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Klaus-Jurgen Wrede |
AMIGO |
2〜4人
45分 |
ポンペイ
ローマの貴族たちは、ポンペイにある別荘で休暇を愉しんでいた。
ポンペイは、みるみる大歓楽都市となっていった。
娼婦と戯れるもの、剣闘士たちの戦いを愉しむもの…
かれらは知らなかった。
この後、恐ろしい惨劇がこの都市に降りかかる事を。
プレイ感
カルカソンヌのヴレーデという事で期待された割には、なんだか残酷な癖に阿呆っぽいゲームであると微妙な評価を受けていた。前からずっと気になっていたのだが、ようやく購入。miaとの二人プレイにて。
手番になると、カードを出してそのカードの指示した場所に自分の駒を置く。既に同じ建物に駒が置かれていたら、縁者駒として、追加で置く事が出来る。
手札は4枚。番号が書いてある場所に自分の駒を置く。建物は2マスにまたがってるものもある。これは縁者や移動に重要な区切りとなる。
序盤、やたらとこの縁者ルールを活かしておきまくるmia。わしゃ、カード巡りが悪くて、縁者をなかなかに呼べない。ポンペイは赤駒であふれかえってる。縁者というのは自分の駒でなくても誰かの駒が置いてあれば、その分呼べるのだ。
要は口コミだ。
ローマ人A「もうね、あそこのリアちゃんが凄いのよ。吸い付いたら離れないって感じ。まさにバキューム」
ローマ人B「いやあ、今、可愛い子揃ってるのは、キャバクラのラーよ。指名料がちょいと高いけど、お持ち帰りもありうるしさあ」
と、こんな話があちこちでされてたのであろう。この甘言にだまされて、縁者たちはわらわらとポンペイに集まってくるのだ。
わし「ひどい!」
mia「何が??」
このゲーム、何が勝ちかって言うと、生き残った駒の多い方が勝ちという、ポンペイの繁栄もへったくれもないルールである。やたらめったら縁者を呼ぶのはいいが、逃げ道に近い場所に陣取るのが基本だ。
逃げ道というのは8カ所くらいあって、そこから簡単に逃げる事が出来る。1手で、離脱出来るのが理想だから自然、駒は端っこにより固まる。
うーむ、これはポンペイの繁栄を意味するのか?
と思うのもつかの間、そこらへんは作者もしっかりと計算してて、カード枚数で上手く調整しているのだ。つまりポンペイは確かに繁栄する。
縁者のルールと同じく面白いのは、移動のやり方。火山が噴火すると移動出来るようになるのだが、移動は元いた場所の駒数である。4個いた場所なら4マス進める。残された3駒は3マスとなる。人は力なり。たくさんいた方が動ける。中央部はたくさんの駒がおけるようになってバランスを取っている。
mia「オーメン。こいつ、ポイ」
むかっ
オーメン、予兆カードというのが7枚あり、こいつを引くと、好きな駒をひとつヴェスヴィオ火山にぽいぽいと捨てることが出来るのだ。当然、逃げるのに適した端っこの駒が死ぬ事となる。
オーメンカード。このカードは意外と早くに出る。理屈上8手番行った以降は出る可能性があり、引いたプレイヤーは、好きな駒をあのヴェスヴィオ火山に投げ込む事が出来るのだ。予兆が出たからといっても、プレイが変わる事はない。
mia「オーメン、ぽい」
なんかやたらとオーメンを引くmia。
無性に腹立つのー。
大体やな、そんなけ火山の予兆があんのに、のんびりと暮らしてんなよな!
