ボードゲームの嗜好

このゲームおもろいのに、なんでこの人はこんな評価低いんやろ? このゲームつまらんのになんでこの人は高評価を与えてるんやろ? 他のジャンルでも好みというのはありますが、ことボードゲームの世界では信じられないくらい頻繁に起こります。その為にレビューサイトをあちこち探し回り、自分と似た嗜好の人を探したりしたと思います。

このHPを立ち上げて色んな人と知合いになっていくうちに、ようやくゲームの嗜好に関するクセというかヒントを得る事が出来ました。

ゲームの嗜好は大別して2種類に分かれます。

イメージタイプとシステムタイプです。これはボードゲームをデザインするデザイナーにも同じ事がいえるのです。イメージタイプのデザイナーはクラウストイバーで、システムタイプのデザイナーはライナークニッツィアです。

イメージタイプというのはゲーム世界を体験したいのが好きな人です。受動的ジョカトーレとも言えます。つまり自分が率先してゲームメイキングするのではなく、その世界内で自分の出来る事をあれこれ手をつくして考えるのが好きなプレイヤーです。程よい運がないと嫌になります。こういったプレイヤーは完全に実力勝負である将棋のようなアブストラクトは嫌いです。システムなどに興味はなく、勝つ為にどうしたらいいのかだけが気になり、適当にやりたいのです。私がコレです。カエサルなどは戦争があれば「まず見せろ。そこから作戦を考える」といった感じで間違いなくこっちだったでしょう。

システムタイプは理知的でゲームを外から楽しみ自分の実力を誇示したいタイプです。このゲームはどういう構造になってるのかを考え、理詰めでどのように行動すればいいのかに楽しみを覚えます。能動的ジョカトーレで、自分でゲームメイキングしたい為、運に左右される事を特に嫌います。イメージタイプと反対にチェスのようなアブストラクトが大好きで、カードゲームにしても枚数を覚え、カウンティングをして勝負を決するようなのが好きです。こちらは未だに教えられる包囲殲滅作戦のお手本を作ったハンニバルがそれに当たるでしょう。全てが計算ずくで動いています。

ゲーム嗜好テストで一体どっちのタイプか判断してみましょう。良かったら、点数と自分がどういったゲームやデザイナーが好きかをメール掲示板に書いてくだされば、もう少し詳しく傾向が解るかも知れません。お暇な方はご一報を。

イメージタイプの文章は勢いで書くのが特徴です。思いこみたっぷりにゲームについて書いてあるHPがあればそれは間違いなくイメージタイプの管理人です。

システムタイプはゲームのシステムについて書くのが好きです。自分が一歩引いて、ゲームの世界にとけ込むことなく淡々と説明します。そういった書き方をしてる管理人がいれば間違いなくシステムタイプです。

管理人がどちらか解れば自分に合うゲームを探す大きなヒントになると思います。その管理人が面白いと評価したゲームを買い漁れば外れは少ない筈です。

もちろんパーティー系が好きだとか競りが好きだとかはあると思いますが、あくまで、「なんでこんなに評価ちゃうの??」というゲームの大筋はこの分け方だと思います。

極端な二人が、ゲームについてどちらが楽しいか決めるのは意味のない事です。ゲームに対する姿勢がまったく違うので、求めているものが違うからです。これはおそらく国民性にも表れると思います。例えばドイツではアブストラクトが嫌われるという事実です。かつてローマ帝国を脅かしたゲルマン民族の血は、理詰めは苦手なのかも知れませんね。逆に日本人は理詰めが好きな民族といえるでしょう。武士道の精神が、本能で行動するよりも、規律正しい精神を養ったのかも知れません。

そういった事を考えると、BoardGameGeekなどで10段階評価するのは大して意味のない事なのかも知れません。大切なのは数字の評価ではなく、どういったコメントをしているかだと思います。つまりコメントの書き方でどっちのタイプかを判断して、点数が初めて意味を成すのです。

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