Wolfgang Kramer
Michael Kiesling
Ravensburger
2〜5人用
30分
アブルクセン
アマゾンで購入
駿河屋で購入
クラマー
が手がけたポスト6ニムト
大富豪のように、手札を上手く処理していこう。
プレイ感
流通が少ないながら、あちこちで評判が良い。掲示板でもどうですかと言われ、これはやるしかないとCOQに持って来て貰った。カードは同一の絵柄で数字によって色が違うだけで見栄えはとてもおもろそうには見えない。オビ湾を混ぜての3人プレイにて。
場に6枚のカードをオープンにしておく。手札13枚。これを早く無くしたらゲーム終了。手番には手札を1枚自分の場に出すが、同じ数字なら同時に何枚でも出せる。
プレイした時、他のプレイヤーの最新の場と比べて、カード枚数が同じで、かつ数字が大きければスナッチという攻撃を行う。
スナッチは条件のあった各プレイヤーごとに解決し、相手のカードを自分の手札にするか、相手の手札に戻すか、捨て札にするかを行う。カードをとられるか、捨てられたプレイヤーは山札もしくはオープン場から失ったカード枚数を手札に補充する。
つまりスナッチされたら、必ず手札が増えるという事。
ジョーカーが2枚入ってかなり良い手札。場には6枚の札が置かれており、これを上手く補充することで手札を強化させてあがりを目指すのだ。
こうして誰かの手札が全てプレイされればゲーム終了。得点は場のカード1枚につき1点、手札のカード1枚につきマイナス1点で計算して一番得点が高いプレイヤーが勝ちである。
攻撃ときいて、最初、嫌な感じがした。数字と色だけしかないのに特殊な攻撃をするのかと。スナッチは確かに攻撃ではあるのだが、バラエティに富んだ特殊な攻撃ではなく、このゲームをゲームとして成立させるに必要なシステムだった。
オビ湾「スナッチ、手札に戻してください」
COQ「スナッチ、手札に戻してください」
わし「スナッチ、手札に戻す」
オビ湾「スナッチ、手札に戻してください」
わし「ちょ、これ全然ゲーム進展せんやん!!」
スナッチ攻撃を喰らいまくる1の2枚だし。これ、始末したいんやけどなあ。
弱い1枚や2枚のペアを出すと、嫌がらせのようにスナッチ攻撃を受けて、まったく進展しない。
※実はこのとき大きなルール間違いをしてた。スナッチを受けたプレイヤーが手札を捨てるか、手札に戻すかを決定するのだ。もっとテンポが速くなると思われるので、後日また再戦する。
COQ「そんな事ないです。きちんと進展しますって」
確かにある程度、手札の探りが終わると、皆、普通に出せるようになる。
ふう、危うく、黄金聖闘士同士のワンサウザンドウォーズに突入するかと思ったぜ。
なんせクソ弱いカードを早く始末したくて出すのだ。通してくれ! と。で、それの見切りがつくと、ペアを作ったりして強化していくことになる。
出した順番が解るように自分の場に積み重ねていく。常に最も上のカードがスナッチ対象となる。1もこのように上手く補充すればもの凄く強いカードになるのだ。
このゲームは道筋が大事だ。
自分の手札をみて、どのような形でフィニッシュを迎えるか。
フィニッシュ迎える最後のカードは弱くていいのだ。その一つ手前に絶対に負けない強力なカードがあれば、勝つ。
そう、よく言われる事だが、大富豪に似ている。
大富豪では、相手に対する嫌がらせ行為はほぼオートマチックな一本道の場合が多いが、アブルクセンでは、わざとスルーすることもありうる。それはほとんどの場合、「おい、今回見逃したってんから、わしのも通せよ」という暗黙の了解だが、相手の手札を探りたい場合や、自分の手札の調整など、戦術的に行う場合もある。
さらに、ジョーカーを抜きにすると大富豪で最強であった2の4カードに匹敵する組み合わせは、アブルクセンでは各数字8枚もある事もあり、最弱の1であっても8カードなんか揃っていれば、確実に負けない。配られた瞬間、先が見えてしまう大富豪と違い、場からの手札補充によりアブルクセンでは多種多様な戦略的なプレイが可能だ。
オビ湾「12の4カード」
COQ「これはやられたかぁ」
わし「X混ぜの13の4カード。それをほかして」
オビ湾「やられたー!!」
これをオビ湾にぶちかましたった!
一旦、このようにフィニッシュが崩れると、もう挽回は不可能。
ここらへんも大富豪とそっくりだ。
最後はわしがあがって、勝利。
所要時間15分
最期のカードは1の2枚だし。最期に出すカードは弱くて構わないところも大富豪と同じ。
プレイ人数分こなして勝敗を決める方法もあるが、今回は単発勝負だけにした。
2回目はオビ湾が勝利した。
COQのコメント
なんかむかつくくらい良く出来たゲームなんですよね。優等生っぷりが鼻につくんですが、やってみると楽しい。
ソマーリオ
下馬評通り、相当なレベルでまとめあげられた傑作だった。
一時はワンサウザンドウォーズに突入するかと思われた初期のやりとりも、相手との腹の探り合いという動作であり、このゲームのコミュニケーション的な側面を見せてくれる。
ゲームが動き出せば、ぐんぐんと進んでいく。
場にあるカードを上手く手札に補充することで、弱かったカードがあっという間に最強になったりと、初期手札でほぼ勝敗が決まってしまう大富豪と比べるとその多様性は歴然である。
ルールは平易で、スキはない。
クラマー
のカードゲームの傑作といえば
6ニムト
だが、アブルクセンはそれと匹敵するような歴史的なカードゲームとなるだろう。日本人にとっても大富豪という誰もが知ってるゲームがあるため、初心者にも理解し易く導入も容易だろう。
素晴らしいの一言。
唯一の残念は、絵柄がどうにもしょぼい。同じ絵で色違いだけでは楽しくない。
もう少し絵柄については改良して欲しい。
正しいルールにて
千日戦争問題がルール間違いだとのことで、正しいスナッチルールでやってみた。メンバーは、ムゲン、TAM、TAM嫁、アマバと5人。実はこのとき、大事な友人の1人タカダに不幸があって、告別式の翌日に少し時間があってやった。
まあ、そんな話はどうでもええか。
で、この正しいルールでやると、とりあえず相手より強いカードを適当に出して攻撃しまくってたのが、そうはいかなくなった。相手を利する場合が多々あり、スナッチが強制であることからそう易々と強いカードを出せなくなった。そのせいで若干考える時間が増えたが、ゲームの面白さ、というか完璧さは相変わらず。より戦略性が強くなった感じがする。
皆も大絶賛やった。
家族にて
2023年、13歳コタ、9歳ソージロとやってみた。
実はわしはおもしろいから買うたものの、自分のでは一度もやってなかったのだ。
そしたらもう、超楽しい、ママも混ぜてやりたいと何度もリクエストがくる。
Xとか13の良いカードが場にあったら、全員、スナッチしてくれと言わんばかりの弱々カードを出したりするのも面白い。
そーじろ「これ、Xを出しておくと守られるんだよね」
あ、確かに。1枚Xをスナッチすることはできひんから、それ以前のカードは完全に守られるわ。
Alexa「コタから伝言です。ねえ、なんか皆でやる?」
反抗期を迎えたコタがこれをやりたいというてくるのはなかなかに珍しい。
gioco del mondo