の交易を開始。、なんと宇宙人親善だけで勝利点6も得た。これで勝利点12で残り3点となった。


黄色のコロニーだけが深宇宙に建っている。これはワープ航法のおかげだ。これで深宇宙の宇宙人と交流を結びまくった。
ちょっと写真が遠くて申し訳ないが、宇宙人との交易ステーションは5駒おけるようになっている。例えば左下のピンク色は2駒おいているので、2枚の宇宙人カードを貰っている。
ボード下が勝利点を示すマスで、コタの赤色がいまだ7点である。ここに毎ラウンドもらえる資源が描かれている。10勝利点以上は0枚となる。

そして選んだ宇宙人は、手番毎に交易品カードを渡すことで勝利点が1点入る。さすがに外宇宙の宇宙人である。パワーが違う。

というわけで、手番ごとに1点を追加していき15点到達。

わし「勝った」


最終。3つの親善駒で6勝利点もある。

コタ「みてみて、僕の宇宙船。もうちょっとで完全強化だよ」

目的違うし。。

所要時間100分


コタが自慢げにみせた宇宙船。こればかりやってたので勝利点が低すぎた。

コタのコメント

楽しい。遭遇カードが特に楽しい。宇宙船を強化するのも面白い。

miaのコメント

面白かった。ちょっと残念なのは後半少しやれることが少なくなってだれる。

ソマーリオ

最初の版の冗長であるという感想と3時間コースという話もあって覚悟していたが、全然そんなことはなく、だれかけるちょっと前に終えた。しかし時間があまりにも違いすぎるので、ルールを改定したのかもと調べてみた。ちょっと出てきたところでは、貰える供給カード数が違うというところだった。まあ、1枚増えるのと2枚増えるのとでは最初の発展スピードが全然違うだろう。

さてそのせいで、カタン特有の「この資源が欲しいからこの惑星が欲しい」というのが非常に希薄になってしまった。なんせランダムに(初期は)資源が2枚ずつ入るのだから、サイコロや土地の力というのが非常に弱くなってしまったのだ。勝利点を除けば惑星への移住がちょっとした付加価値程度になってしまっている。

資源カードのトレードはほとんどなくなってしまった。カタンでは人とのトレードは重要な要素であったが、これまた上記の理由でそんなにする必要がないのだ。もうひとつの理由は、初期に必要となるであろう燃料なんかは、誰もが欲しいカードなので、トレードに出てこない。

カタンのシステムは踏襲しているが、そのウエイトが大きく変わっており、カタンのプレイ感とは全く違うソロプレイ感の強いゲームとなっている。

一昔前はソロプレイというと悪い意味で使われていたが、最近ではむしろ良い意味にも使われることが多くなってきた。テレビゲームしかやらなかったプレイヤーがボードゲームを遊びはじめてきてソロプレイは出来たほうがありがたいようだ。
このカタンは、惑星探査と宇宙人との交流という主眼で作られているので、相手はプレイヤーではなく広大な宇宙であるべきなのだ。

そういった意味で、このゲームはとても良くできている。プレイヤーは惑星に近づくまでどういった惑星かは解らない。宇宙海賊がいるかも知れないし、肥沃な惑星かも知れないし、氷の惑星かも知れない。当然、宇宙船にすべての機能を積むには時間が足りず、諦めなければならない時も多いだろう。

またなんといっても、まるでTRPGやゲームブックのような遭遇カードが、プレイヤーの想像力をさらに掻き立てる。選択肢がいくつかあり、その選択によって、結果が違ってくるのはドイツゲームでは見られなかった手法だ。すべての責任はプレイヤーに委ねられる。このカード遭遇はほんまに楽しい。コタなんかは、他人の番であってもわざわざ、カードを見に来るくらい好きだ。

そしてこういった宇宙版の大航海時代ともいうべきシステムを受け止めるのが、巨大なガジェット宇宙船である。独自で移動力ダイスになるばかりでなく、強化していくことが出来るってのは、もうこの手のものが好きな人にはたまらない玩具であろう。
見た目にも巨大で、強化パーツが目に見えて増えていく姿を見るだけで、ワクワクがとまらない。
前の版では宇宙船が壊れやすいとの事だったが、新版では普通に扱っていれば大丈夫そうだ。

1999年ではそれほど評価されなかったかも知れないが、2020年では間違いなく評価されるゲームといえる。今の時代にとても合っている。追加の遭遇カードが発売されても良いくらいだ。アルマナックを読むと時代背景は非常にしっかりとしており、単一の世界観でとどまるのが勿体ない。

我が家でも面白いと人気で、翌日再戦した。ランダム配置したため、わしの惑星の資源が非常に酷く、コタが圧倒的に資源カードをわんさか持っていたが、装備がびっくりすくらいヘボヘボながら、なんとか勝ちを拾うことができた。どうしても宇宙船の強化に走りがちだが、勝利点をきちんと見据えないと勝てないということだ。


こんな宇宙船でも勝てた。ハーフメダルを4枚集めて2枚の勝利点タイルを入手している。

ひとつ気になる点は、宇宙ステーションのシステムである。2回やったが、最初に親善駒を貰ってしまえば、それを奪還されることは一度もなかった。交易ステーション駒を相手より上回る数を置くには、非常にコストが掛かりすぎて、ほとんどやれない。やってもいいだろうが、他のプレイヤーを利すること甚だしいのでできない。宇宙ステーションに5個おけるが、ほとんどマスが埋まることはなかった。これはひょっとして時短化するにあたり、修正が漏れたのではないかと訝しんでいる。と書いてみたが、考えたら宇宙人カードが強いので、それを積極的に狙ってもバランスがいいのかも知れない。ここらへんは要検証。

4人でやればもっと違うのかも知れない。3人ではマップが広すぎる。

実はこのゲームをやったので、カタンの宇宙船のレビューを読み返してみた。
恥ずかしいくらい酷い文章やな。

で、こちらのゲームの事をやりもせんと思い切り否定しとるわ。すまん。
まあ、この時代はお金が無かったので、色々と選んで買うてたからな。というよりこのサイトを始めるまでは、買うペースはそんなに高くはなかったんやで。サイトやってから一気に買うペースがあがった。

で、久々にコタとカタンの宇宙船をやってみたら、なんと2時間半も掛かった。
おもろいのはおもろいんやけど、これ、終わんのかと、コタも言うくらいテンポが遅い。
それに比べるとこっちの方がプレイ時間が短くなってたという。

gioco del mondo