Steffen Benndorf

Nuernberger-Spielkarten-Verlag

2〜5人用
10分

クウィックス


各プレイヤーは、可能な限り自分のスコアカードの4つの色の列の数字に×印をつけていきます。
同じ色の列についている×印が多ければ多いほど、多くの得点を獲得できます。
ゲーム終了時に一番多く得点を獲得していたプレイヤーがゲームの勝者です。

プレイ感

小箱のサイコロゲームながらあちこちのサイトでなかなかに面白いという話があり、とうとうドイツゲーム大賞ノミネートまでされた。前々からやりたいとチェックシートを印刷までしてたのだが、なかなか機会に恵まれなかった。深夜に起きてmiaと2人プレイ。

実はこのとき、結構クリティカルなルール間違いをしたので、後日再戦。レビューを修正します。


手番には赤青緑黄と白2個の合計6個のサイコロを振る。まずは白の合計値を宣言する。その数字は全員が使える数字で、自分のチェックシートをチェックしても良いし、無視してもよい。
次に手番プレイヤーだけが、好きな色のサイコロの目と好きな方の白の目を合計して、その色の数字にチェックしてもよい。これで手番は終わりだが、手番プレイヤーがもし両方ともチェック出来ない或いはしたくない場合は、パスのところにチェックを入れる。これは1つにつきマイナス5点となるので、出来れば付けたくないところだ。


このチェックシートをみればドイツゲームに慣れてる人ならすぐにルールが解るはず。

チェックするにはルールがあって、既にチェックを付けたマークの左から、より右のマークにしかチェックできない。ある色のチェック総数が5つ以上になった場合のみ、最後の数字(赤黄なら12、青緑なら2)にチェックをいれる条件が手に入る。その場合、鍵マークにもチェックを入れ、チェックの総数に合計する事ができるボーナスとなる。以降、その色のサイコロは取り除き、誰もその色に対してチェック出来なくなる。

終了条件は、色の終了が2カ所になった場合と誰かのパスチェックが4つ付いた場合である。
それぞれの色のチェック数によって指数関数的にあがる点数をきめて、その合計で勝敗を決める。
こうして書くとケルトのサイコロ版のようなイメージだ。

前は宣言したら自動的に2とか12にチェックをいれて終了宣言するというアホなルール間違いを犯したので、今回は正しいルールで遊ぶことにした。

やはりきちんとしたルールは良い。

5つ以上にして終了出来る条件を手に入れるためには、ギリギリを攻めていかなければならない。

わしは序盤に緑の目に非常に恵まれており、半分もいってないのに5つのチェックが付いた。


緑の出目がよい感じ。

これ以降は付ければつけるほど点が高くなるボーナスステージである。

ただしmiaが結構チェック付けた事もあり、赤をほとんど捨ててゲームを展開した。

実はこれが功を奏した。

というのは、進めていくと、物凄くカツカツになってくるのに気づいたからだ。

パスするとマイナス5点も食らってしまうので、出来る限りパスはしたくない。
ところが全てを喜んで付けていくと、最後に残る数字は物凄く狭い範囲となり、パスせざるを得なくなる状況に追い込まれる。

ポイントは白2個の目。この目はどの色につけても良い。

つまり1色いざという時のためのスケープゴート用にほとんど付けておかないことが得策なのだ。
途中、そのことに気づいたわしは、出来る限り赤色にチェックをつけずに進めた。

逆にmiaは満遍なくチェックを付けていったので、物凄く厳しい戦いとなった。

わしが白1×2を出してmiaと一緒に緑を終了させてからは、どちらもパス1回という展開に。


白の1が2個。ここで双方、緑にチェックをつけ終了させる。このように同時に付ける場合はどちらもボーナスが貰える。

そしてわしの運命の目で、まずは白サイコロ2個で赤色にチェックをつけて5つとし、次に赤6と白6のサイコロで赤の12にチェックをつけて一気に赤を終了させてゲーム終了。

緑に10カ所もチェックしたわしが圧勝した。

所要時間30分


最後。向こうの白が切れてしまってるが6の目だ。まずは赤の9にチェックをし、それから赤の12で終了させる。


最後の得点。

miaのコメント

コンポーネントのしょぼさに関わらず、意外にもお手軽で楽しかった。

ソマーリオ

きちんとしたルールでやればなんとも悩ましいサイコロゲームに大変身した。途中までは余裕で楽しく出来る。ここまでは間違ったルールでやってたときと変わらない。しかし終盤の厳しさは、ある程度局面を見つめていないと一気にパス4つ付けてしって撃沈という事もありえる。この自作簡単なコンポーネントでドイツゲーム大賞にノミネートされただけはあった。

サイコロの目はままならないように感じるが、意外と組み合わせがあるので考えどころは十分で、運よりではあるが運とのバランスがとてもよい。

チェックシートはBGGにて公開されてるし、色違いのサイコロを6個集めるのも容易なので、簡単に自作できてしまうが、カードゲームサイズのコンパクトさで値段も高くないのでどうせやるなら作者に敬意を表して買うてあげて欲しい。

最初は前に印刷したチェックシートを使ったが、カラープリント代を考えると、付属のシートを使った方が安いと思った。チェックシートの換えは売ってる。

ルールはシンプルだが、一手一手にどうしたら効率的かのチェックがはいるので、30分と思ったより時間が掛かる。それは相手プレイヤーとの動向にも関わってくるので、きちんと勝敗を決めるならば、チェックをつける順番をルールに制定すべきだと思った。相手プレイヤーのチェック次第で作戦の立て方が変わってくるので、単なるソロゲーム的なシステムのようでいて、プレイヤーの絡みはきちんと抑えてある。
他のプレイヤーの手番にも暇でないというところが非常によく出来ている。カタンのように相手の出目も関係するのだ。

この後、カードゲーム版がでたようだが、それってケルトとまさに同じなんでは? と思ってしまった。
初めてゲームをやる人にも気軽に誘え、ドイツゲーム特有のジレンマを持ち、旅行にもってこいの大きさと、3拍子揃ってる。ノミネートにあげた審査員は節穴ではなかったようだ。

gioco del mondo