Andreas Pelikan
Alexander Pfister
alea
2〜5人
60分
ブルームサービス
駿河屋で購入
私、魔女のキキです。この町に住まわせていただきたいんです。
黒猫に黒服でまっくろくろだわ!!
私のは仕事だもん。楽しいばかりじゃないわ。
辛いこともあるけれど。私この町が大好きです。おちこんだりもしたけれど、私は元気です。
プレイ感
2015年
ドイツゲーム大賞
のエキスパート賞を獲得しながら、国内流通がほとんどなかった。2018年にようやく日本語版としてリリースされた。miaとコタ8歳とやってみることにした。
魔法にかかったみたい
のボードゲーム版であるという話を聞いていたが、まさにシステムとテーマは同じだ。スタートプレイヤーが最重要プレイヤーとなり、ラストプレイヤーが最強である。ルール的にはほとんど魔法にかかったみたいと同じなので、知っていればあっさりと理解できる筈。わしはすっかり忘れていたので、読み込む必要があったけど。
各自同じ役割カード10枚ずつ(日本語ルールでは役職だが、なんか表現が妙なので役割と書く)持ち、毎ラウンドその中からこっそりと4枚のカードを選んでおく。ちなみに魔法にかかったみたいでは12枚のうち5枚だった。
それからスタートプレイヤーから、1枚選んで勇敢(上のアクション)か臆病(下のアクション)かを宣言する。勇敢は臆病の上位互換だ。魔法にかかったみたいでは、スタートプレイヤーは必ず勇敢を宣言する必要があった。
時計回りに、同じカードがあれば出して、勇敢か臆病かを宣言する。いずれにせよ、臆病の場合はすぐにアクションを実行するが、勇敢を選んだ場合は、後に勇敢を選んだプレイヤーだけが実行できるので1巡するまで待つ必要がある。先に勇敢を選んだプレイヤーはアクション実行ができなくなるというリスクある行為なのだ。
カードがなければ、パスを宣言する。
最初に10枚ある役割カードの中から4枚のカードを選ぶ。
次は勇敢なアクションが出来たプレイヤーが、スタートプレイヤーとなり、続ける。途中で手札がなくなったプレイヤーは抜け、全員のカードがなくなったらラウンド終了だ。このルールでは、最後に一人残ったら(つまり誰も選んでいないカード)、全て勇敢アクションを実行できるという事だ。
基本的な得点方法は、自分の魔女駒を動かして塔マスにポーションを届けると、描かれた勝利点が入るのと、雲タイル集めボーナスと、魔法資材のセットボーナスだ。
カードは4つの種類がある。
ポーションを貰うカード×3、ポーションを届けるカード×3、移動してポーションを届けるカード×3、雲タイルを集めるカード×1だ。
7ラウンド繰り返し、最終的に得点が高いプレイヤーが勝ちである。ちなみに7ラウンドは、毎ラウンド効果を発揮する特殊カードがあり、そのカードが7枚なのでラウンド数が解るようになっている。
で、このゲームは基本は5人向けとなっており、足りない人数分、使わない役割カードを出してその枚数分めくる。3人プレイなので2枚めくっておく。この役割(魔法にかかった役割)を選ぶと、勝利点がマイナス3されるが、相手を出し抜く場合にはマイナス覚悟でやってもいいという事だ。
まずは集めてから配達するのは常套だが、最初から1個ずつポーションを持っているので配達しても良い。ここは複合作戦でいこう。
わし「じゃあ、わたしは勇敢な天気の妖精よ!」
これは最初にゲームをやるには盲点となるやろ。
このゲームで雲タイルをゲットできる唯一のカードだ。
mia「わたしこそ、勇敢な天気の妖精よ!」
わし「おんのかい!」
コタ「なし」
mia「やった」
魔法の杖を1本返して、雲タイルゲット。
そうそう、この日本語カードには誤植があって、魔法の杖を1本返せばどの雲タイルもゲットできるように描かれているが、雲タイルにかかれている星の数字だけ魔法の杖タイルを支払う必要があるので注意。
これ間違っているので注意。魔法の杖を雲タイルの星の数だけ支払う必要がある。
とりあえず、スタートプレイヤーは移った。
わしがラストプレイヤーになる。
mia「俺は勇敢な樹根採集民」
コタ「ぼくが勇敢な樹根採集民」
わし「なし」
※これなんて読むんやろともめて、ネットで調べたら《じゅこん》と読む。
コタ「ぼくは勇敢な薬草採集民」
わし「なし」
という感じでハブられてた。
