Yuri Zhuravljov

CrowD Games
リゴレ

2〜4人用
45分

スペースエクスプローラーズ

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スプートニク1号は1957年10月4日に打ち上げられた、世界初の人工衛星である。
重量83kg、直径58cmの球体に4本の棒状アンテナが付いている。遠地点約950km、近地点約230km、軌道傾斜角65°の楕円軌道を96.2分で周回した。
衛星本体から40.02MHzと20.05MHzの電波を発信することで電離層の観測を行った。
この電波は世界各地で受信された。
人工衛星打ち上げでソ連に先を越されたアメリカでは「スプートニク・ショック」が起こった。
これは、アメリカが科学技術の分野で最先端であるという意識が、人工衛星打ち上げの事実により覆されたためである。
その影響で、教育・軍事・科学技術部門の改革の必要性が認識され、アメリカ航空宇宙局(NASA:1958年)設立、アポロ計画(1961年)へとつながっていった。
あなたは宇宙計画の責任者として、米ソ冷戦に絡む宇宙開発競争に足を踏み入れることになる。

プレイ感

最近、ちょこちょこと宇宙開発をテーマにしたタイトルが発売されている。その中でもTwitterで目についたので買うてみることにした。スペースシャトルコロンビアの発射を夜中お母んに頼んで起きて見たわしとしてはテーマとしてドンピシャである。

このゲーム、ロシアからのキックスタートから発売されたらしい。ロシアといえばソ連である。ソ連は宇宙開発においてアメリカの一歩も二歩も先を進んでいた。理由としてはドイツのロケット科学者を大量に拉致って技術を奪ったからだといわれている。
そして一番大きな理由としては、ソ連には束ね式が良いという理論学者がいたことだった。
そんな前口上は置いといて、ソージロも一緒にやろうと思ったが寝てしまったので、コタ10歳、miaとの3人プレイにて。


プロジェクトタイルをランダムに人数+2枚選ぶ。このタイルは裏表で内容が違っている。宇宙開発といえばという事で、スプートニク1号、ボストーク1号を入れて後は点数を見ながら入れてみた。

各自、スタッフカードを1枚ずつ手札にして、研究シンボル(資源タイル)を5色貰う。
それから場にスタッフカードを6枚並べる。


手札1枚。左上が勝利点で、その下が配置できる部門(スタッフスキル)、その下が配置コストである。右下のアイコンは特殊能力を表す。
このカードでいえば、勝利点3、緑の検査部門に配置でき、配置するには緑3黄色2の研究シンボル(資源)を支払う必要がある。
研究シンボルとスタッフのスキルは同じ色とアイコンをしているが、研究シンボルは四角、スタッフスキルは丸で表されている。

手番は、場か山札から1枚手札にするか、場か手札から資源を支払って、自分の場に置く。
自分の場には、そのスタッフカードの左上の部門マークのところにしか置けない。2種類ある場合はどちらかに置ける。
支払う資源は、カード左下のコストである。資源タイルを使う場合は左隣のプレイヤーに支払うが、他にも場に置いているカードの効果や、手札を1枚場に置くことで好きな資源2つ分として使える。
場に置いているスタッフカードは、各部門の一番上(つまり一番最新)のカードの効果しか使えない。
またすでにその部門にパイセン(先輩)が居たら、その人数分だけコストが安くなる。例えばパイセンが二人なら、コストの下から2番目までの支払いが免除されるのだ。さすがパイセーン! 飯おごってくださいよ。

そのあと、プロジェクトタイルのスタッフを満たしていれば、手番に1つだけ貰うことができる。

こうして、全てのプロジェクトタイルがなくなるか、12枚のスタッフをだれかが配置したら、最終プレイヤーまでラウンドを行ってゲーム終了。


場には6枚以上の社内ニートで溢れている。こいつらを自分の部門にスカウトするのだ。
プロジェクトタイルは両面仕様の安上がり仕様であるが実際にあったプロジェクトとなっている。
正面にみえる四角のタイルが資源タイルで支払いに利用される。左隣にわたすって奴だ。

勝利点は、左上の数値の合計とプロジェクトタイルの合計と*マークの特殊ボーナスを加算して決める。
ちなみに手札残しに失点なし。

わし「こういうのは先行有利やで」

コタ「じゃ、僕から…やっぱりパパから」

やはり宇宙計画といえばスプートニク1号を狙いたくなる。

拡大再生産タイプなので、まずはへっぽこのカードをゲットする。
支払いは左隣のコタへ。

コタ「やった。じゃあ、これを使って」

と資源が増えたおかげでわしより良いカードを買う。

ん? なるほど。
宝石の煌きと違って、先行が常に有利というわけではないのかも。

子供のころから宇宙の話を聞かせてたので、コタも「やっぱりスプートニクだよねえ」とのたまう。

ボストークでもいいのだが、ボストークは結構難しいのだ。点数も最大の5点もある。

ふと、ボストークでこれならアポロなんかはもっと凄いのではと調べてみると、難易度は同じくらいで点数も5点と同じだ。

どうやらこれは計画の難易度は無視して作られたプロジェクトらしい。まあ積み重ねであるからアポロの方がボストークよりも難しいとは言い切れない…いや、ここは言い切れるか。予算と導入人数、日数を考えると明らかにアポロやな。

