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山田空太
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NGO
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2~4人
50分
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枯山水
枯山水は水のない庭のことで、池や遣水などの水を用いずに石や砂などにより山水の風景を表現する庭園様式。例えば白砂や小石を敷いて水面に見立てることが多く、橋が架かっていればその下は水である。石の表面の紋様で水の流れを表現することもある。
抽象的な表現の庭が室町時代の禅宗寺院で特に用いられ発達した。従来の庭園でも技法として庭園の一部に用いられ、寝殿造庭園でも枯山水の部分を含み大名屋敷に造られていく回遊式庭園も枯山水を含んでいることがあったが、禅宗寺院で用いられて以降、独立した庭園として造られるようになった。日本庭園は水を得られる場所に築くものであったが、枯山水様式の登場後は必ずしも水を使わなくとも造園が可能になった。
妖怪WikiWikiペディアより
プレイ感
2014年秋のゲームマーケットで発売後、あちこちで話題爆発して、マイナー趣味のくせに新聞、TV、雑誌などでも取り上げられて、生産数が少ない事からアマゾンやヤフオクでも2万円以上とえらいこっちゃの大騒ぎとなった。
公開されてるルールを読むと、得点体系が少し見通しが悪いような感じがしたが、タナカマが一度やってみましょうというのでやることにした。タナカマ夫妻、COQとの4人プレイにて。
ルールはざくっと書くと、タイルを引いて、配置して、石をおいて、庭を完成させるという見たまんま。石にはランクがあって、その石をおくには、自分の徳駒をあげていかねばならない。
最終的に得点体系にあったタイルの置き方、石の置き方で得点をおこない、高いプレイヤーが勝ち。
共有の場。右側に徳マーカーがあり、それに応じて手に入る石が置かれている。
手番は2手順制となっており、1手順目は、タイルを引いて配置するのが主な感じ。
2手順目は、徳をあげたり、石を置いたりするのが主な感じ。
タナカマ「スタートプレイヤーは、最も最近、枯山水に行った人です」
COQ「あ、ぼく、最近、偕楽園にいきました!」
タイルは、砂だけと苔が生えてるのがある。
砂や苔の境目がきちんと合わさるように置かないと失点となる。
自分のボードに枯山水を作って行く。波紋は繋がるようにおかないと失点となる。石の置ける場所は、駒のいる縦列なので、移動させていく必要がある。
苔は、色々と活用できるので、是非、手に入れたいところだ。
タナカマ「うーん、砂しかでませんねえ」
あっきー「砂ばっかり」
COQ「砂か」
わし「お、やった! 苔がでた!!」
COQ「あ、じゃあ、ぼく、それ強奪します」
わし「なんじゃ、そりゃあ!!」
タイルを配置するときに、徳を2点支払う事で相手のタイルを強奪して配置できるのだ。
わし「でも、それ、ようみたら、ちょっとエロいよな」
タナカマ「快楽園ですわ、快楽園!」
わしの取られた快楽園のタイル。何かを彷彿とさせる形である。枯山水やる。
そこからもまったく苔が出ずに、タナカマ、わしなんかはかなり苦しむ。
たまに苔が出ては
あっきー「あ、それ貰います」
と奪われる。
タナカマはほぼ諦めムードで砂を配置していく。わしは徳を1点捨てることで、手に入れたタイルを捨てる。
わしの庭の想定は、一番最初に貰った匠カードの通り、石を配置し、さらにそれを使って、蓬莱山という、大きな立石を2個並べたいのだ。蓬莱山の得点は10点もあるが、横に石を並べる場合、苔の上でないといけないというルールがある。
とまあ、こんな感じで進み、タナカマ夫妻はタイルを配置し終えたので、わしとCOQだけがタイルを一生懸命引く。タイルを配置し終えても、2手順だけはできるので、自分の庭の強化に努める。
ゲームの終了条件は、全員がタイルを配置した事なので、ひたすら自分の欲しいタイルを選ぶのだ。
タイルがもうなくなりかけたので、しょうがなしに合わないタイルを置き蓬莱山を作り、最初の目的カードを諦めてゲーム終了。
最期の1枚がどうにもあわず終了。しかも蓬莱山以外出来ていないという。
ほんらいならこの園徳院を完成させる予定であった。△や☆は石の種類で、解りやすく石の裏にも刻印されている。
得点計算で、あっきーが勝利。わしはCOQと1点差のベベ。やっぱり最期は2人でタイル引き合戦をやったのが失敗であった。その間に2人は手順2を繰り返し庭園を整える事が出来た。
所要時間50分
これが勝者あっきーの庭園。確かに美しい。この角度の写真でみると台座が立体的にみえてよう出来てるな。
COQのコメント
ゲームうんぬんより、偕楽園が全てでした。
※かなり下品な話題で盛り上がったのだが、レビューでは割愛しとくw
ソマーリオ
最初、得点体系がいまひとつややこしくて見通しが悪いかなと思ったが、それほどでもなかった。というよりあまり得点が気にならないゲーム性だからかも知れない。
それよりもゲームをやった気にならないというところの方が気になった。
庭園を造りたいが為に、ルールを作りましたという感が否めない。
システム自体に目新しいところはなく、また石は潤沢にあることから取り合いもないので、ジレンマがまったくない。ジレンマがないという事はゲームに大切な盛り上がる場面というのがないのだ。タイルを置くことから一見するとカルカソンヌみたいなジレンマがあるのかと思いきや、単に絵柄を合わせていくだけなので、ラベンスバーガーの子供用の絵をつなぎ合わせるゲームと本質はまったく同じである。
庭園プラモをそれぞれが短時間で作っていくような感じである。最も近いのはやのまんから出ている4D CITY SCAPE TIME PUZZLEシリーズだろう。
感想戦は出来た庭園に対して「ああ、綺麗に出来たなあ」という程度で、ドイツゲーマーからしたらあまりにも物足りない。ジレンマを作るためにいくらでも改善方法はあると思うが、それはそもそも作者の意向に反したもので、のびのびと好きなように庭園を造る趣旨から外れ、野暮になる。
見た目が美しく、日本の詫び寂びをテーマにしているところから人目をひくが、ゲームとして見るならこれは凡作としか評しようがない。ただし、着眼点をゲームとしてではなく、物そのものという事であるなら、良い出来の玩具なのだろうと思う。
NGOが元々フィギュア屋やから、こういうの作りたかっただけちゃうん? とタナカマに訊くと、実はNGOよりも作者の意向で枯山水とはこうあるべきとこういった凝ったフィギュアになったらしい。
そうした事で話題にもなったし、値段も高騰してるところをみると大成功した訳である。おそらく世界に売り出したとしても話題になるのは間違いないだろう。
問題はほんまにこれが欲しい人に行き渡っているかといえば、転売目的のものが手に入れては売っているというのが実情のように思う。欲しい人が適正価格で買えるようになって欲しいと思う。ただしゲーム性を求めるドイツゲーマーなら買う必要はない。これはディスプレイ玩具である。そういった意味ではゲームをやるのではなく、ディスプレイするケースに入れて置くというのもひとつの楽しみ方だろう。と思ったら、枯山水キットってのがAmazonでいくつか見つかった。こっちの方がリアルだわ。