Mac Gerdts

PD-Verlag

2人用
120分

古代 対決


ふたつの強大な古代国家が海を渡り、都市を設立し、輝かしい神殿を建て、新たなる技術の開発に勤しみます。とはいえ資源にも土地にも限りがありますから、平和裏の共存は脅かされて軍事衝突へと変わってしまうでしょう。自らの国家の諸問題をより巧く扱えるのはどちらでしょうか。
運命の浮き沈みに直面する人々に対し、よりよき利を与えられるのはどちらでしょうか。
そして戦略の天才を発揮して自らの軍を勝利へと導けるのはどちらでしょうか?
答は貴方の手の中にあります。

プレイ感

ナヴェガドールからロンデルに嵌り、いくつかゲルツ作品を集めた。古代は多人数ゆえにグダグダな展開になりやすく、それを改良して2人向けにチューニングした対決を買うた。2人ゲームを消化したかったのでCOQを呼んでやってみた。


古代対決のボードはリバーシブル仕様になっており、ローマ対カルタゴ、ギリシャ対ペルシャの2つのシナリオを遊ぶ事が出来る。ローマ好きなわしは当然ローマと思いきや…

COQ「これ、ローマやとボードが逆になりますけど、写真映り大丈夫ですか?」

わし「なぬぅ! しょうない、カルタゴにするわ。ハンニバルなら好きやし」

ゲルツのロンデル部分は割愛。詳しくはナヴェガドールを参照。勝利条件は、勝利点に関するカードを9枚先に集めたらよい。勝利カードは、陣地5マスごと、神殿3つごと、船(マークも含めて)7つごと、最初に技術習得する、相手の神殿を破壊する、にそれぞれ1枚貰える。


序盤は陸軍1海軍1の駒で中立地帯をひたすら開拓する。白ローマ、茶カルタゴ。都市は産出する資源により色が違うが、これはプレイヤーが都市を建てるときに決める事ができる。


ロンデル。産出の対面がその資源を使って行う行動となっている。3つまでは無料、4つ目以降は1金ずつ払うのはまったく同じ。

序盤は初期配置された陸軍1個と海軍1個を使いひたすら領土拡張を目指す。駒を動かして中立マスを自分の陣地としていくのだ。陣地とするときに何を産出するかを決める必要がある。鉄は軍隊配備、金は技術習得、大理石は神殿建設にそれぞれ主に使われる。初期の頃はバランス良くやっていたが、中盤から個性が出だす。


領土の拡張が5マスごとに貰える勝利点カード。王の名前が書かれているが、ゲームに関係ない。城塞タイルは防御力を1あげる効果がある。

鉄や金の産出を増やして軍備増強をはかるわしに対してCOQはひたすら大理石をつくり、神殿建設に走った。

最初、大理石なんて何の役にたつねん? と思ってたわしは完全に読み違えた。
神殿を建てるという事は、防御力アップに役立つばかりでなく、最前線にたくさんの軍隊を配置する事が出来るのだ。

古代での戦争は1対1で駒を除去していく方法である。相手の陣地を取ろうとすれば駒数(つまり防御力)を上回れば良い。通常の都市だと防御力1(つまり駒1個と換算)だが、神殿を建てると防御力4となる。つまり軍隊駒を5個集めれば神殿破壊し、自分の陣地とする事ができる。
これは別にいい。問題は、軍隊の配備数である。一手番に配置できる駒は、マスにつき1個だけだ。1マスに入る駒数制限はないのだが、配備するときは1個しか配備できないのだ。
神殿のある都市は3個まで一気に配備できる。


軍備のストック。ここに置くにはみての通り陸軍なら金1、海軍なら金2必要で、さらにボードに配置するには2鉄が必要となる。戦闘で除去された場合はここに戻る。エルグランデと同じ2段階方式。

