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Yves Tourigny
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Z-man
Hobby Japan
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2〜4人用
45分
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ブループリント
駿河屋で購入
「ブループリント(青写真)」とは、化学的手法を用いて青地の紙の上に白線を引いた、製図の複写のこと。プレイヤーは建築士となり受け取った青写真を使いダイスで建物を建築し、自分の建設計画にふさわしい賞の獲得や、偉業の達成を目指すことになる。
ゲームは3ラウンド行い、ラウンドごとに各プレイヤーは4種類の建設資材(ダイス)を使い、ランダムに受け取る青写真カードに従った建物を建設する。プレイヤーは場に出ているダイスを選び、手元の青写真に配置して建物を作っていくことになるが、ダイスを積み上げるにはその目が重要。上に積み上げるダイスは下のダイス以上の目でなければならないのだ。完成した建物はそのダイスの色と配置の組み合わせによって点数が異なり、またその目と種類などによってボーナスもある。設計図に正確に従った場合はさらに追加得点も獲得可能。しかし、さまざまな偉業を達成するためには、計画から逸脱して即興で建設する必要があるかもしれないのだ。ゲーム終了時、賞や偉業から最も多くの勝利点を獲得したプレイヤーが勝者となる。
手軽なダイス・ドラフトとパズルのような得点方法により、簡単なルールながら悩ましいダイスゲームに仕上がっている。
プレイ感
お手軽て楽しいという評判だったので、日本語版発売を機に購入した。2人でも楽しめるそうなのでmiaと2人プレイしたが、この日本語版のルールが非常にデキが悪くて、あちこちミスリードを誘ったので後日再戦する事にした。1ページ目から資材名に間違いがあるし、せっかくの日本語版、訳者も読み手の事を考えて訳し、出版社もチェックをきちんとやって欲しい。こんな簡単なルールやのに、固有名詞の使い方が悪すぎる。
資材を表すサイコロとして木材(橙)、ガラス(透明)、石材(黒)、再生素材(緑)が各8個ずつの合計32個ある。で、これらを袋に入れて、そこから2個取り出して人気の資材としておく。さらに8個取り出して(2人プレイ時)、サイを振って出た目ごとに分けて場におく。
4種類ある匠カードと銀賞カード3枚(2人プレイ時)を表向きに各山にしておく。
各自、1枚ずつ設計図カードをとり、自分の衝立の後に隠しておく。ここまでが初期配置。
※日本語訳では偉業とかいてるがどうにも腑に落ちない訳なので匠カードとここでは書く
設計図カードにはどのように置けば良いか描かれているが、同じように作る必要はない。同じにつくれば評価点が6貰えるというだけである。資材サイコロはこのように振って目の通りにわけて場に置いておく。
手番は、場にあるサイコロを1個とり、自分の設計図の上に置く。置き方のルールは斜線以外で、既にサイコロが置いてる場合、それ以上の目である事。最後に袋から1個補充して終わるのだが、2人プレイの場合、場から1個取り除き、袋から2個補充する。
これを交互に6回繰り返す。つまり6個の資材で建物を造るのだ。
これが勝利点である賞カードと匠カード。2人だと勝利点は同じになってる。匠カードは左から順番に、同じ資材5個、同じ目4個、123456、縦積み5個となってる。
衝立を取り去り、建物の評価点を計算してボードに表示する。評価点は資材の置き方や種類によって違うがそういった情報はすべて衝立の裏側に書かれている。この評価点によって賞カード(2人なら銀賞カードのみ)と、匠カードの条件を満たしたら匠カードも貰い1ラウンド終了。
これを3ラウンド繰り返して、賞カードと匠カードの合計点が高いプレイヤーが勝ちである。ここで間違っていけないのは、建物の評価点は勝利点ではないという事。ボード上に建物の評価点を表示するのはあくまで備忘録なのだ。勝利点は2種類のカードの得点だけである。
mia「難しい」
勝利点は2種類のカードだけなので、いくら建物の評価点をあげて相手に3ラウンド勝ったとしても、銀賞の6点しか手に入らない。もし相手が匠カードをねらい打ちにすれば、同じ6点だが、同点の場合は匠カードの数で勝敗を決める。つまり負けてしまうという事だ。
わし「基本路線は匠カードで、それになるべく評価点点を加算できるように取っていけばいいんちゃう?」
mia「それを考えると難しいのよ」
わしは最初は緑の2を取った。小さい数字は土台にぴったりなのだ。場にはもうひとつ緑の2がある。緑は集めるだけで得点が伸びるのと、4個同じ目の匠カードをねらい打つ。
再生資材を使って匠カード2枚取りを狙う。
ところが2人プレイだとその思惑がばっちりばれてしまい、2が2個集まったところで
mia「じゃ、この2をほかす」
(|| ゜Д゜)ガーン!!
