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Stephan Riedel
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Clicker
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1〜4人
45分
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シンダーハンネス
シンダーハンネスはドイツ各地に出没しては、泥棒、強盗、殺人、恐喝などを犯していました。
しまいには捕らえられもしましたが、脱獄をします。
あなたは、このドイツの実在の犯罪者であるシンダーハンネスの犯行現場をおさえる警部となります。
彼ら一味をその犯罪を実行する前に捕らえる事が出来るでしょうか?
プレイ感
オールドタウンの正当後継者として出したのがこのシンダーハンネス。テーマはがらりと変わって犯罪者の犯行現場について。前にOEC、タメラらと4人でやったのだが、ルールを読み直してみると、カード山の分配がちょっと違ってた。オールドタウンとは違い、カードのパターン毎に3つに分けるのではなく、色別に分けて4つの山を作るようだ。さらに犯行現場をずばり特定したカードもあり、こちらは2つの山に均等に分ける。miaと二人プレイにて。
ルールはほぼオールドタウンと同じ。違うところは要らないカードを手番に1枚ほかして交換する事が出来るところと、プレイしなければ何枚でもほかして+1枚補充出来るところ。その代わり使えないカードを2枚一組でタイル除去に使えなくなり、各自1枚だけ除去出来るカードを持つ事になった。
手札には犯行マークが描かれている。ランダムではなく、山札から選んで手札にしていくのだ。
Aのカードは場所を4カ所に特定する。Bのカードは隣り合ったものを指摘する。陸続きか川を挟んでいるかだ。この2種類についてはオールドタウンと同じだ。
Cのカードは4つの犯行のうち1つをプレイヤーが特定して使う。それに加わったのがDの犯行現場のカードでこれは地名ごとの犯行が解るというもの。どんぴしゃだと強いが、その地名にタイルが置かれていないと使えない。
ボードは、川を挟んでいるか、陸続きか、あるいは川を境界とした東西南北が重要となっている。ドイツ語だと探すのに苦労するので日本語化は必須である。
4つの山は色別に分かれているので、同じ色を手札にした方がいい。この選択式はオールドタウンの運の要素を少し減らしているように思う。またカードの裏にも何の犯行についてか描かれているのも不思議な感じだ。これで既に使えないカードが解るように出来ている。適宜、不要と判断したら山札から取り除いていくのだ。
山札はこのように、色別に分ける。カードの効果別ではないのがオールドタウンとの変更点。上にある2種類の山は地名が描かれており、その場所での犯罪を特定するというオールドタウンになかったカードではまれば非常に強い。また裏面に表のカードのマークも描かれているので、裏側から何のカードか解るようになっている。これは非常に特徴的だ。
犯罪がきまれば、大きなタイルをおく。色があるのは、犯罪の内容によって4種類に分けられているからだ。
かなり改変してシェープアップされてるのかとやってみるとなかなか上手くいかない。というのは、オールドタウンでもそうだったが、最初に一番重要となるカードはAのカードで、これがないと他のカードはなかなか活きてこない。そのAのカードが山に埋もれてしまえば、なすすべもなくカードの交換や補充になってしまう。
特に交換を選んだ場合、1枚余計に手に入るので、手札がいっぱいになってしまうのだ。
And演算子によって絞り込んでいくシステムなので、手札が増えると確認作業が増えてきて大変になってくるのだ。というより、何も出せないまま、手札が増えていくのが「なんだかなあ」と思ってしまう。
手札枚数は固定ではなく、交換すると1枚ずつ増えるのでどんどんと膨れあがる。
またオールドタウンではカードに地図が描かれており、文章が読めなくてもその地図をみればすぐに場所が解るようになっていたが、シンダーハンネスでは地名しか書かれていないので、探すのに手間が掛かる。当然、ドイツの地図なので土地勘がなく益々探しにくい。最低でもボード上に地名シールを貼らねばテンポが落ちる。
最後の方はどちらも手札が15枚ほどになっており、どれがもう使えないカードかを調べるのにもうんざりしてきた。
結局、最後は大きく得点をして終わらせたものの、miaに2点差で負けてしまった。
所要時間45分
捜査完了。一応横の得点ボードを使って勝敗を決めてみた。最後は手札が多くてあっぷあっぷになってしまった。
OECのコメント
オールドタウンが手に入らないので、このゲーム欲しいんですけど、国内流通が少ないんですよねえ。
ソマーリオ
前に間違って4人でやった時、つまりオールドタウン方式の方が圧倒的におもろかった。あのときは、土地の確認が分かり難いながらもを付けようと思ったのだが、正式ルールでやったら、あまりのカードの増えっぷりにルール間違いかと思うほどであった。もちろんAのカードが序盤に出てくればそんな事もないのだろうが、そんなパターンはそうそうないだろう。
オールドタウンでは『自分の建物』という特殊な条件を設定していたが、シンダーハンネスでは『自分の探している犯罪』なんて概念はない。そこで色別に分けるというシステムになっており、これによりプレイヤーに他人のものを利用出来るという風になったのはいい。だが、初期に重要となるAのカードが埋もれてしまうのは大きな欠陥となってるように思う。逆に後半のAはほとんど役に立たない。
またデッドロック状態を回避しやすく、テンポをあげるために考案されたであろう場所カードについては、正式ルールではそんなに役に立ってるようには思えなかった。
これらを解決するために、Aのカードはひとつの山にして、後は色別に分けるのがいいように思う。つまり合計7つの山(Aの山が1つ、色別の山が4つ、場所カードが2つ)が出来る。
本来ならデザイナーが考えたルール通りにプレイしたいところだが、せっかくのおもろいシステムが台無しになるようでは、ローカルルールを採用したくなる。
あくまでこれはわしの案なので、どちらがおもろいかは皆が判断すればいいと思うが、個人的には正式ルールやと無印、ローカルルールやとをあげたい。特にオールドタウンは絶版となってしまっているので、この変わったシステムをやった事のない人は、現在手に入れる唯一のゲームとなっている。連携で次々に決まっていくととても爽快なので、一度はやってみて欲しい。
テーマ変更については、これはこれで悪くない。なぜか捜査本部のポリのように、地図を広げて犯行現場に印を打っていく気分になる。
ただシンダーハンネス自体、日本人で知ってる人なんか居らんやろってのが残念。石川五右衛門とかネズミ小僧みたいな感じかな?
※大阪では警察官をポリと呼ぶ。東京では警察、神奈川ではお巡りと呼んでる。ちなみにパトカーはパッツンだ。わしの地方のローカルかも知れんけど。
ボードはより地図っぽくリアルにした代わりに、視認性が悪くなってしまったところが痛し痒し。ただ犯行マーカーが非常に分かり難い。ロバ泥棒と馬泥棒、脱獄と投獄などが非常に紛らわしい絵となってる。
それにしても相変わらず、得点ボードは要らんな。