このボケがぁぁあぁぁl! 死ねやぁぁ! ぽいぽい。この10番の建物はかなり人気。なぜなら、逃げる場所に非常に近く1手で逃げる事が出来るからだ。他にもそういった場所がある。逃げられる場所ってのは、端っこにある門みたいなところで、あちこちにある。
益々ポンペイは繁栄する。ちなみに縁者というのは、例えば右下にある11の闘技場に置いたら、既に2つの駒が置いてあるので、同じ茶色の建物か、色のついてない中立の建物に駒を2つ余分に置ける。中立の建物は逃げるのに適した場所にあるので、縁者は活用したいところ。
そうこうしているうちにポンペイは最大の繁栄を迎えた。そのとき…
mia「噴火した」
運命のAD79カードが引かれた。ここからポンペイのゲーム性は一気に変わる。今まで持ってたカードはゲームにまったく関係なく捨てる。そして、溶岩タイルをめくっては置いていくのだ。
繁栄の頂点を極めた時、運命のカードが引かれた! これから阿鼻叫喚の地獄絵図が始まるのだ。見たら解るように赤色がやたらと多い。。。
溶岩は6種類のマークで区別され、同じマークの辺同士がくっつくように置いていく。どこに置くかはプレイヤーの意志がゆだねられるので、非常に重要だ。まずは6枚ひたすら溶岩をめくって配置していく。溶岩の下敷きになった駒は当然、瞬間消滅、火山に投げ込まれる。
最初、とりあえず6枚次々に溶岩タイルが引かれる。この間逃げる事は出来ない。タイルはスタート位置が決まっており、最初の1枚目は、その場所におかれる。それ以降は、辺が接するように溶岩流は流れていく。
それが終わると、手番に溶岩タイルを引いて配置した後、2駒動かす事が出来る。目標は当然、避難コースである。先に書いたように相手の駒も含めてのマンパワーな移動力なので、逃がす事が出来るところは早めに逃がしたい。しかし、マグマが隣に迫ってきては、何時、瞬間蒸発させられるやも知れんという恐怖がおそってくる。
逃げ方は、居た位置の駒の数である。下にある10の建物のわしの黒駒は2マス移動出来たので、そのまま逃げ切った。右下11の赤の駒も1マス移動で逃げ切った。つまり逃げれば逃げるほど、駒の移動力が少なくなっていくシステムだ。
わし「死ねやぁ! オラオラオラオラオラァァァ!」
ぽいぽいぽい
mia「やられたー」
わしは、駒数が少ないのを幸いに、miaの駒が集中しているとこにマグマの鉄槌を下す!
あちこちでmiaの駒がマグマの脅威にさらされている事が解るだろう。それにしても赤大杉だ!
わし「マーグマーが産んだ。正義のマーグーマーっと」
そして、見事な戦略的撤退劇を演じる。
寄せては、逃がし、寄せては、逃がし。
miaの駒は次々に火山へ送り込まれる。自分がマグマを引いて、なんとか外したとしても次ターンに…
わし「死ねえ!!」
ここからは溶岩流の流れを画像でそのまま流していく。
わしの駒は左以外は逃げ切った。中央に位置しているmiaの駒はおそらく逃げ切る事はかなわないだろう。アーメン。ちなみに何度かゲームをやったが、左のゾーンは溶岩が何故か流れにくくゆっくりと逃げられる位置なのだ。
と思いきや奇跡がおきた。あの中央部のほとんどの人が逃げ切る事が出来たのだ。神様、感謝いたします! 意外と後半になると、流れが安定して死ににくくなるのだ。
実は火山爆発時、わしの駒は手元に11個も残っていたが、miaは僅か2個だけだった。つまり9個もmiaの方がポンペイ繁栄の人柱となっていたのだ。
最後の溶岩タイルが置かれると、盤上に残ってる駒は全て火山へ。逃げ遅れた人々なのだ。
最終。溶岩タイルがなくなって、盤上に残ってる人は全員逃げ遅れで死亡する。
結果、わしとmiaは同数生き残った。この場合、火山へ投げ込まれた駒が少ない方が勝ちである。
火山の中にはたくさんの死骸が!!
