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Luc Remond
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Scorpion Masque
すごろくや
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2人
20分
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スカイチーム
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『スカイチーム』は、機長と副操縦士にわかれて、サイコロ振りの結果を、暗黙の連携で交互に飛行機の各種パラメータに割り当てていき、空港までの距離、機体速度やフラップ、ブレーキといった様々な条件を、着陸に向けて最適化することを目指す2人用の協力ゲームです。
プレイ感
なんと2人用ゲームがドイツゲーム大賞になってしまったという驚き。しかも協力ゲームという。なんということでしょう! 時代は変わったわ。
というわけでそーじろ10歳とやってみることにした。
とりあえずわしが機長とそーじろが副機長であるが、機長であるから難しいとかはない。
ボードがちょっと凝ってて色々工作する必要がある。捨てる場所が多くて、それにはゴミ箱マークが描かれているのですぐに分かる。
ボードに様々な機器のスイッチをつけておく。
ラウンドは、話し合い、サイコロ振り、サイコロを交互に配置、ラウンド終了処理と4つしかない。
話し合いは、今後どうするかを話し合うのだが、このフェイズ以外は話してはいけないことになっている。
サイコロはそれぞれ隠して振る。それから、交互に1個ずつサイコロをボードに配置していく。手番順は交互に先行後攻になる。
最後はサイコロを手元に戻して高度トラックを進めて次のラウンドを行う。
ぴったり7ラウンドで着地するか、失敗するかで勝負が決まる。
お互いに見えない衝立をもつ。機長は青のマス、副機長はオレンジのマスにサイコロを置ける。
ちなみにこの衝立の作り方は失敗で、はめ込みを内側から外側にやるとくの字にならなかった。
サイコロは各自4個ずつあり、置けるプレイヤーと、目が指定されている場合がある。
エンジンと傾度だけはどちらも絶対に置く必要があり、置かなければ即負けである。
エンジンにお互いに置いたら、進入路にどれくらい近づいたかを判定する。サイコロの目を足して、オレンジの空力マーカー未満なら、進入路トラックを動かさない。オレンジ以上青未満ならトラックを1進め、青以上なら2進める。
この時、進入路に飛行機駒が置かれているにも関わらずトラックを進めたら、クラッシュしてゲームオーバーだ。
そのために、通信装置にサイコロを置いて、そのサイコロの目進んだ進入路の飛行機駒を取り除く必要がある。2の目ならトラックの2マス目の飛行機駒を取り除くといった感じ。
傾度は、お互いに置いたら、その差だけ機体を傾ける。3つ片側に傾いたらゲームオーバーだ。
このようにさいころを置いていく。一番上が傾度、その下がエンジンである。この2箇所だけは絶対に置く必要がある。
着陸装置は、オレンジの空力マーカーを進め、フラップは青の空力を進める。着陸装置は順不同だが、フラップは順番にスイッチを入れる必要がある。一旦スイッチをオンにするとオフには出来ない。
ブレーキは、7ラウンド目だけに関係し、これを上げることで最後を止まりやすくする。というのは最後はブレーキをエンジンの合計値以下にする必要があり、何もしなければ1と1でないと失敗するのだ。これは順番が関係ある。
置く順番が関係あるのは、三角マークで表示されているのですぐに分かる。
コーヒーブレークは、コーヒー駒を置き、これを使うことでサイコロの目を±1できる。
こうして7ラウンド目にぴったり進入路トラックの最後のマスがあり、飛行機駒が置かれてなくて、着陸装置とフラップがすべてオンで、傾度が水平で、エンジンの合計値がブレーキ以下であれば、無事着陸に成功して勝利となる。それ以外は負けだ。
右の高度トラックはラウンドトラックとなっており必ず1つ高度が下がる。そして7ラウンド目にぴったりと左の進入路と合わせて着陸しなくてはならない。
最初は練習シナリオであるモントリオール空港への着陸である。様々な空港が進入路トラックとして付随しており、シナリオごとにルールが追加される。
わし「じゃあ、傾度から行こう」
そーじろ「うーん、まあこんなもんかな」
1度傾いた。これくらいなら全然平気である。
次に通信使って、飛行機駒を取り除く。進入路トラックは短くなっていくので、大きな目が使えなくなるのでサイコロを有意義に使おうと思った。
通信は機長は1個しかないので、副機長が主な役割だ。
エンジンは空力マーカーの間で1マスずつ開けるのが良かろうと進めていく。
高度であるラウンドトラックと同じペースで進めれば良いと思ったのだ。
このゲームをやったことのある人ならこれが大きな間違いだと気づくはずだ。
毎ラウンドサイコロ2個は固定で使う必要はあるとはいえ、コーヒーブレイクを頻繁に入れるくらいのゆとりはある。
水平に保ち、着陸装置とフラップをあと少し展開するだけ。コーヒーブレークも2個あるし、これはいったのでは?
