Jurgen Strohm

Hans im Gluck

2〜4人
60分

利益・廃液(2回目)

企業の存在理由は利益をあげて雇用を守り、経済を豊かにすることです。
ただし昨今、それだけでは企業は社会貢献したとはいえないでしょう。
公害や廃棄物の問題から、社会的義務を達成する必要があります。
あなたは、会社の利益を守りつつ、廃棄物を適正に処分して、社会貢献度の高い企業へと成長させていかねばなりません。

プレイ感

掲示板のムーアさんにほだされて、ものごっつうやりたくなったので嫁の実家(倉庫代わり)から持ってきた。
これ当時、メビウスのアンケートで評価高くして送った記憶ある。
ちゅうわけで、コタ15歳、そーじろ11歳、miaとの4人プレイにて。


前のレビューをみると、あんまりルールとか書いてないので、ざっくりと説明する。
個人ボードには、効率化度合い3項目(合理化、必要原材料、廃棄物)と廃棄物倉庫マスがある。原材料を手に入れたらそれもこちらに置く。
各自15Mユーロを受け取る。ゲーム通じてお金は隠し情報だ。面倒なので裏向けにしてた。


個人ボードには、効率化3項目と下部に廃棄物倉庫マスがある。

共通ボードの左上に皆の工場駒を置く。これは右に行けば行くほど会社が成長し、製品の売上が伸びる事を表しており、上下方向は社員数となってる。最初は500人おり、100人にまで減らせることができる。

最初に、場にアクションカードをプレイヤー人数+1列、3枚ずつ並べる。今回は4人プレイなので5列作るのだ。
親プレイヤーから時計回りにカードを1列丸ごと受け取って、自分の場に表向けにする。


共通ボードは左上からスタートし、右にいくほど会社が成長していく。上下は社員数である。最初が14からスタートしているのはこれは商品を作った時に得られる金額と最後の勝利点を表しているからだ。社員数も同様で、5(つまり500人を表す)は、人件費5Mをも表している。このようにユーザーフレンドリーなボードとなっている。
今回は4人プレイなので、カードを3枚ずつ5列に並べて親プレイヤーから順番に取っていく。

それが終われば、親から順番にカードを1枚出して、そのアクションを行っていく。
全員が残り1枚かなくなるまで手番を行うが、残した1枚は次のラウンドに持ち越す事ができる。
アクションは捨ててやらなくても良いし、途中パスして復帰することはできない。

このゲームはアクションを説明すれば成り立つ。
原材料販売 - 全体のストックから自分の必要原材料マーカーの数を左隣から1周競りを行う。
 ※他人が落としたらそのお金を貰えるが、自分が最後に競り値をつけて購入した場合は銀行に支払う。
成長 - 工場駒を1マス右に移動
リストラ - 工場駒を上下に1マス移動(社員数の増減)
技術革新 - 効率化度合い(合理化、必要原材料、廃棄物)のうち1つを1マス右に移動
廃棄物処理 - 廃棄物倉庫駒を3マス戻す
不法投棄 - 廃棄物倉庫駒を1マス戻し、他プレイヤーは1マス右に移動
契約 - 原材料(必要原材料マーカー分)を支払い、廃棄物倉庫の駒を進める(廃棄物マーカー分)。工場の成長分お金を貰う。
 ※工場の合理化マーカー以上の人数が工場にいないと出来ないし、廃棄物倉庫のMAXを超える時もできない。
コンサル - すべての効果を2倍にする。契約のみ倍にならず+5Mとなる。もしくは借金カード1枚をお金10Mと共に返す(この方法でしか借金は返せない)
賄賂 - 汚染がおきた時に1M支払うだけで他の罰則はなくなる

汚染カードが出たら、汚染チェックを行う。
廃棄物倉庫が黄色に達してたら、5Mの罰金を支払い、成長を左に1マス戻す。赤色に達していたら10M支払い、成長を2マス左に戻す。
汚染カードがでるまでは、使い終わったカードを山札に再シャッフルしない。