そう気づいた時にはわしの領土は拡張しきっており、大理石を産出する都市が非常に少なかった。
COQは黙々と神殿を建設しまくってる。
軍隊を押し上げるわし。


軍隊を徐々に押し上げるわし。COQは神殿をやたらと作りまくってる。

COQ「ちょっとちょっと、戦争する気満々じゃないすか」

わし「そんなことあるか」

アルプスにわしの軍隊が大量に集まるのをみて、COQも軍備を整えて防御態勢に入る。

そのうち緊張に耐えかねたのか、COQからアルプスに進軍してきた。
わしの駒とCOQの駒は共に相殺されて、誰もいなくなった。

わし「何すんねん! アルプスに定住しよと思ってただけのいたいけな人々を殺しやがって!」

COQ「嘘つかないでくださいよ、ほんとにもう」


ふう、アルプスがええとこと聞いて定住しにきた。この直後、COQという恐ろしい男にいたいけな男たちの夢は崩れ落ちた。

ここでわしの動員能力とCOQの動員能力の差がでてくる。神殿がないわしは、アルプス付近に1個ずつ軍隊を集めて集結させねばならないのに対し、COQは一気に増援できるのだ。

ある程度小競り合いは行うが、なんせ動員能力の差はでかく、ジリジリと押され始める。

領土を取られると救済措置としていつでも使える特殊カードが貰えるが、これの能力がひっじょーにしょぼい。

わし「これって…」

COQ「ですよね。かなりしょぼいんです。要らないくらい」

ここにきてわしは勝利点において重要な事に気づいたのだった。
わしは神殿をほとんど建てていないので、神殿破壊による勝利点カードを取られる事がない。

さらに陣地の勝利点カードについても5マスで1枚なので、中立時代ならいざ知らず、相手の領土を奪って自分の領土とするには、かなりのコストがかかるのだ。この勝利点カードは、一旦手に入れてしまえば、途中で領土を失ったとしても、返す必要がないのだ。

そこでようやく勝つための方法を変えた。軍隊によるのではなく、技術習得による勝利点カードを狙う。金を溜めては買う。そのうちわしの勝利点が8になり、リーチとなった。

COQ「あー、先に買われた」


作戦変更。技術をひたすら買う。COQの進軍はとまらない。

ただやはりここからが苦しい。
神殿破壊によりなんとか逃げ切りたいが、軍備の増強が捗らず、結局そのままCOQの進軍を食らいまくり逆転負けをきっしてしまった。

所要時間120分


最終。闘った後の軍隊駒はこのようにストックに大量に戻される。

もう少し勝利点の事について早く気づいていれば、COQとの戦いを無駄に突っぱねるのではなく、すぐに切り替えて別の方法で勝利点カードを手にいれれば勝てるチャンスはあった。

COQのコメント

このゲーム、神殿派と速攻型に分かれるんですが、今回は神殿が勝ちましたね。

ソマーリオ

ナヴェガドールコンコルディア、そして古代ときて、ゲルツデザインの弱点が解った。コンコルディアの時にも感じたのだが、駒にあまり意味がないのだ。序盤に駒を揃える意味がなく、初期に配置された駒だけで十分なのだ。

タナカマにこのゲームの話を聞いたときに「どっちも7、8勝利点までは行くんですが、そこからは相手との奪い合いで泥仕合っぽくなるんです。経過はとても面白いんですけど、そこが残念かな」と言うてた意味がよく解る。わしの考えはちょっと発想が違ってて、その途中経過が不要と思った。

なんせ無人の荒野を進むが如く、1個の陸軍と1個の海軍で、次々に征服していくのだ。征服という表現よりも、戦後間もない頃、「わしの土地はこれじゃ」と縄張りしたようなイメージである。抵抗もクソもなく、単に移動して陣地に加えるだけだ。敵がいないので、駒を増やす必要もない。出来るだけ一筆書きになるように、進めていくだけである。

この時間が非常に無駄。
それなら、ウォーゲームのように、初期セットアップで配置し終えれば、いきなり相手との絡み合いが出来る。

COQ「確かにそうですけど、何をどんな風に建てるかの自由が欲しいんじゃないですかね」

そう、そこが微妙。今回のように神殿派とか速攻型とかは、途中で産出させる都市によって変わってくる。でも、やっててもの凄く無駄な時間に思えたのもまた事実。
ボードが広大で、相手と絡むまでの時間が長すぎるのが原因なのだ。

ゲームとして悪くはないと思うが、直接陣取りのゲームであるが故にゲルツデザインの弱点が露呈したように思う。コンコルディアはここまでではなく、単に駒を増やす必要があまりないなあと思ったくらいで、ナヴェガドールは内容的にも、ほとんど影響がなかった。

gioco del mondo