Klaus Teuber

KOSMOS
ジーピー

2〜4人
40分

カタンの開拓者たちカードゲーム

駿河屋で購入
世界、そして日本でも“ボードゲームの王様”と言われるほどの人気を誇る「カタンの開拓者たち」。
そのボードゲームの雰囲気をそのままに完全カードゲーム化!!
より簡単に短時間で遊べるカードゲーム版で、ボードゲームと違い、カードを数枚並べるスペースさえあれば、気軽にどこでも楽しめます。
ドイツ KOSMOS社が2011年2月に発表し カタン カードゲームをを完全日本語化 内容物はドイツ版を日本語化した内容になります。

プレイ感

レビューのストックが全くなくなってしまったので、急遽、簡単に2人で出来るゲームをやろうという事になった。深夜、近くの棚をごそごそとしてるとカタンカードゲームが出てきた。そういやこんなん買うたわ。これならすぐに出来そうという事でさくっとルールを読んだ。miaと2人プレイにて。


手番の手順: 1.手札の資源カードを交換する。2.資源カードを使って色々購入する。3.資源カードを2枚補充する。
カタンを知ってる人ならイメージがつきやすいだろう。違うところは資源カードがサイコロ運じゃなくて、最後に2枚確実に入るところと、交換は場にあるオープンにされている5枚か、山札か、相手の手札からランダムにとるかになっている。つまり交渉ではなくなっている。
こうして先に勝利点10ポイント集めたら勝ちである。

準備として、資源カード3枚を手札、街道カード1枚と開拓地カード1枚を自分の前に置いておく。街道カードは交換回数に影響を与えるが、開拓地カードはほとんど勝利点が主だ。購入できる騎士カードは、最後の補充枚数に影響を与える。重要なのは、街道カードと騎士カードは、建設時に場になければ相手のカードを奪えるようになっている。枚数は極度に制限されているので、この奪い合いがゲームの流れとなっている。


初期は資源カード3枚と街道カード、開拓地カードが自分の場に置かれる。中央の場には5枚の交換用資源カードが置かれる。

mia「じゃ、場にある木と鉱石を交換して、粘土とあわせて街道建設する」

最初の手札は3枚しかないので、出来ることは限られている。
街道は交換回数が増えるのだが、表面Aと裏面Bとてれこにして重ねていかなくてはならない。
表面は交換回数増、裏面は勝利ポイント1となっている。つまり3枚街道を建設しないと交換2回とならないのだ。

わし「ほな、わしゃ騎士を買う」

騎士カードも街道と同じく表裏になっている。表は補充枚数が1枚増えるが裏は勝利点1だ。

わし「じゃ、わしは補充3枚と」

騎士カードの補充増は非常に強い。すべてが資源カードがパワーの源となっているカタンでは、この効果は絶大だ。ただし2人プレイだと騎士カードは2枚しか使わないので、補充の最大は3枚となっている。


手札の上限はないが、開拓地から都市に変えると効果によって7枚になるように捨てさせられる。本家カタンとは違いオーバー分なのでそれほど痛手とはならない。

miaも当然、次のラウンドには騎士カードを取ってくる。

わし「じゃ、わしも騎士カード買う」

場にはもうカードがないので、miaのカードを奪うことになる。

mia「ちょ、なにそれ!」

わしは補充は増えないが、miaは補充が減るので嫌がらせである。

といっても次のラウンドにmiaが騎士を買い直して、即座に3枚補充に戻った。


中盤になり3枚目の街道を取る。カードはA、Bとてれこに重ねていく。B面は勝利点1だ。強力な騎士はさすがに取ったらすぐに取り替えされるので1枚だけ。他に勝利点2点の都市と都市拡充で作った城壁の3点が見える。

行ったり来たりと不毛なので、相手が取り戻せそうにないタイミングを見つけてやることにする。
まあ、こっちは騎士に3枚も使うので、4ラウンドの間保持しなければ得ではない。いや、最終的には取り戻さざるを得ないことになるので1ラウンドでも嫌がらせすれば得になるのか?

