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Jean-Christophe Bouvier
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Holy Grail Games
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1〜4人
1人15分
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ラリーマン
このゲームはラリーのシミュレーションでその危険性や刺激もたっぷり盛り込んであります。
遊ぶのにライセンスは要りません。5までの数が数えられればマイクロラリーカーの5つのギアを扱えます。
プレイ感
かなり前になるが、Gamefieldで購入したのを今更ながらやってみることにした。もうすでに絶版で、後で書くが別の形で再販されてる。
今までいろんなレースゲームがボードゲーム化されたが、ラリーという超マイナーなレースをゲームにしたのは、ほとんどない。なんか昔、カードゲームであった気がするが、名前度忘れてしてしもうた。
わしもそんなに詳しくないが、ラリーというのは、ヨーイドンで競争しない。1台ずつスタートをずらして走らせて、タイムを競うのだ。そして、横にはナビをする人が乗っている二人チーム制だ。コースは、普通の公道である。で、各ステージごとにタイムを集計して勝敗を決める。
わしの知ってるのはラリーストってのは頭がおかしな人しかいないということくらい。公道をめっちゃやばいスピードで走らせるのだ。ちなみにギャラリーも、ドリフト中のボディにタッチして喜んだりするので頭がおかしい。死ぬで。
さてこのゲームではそのラリーをどのように再現しているかである。
コタ10歳、ソージロ6歳、miaとの4人プレイにて。
プレイ順は、最初は一人目だけ。次は一人目、二人目。その次は一人目、二人目、三人目というふうに、ずらして走らせる。まさにラリーである。
コースは可変で適当に組み合わせて作る。ちなみにマス横の地形の絵には意味がある。
サイコロの使い方が変わってて、サイコロは1個ずつ振るのだが、サイコロ1個につき1マス進めるだけである。進むのにサイコロ目は関係ない。
サイコロは、1から5速を表す5個の黒サイコロと、アクセルを現す白サイコロが2個の合計7個使える。
まずは1速からスタートして、1のサイコロを振って1マス進める。次は2のサイコロを振って1マス勧めて、というふうに手番には次々にサイコロを振っては進める作業を行う。
サイコロは1段階ずつ上げ下げでき、今手番で振ったサイコロは2度は使えない。また途中で白サイコロを振っても良い。
そして、もうサイコロが振れない、あるいは振りたくないとなったら手番終了で、最後に使ったサイコロのギアのカードを1枚手元に置く。それが今回の手番で使ったタイムとなる。
このタイムは高いギアで終わらせた方がタイムが短いので、できる限り高いギアで手番を終わらせるのがポイントとなる。
3速で手番を終えたので、3速カードを貰う。ここまで30秒掛かったということになる。
次の手番は、前のギアカードのサイコロかプラスマイナス1か、白サイコロで始める。
例えば、3速で終わらせていたら、2,3,4、もしくは白でスタートだ。
ルールにもあるように、こういったパターンが考えられる。3、白、4、白、5とか、白、2,3,4,5とかサイコロを振っていくのだ。白サイコロは直前のギア比と同じである。
さて途中でサイコロを振りたくないケースはどういう事が考えられるかというと、サイコロの目に!マークがある。こいつが合計で3つ出ると、制御不能に陥ってしまい、そのギア比のカードを裏向けにして、どうなるかを決めなければならない。そこにタイムも加算される。リスクを考えその前にサイコロを振るのをやめるケースがある。
制御不能に陥ったら、車体にダメージを受けて、振れるサイコロ数が制限される。
順番にサイコロを振っては、1マスずつ進めていく。サイコロの目にはそのギア比の数字と!マークしか描かれていない。3速なら全部3だ。そしてそれは3マス進むという意味ではない。