もちろんわしも報復措置として、miaが集めてる資材をぽいっとほかす。
場にあるサイコロをほかすのは2人プレイ用の特殊ルールだが、このルールがないと簡単に集められてしまうので確かにあかん。
建物は常に6個のサイコロ資材で建設する。つまり手番が6回である。2が3個集まったところで、あと1個の2が全然でん!
サイコロを振る度に(2でろ、2でろ)と念じるも不発。
結局そのまま1ラウンド終了。
わし「やばい。めっちゃ失敗した」
mia「わたしも」
計算すると、miaの建物の評価点が高くて銀賞カードゲット。匠カードはどちらも手に入れられず。
2ラウンド目、わしはどうしても匠カードが欲しくて、人気がないであろう6のサイコロを取る。
2手番目も6のサイコロを取る。
(よしよし)
ここでmiaがわしが6を集めてるのに気づき、6のサイコロを廃棄。
まあええ。
この調子で数手番進めると、ここで重大な事実に直面する。
6の上には6しか置けない。
(|| ゜Д゜)ガーン!!
阿呆か!!
しょうがないので、設計図を無視した作りにする。
設計図は6個ぴったりで出来上がるので、1個でも違うところにおいたら設計図通り完成しないのだ。
泣きそうになりながらも最後の最後で6が出て、なんとか6が4個の匠カードを手に入れる。
下にでかい数字を置くのは気をつけた方がいい。
中途半端な作りでは評価点は低く、miaがまたしても銀賞カード。そして4が4個使った匠カードもゲット。
(|| ゜Д゜)ガーン!!
わしが勝利点2に対して、miaが6点、そして最終ラウンド
これは完全に負けた。
ボードは勝利点ではなく、評価点の備忘録である。サイコロ2個は人気の資材で、同点の場合、この資材を使ってる数が多いプレイヤーが勝つ。
場にあるサイコロの目から123456の匠が狙えそうや。
そして勝つためには一気に匠カードを2枚手に入れるしかないと考えた。
そこで序盤、1,3の木材を手に入れる。
木材5個使い、さらに123456を作るのだ。
欲しいサイコロがなかったので、途中6のガラスを手に入れるが、これで残りは2を残すのみとなった。
ガラス以外のサイコロは全て木材で出来ているシャーウッドなので、もしここで木材の2を手に入れれば、匠2枚手に入る。
miaが引いてきたサイコロに木材がひとつある。これがラスト木材のサイコロ。
そして転がす。
めっちゃ強く2出ろ2出ろーと念を送る。
そしたら黒が2出た。木材は6。
そっち?
しょうがないので、木材の6を取り、とりあえず匠カードの条件を満たす。
そして高めのサイコロをほかして、場には1と2のサイコロのみが残った。
mia「思いっきり失敗した」
なんとmia、置ける場所がなく、5個で建物完成。しかも匠なし。
miaの失敗建築。サイコロ1個、無駄にした。
ここでわしが銀賞と匠カードを手に入れてmiaは何も獲得できず。
結果、わしとmiaが6勝利点の同点となり、匠カードの多いわしが勝利。
所要時間45分
匠カード差で逆転勝利。場にある1と2のサイコロの山が最後の勝敗を分けた。
miaのコメント
サイコロの使い方が変わっててなかなか面白かった。
ソマーリオ
お手軽のようでいて、実は結構悩ましいゲームという印象。思ったよりも時間が掛かったのは、どのように取れば良いかチェックに時間が掛かったからである。
サイコロゲームは、何度も書いてるように基本的にあまり好きじゃないのだが、その大きな原因のひとつは時間が掛かるところだ。もうひとつは、元々カードゲームとしてデザインしたものを、わざわざサイコロゲームにしてデザインであるというところだ。そういうのが一時期多かった。
最初からサイコロゲームとしてデザインしていれば、そんなに時間が掛かる事もなく、クウィックスのような良いゲームもできる。ブループリントも、面白いサイコロの使い方をしており、なかなかに楽しめた。サイコロの使い方は同人ゲームのバベル5を思いだした。
2人プレイだからだと思うが、人気のある資材がまったく有効に活用できていない。これは3人、4人だと有効になるのだろうか?
建築というゲームだが、わずかサイコロ6個で組み立てるために、建設というイメージはほとんどないのが少し残念だ。出来上がったのはどうみても建物に見えないw
ルールは簡単なのに、ちょっとした駆け引きもあり、こういったシステムのゲームも珍しく、値段も安いので手に入れておいて損はない。
サイコロを使った建築ゲームというのは、これでひとつの完成型かも知れない。