そうこうしているうちに、開拓地を都市に換えていく。
カタンらしく、中盤以降は鉱石が不足しがちである。

カードカタンでは都市の上にさらに都市拡充というのがある。都市カードの上に載せるカードで、羊3小麦1で建設できる。勝利ポイントがアップし、さらに特殊能力まで持っている。羊が本家よりも重要となっているのだ。

miaは早々に図書館を建てた。特殊能力は、交換する際に相手の手札を見てから選べるだ。

わし「やらしいのう」

mia「じゃ、交換するから手札を見せて」

わし「じゃーん、全部羊でーす」

mia「ぜ、全然、欲しくない」

結局、何度か手札をオープンにさせられたが、欲しいものがまったくなかったみたいで一度も交換されなかった。

※交換はランダムに引いた後、好きなカードを相手に返すのだが、気に入らなければ交換中止でもよい。

わしは鉱石を集めては、ひたすら都市化に励んだ。

終盤になると、かなり手詰まり感が強くなってくる。
というのは勝利点10というのは非常に絶妙な値で、都市で稼ぐとしてもきちんと開拓地を作らねば手詰まりになるし、他に都市拡充と街道、騎士カードを使わねば、達成出来ないのだ。


すでに勝利点は8。後2点は一気につけたい。

終盤になって初めて相手から騎士カードを奪ったり、街道カードを奪ったりが効果を発揮することになる。
建設的に考えるなら、途中に相手からカードを奪うのは泥仕合となってゲームを長引かせるだけで百害あって一利なしだ。

終盤に勝利を得ようとする今こそ、それが意味を持つ。一瞬でいいから10点になれば勝ちである。

そのために、都市拡充がとても意味を持ってくる。わしは城壁を手に入れて、街道カードを3枚まで保護する効果を得た。そのため、miaよりも1枚優位に(街道は合計5枚)たてる。行ったり来たりが4枚と3枚の間となるからだ。4枚目の街道は勝利点1となるので、これは非常によく練られている。

miaも負けじと要塞をつくり、騎士1枚を保護した。
miaが騎士について優位にたったが、その前に一瞬速く、開拓地建設と街道を奪い、10点達成。

※手番中に同じものは1回しか建てられないが、違う種類は複数建ててもよい。

所要時間40分


一気に2つ建てる事で10点を集める。

miaのコメント

気軽に出来てなかなか楽しかった。

ソマーリオ

ルールはカタンを知らなくても、プレイヤーにイメージし易く、手番の行動がシンプルなので、さくさくと進める事が出来る。
非常に好戦的なデザインで、相手との街道と騎士の奪い合いがシステムの大きな特徴となっている。

今回は2人プレイなので、直接相手から奪う形になっているが、多人数プレイだと運命カードというものが加わり、右隣からか左隣からかと決められるので、狙って直接攻撃できないよう工夫されている。

カタンの大きな特徴であった交渉はなく、資源の獲得も引き運なので、カタンの要素で構成されているにも関わらず別のゲームとなった。

ネットでの評判はすこぶる悪いが、わしゃ、このゲームは良くできていて楽しいと思った。カードの枚数や勝利点の獲得が絶妙に出来ている。決して自分一人ではゴールすることは出来ず、必ず綱引きによって勝利しなければならないようにデザインされている。

泥仕合になって時間が掛かるとか、一見すると非常に攻撃的なのだが、落ち着いて考えてみると攻撃自体にそれほど大きな意味はない。最後のところでこそ意味があるので、途中は資源の無駄遣いと思ってきっぱり辞めてしまうのも良い考えだ。奪い合うのが得でないとプレイヤー全体が認識してないと、時間が掛かってしまうという部分は根本デザインとしては悪いが、それさえクリアしてしまえば、良い部分がたくさん見えてくる。

※もちろん適切な時にカードを奪って邪魔をするのは必要だ。

街道と騎士カードの表面と裏面を交互に置いていくアイデアなどはとても素晴らしい。そのまま効果を積み重ねれば強くなりすぎてパワーバランスを壊してしまうし、かといって裏面の勝利点がなければ勝利におぼつかない。その微妙なバランスが見事だ。このセンスにさすがはトイバーと唸らせる。

雰囲気は確かにカタンだが、プレイ感は交易王に似ている。
用意も内容もお手軽で、これが日本語版で僅か1000円で売られているのなら、多くの人に勧めたくなってくる。コンパクトで旅行に持って行くにもいいだろう。
には少し届かない感じだが、3人4人プレイだとまた印象が変わってくるかも知れない。

ちなみにカタンカードゲームは以前に2人用で出ているが、このゲームは後発でそれとは違うゲームだ。
前の2人用はやったことがないので何とも言えないが、色々とブラッシュアップして出来た結果のような気がする。場にある5枚のクリーンナップのタイミングとか、カードだけで構成されているにも関わらずなんだか良くできているのだ。


パッケージ裏面。時代を感じさせるようなへたくそ同人級の絵が描かれてるのはかなり意味不明。

gioco del mondo