Elizabeth Hargrave

AEG
アークライト

2〜5人
90分

マリポーサ

渡り蝶オオカバマダラの5,000kmにもおよぶ壮大な旅を体験しよう。
春になると数百万頭ものオオカバマダラがメキシコから飛び立ち、北アメリカ東部へと広がっていきます。
そして秋にはまた、数百万頭がメキシコへと戻ってくるのです。
しかしその道中で世代交代が行われるため、往路と復路で同一の個体はひとつとしてありません。

プレイ感

ウイングスパンで人気したハーグレーブの第二作は蝶々をテーマにしてきた。買うてみたものの、なんだかルールがいまいち分からない。実際にやってみると難しくないとのことで、コタ10歳、miaとルールを読み上げながらの3人プレイにて。

箱を出してくると

コタ「あ、これ何千キロも旅する蝶々でしょ?」

わし「なんで知ってんねん」

コタ「どうぶつの森でも出てきたよ」

わし「そういやオオカバマダラって出てきたな」


このゲーム、ルールは確かにそんなに難しくないんやけど、セットアップ時のトークン、カード類が多くて分かりにくいだけである。ルール通りに置いていけばいい。
ざっくり書くと、春夏秋の一番大きなラウンドカードから各自1枚ずつ取り、ボード下に裏向きに置く。他のカードは今回のゲームでは使わない。

各都市に裏向きに厚みのある小さい保護区タイルを置く。


ミチョアカンから1世代目をスタート。手札2枚。春夏秋のボーナス点カードを置き、春をめくっておく。

3色の卵、幼虫、蛹、蝶と描かれた生活史カードを人数分だけ取り出し、生活史ボードに並べる。その横に一番厚いボーナスタイルをランダムに色の行ごとに1枚ずつ、表向きに置く。
裏が白の追加アクションカードは3種類に分けてボードの隣におく。

裏が黒のアクションカードは混ぜて、各自2枚ずつ配る。このカードがメインと思って良い。
1の蝶駒をミチョアカンに置く。2の駒1個を夏ラウンドカードの上に、3の駒1個を秋のラウンドカードの上に各自置く。
番号は蝶の世代を表し、1世代から2世代目を生み、さらに3世代目にという形になる。


ボードはとても美しい。各都市に保護区タイルをおき、最初にたどり着けば表向ける。ヒューストンはまだ不明だが、ニューオリンズは青の成虫の生活史カードを手に入れられる。白の蝶が同じマスに2頭いるが、これはトウワタの隣接マスなので繁殖したのだ。蝶駒の上に小さく1,2と記されているがこれが世代である。

このゲームは春夏秋の3つのラウンドを行う。春は4、夏は5、秋は6ターンだ。
まずは春のカードを表向ける。ここには、ボーナス点を得られる条件が書かれている。
春ラウンドが終わった時にこのボーナス判定を行うのだ。ちなみにそれぞれの季節でしかボーナス判定は行わない。夏は夏だけでみるということ。

手番には、アクションカードを1枚、自分の前にプレイする。これは何ターン目かを見分けるためにも使うので、ラウンドが終わるまでは自分の前に捨て牌として置いておく。


間違いがちなのは、使った手札は自分の前に置いておくことだ。これで何ラウンド行ったか分かる。季節の変わり目にまとめて捨札とする。アクションカードは見ての通りである。左が1マス移動させるのを3回できるということ。真ん中が1駒を5マス移動させる。停まるごとに花トークンを貰えるので、集めるなら左のカードの方が3枚もらえるので得だ。

アクションカードは蝶駒の移動方法が書かれている。1マスを3回とか5マスを1回とか。
それぞれの移動の最後に、マスの花の蜜トークンを手に入れる。蝶は同じ蝶を移動させても良い。

止まったマスが保護区(都市)なら、タイルを表向けて、描いてあるものを手に入れる。ほとんどは生活史カードだが、追加アクションの時もある。さらにサイコロを振って、花の蜜トークンも手に入れる。一旦表向けられた保護区タイルはそのままにしておき、以降、そこに来たら描かれているものだけを手に入れる。ただし生活史カードは同じ種類は一人1枚ずつしか手に入らない。

トウワタのマークの周りに止まったなら、繁殖することができる。繁殖は、同じ花トークンを次の世代の数だけ支払うか、もしくは種類関係なく花トークンを次の世代+1個で支払っても良い。
繁殖したら、次の世代の蝶駒を同じマスに置く。最初にカード上にある駒を使うこと。
ちなみにどのマスも別プレイヤーの複数の駒が入っても良い。


各色の生活史カードを集めてボーナスを狙う。季節カードがすべてめくられているが、上に置いた駒がなくなればめくる。事前にどういったボーナスか確認できるのだが、正直、上においた駒がなくなればめくるというシステムに意味は感じられない。すぐに駒がなくなるからだ。

最後に手札が2枚になるようにアクションカードを補充する。同じアクションカードであれば、公開すれば、山札と交換することも出来る。

こうして春が4手番終わったら、決算である。春のボーナスを満たしているか確認して勝利点マーカーを進める。このボーナスは夏は夏だけ、秋は秋だけに関係する。
その後1世代目の蝶駒をゲームから取り除く。これを繰り返すと秋の終わりには、4世代目だけが残るということになる。

