Nick Hayes

マテル

2〜4人
60分

魔法使いの修行の旅


目指すは、偉大な魔法使い! 放浪の魔法使いになって冒険の旅に出かけよう!
8つの村で魔法のお仕事をこなすと、移動に必要なピクシーダストを買うコインやスコアを集めることができ、王宮では魔法のライセンスが取得できます。
ロイヤルシールやマッシュルームなどの色々なアイテムを集めたり、ピクシーダストをうまく使いながら旅をするのが勝利のコツ。
より多くの経験値(スコア)と、偉大な魔法使いの名声をゲットしよう!

プレイ感

お化け屋敷の宝石ハンターと同じマテルがドイツゲームを出してきている。大手だけあって値引きもかなりしてきたので、一緒に購入した。こっちも子供向けかと思いきや、ルールを読むと、これ、子供には無理、どころかルールの記述が曖昧で大人が読んでも分かりにくい。まあ、実際にやってみたら解るやろと、mia、コタ9歳と3人プレイでやってみることにした。ソージロもスタンバってたが、無理とわかり、miaとコンビでやることに。


手番には、移動してからアクションを行う。
このゲームのほとんどは移動である。自主的に動けるのは1回だけ(多分)で、1から5マスまで動け、マス数に応じてピクシーダストを支払ったり、貰ったりする。
それ以外に移動は、4隅と山の妖精があるワープ(10ピクシーダスト)と、中央部付近にある鶏タクシー(2コイン)があり、支払える限り、何回使っても良い。


エリアは大きく3つに別れている。これはキノコを置くための区切りで、カードが置かれているのが8箇所の村である。ここで依頼を受ける。
またボード4隅はワープできる重要な場所で、これを使うことでチャームを手にすることができる。

で、移動の最後で、アクションができるマスでアクションを行う。
村なら、村の仕事依頼(カード表記のピクシーダストを支払う)で、自分が持っているチャーム分だけ、報酬の勝利ポイントとお金が増える。
仕事依頼をしたなら、山札から新しい仕事カードを裏向けに置き、山札の一番上の場所(仕事カードの裏面)にきのこタイルを置く。
村(8箇所ある)にある表向けの仕事カードが3枚になったら、ストックからコインを1個ずつ置き、裏向けの仕事カードをすべて表向ける。
これは近くの仕事を連発でさせない処理で、うまく機能している。

交換所マスでは、コインをピクシーダストに交換できる。


白いコマ(山の妖精)は移動するワープマス(4隅のと同じ)と思えば良い。右にあるのはピクシーダストに交換できる交換所。左上は王宮で、条件を満たしたらカードをゲットできる。

王宮マスでは、王宮カードをみて、条件を満たしていれば、そのカードをもらい、王宮シールを受け取る。王宮シールは、最後のボーナス点に関係する。王宮カードは人数+1枚しかなく、もしゲーム終了時に1枚も持っていなければ、残った王宮カードに描かれた失点の合計が引かれてしまうので注意が必要だ。

こうして、仕事カードのラスト4枚の間に挟まれているインスペクターカードが出たら即座にゲーム終了。
ボーナス点を加味して、勝利点が高いプレイヤーが勝ちだ。

このゲーム、ピクシーダストがなければどうしようもない。
ほとんどピクシーダストを支払って、アクションを起こす。仕事すらピクシーダストを支払うだけで完了する。


個人ボードはピクシーダスト置き場になっている。また絵柄はなんとコマの造形と同じなのだ。最初から持っているチャームの種類も違う。

きのこタイルは、追加移動したり、お金になったり、ピクシーダストになったりとかなり有効なタイルなのだが、最初は1つもない。仕事をすることで増えていくのだ。

最初は、好きな村からスタートできるので、登場してからすぐに仕事を始める。キャラクターは4種類あり、そのそれぞれで最初に持っているチャームが違っている。自分の持っているチャームが描かれている仕事をした方が、そのまんま勝利点とお金が増えるので、皆、自分の得意の魔法の仕事をする。

コタ「じゃ、僕はアニマルのチャームを持っているのでこの仕事をするね」

miaはイリュージョン、わしはエネルギーの仕事をする。

これで一気にきのこが3個登場する。

コタ「じゃあ、移動させてきのこもらう」

mia「わたしも」

わしの近くにきのこ生えてへんやんけ!!