そうして最後のラウンドは水平飛行にし、ブレーキもしっかりマックス、着陸装置もフラップも全開である。
全開?
空力がすごくてこのままだと進入路最後の1マスに進めない。
わし「よし、エンジン全開」
そーじろ「分かった」
エンジン全開?
進入路1マス進めようとするとブレーキの範囲を超えるやんけ!
わし「失敗」
そーじろ「失敗?」
アホか。なんと大きなミスをした。
普通に考えれば分かる。進入路に近づいたらエンジンを落とす必要があることに。
そして、その前にエンジン出力を上げて近づける必要があることに。
あ! こんなけ空力あげてしまったらエンジンふかさんと空港にたどり着かんやん!
所要時間20分
日を改めてやることにした。
今度の作戦は、最初の1,2ラウンドは空力が効いていないうちに、進入路を2マス進めること。
それからゆっくり調整すればなんとかなる。
実のところ2回目は傾度が傾きすぎて失敗してしまった。サイコロが1,1,1,6やもんなあ。
振り直しできるタイルもあるが全部使い切ってしまっていた。
このままでは終われない。そして3度目の正直である。
最初にエンジンパワーをあげて進入路2マス進める。できれば2ラウンド目もそうしたかったのだが、そーじろにその意思が伝わらず、1マスになってしまった。
エンジン置いたら、すぐにエンジン置くなよなあ。一旦、コーヒーブレークにおいて、目を変えてエンジン使えたのに。
とりあえず1マスのアドバンテージをつけた。これにより最後はエンジンをふかさずに済むはず。
一応、1マスのアドバンテージはあるので、そのまま頑張ってみることにした。
更に途中で2マス進めることに成功した。今回はいい感じで進める。
気付いたのはフラップは順番に展開する必要があるので、早めに展開していって良いということだ。青の空力をあげたところで、オレンジ以上であれば1マス進めることができるので何の問題もない。着陸装置は後半の方が良い。
その前に余ったら、小まめにブレーキをあげておくことにした。
なんでこの時点でブレーキをかけておけるのか、意味不明でおかしいとは思うが、わしはパイロットでもなんでもないのでよく知らない。
今回は2マス分のアドバンテージがあるおかげで、進入路がごちゃつく展開になっている。こいつらを通信でどかせないとアウトだ。
そしてフラップがほぼ全開になったころ、わしも着陸装置を小まめに出していくことにした。
運命の7ラウンド目、ブレーキマックスのまま、空力を活かして進めず滑走路に侵入。
ブレーキマックスとはいえエンジンは念の為、サイコロ1を置いておく。
ここまできたら、空力効かせまくって、進入路を進めず、その間に通信でどかしていくだけ。フラップの展開が少し遅れているが十分に間に合うだろう。
問題は傾度である。念の為に余ったサイコロを使ってコーヒーブレークを追加する。
置いたサイコロは2である。
わし「頼む、そーじろ」
そーじろ「よし、コーヒーブレーク使ってサイコロを2にして、水平のまま」
わし「着陸成功!」
そーじろ「やったやったやったー!」
二人でハイタッチ。
オールオーバー。着陸完了!
所要時間20分
わし「次の飛行場やるか。今度は機長を入れ替わろう」
そーじろ「ええ、無理無理無理」
わし「あんま変わらんて」
というわけで次のヒースロー空港をやることにした。
ルールは黒サイコロが1つ加わるが、秘密にしろみたいなことが書かれてるので内容は伏せておく。
1ラウンド目に垂直になって、墜落。
(|| ゜Д゜)ガーン!!
所要時間2分
そーじろのコメント
ようやく成功して良かった。
ソマーリオ
2人用で協力ということで、恐ろしくニーズが狭くて、ファミリーをターゲットにし、ボードゲームの裾野を広げるというドイツゲーム大賞の理念に反するんじゃないかと個人的に思うが、今の時代にマッチしているのだろうか? ここは正直よく分からない。
ただゲームとしては、おもろいと思う。シナリオもたくさん入っており、コンポーネントも豪華でテンションがあがる。高度トラックや進入路トラックは紙でなんとか移りゆく映像を見せようとした冊子ゲーム、エースオブエーシーズを彷彿とさせる。
難易度が上がると計器類も増えて、徐々にルールを学んでいける形態も、昔のウォーゲームをイメージさせるが、そもそものルールがそんなにややこしくないので、こちらの場合はむしろプレイヤーに慣れさせるという意味になっている。
システムは飛行機の着陸の雰囲気に沿った形となっており、これ、メカニクスより先にテーマから開発したんじゃないかと思えるくらいマッチしている。
プレイ時間も短く、何度も気軽に挑戦でき、二人っきりの夫婦やカップルで遊ぶには良いと思う。
箱絵は多様性を意識して、女性パイロットに黒人副パイロットとなっており、テンプレ過ぎてどこが多様性やねんと逆に問いたくなるところは気に入らない、ここはまちゅとニャアンで描くべき。