またコーナーには、ノートと呼ばれる数字が書かれており、内側はそのギア比以下でないと入れないし、外側のドリフトコースはそのギアピッタリでないと入れないのだ。内側にさらにショートカットできるところがあるが、こちらもそのギア比以下で入れる。その場合は、Kカードをめくり、効果を見なければならない。タイヤにダメージを受けると、使える白サイコロが減る。
他にもジャンプマークのある場所もある。
こうしてすべてのプレイヤーがゴールしたら、タイムを合計して短いプレイヤーが勝ちである。
あ、忘れてた。相手を抜くこともできる。後ろ髪伸ばした兄貴が「バカやってんじゃねえ、ここは追い抜きとかそういうのはナシなんだよお!」と拓海に言うたことも起こりうるってことだ。
直線コースは2台並走可能なので1台しかいなければ抜ける。
コーナーは、1台しか入れないが、ショートカットがある場合はそちらを利用して抜ける。逆もしかり。
抜かれたら、手番順が変わる。先頭に近いプレイヤーから順に行うのだ。
先頭はわしからスタート。
1速、2速、3速とあげて、アクセルを2回。
3速キープしたのは次はショートカットコースを通るつもりだからだ。
ここで3速のカード30秒を手に取る。
そしてまたわしの番。
コタ「えー、どゆこと? 僕の番はいつ回ってくんの?」
わし「これが終わったらや」
ソージロ「僕は、僕は?」
うーむ、子供にはこのルールを理解させるのはむずい。
わしは予定通り3速のままショートカットを通る。
Kカードをめくり「OK,Go!」がでたのでそのまま直進。
内側のショートカットを通り、OK Go!サインがでたのでトラブルなし。
幸先が良い。
コタの手番、コタもどうように1速、2速、3速とあげて、アクセルを2回。
コタは次のラウンドに2速に落としてグリップ走行ラインを通る。
そして3手番目、わしはギアミスをしてしまった。
わし「あ、これ、ドリフトするときは、アクセルサイコロ残しておかんと終わってまうやん」
そう、ドリフトマスは3マスあるので、同じギア比をキープするためには白サイコロを2個残して置かなければいけない。でないと、ドリフト中に手番を終えなければならなくなる。
わしは次のコーナーでドリフト開始したが、アクセルサイコロを使ってしまっていたので、ドリフト途中で手番を終えた。
先に書いたように、ドリフトはそのギア比でのみ走行可能で、グリップ走行とショートカットはそのギア比以下で走行可能だ。
これがものごっつい痛かった。
次のラウンド、コタになんと並ばれてしまったのだ。
サイドバイサイド! これって京一のカウンターアタックやん。(|| ゜Д゜)ガーン!!
やべぇぇ!!
ここで慌ててしまったわしはさらに次のラウンド、!マークが2個出ているにも関わらず、4速にぶっこみ、
わし「わっちゃあ、やってもたあ」
3個めの!を出して制御不能に。
これがまたまずいことに、右側に飛び出してしまい、岩山と激突、車体に2ダメージを受ける。
!マークが3個揃ってわしの車体は右側の岩肌に激突。4速のカードを裏返しに貰い、1分追加。左側なら草むらだったのでダメージなかったのに運が悪い。
I got no impression this town is made by the imitation…
にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃん〜♪
デンジャラス慎吾が事故った時のように頭の中でRage Your Dreamがこだまする。
横をコタ拓海のハチロクが抜けていく。
完全に抜かれてしまった。
気を取り直して、1速からスタート。コーナーがきついため、黒サイコロが3個制限となってもとんでもないハンデにはならなかったのが良かったが、1分のタイムロスは致命的である。
コタは5速でゴールを受けた、2ラウンド後にわしもゴール。
コタ先に、ゴール。
そこからmiaがゴールして、ソージロがゴールしようとしたら、1マス手前で制御不能になった。
走破タイムは、コタ4:20、mia5:30、わし6:00、ソージロ6:10であった。
所要時間60分
コタのコメント
面白い。またやりたい!