ラウンドの最後に社員数に従って人件費を支払う。

お金が足りなければ即座に10Mと-10カードの借金カードを貰う。そのまま持ってると勝利点が-10点で、これを返すにはコンサルカードと一緒に10M支払って返す必要がある。(1枚につき1枚だけ)

誰かの成長度が一番右まで行くと、そのラウンドでゲーム終了。最後に汚染処理を行う。

会社の成長度と効率化度合い(合理化、必要原材料、廃棄物)の点数に持ち金の半分(切り捨て)に借金カードのマイナスの合計で勝敗を決める。

ゲーム序盤、コタがいきなりコンサルと原材料販売を使って10個の原材料を売りに出す。

最初は値付けが分からずコタが11Mでこれを自分で購入した。

そしてコタは、なんといっても3回も作れる潤沢な原材料で商品を作り利益をあげまくる。
あげまくるが、廃棄物倉庫がパンパンになってる。

※このゲームでは商品を作って売るところまでを1枚の契約カードで表しているので、製品自体のモノはない。

わしは工場を成長させ、契約を行ってから、リストラを行う。
もしこの順番を間違えると工場は生産するに足る人数がいなくなるため契約ができない。

昔の記憶だが、最後に支払う人件費が馬鹿にならないので、すぐにリストラして人数減らした。

そーじろとmiaは、工場の合理化を全体的に進めていく作戦だ。

3ラウンド目、厳しい選択のカードとなった。
コタは3回稼働させたことによりぶっちぎりの金持ちであるが、廃棄物が赤色に突入している。
まだ汚染カードはでていない中、1列に賄賂カードがでていた。

皆はそれを尻目にその列を残し、わしが取らなければコタが手に入れるという状況となった。

わし「うーん、これ取らんとコタ美味しいよなあ」

コタ「取るとパパが損するよ」

うーむ・・いくらなんでも走りすぎよな

わし「取る」

コタ「ひっど。絶対後悔するよ」

そして次のラウンドに汚染。

コタ「10M払うけど、成長度が0なんでそのまま」

かなり昔にやったので、これが非常に不味い状態だというのを覚えてなかった。
コタはひょいひょいと進める。

その頃、この汚染にビビってたそーじろは、廃棄物をあまり出さない技術革新を行っていた。

そーじろ「ほら、そーじろのはほとんど廃棄物を出さないよ」

わしは先読みでリストラだ。

わし「もうコンサル使って倍人数リストラじゃ」


今回手持ちカードは、コンサル、リストラ、廃棄、契約となっている。
ここで先に契約を使って工場を稼働させた後、コンサル使ってリストラをすることで工場はまったく稼働できなくなる。これは作戦でもある。

これはなんか覚えてる。
人件費払いたくないばかりに、まったく生産できない状態となる。

本来なら、上手くカードをとって、合理化を進めて生産すればいいのだが、技術革新カードはmiaとそーじろに人気でなかなか回ってこない。

さらに

わし「この賄賂カードマジで要らん」

生産できないから廃棄物が全然でない。

コタ「ね、ぼくの言った通りでしょ」

そういって、コタは満タンとなった廃棄物倉庫で、契約カードを捨てる羽目になってた。
※廃棄物マスが動かせない生産はできないのだ。

mia「それ、工場稼働できなのにどうすんの?」

やりようはある。

わし「原材料販売」

このカードの値付けというのは割とつけやすいというのをゲームをやってて気付いた。
相手の利益が16なら少なくとも8つけてしまえば、利益はプラマイ0どころか廃棄物がでるので落札しないということだ。
この廃棄物処理の価値をどう見積もるかがポイント。

