Wolfgang Kramer
&
Michael Kiesling
Phalanx
2〜5人
120分
ラージャ(マハラジャ)
ゲーム説明
16世紀インドを支配していたマハラジャ。各地でラージャと呼ばれる宰相たちは商人、苦行僧、ヨガ行者果てはムガール人に支援して貰いながら、おかかえの建築家を使って宮殿を建築していくのに夢中になっていた。マハラジャは全国をめぐりラージャの業績を評価してはお金を与え、ラージャはそれを使って再び宮殿を作るのであった。
全体図。街道に村を作って道を整備して都市に宮殿を建てる。
プレイ感
大物デザイナーで、各地で話題となったくせに珍しくメビウスが取り扱わなかったゲーム。まあ、オランダのゲームなんでルートがなかったんかも。ちなみにこれはドイツゲーム大賞にノミネートされ、オランダゲーム賞を受賞してる。
実はわし、インドかなり好きなのよ。子どもの頃読んだ手塚治虫のブッダの影響も強く受け、さらに仏教界の東大と言われた大学出身者でもあるんでこのテーマはかなり萌えなのだ。
かなり入手が遅れてしまったがようやく、TAM夫妻、兄、MIRUの5人プレイが出来た。
基本は簡単、マハラジャが調査しにきた町に宮殿やら町やらを立てて順位によってお金を貰うだけ。
初期配置。マハラジャは左上におわす。早速街道に村を建ててマハラジャのいる都市へ移動だ。そこに宮殿を建てるとお金を貰える。
こんな感じでマハラジャがきたらたむろするのだ。マハラジャ(でかい黒駒)はギブミーしてくれる。街道に村を建てていないと移動する事が出来ず、勝利条件はガラス玉である宮殿の数である。
まず秘密ディスクで2つのアクションを密かに選ぶのだが、もしアクションが出来なかったりすると、罰則として皆が2ゴールドずつ貰えるのだ。
これが秘密ディスク。2つ矢印があって行動を決めておく。ちなみに今は通行無料になる放浪僧キャラをとってるとこ。
とりあえず支援者は職人よ。なんと12ゴールドかかる宮殿(勝利条件はこれを7つ建てる事)を9ゴールドで建てられるスーパーキャラだ。
さ、いくぞー。
わし「たぶん、お前、わしと一緒のん選んでるわ」
開始早々、兄の秘密ディスクを読むわし。さすがは天才だ。
兄「あ、ちょっと間違うた」
、、、
わし「せーので、どん」
兄「じゃあ、まず石切場から家を切り出してと」
わし「ま、待て。石切場?? あーーーー、忘れてたーーー!!!」
そう、わしは家をいきなり建てるを選んでしまったのだ。家はいったん、石切場から切り出してからでないと建てる事は出来ない。
つまり、、、
兄「やっぱりな。わしもいきなり間違うたから直したんや。じゃ、お前、パスで、皆2ゴールドずつ貰おう」
※ このゲーム、1つでも行動出来なかったら皆に2ゴールドずつ配るという酷い罰則がある。
わし「まてー!! やり直し! やり直しじゃー!!」
と、
ズル王子
ばりに無理矢理ディスクをぐりぐりっと。
ほっ。
兄「ズルしやがってえ!」
わし「ええもん、わしズル王子やもん」
つう訳でゲーム再開。
このゲームの肝はマハラジャがくる町に最初に宮殿を建てる事である。最初に建てると真ん中に建てる事が出来るので圧倒的に有利なのだ。真ん中は3ポイント、端っこは1ポイントにしかならないのだ。このポイントの順位に従ってマハラジャはお金をくれるのだ。
全員左上のマハラジャ巡回予定地にたむろする中、見事左下に宮殿を建設したTAM嫁。最初に建てる真ん中の宮殿だけは価値が高いのだ。
1ターン目は兄の商人が最も早くそこに建てる。順番がこれほど重要だとは思っていなかったのだ。なんといってもいっちゃん初めに行動出来るムガール人の特典はゼロという事だけで誰も取らなかったというしょぼさ。
※ 7人の能力の違ったキャラクターがいるのだが、それぞれ行動出来る順番が決まっており後ろになるほど特典がいいように出来てる。またよくあるキャラクター選択システムと違って、毎回キャラを変える事がなく、それは手番のアクションによってのみ変更出来るのだ。
いきなりマハラジャに自分の功績を認めて貰おうと、巡察地に群がるわしら。なんて卑怯な役人だ。
しかし、マハラジャは全国をくまなく巡察するので、結局は全インドのためになるのだ。
ぎぶみー、してんか。
ぎぶみー、してんか!
