Wolfgang Riedesser

メビウスゲームズ

2〜6人
30分

Q-JET

西暦21××年。超高速で走るハイパーマシンQモビル。ジェットエンジン搭載の極限までチューンナップされたQモビルは地上100mの専用サーキットを超高速で走りまわり、人々はその圧倒的スピード感に酔いしれていた。








プレイ感

メビウスがとうとうやりました。あの名作レースゲーム、アベカエサルのリメイクを作った。
早速やらねばということでTAM夫妻と共にゲーム開始。

このたっぷりと重量感のある鉄製駒は、かなりいけてるぜ!


よく見りゃイタリアの国旗になった。今回は初心者向けの時計回り緑コースで。

いくぜQモビル!!

ロケットダッシュを決めたTAM嫁、いきなりちゃっかり道をブロック!!

「なにぃぃ! スタートダッシュの6ってむっさ有効やんけえ!」

説明しよう。このゲームでは追い越しや追い抜き、追い越され追い抜かれが出来ないのだ!! って全部同義やんけ! 同じマスにも止まれない。書いてある数を必ず進めなければならないので、そういうケースになった場合、パスせざるを得ない。


しょっぱなの6に陣取り赤モビル。ここは1マスなんで前に進む事は出来ないのだ。

とりあえず、わしの駆るQモビルホワイトスターデンジャラストミセカケテイガイトプリティウェルマンセーIII型改、略して連邦の白い奴は化け物か! は3倍早く動けるというTAM嫁の赤いQモビルを追う!

テールツーノーズ、サイドバイサイド、ツインテール、グドンなどのデッドヒートを繰り返し、1周目のコーナーを立ち上がる。

と、突然、連隊長棒もついていない汎用機カラーのTAMが俺様の前方をブロック! あーんど、赤いQモビルも斜め横をブロック。

しまつたああああ!!

ピットインでけん!

説明しよう! 今から100年後の未来、Qモビルは3周走る間にピットインして「もうかりまっか?」「ぼちぼちでんな」とピットクルーと語り合わなければ不敬罪に問われて処刑される第一級の罪となるのだ。

※ 本当は2周目はピット出来るまでパスするルールがある。上のルールはアベカエサルのヴァリアントルールである。

しょうがないのでメインスタンド前を連邦の白い奴は一気に加速することに。

次々にピットインするタモン公国のQモビル。

2周目、この周にピットクルーたちに挨拶しなければ、処刑される。俺様は白い奴を駆りながら何度も何度も挨拶の言葉を唱える「やっとかめだなも、やっとかめだなも・・・ってこれは名古屋人の挨拶やんけ!!」と独りつっこみをしつつ先頭を走る。

ふと後方をみると、6歳のお嬢ちゃんのスカートめくりをしようとはぁはぁする30歳独身、趣味はOh! 声優を週に3回は観る事というTAM弟(嘘)のようなニヤついた顔をするTAM夫妻。

こいつらあ、ブロックしようとしてやがんな!

そうはさせじと先頭をひたひた走り、最後は一気に大外を廻ってピットイーン!!

「大阪人は女でも全員パンチパーマをかけるねんでぇ!」
「うそ! まじで!」

すぐにコース復帰。

3台のイタリアーノコロレットQモビルは、団子状態となって、3周目の1コーナーをカーブ。


まさにサイドバイサイド。外から被せるように走る俺。

ここで再びトップに躍りでる。

しまつたああああ!!!

手札、6と3しかないやんけ!! 残り4マスでゴール。

説明しよう。先頭は6のカードを使えない。そしてゴールするにはぎりぎりの数のカードしかもっていないのだ。つまりこの場合誰かに抜かれなければゴール出来ない。

抜け、抜け、抜け、抜けーーー!! 俺様のデムパがTAM嫁を優しくオルガスムス。

抜きよったぁぁぁあ!!

ぷぉーーーーーん!!

所要時間18分


あと1マスで勝てたのに残念やったね〜。おーっほほほほ!!

2レース目。

前回トップのわしがポールを確保。今度は若干長くなる別のコースで。

コースのマス数はカードぎりぎりなので、あまり外回りしてるとゴール出来なくなる。

さっきは終始赤モビルに邪魔された。よって今回はわしがロケットダッシュを決めて、ポイントポイントを押さえる展開になる。

「俺、乗れてる!」

アウトインアウト、アウトインアウト、優しくスムーズにピストン運動……じゃなくて、要所要所を押さえる。

後ろでほぞを噛むセックスレス夫妻(嘘)

1周目にピットイン、続いてTAM嫁も入ってきた。

あっとエンジントラブルか!