miaのコメント
レースゲームは色々やったけど、まだこんな新しい手法があったのにびっくり。
ソマーリオ
これは凄いな。サイコロをこんなふうに使うなんて、信じられない。めちゃめちゃ車の動きにマッチしてやがる。
システムは思ったよりもシンプルで、ソージロにはちょっと難しかったが、コタくらいになるとあっさりと理解できるし、何より直感的でもある。
レースゲームといえば、フォーミュラ・デを思い出すが、あれの欠点は、なんといってもスタート位置の有利不利が大きすぎたところ。後ろスタートだとまず勝てない。
ラリーマンでは、時計勝負なので、有利不利関係なしの純粋勝負ができる。
逆にいうとそこがこのゲームの欠点でもある。マップとサイコロは完全に予定調和されており、最適解で進むことが可能だ。その時点でゲーム失格なのだが、そこにほんの少しだけ、ランダムなフレーバーが入っている。わしが焦ってミスったように、一人でやってはそういったことも起きないのでゲームにならないと思う。
それだけでは当然不満。上級ルールとしてサイコロ同時振りという要素もある。これはまだやっていないが、入れないとゲームとして完成しないだろう。
ただそういった事を抜きにしても、非常によく練られた、おもしろいゲームであることは間違いない。気持ちよくシステムに身を委ねられるゲームってのはそう多くない。
かなり気に入ってしまった。わしの大好きな頭文字Dの世界観が、このゲームにはある。
レースゲームはテレビゲームでやる方がリアルで良いとは思うのだが、そこまで競い合えるには全員にかなり練習がいる。前にオビ湾、nasika、COQらと一緒にマリカーをやったが、オビ湾速すぎて、みんなドン引きだった。ボードゲームでレースをやるってのはその習熟期間をなくして、オイシイ駆け引きの部分だけを抽出することができるのだ。
気になるところといえば、このシステムだと、ゼロスタートからの方が、ブレーキングよりもタイムが短くなるところくらいだ。12345の方が、54321と落としたよりもタイムが速いことになる。
コンポーネントはマジ完璧。様々なコースを組み合わせて作ることができるし、なんつっても車のコマが見たこともない精度で出来てる。これだけでかなりテンションが上がる。
ボードは、リバーシブル仕様で雪道もある。
マニア向けに、どういったコースを作り、どれくらいのタイムで走ったかのログ用の紙も入っている。これにハマりまくってる人がBGGをみるとたくさんおるってのもよく分かる。フォーミュラ・デと同じノリである。
ただし、残念ながら2009年発売のこのゲームは絶版だ。
これの拡張ダートというのも絶版だ。わしも欲しいが入手できない。当時すぐにやっていれば、こんな事にはならなかったのにと後悔しきりだ。
朗報があって、このシステムを使ったラリーマン:GTというのが2020年発売されている。
コンポーネントを見てみるとラリーではなく純粋なコースレースである。つまり抜きつ抜かれつってやつだ。その分、ギア比(タイム)カードが見当たらない。代わりにフルブレーキング用赤サイコロと6速まである。
BGG評価的には、このゲーム以上の評価を得ているし、様々な拡張も売られている。このシステムで抜きつ抜かれつやったら、そら盛り上がるわ。ただ、タイム勝負というこのゲーム特有のストイックさも正直捨てがたいが。
唯一の欠点は、こちらの車コマがなんかしょぼいところ。本家サイトをみると様々な車種の錫製コマも発売されててちょっと欲しくなってくる。
気がついたらラリーマン:GTもポチってたわ。
キックスタートだが、ラリーマンGTダートってのもあって、これはこのゲームと拡張のダートとのセットらしい。
Gamefieldで取り扱ってくれんかなー。
その後、これは絶版入手難となってたが、ラリーマン:DIRTとしてこのメーカー最後のゲームとしてリメイクされているので、流通在庫があるうちに入手した方が良いと思う。
ここまで絶賛して落とすのもなんだが、予定調和の盛り上がりが受け付けない人ってのもいる。ソロでやってはそこが特に強調されてしまうので、複数で、しかもラリー選手権のように数レースで競うってのが良いと思う。GTであるなら、それだけでゲームになるとは思うが、手に入れてからまたレビューすることにする。
なんせ頭文字Dが大好きな我が家ではかなり評判がいい。
あー、最後に忘れてた。思ったよりも時間がかかるので、そのつもりで。短いコースなので30分くらいで終わると思ってたら1時間掛かった。コースによるがこの写真のコースやと1人15分くらいかな。