この状態が数ターン続く。ふたりともきのこ2,3こ持ってるのにわしは0個のまま。

めげずに独自路線をとる。
このゲームのポイントは、如何にチャームを増やしてから仕事をするかだ。わしは隅にあるワープ岩の場所にいき、10ピクシーダスト支払ってワープ、移動先のネイチャーのチャームをゲットする。今の仕事カードをみるとエネルギーとネイチャー関係が多いからだ。エネルギーは最初から持っている。

それから仕事を始めると、効果的に勝利点とお金が手に入った。

しかしワープ岩を使うことで30しかなかったピクシーダストがすぐに枯渇する。1マス移動だけなら5ピクシーダストもらえるが、それでは少ない。仕事を2つ行ったところで中央にある交換所に向かうことにする。

それは皆も同じで、コタとmiaも先に交換を行っていた。交換を行うごとに、レートが変わる。
ちまちまやっててもしょうがない。なんかコイン貯まりやすい仕事をしたせいか、お金はいっぱい持っている。わしは5コイン支払うことで100ピクシーダストをゲットした。これはもてる最大の数だ。これで一気に楽になった。

わし「なんかお金ばっかり入るから、これ鶏タクシー使わんともったいないな」

コタ「うん」

mia「お金がない」

なんで?

仕事によって、お金がいっぱい入るのとあまり入らないのがある。わしは最初はチャームばかりを集めてたのと、ようやく手に入れたきのこもお金という、お金ばかりになっていた。


交換所のレートは交換するたびに時計回りに動く妖精コマで示している。お金はニワトリの足跡のニワトリタクシーでしか使わない感じなので、ガンガンピクシーダストに交換した方が良いが、1手番無駄になるので一気に交換した方がいい。

コタは、早々に王宮に入り、どういったものが必要なのかを確認する。
どうやらまだ手に入らないようだ。

miaも王宮に入り確認。
まだ手に入らない。

これだけ仕事をやってるのに、まだ手に入らないということは、今行ってもしょうがないなとわしは後回しにした。

なんせ欲しいのは、移動するきのこ。こいつがあると大幅に移動が広がる。というのは鶏タクシーを使おうにも、王宮や村からみると少し追加で移動しなくてはならないようにできている。つまり、自分移動 → 鶏タクシー → 追加移動で村 (もしくは逆)というパターンが使えないのだ。

mia「たぶんこれでいけるはず」

miaが終盤になって、王宮を目指す。

mia「これ、一気に2枚達成してもいいの?」

わし「あかん」

miaとりあえず1枚達成して、次のラウンドに移動してまた2枚目も達成する。

これは不味いかも。

わしも慌てて王宮を目指す。
そして中身を確認。

チャームを4個と、仕事の達成が7枚のカード。

わし「どっちも1つ足りへん。。。」

というわけで、ワープ岩のきのこを使って、4枚目のチャームを獲得。
ついでに近くの仕事も解決。これで両方ゲットできる。


後半になると、仕事完了も多くなり、チャームタイルも4個に増えている。効率よくやるにはチャームを獲得してから仕事した方がいいが、そこのバランスが難しい。
ちなみに仕事カードは常に何ピクシーダストを支払うだけである。

コタ「ぼく、行こうと思ってたのに」

ここらへんでコタが拗ねだした。
わしが残りの2枚の宮殿カードをゲットしてしまったのだ。
宮殿カードはなくなってしまえば失点はなくなるというのを説明したが、そういう問題ではないらしい。

そこからわしがさらに近くの仕事を解決しようと動かすと

コタ「ぼく、そこも狙ってたんだけど」

わし「え、どうやって行こうとしてんの?」

結構遠いと思うんやけど。

そしたら3ターンに渡って移動するプランを見せる。

それは、ちょっと長すぎじゃないかい?