「川井さん、川井さん。ピットレポートお願いします」

「どうやらホワイトスターストイコビッチカイミョウカイミョウウルサインジャホソキカズコピカチュウ号にミッショントラブルが発生した模様です」

ついで細いピットレーンにのこのこと飛び込んできたTAM。

はげやのう。

そう、わしはここで狙ってトラブルと見せかけ1を連発したったのだ。

ピットレーンに詰まりパスする二人。TAM嫁がパスすると真後ろにつけたTAMも当然パス。


おろかー! どん詰まりにしたったー。

そして十分頃合を見計らって再ダッシュ!!

ぷぉーーーーん!!

しかし、3周目にさしかかった頃、手札に6が集まりだした。

そろそろだ!

説明しよう。Qモビルはトップの場合、6のカードを使えないのだ。

ここで一気にペースダウンして、トップをゆずる。実に2周もトップをキープしていたのだ。

そして嬉しがって先頭にたったTAMを、6で再び抜き去る。

ぷぉーーーん!!

最後の直線、そのまま押し切って2度目のチェッカーフラッグ。

所要時間18分

ポイント制で4レース行うことも出来るが、アベカエサルもやりたかったので単発レースとした。

TAMのコメント

レースゲームがこんなに白熱するなんて…現時点ではアナログ・デジタル合わせて一番好きなレースゲームです(アベカエサルをするまでは、でしたが)

駒の質感といい、かなりメビウス頑張ってます。しかしよう出来てるわあ。

しかし2回目、まんまとピットに入ったからなあ。こう吸い込まれるように入りましたわ。

ソマーリオ

単純なルール、適当に見えるコースの中に計算されつくした美しさがある。サイコロで進む運だけの双六と違い、全員が対等に近い条件でレースの接戦やリタイヤ(外を廻りすぎてゴール出来ない場合)を描いている。

特に素晴らしいのが、きつきつのマス数とトップの6禁止のルール。これのおかげで、絶対に1度はトップを譲らなくてはならないように出来てるのだ。

無機質なQモビルというテーマにするとハードボイルドな仕上がりになるなあ。個人的に残念なのはこのシステムがそんなにスピード感のあるシステムじゃない感じなとこ。デッドヒートをするタイプなんだわ。まあずばりそのテーマの差がアベカエサルとの違いやと思ってくれたらいい。テーマとして未来のサイバーな感じが好きな人はQ-JETを、ローマ好きはアベカエサルを。

しかしアベカエサルの完全なリメイクのくせして、わしゃ周りの評価のようにまったく同じゲームと感じられなかったところにおもしろさがあるねえ。 そういう意味ではアベカエサル持ってる人も持ってない人もルールは簡単で短時間でデッドヒート出来るこのゲームはお勧め出来る。コンポーネンツの弱点としてボードが若干頼りないところがあるが、それを補う駒の質感があり、これをドイツゲームだと思えばコストパフォーマンスに文句はない。アベカエサルと違い箱も小さく持ち運びもしやすいので、初心者を誘うのにぴったりといえる。一家にひとつ、Q-JET。まじでおすすめ。

追記 アベカエサルと違うところ(メビウス正式回答です)



矢印の部分はアベカエサルでは外レーンと内レーンは平行なのだが、Q-JETではずれている。例えば時計回りで回るとき、内から大外のレーンには移動出来ない。また内外平行に並んだ時も外が若干飛び出てる分トップとなる。これは意図的にデザインしているとの事。
1週目のピットを妨害されたのはこのせいである。外に持ち出せなかったのだ。

しょぼい追加ルール考えてみた

個人的にどうにも納得しがたいQ-JETの弱点としてピットインカードの存在がある。アベカエサルでは皇帝に敬礼しなければ駄目というルールで意味はあるが、Q-JETではピットインしなければならないというのは、ちょっと強引な気がする。おそらく、もうひとつのリメイク、アウスゲブレムストも近代のレースゲームがテーマとなっているのでそうだと思うが、別にピットインしなくても何ら問題はないのである。

そこで、ピットインカードの下に最初にカードを2枚(2〜4人コース)もしくは3枚(5〜6人コース)抜いておくのだ。ピットインする事で最初に抜いたカードを山札の下に補充出来る。こうすればピットインする意味が出てくる。つまり、いけると思えばノーピットも可能だ。こうすればピットインする必要性が意味としてスムーズである。カードがたくさん残っている間に判断しないといけない山勘なのでたいして意味のある追加ルールではないが、4レースで勝敗を決するグランプリルールの場合、一発逆転をねらう事も可能かなという気もする。どうにもわしゃ、こういう意味づけが好きなのよ。

※手札の合計値は84。3〜4人コースの場合ピットインを考えると最低80マス必要。5〜6人コースだと最低78マスでゴール出来る。


アウスゲブレムスト。持ってないのでGeekから拝借。左下にあるアレイみたいなのがそれかな??

gioco del mondo