まあ、このゲームの性質上、ハブられた方が良い。
ポーションを配達する場合、ボードに描かれている塔の色と同じものを置けば良い。そうするとそこに書かれている得点が入る。塔は2種類あり、円屋根の塔へはポーションを置いたままにしてひとつだけ、4角の塔へはポーションをストックに戻し何度でも運ぶことができる。
わしがカツカツで塔に運ぶ作戦に対して、コタはひたすらポーション集めに帆走する。
魔法にかかったみたいと違うのは、移動があるのでよく駒の位置を見ていないと
mia「あ、せっかく勇敢選んだのに何もできない」
となってしまう。
このゲームで一番悔しいのはなんといっても
コタ「勇敢」
わし「じゃあ、臆病で」
mia「なし」
この悔しさであろう。しかし、なんであっこで臆病いうとけへんかってん! ということもあるのでしょうがない。
その他にも
わし(よっしゃ、二人共森に接してへんから、森の魔女は素通しやで)
わし「わたしは勇敢な森の魔女!」
mia「わたしこそが勇敢な森の魔女」
わし「おんのかい!! なんでやねん! 意味わからん」
mia「だって、順番が違ってたら移動できたのよ。ちぇ」
という風に先を見越してカードを選ぶので、なかなか油断ならない。ウォーゲームのプロット式のようだ。
移動するのが結構、大変なのでこんなにでかいボードいるかなと思ったが、やってみると意外にも届いたりする。特に奥の方は得点が高い塔があるので臆病で移動するのはアリだ。
※移動できるのは魔女だけだが、臆病は移動だけ、勇敢は移動+配達ができる。
毎ラウンド開始に変わる魔法カードも、プレイの幅を広げている。
『スタートプレイヤーは必ず、勇敢を宣言しなければならない』
とか
『最後にいる地形マスによって得点の加減がある』
とか、戦術の幅を広げすぎず、狭くならすぎず、よく調整されている。
毎ラウンド1枚の魔法カードをひき、その効果がラウンド中続く。これがゲームによいアクセントを与える良カードばかりだ。
上に見えるのが3人プレイ時に2枚めくる魔法にかかった役割だ。これを選ぶとマイナス3点である。
結局、僅か1点差でわしがコタに勝利。
途中、意味もなくコタが間違って魔法にかかった役割(ノンプレイヤーの役割)を選んでマイナス3点食らっていたので、それがなければコタが勝ってたという。
所要時間60分
最後。3色ポーションと魔法の杖1セットで4点もらえる。3つしかない場合は2点で、それ意外は0点だ。
イナズマの得点んは高いので、なるべく集めた方がよい。
コタのコメント
これ楽しい。またやりたい。
ソマーリオ
8歳児ではちと複雑かなと思ったが、そんなことは全然なかった。考えてみれば、まだまだと思ってた子供もドイツゲームの推奨年齢に達してきたわ。感慨深い。逆にもう少し年齢がいってくれば、友達と遊ぶのが優先になってあまり一緒に出来なくなるかもなあ。
さて、それはさておき、魔法にかかったみたいのシステムを用いながら、ボードという立体的な条件を付与してプレイ感の違うものに仕上がっている。
魔法にかかったみたいでは、完全に読み合いに終始していたが、こちらではそれにプラスして自分の置かれたコマの状況からどうすればいいかが加わっている。
相手プレイヤーのコマの位置も確認してカードを選ぶ必要がある事から、長考プレイヤーがいたらテンポが悪くなる可能性はあるが、魔法にかかったみたいの判断材料の少なさに比べて、一手一手に深い意味があるボードゲーム化にふさわしい内容となった。
思わず唸ってしまった。おもろい。
コンポーネントは、魔女のコマもポーションのコマも可愛くて良い。ボードは塔の視認性が若干悪いが、許容範囲。ルールブックは構成が分かりにくくて戸惑ったが、意を決して読んでみるとわかり易く書かれている。
かつてはメビウスにて輸入発売されてた2015年の
ドイツゲーム大賞
エキスパート部門が日本語版で遊べるのはやはり素晴らしい。
またこれだけでなく追加ルールも用意されている。
元々はマストフォローのトリックテイクというシステムを利用して新しいカードゲームを作ったのだが、昇華させるとここまでのものができるんやなあと感心した。
実のところ、
魔法にかかったみたい
はそんなに自己評価が高くなくて、どんなんやったっけ? と、すぐにやってみた。そして評価を変更した。追記しているので興味がある方はどうぞ。
gioco del mondo