わしはこの原材料販売を使って、工場を稼働せずに利益を生み出す作戦だ。

そういうわけでまったく工場が動かない割にお金を溜め込んでいく。

コタは、廃棄物処理を行ったら、再び工場を稼働させる。

そして、このゲーム特有のここから鬼の展開となる。

わし「汚染」

コタ「わ、マジ!!」

しばらくるとすぐに

わし「汚染」

コタ「もうお金がない。借金カード貰う」


コタ、すでに2枚の借金カード。一回赤に放り込むと負の連鎖は延々とおきる。

ラウンドの終了時におもむろにもう1枚取るコタ。

わし「え、なんで?」

コタ「人件費払えない。まじでお金ない・・」

一度、レッドゾーンに叩き込んでしまえばこれをなんとかしないと、汚染が出るたびにこのような事態になる。
また4人プレイなので、カードの回転が早く汚染カードが連発ででたりする。


すぐに3枚の借金。しかも廃棄物がいっぱいで契約が2枚とも捨てるしかないという事態。
なんとか今回は賄賂を手に入れたが根本的解決にはならない。

わしは結構金を溜め込んでたので、いい勝負やなと思ったら、

わし「あ、黄色ゾーンだった」

途中で気持ち生産したくて廃棄物倉庫が黄色になってたのを忘れてた。

ここまでくるとそーじろもmiaも必要原材料が少ない割に何度も回せるくらい原材料を持っており、わしはそもそも工場稼働させる人数がおらず、コタは廃棄物いっぱいで生産できないもんやから、価格が大暴落する。


たっぷりの原材料と2枚の契約カードがあるのに、人が少なくて生産できないという。リストラやりすぎた。

わし「原材料販売」

コタ「1」

わし「売った!」

コタ「原材料販売」

そーじろ「1」

コタ「売った!」

さらに生産できないもんやから

わし「契約カードほかす」

コタ「ぼくも契約カード捨てる」

と、もうめちゃめちゃおもろい展開となった。

そして、そーじろが成長度最大にしたラウンドでゲーム終了。


最終の共通ボード。コタの会社は成長するたびに汚染が発生して何度も元に戻された。わしの会社も最後2発の汚染くらって元の位置やねんけどな。

そう、わしとコタは再び汚染処理をする結果となってしまった。

結果、そーじろが勝利。

所要時間70分

コタ、なんとマイナスの勝利点という。


そーじろの最終。非常にクリーンな会社だった。


コタの最終。わしと同じく大量の材料があるものの、生産できなかった。借金4枚も持ってる。

miaのコメント

最初聞いた時苦手なタイプのゲームかと思ったけど、昔のゲームはやっぱり楽しいわ。

そーじろのコメント

ゴミを出さないSDGsな工場ができた。

コタのコメント

なんで、こうなったんだろう??

ソマーリオ

いやあ、今回のセッションはコタがおかしすぎて、最高に楽しかった。
かつてのTAMのへっぽこプレイを彷彿させる。ハマればめっぽう強いが、普段はこんなとんでもな事態になる。

ゲームは、すっかり忘れてたけど、SDGsの走りというか、当時は確かにこういった事が話題になってたよなあと思い出した。
お金儲けするだけじゃなく、あくまでメインテーマは地球環境に優しいというのがテーマとなっており、そこがこのゲームの最大の特徴である。

コタのように世界の工場中国のように作りまくるのはとても良いことなのだが、事このゲームではあかんのだ。
そーじろやmiaのように環境に優しい工場が求められ、それが高得点につながるようにデザインされている。

わしは、黄色のゾーンさえしっかりと確認してれば、かなりいい勝負ができたと思う。
前に生産しないけど、原材料で儲けるというこのやり方で勝ったこともある。このゲーム、タイトルにマネーとついてるように、ドイツゲームとしては珍しくお金の勝利点割合が高いのだ。

カードのアイコンが若干分かりにくいところがあるが、種類はそれほど多くないのですぐに覚えられるところといい、プレイヤー間の絡みもしっかりあって素晴らしいゲームだと再認識した。
これ、今こそ再販せなあかんのんちゃうの? メディアに取り上げられるで。

というか、不法投棄のコンサルって「これやったら、あいつんとこにたくさん不法投棄できまっせ」とアドバイスしてるんやろか?

gioco del mondo