mia「そんなんやったらゲームとして成り立たないよ」

コタ「行っていいよ」

泣きべそをかきだした。

うーむ。

mia「あ、スペクターが出た」

わし「あ、終わりや」


検査官がでたら終了。これで修行の旅は終わりだ。

そこからボーナス点を加味してわしが勝利した。

所要時間70分


黄色のわしが圧勝したが、正直、これでも効率的に回れた感じがしない。ニワトリタクシーをほとんど使わなかった。

しかし、コタ、拗ねて部屋に引きこもる。
mia、慰めに向かうが、そこからおばあちゃんの誕生日にスシローにいく約束があるのになかなか出てこず。さらに大好きな寿司やというのに、まったく頼みもせず、ずっと拗ねて、miaがさらに慰めてようやく事なきを得た。

コタのコメント

パパ、僕が行こうと思ってたに、4つも潰されたんだよ。

わし「しょうないやん。そういうゲームなんやし。相手のやりたいことを阻止するのがボードゲームやで」

miaのコメント

もっと魔法っぽい雰囲気が欲しかった。あんまり魔法感がない。

ソマーリオ

これは勿体ないゲームやわ。というのは、なんといっても、どう考えても子供向けの雰囲気やのに、大人でないと理解できないのだ。大人には子供向けやと回避されるし、子供ではルールが難しくできないという、まさに帯に短し襷に長しなゲーム。

しかしこれを完全に大人向けのピック&デリバリー(お買い物)ゲームだと認識すれば、まったく問題がない。

このゲームの特徴はなんといっても多様な移動方法である。移動こそがすべてといっていいほど、このゲームを特徴づけている。勝つためには、如何に効率よく移動させるかである。
きのこがあちこちににょきにょきと出てくるアイデアはとてもおもしろい。普通、サイコロでランダムにやるべきところを、カードの裏面を使って作り込んでいる。

ピクシーダスト管理、お金管理、移動管理、宮殿管理、仕事管理と要素がてんこ盛りで、勝つためには様々な事をみながら行動しなければならない。またそういった要素の割に実際にはプレイ感に重さはなく、気軽に遊べるところもポイントが高い。

コンポーネントは、さすがに大手マテルが作っているだけあって、この価格で、このコンポーネントはちょっと考えられないくらい素晴らしい。
パステル調で統一されたボード、個人ボードに描かれた造形のキャラクター駒、作り込まれた妖精駒の造形、まさにピクシーダストだと思わせる造形と輝き、完璧。

一見するとパステル調で視認性が悪いように思うボードだが、実際にやってみると場所が分かりやすく配置されており、視認性は悪くない。これ以上しつこくするとプレイアビリティが下がるし、あっさりすると世界観が薄れてしまう。よくぞこの配色で、この描き込みで、視認性良くできたなというくらい奇跡の仕上がりだと思う。

このゲームで改善すべきところがあるとすれば、ルールブックの不備がある。曖昧ですごく分かりにくいところがある。
BGGに公式エラッタが上がっており、3枚の仕事カードには、ストックからコインを1枚ずつ乗せるとあった。
またボーナス特典にある魔法のアイコンがどれを指しているのか未だに分からない。達成した仕事カードに描かれている魔法のアイコンの事なのか、4種類ある魔法のチャームの事なのか、よく分からないのだ。4つ以上のケースがあることから、やはり4種の魔法のチャームの事なのかと今思っている。

もうひとつ、ぜひ欲しかったのは、仕事カードの日本語化である。ここは日本語化しておいてくれた方が世界観に浸れた。

とまあ、ファンシーな絵柄だが大人向けのゲームという風に捉えれば、プレイ時間が思ったよりも短く、何度もやってみたくなる雰囲気があって良いゲームだと思う。
マテルがせっかくこういったゲームを作ってくれたので、是非とも売れて欲しいなと思う。
正直、このコンポーネントでこの価格は買わないと絶対に損するレベルである。Buonoをつけなかったのは、自分でうまくシステムの狙いを切り盛りできなかったからで、もう1回やったらBuonoにする可能性は多分にある。コタがやってくれないので、なかなか難しいかも。。

gioco del mondo