あちこちでこういう声が聞こえる。
当初、真ん中の街道沿いにこのゲームのポイントのひとつである村を建てていった。しかし、よく見ろ、俺。マハラジャの巡回経路って見たら分かるやん。わしの村ちっとも使えんやんけ!
※ 街道沿いの村は2つまでしか建てられず、他人の村しかないときは通行料をそのプレイヤーに払わなくてはならない。
右上にかなり遠い未来に尋ねるであろう、場所にぽつねんと先行投資するTAM。右上がマハラジャが巡る順番である。当然これはディスクで操作可能なのだ。
なんつう痛恨のミス。なんかこのゲーム俺にしてはミスが多すぎるぞ。9ゴールドで建てられる職人も、マハラジャの配るお金に比べれば普通にフォローしておつりがくるくらいである。順番が6番目の方が致命的である。
わし「キャラ交換!」
安直だな、わし。。。
つうわけで、MIRUの持ってる放浪僧が、金払わずに通行出来るので良さげ。順番も3番手で文句なし。
ゆおーし、これでがんがん通るでー!
※ このゲームは町に宮殿や建物を建てる時に必要な自分の建築家の位置が重要である。建築家は自分の手番なら動かし放題なのだが、通るたびに通行料が発生するのだ。またおるとマハラジャ計算時に1ポイントにもなる。
終盤ともなると、凄まじい数のコマが集まる。さすが乞○の国、インドである。
しかし、見ればみるほど、しょぼいな、俺。道に置いてある村どころか、最初の手番で、マハラジャが向かわない町で、すぱっと宮殿を建てたTAM嫁には恐れいった。そやねん、先に真ん中取られたら、諦めて次に向かう町に宮殿建てたら良かってん。いずれマハラジャはやってくるねんから、、、何を慌ててマハラジャ巡回地に宮殿建てとんねん。端っこの宮殿(12ゴールドなのにマハラジャ計算時は1ポイントしかならない)建てるくらいなら、建物(1ゴールドで建つ。マハラジャ計算時も1ポイントある)建てても得点は一緒やんけ。8ゴールドも浮いたのによー。
ここまで凡手を繰り返すのは、自分でも驚くほどである。
これで勝てる方が不思議である。ようやくルールつながりの意味が分かり、そこから作戦変更したものの、ほとんどの村はすでに道に2つ建ってるし、宮殿の真ん中は取られてるしで、時すでに遅し。入ってくるお金は4ゴールドとか1ゴールドとかのしょぼさでじり貧。
待てよ。
冷静に見てみると、勝利条件である宮殿数なら、互角の勝負してる事に気づく。
このゲームのおもろいところはキャラ選択や街道、マハラジャの巡察と複雑に絡んでいるのだが、勝利条件である宮殿は、ほぼ全員互角で勝負はもつれ込むという点である。感触としては惨敗であるのだが、惨敗していないのだ。
後半、兄とTAM嫁がヨガ行者(上級ルールで、1ターン余計に出来るチップが貰える)を互いに使いまくり(能力はいつでも使えるので、ヨガ行者をキャラ選択で取ってしまえば、二人ともこの能力を使えるのだ)余裕の行動を行う。ヨガ行者のいいところは、余分に出来る行動をあらかじめ選択しておかなくてもいいというところだ。
最期の最期でTAMが先行投資した都市にくる。もう、わんさと集まって大騒ぎである。
結局、兄が潤沢な資金で9ターン目に一気に宮殿を2つ建てて勝利条件の7つを達成。TAM嫁が資金の差で2位、わしが3位であった。こんな凡手ばかりうって3位とは驚くばかりである。まじで。変わってるわ。
所要時間なんと2時間半!
兄のコメント
これ、かなりよう出来てるわ。おもろい。
ソマーリオ
あちこちで評判になってるようによう出来てる。要素がかなりあって、それが見事に絡み合ってるくせに、勝利条件は非常に単純そのものである。コンポーネントもいい。やってみて思ったのは、ウェットにした
王と枢機卿
かなという感じ。
しかし、このゲーム時間は頂けない。このゲーム、2アクションしか出来ない癖に、キャラ交換アクションのせいで出来る事(考える要素)が多すぎて非常に長考してしまうのだ。考えだすとキリがなくなる。
ティカル
のように最善手を探せるタイプなのだ。このゲーム、下馬評が高かったにも関わらず、ドイツゲーム大賞ノミネートどまりなのは頷ける。
俺の嫌いな最善手を探すタイプのゲームであるにも関わらず、
をつけているのはそれにもましてゲームとしての楽しさが備わっているからである。もうひとつ、しまい方わからんぞ、これ。
gioco del mondo