アポロ計画は米ソ冷戦にとっては、まったく無用の長物ばかりかお金だけが掛かる金食い虫であったけど、人にロマンを与えたことは間違いない。ソ連としてはボストーク計画だけで十分ICBMの脅威をアピールできたのでそれで良かったと思う。

わし「パイセーンがおるから、残りのコストを支払う」

パイセンは下からしかコストを埋めないが、これがないと高い価値のカードが手に入らない。

わしはなぜかアストロノーツがまったくいないが、別にいなくてもプロジェクトは達成できるので気にしない。

わし「よっしゃあ、スプートニク打ち上げ成功や」

コタ「やられたあ」


スプートニクは検査3、建築技師2で手に入れられる。
ここまでスタッフがいれば、他の人材も簡単に手に入るようになる。一番左のエンジニアなんかは、コスト支払いを下から3つまでの資源を無料とするのだ。

中盤以降、コストの高いカードで結構強いのが出てくる。
カードをほかすことで2資源の代わりとなるのが3資源だとか、2資源支払うだけで、自分の手札を出せるだとか。

こういったカードが使えるようになっても、このゲームの面白いところは、その部門に新しいカードがきたらその効果が無効となることだ。

それでも中盤以降は、資源を使わず、カードの効果だけでゲームが進められるようになってくる。


後半は研究シンボルの移動はほとんどなくなり、自前でまかなえるようになる。

そしてジェミニ計画もゲットする。


勝利点5と難易度の高いジェミニ計画もクリア。宇宙飛行士0枚で達成できる。

コタ「僕もルナ計画達成したよ」

mia「いいなー」


コタもルナ計画成功。

パイセンが増えてくると、資源タイルをほとんど支払う必要がなくなってくる。
次々と部門に配置していけるのだ。

ラストになり、miaがようやくソユーズ計画を実行。

mia「やった」

しかしわしが最後のボストーク計画を取ってゲーム終了。

わしが3つのプロジェクトを完遂したので余裕の勝利。
2位はコタ。

所要時間45分


最後は3つを達成。

miaのコメント

最初は解りにくかったけど、宇宙計画は燃える。

コタのコメント

面白かった。またやりたい。

ソマーリオ

宇宙開発競争というテーマだけで我が家では盛り上がった。
システムに目新しいところがないだけに完成度が高く、安心してテーマに没頭できる。
ソユーズのように枯れた技術の良さというのがある。

宝石の煌きでは一旦、カード購入時に資源を場に支払うか、資源を受け取るかの二択の流れだったがこのゲームでは閉じた経済はそのままだがカード購入時に場に支払う手間を省き、その人が望もうが望むまいが資源タイルが右隣から手に入る一択となっている。そのせいで思ったものが手に入らないため、少しプレイ感が異なる。

また特殊効果の強いところが、無機質だった宝石の煌きとは違っている。ここは好みの問題だろうが、わしはどっちも楽しめた。

その特殊効果のあるカードごとのアイコンが解りづらく最初は苦労した。
解りにくいアイコンは各自で配るシートで参照すれば一目瞭然であるのだが、場に並んでいるのをいちいち確認して行かなければならないのがネックである。ただそれほどたくさんの確認を取る必要もないので、すぐに慣れる。

コンポーネントは絵柄は1960年代テーストで雰囲気抜群であるが、タイル紙の圧縮が緩く、柔いところがネックである。気を付けて扱わないと破損しそうだ。

宇宙開発好きのわしから言わせれば、先に書いたようにプロジェクトタイルの配分が気に入らない。
実際にあった計画をプロジェクトに選んでいる限りは、その難易度に合わせて難易度と点数を調整すべきだと思う。わざわざどういった計画だったかのまとめまでついているのだから。
もちろんゲームとしてバランスを取ったうえでやったのでこうなったというのは解るので、これはゲーマーとしての意見ではない。

後日、6歳のそーじろも一緒にやった。その時はあれこれ手ほどきしてたら、コタとmiaにぼろ負けしてしまったばかりかそーじろにも負けた。リベンジをしたい。特殊効果がある分、そーじろには難しかったようだ。

その後というほどのものでもないが、我が家では毎週やってる。体言止めシステムが効いてて、どのように組み立てていくかという戦略幅が思った以上にある。
カードの効果で重要なのは、特殊効果で研究シンボルを貰える奴をどこまでキープするかであったりする。
プロジェクトの兼ね合いでどのようにカードを集めていくか、なかなかに面白い。

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