開けてみると、赤大量死。ジェノサイドでござった。。。
溶岩ではほとんど殺されなかったわしの勝利。所要時間45分
その後、面白い面白いというので3回ほどやったが全てわしが勝った。
miaのコメント
わたしが今までやったゲームで3本指にはいるね。大好き! でもこんなに好きやのに、どうして勝てないんだろう。この愛がゲームに伝わらないわあ。
後日やったOECのコメント
前半、火山噴火までとにかく、若さに任せて(場では最年少)人を増やしまくる。逃げやすい建物に居なくても、とにかく色んなところに居ればいっぱい逃げれるやろ。と、カード運に助けられながら自分の人間を増やす。
と、火山が噴火。溶岩が街に中に流れ出してきて、さっそく数人が逝く。ここからが後半戦、阿鼻叫喚の逃げ祭り。逃げるために繁栄してきたんだもの。
街の奥深くで、既に溶岩にさらされている数人をえっちら動かすこと2手番くらいか、経験者のあきおさんとmiaさんは、ひょいひょいと脱出可能な人を脱出させながら、他の人を動かしているのに気付く。そこからとりあえず脱出第一主義(エスケーピズム)の流行に乗るも、人が多すぎて、目移りしちゃってぼんやりな行動。数に対応できないとみるや、街の深部に居る人を見捨てて、そこそこの場所に居る人を中心にダッシュさせ、溶岩に呑まれる人を横目にラストスパート。
閉じ込められてそのまま・・・な自分の黒駒2人を残して街が崩壊したところで、ささっ、得点は、と。あきおさんと同立だったけど、より多くの尊い命を守る事が出来なかった僕に罰が下り、2位へ転落。
すぐおわるのに、なんて面白いゲームなんだ!
完全に神の視点で遊ぶゲームだけど、無駄に縁者を増やしすぎた落伍者一族に最後に転落が待ってるあたりとか、神様の神様を感じてしまう。火山に人を放り込むのが、地味に面白い。
ソマーリオ
なんだか不思議なゲーム。本気で作ったのか、冗談で作ったのか。縁者のルールといい、移動のルールといい、ボードの配置といい、非常に洗練されているところを見ると、本気で作ったのは疑いない。
非常に攻撃的なゲームの癖に、他人の駒がないと上手く動けなかったり、他人の駒が置いてあると安心してゆっくり逃げられたり出来る。溶岩は相手の駒しかいないところに落とすのが基本であるから、妙な連帯感みたいなものが生まれるのだ。
ただ生き残ればいいという、まったくもってポンペイの繁栄とは関係のない男らしいシステムに好感は持てる。
溶岩は、コントロール不可能かというとそうではなく、大体落とされるところなんて見えてるところが、寂しかったりするが、これは致し方のないところ。ここまでランダムだと、ほんまに運だけのゲームとなってしまうからだ。
後半などは、人の意志がやたらと絡んでくるのでシャイニングロードみたいな逃げ道がずっと残ったりするので、ある程度溶岩が落ちてからはどきどき感が薄れてしまうのは非常に残念だ。
なんだか不思議なプレイ感だが、この手のプレイ感はポンペイ以外にない。よくネットで、やたら残酷な感じがしてげんなりすると言われてるが、わしゃ別にそんな風には感じなかった。むしろ、こんなゲームでいいの? みたいななんとも言えない気持ちだけが残る。おもろいと言われればおもろいし、つまらないと言われればつまらない。ゲームを終わってみて、感慨が何もわいてこないのだ。
ただ、たった40分ほどで終わるし、プレイ感もかなり軽いので、プレイするのにまったく億劫さはない。miaが好きというので、やたらと出してきてはプレイしている。一度、もっと多人数でやってみたい気がする。
さっき、ひょっとしてと思いポンペイの地図をみた。そしたらボードにある建物の位置は、ポンペイの地図にそって配置されてる事が解った。道理で、闘技場がでかいくせに収容人数が少ないなと思った。端っこにあるからだ。
ヘビーローテーションでこのゲームをやってるので、実際にポンペイに行っても迷う事はなさそうである。頭に入ってしまった。
これがポンペイの地図。配置がそのままなのだ。くわしくはこちらのページをどうぞ。