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Tanja Engel
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HABA
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2〜4人
15分
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騎士の算術ラリー
カシミラ女王は、国内の騎士たちを全員集めて競技会を開くことにしました。 いちばん先に女王の城に辿り着いた騎士には、高名な騎士団“演算の騎士”に加わることが許されます。
しかし、彼ら騎士たちの行く手には、女王配下の手厳しい衛兵を通り抜けなければならない試練が待ち構えています。 衛兵たちは、騎士たちに複雑な計算を解くように迫り、そして森羅万象を知りつくす魔法使いマシキュラスが正解かどうかを見張っています。
演算の騎士の1人になりたいなら、この挑戦を受けて立ちましょう!
プレイ感
ただの算数ゲームのような気がしたが、miaが算数が大嫌いというので勉強させてやろうと買うてみた。miaと二人プレイだが、このままやってしまってはあまりにも簡単なので、問題は読み上げて解くという最も難易度の高いヴァリアントにて。
数字カードをめくる。その数字に対してスタートプレイヤーがサイコロ2個振って、足した数が以上か以下かを王冠タイルで各自示す。予想が当たれば、サイコロの数だけ進める。途中、問題マスに止まるか、衛兵のストップで止まるかすれば、問題を解かねばならない。解けたら、前進し、間違ったら後退する。こうしてゴールにたどり着き最後の問題を解いたプレイヤーが勝利する。
道はきちんと順番に組み立てるようになっており、形の変更は出来ない。かなり道っぽくて個人的には嬉しい造り。カードをめくり、サイコロ2個の合計がその数字を上回るか、下回るかを王冠タイルで予想する。
サイコロの目は、1が10になってるだけである。予想は割に簡単で、わしはほとんど間違う事なく進むが、時々ギャンブルをするmiaは遅れがちである。一応ハンデとして、わしは騎士の問題を、miaはドラゴンの問題を解くという事にした。
衛兵のマスにたどり着くと早速問題である。騎士の問題はそれほど難しくなく、わしは次々に突破していく。またドラゴンの問題も簡単なのだが、ここいちで予想を外すmiaはなかなか進めずに苦労している。
問題は、全て数学問題で、従者、ドラゴン、騎士、女王の順に難しくなっている。最初にどの問題を使うかというのを決めるので、小さな子どもにハンデを与える事が出来るという仕様だ。素晴らしい。問題は、四則演算と等号不等号、数列であるが、難しくなると桁数が増えていくという寸法だ。
騎士の駒は造形はかなり可愛い。どちらも今、問題マスに停まっている。赤の一つ手前のマスが衛兵のマスで必ず停まって問題を解かなければマスである。
ちなみにわしは、算数は普通くらいであるが、この程度のレベルならすいすい答えられる。
わし「ちょっと簡単すぎるな。どっちもランクアップさせよう」
mia「えー!」
わし「いくらなんでも30×5とか簡単すぎるやん。大丈夫やって」
これが問題表。上から順番に難しい問題となっている。
という訳で、わしが女王、miaが騎士の問題に修正。
mia「1500666+13333は?」
わし「な、なんて?」
mia「1500666+13333は?」
わし「えーと、えーと、十五万やんな? えーと…」
いきなりごっつむずいでやんの。さすがは最強ヴァリアントである。本来なら3回だけ問題を言うのだが、すっかりこのルールを忘れて、何度も訊いた。
これが魔法使いマシキュラス。この赤い部分を答えのところに合わせると、答えが浮かび上がってくるのだ! ちと見難いのが難点。
mia「これ、何?」
わし「数列や」
mia「じゃいくよ。3,6,36,108、その次は?」
わし「わ、わからーん!!」
実のところ、わしは数列がかなり苦手である。なんか法則性みたいなんは感じられるが、よう解らんのだ。
けがわのおっさんなら一撃で解るんやろうけど。
問題例。日本と違ってかけ算は「・」、割り算は「:」である。
結局、この女王問題を何度か間違いつつ、駒を進める。そして最後の試練である。
mia「5、15、35、65の次は?」
わし「また数列かい!」
しかしここでわしはさんざん間違った数列に今回初めて閃いた。
わし「105」
mia「正解!」
わし「しゃあっ!! 演算の騎士の称号を手に入れた」
所要時間15分
やった! 演算の騎士の称号を得た!
おもろいやんとわしがもっかいやることを提唱。今度は、最初からわしが女王、miaは騎士だ。途中、どうしても女王問題をやって貰いたくて、どちらも女王問題とした。
2度目も勝利!
miaのコメント
これ、算数ってよりも、ただの予想ギャンブルでは? こういうのは男の人の方が楽しいかも。
ソマーリオ
いやあ、恥ずかしながら、かなり燃えてしまった。問題を単に解いていくだけではなく、予想によってゲームが展開されるので、算数が苦手でも十分に勝つ可能性があるってのがいい。
問題は要所要所において、効果的に出されるだけで、それを解くという楽しみがある。
一種のクイズゲームと思えばいい。ただクイズをやるってだけじゃなく、ゴールする目的を作る事で、エンターテイメント性を持たしている。算数の問題ではなく、普通のクイズ問題を出す事も可能で、それこそこのままテレビのクイズ番組にしてもいいくらいだ。
よく出来ているのは、ゲームの勝敗に左右するのは、予想するという運で、それにちょっと有利になったり、不利になったりと問題を絡めているところだ。問題にも難易度の違いがあって、苦手だからといって負けるとは限らないのだ。
コンポーネントに目を移すと、騎士駒は非常に可愛く、うねうねとくねらせた分割されたボードも雰囲気といい形といい素晴らしい出来映えである。さらに拍車をかけるのは魔法使いマシキュラスの駒であろう。のぞき窓があり、そこから見る事で答えが分るのだ。こういう細かい仕掛けがあるだけで、すっかりファンタジー色豊かなムードに変わるのだから、見事としか言いようがない。本当に自分が騎士となって、女王の城に向かってる気分にさせてくれるし、問題を解く事で、実力でファンタジーに付きものの冒険を突破した気分にさせてくれる。
パッケージに学習ゲームと書いてるように、子どもの数学的興味をかき立てるにはまったくもってうってつけのゲームと言いたい。正しく答える事が出来れば、大人が褒める事で子どもは勉強が好きになり成長していくだろうが、こういったゲームで勝つ事は同じくらい子どもの教育に対する情熱を呼び起こすに違いないだろう。
小学生くらいの子どもを持つ親には、猛烈に勧めたいゲームである。出来れば追加問題集や、あるいは先に書いたように数学以外の問題などのカードが出れば最高に素晴らしい。あえて数学問題にすることで、言語依存をなくしたってのもHABAの戦略なのだろうけど。そういや、HABAはオットット族の酋長さんも同じように、LernSpielという学習シリーズを展開しているようだ。