こうして秋の6ラウンドが終了して、秋のボーナス判定を行ってから、4世代目の蝶の数と、生活史カード1枚1点を加算して勝敗を決める。


終盤になると蝶はあちこちに拡散しまくる。

ゲームスタート。
単純にカードから駒を進めて、花トークンを手に入れるだけである。

1世代目は1頭しかいないので、まずは花トークンを2個集めて、トウワタで繁殖だ。
1枚のカードで複数、花をゲットできるのが多いのでこれは結構簡単である。

コタも順調に繁殖を行う。

駒が2個に増えてからも同じように、同じ花を目指して、トウワタで繁殖である。

本来なら最初から春のボーナスカードをみてゲームを進めないといけないのだが、これに注目したのは春も終わり頃。miaだけが2点を達成しただけだった。

春が終わると1世代目の蝶は死ぬ。

オープンされた夏のボーナスカードをみる。

ポイントは都市より北だとか、東だとかなのだが、これが結構見にくい、というかパッと見で分からないばかりか、しっかりと覚えておかないといけない。

都市にたどり着けば、生活史カードが手に入るのだが、都市よりも皆は花トークンを選びに駆けずり回る感じだ。

わしは最初に都市をいくつか巡ったので、生活史を集めようと新しい都市にある程度果敢に入ることにした。


わしの生活史はピンク以外はコンプリートだ。

そして夏のボーナスを達成するためにやろうと思ったが、意外と厳しいところにあり、皆も1つだけしか達成できなかった。

ここで2世代目の蝶が死ぬ。

そして秋のボーナスは、割とわかりやすい。最終的にトロントより北にいたら1点、アトランタより北で繁殖したら4世代目のダブルをいきなり繁殖させることができる。
最終ラウンドは4世代目の蝶がかなり重要なので一足飛びに2頭繁殖できるのは大きい。しかもアトランタって中部なので簡単なのだ。

どのラウンドでも流れや目指す先は同じだ。

わしは生活史カードを集めて、ボーナス点を獲得していく。

秋も1手番残すのみ
mia「これって、集めきらないと点にならないの?」

わしは勘違いしてた。意味がないと思ってたのだ。実は1枚1点となる。

ここで皆は北を目指しまくったが、わしは生活史を揃える作戦にでた。


秋のボーナスは北にいると得点がもらえるので、皆、北を目指した。

そしてゲーム終了。3世代目が死んで、4世代目だけが残る。
北にはほとんどいなかったが、わしはボーナスを獲得して4世代目の蝶が二人よりも2頭多い。

そして生活史カードが点数になることをここで初めて知る。

わしが勝利した。


50点を超えてしまった。4世代目の蝶の数でミチョアカンに書かれているボーナスが手に入る。※BBSにて、最後ミチョアカンに戻した4世代目の蝶が対象と指摘を受けました。でゃーこさんありがとうございます。50点超えるのはおかしいと思った。

mia「えーー! ずるい」

とはいうものの、これを聞いてきたのはゲームの最後なので、北に行くか生活史かと考えると同じ得点しか取れんかったと思う。
むしろこれは最初に意識してやるべき事項であった。説明書のわかりにくさにしっかりとチェックせんかった。

所要時間 80分

miaのコメント

嘘つかれたからノーカン!

コタのコメント

無効だよ。もっかいやらないと。

ソマーリオ

最近、我が家では勝ちに貪欲になってきとる。
説明書の分かりにくさの割に実際にやってみると案外簡単。どのラウンドでも同じことの繰り返しなので、ゲームは淡々と進む。
後でルールを読み返してみたが、適当に読んだ割にルールの間違いがほとんどなくて驚いたw

ウイングスパンもそうだったが、このデザイナーは切れ味が悪い。鈍器の切れ味である。
同じ花集めるのであればこんなに花の種類要らんので同じマスを行ったり来たりしておかしくなるのでは? と、途中、何度もシステムが破綻してるのではと思いながらも、なんか微妙に破綻してなくて、不思議な感じがする。

特殊能力のないウイングスパンといえばいいのか、最後は卵勝負か、蝶駒勝負の違いじゃないの? というのがこのデザイナーの特徴となるのだろう。

卵勝負は動きがなくて、ひたすら卵生むというアクションを繰り返すだけだったが、蝶駒の繁殖はボードを動かさなくてはならず、また秋のボーナス達成の作戦もあって、特殊能力はなくなったがウイングスパンよりもボードゲームらしくなった感じはする。

コンポーネントは素晴らしい。蝶駒は蝶らしくカッティングされており、雰囲気はよく出ている。
ボードも美しいだけでなく必要な情報は網羅されている。マス数が多いので若干ちまちましたところはあるかもしれない。

つまらないということは無いのだが、また出してきてやりたいという衝動は少なめ。特徴のあるウイングスパンの方がやりたいと思わせる。蝶が好きなら、大陸中で繁殖する雰囲気が出ているので、評価は高くなったかもしれない。

gioco del mondo