Yehuda Berlinger

Reiver Games

30分

生きてる!

墓場から今日も闇の商人が死体をひきずってくる。
「きひひひ、どうですか、この腕。上腕二頭筋が発達して素晴らしいでしょ?」
その死体の一部を、金で買いあさり、怪物フランケンシュタインを作りだすのだ。

プレイ感

タナカマが最近、これにはまっててこればっかりやってるんですよ、と取り出してきたのがこれ。(つってもこれをあげるのに1年くらい経ってるので当時の話ということでw)うわ、なんかおもろそう、つうことでmia、コツミ、OEC、タナカマと5人プレイにて。


8分割された死体のパーツカードを集めて、そこに表示されている点数の合計を競う。手番にはカードを1枚めくり、これをその価値で買うか、競りにかけるか、売るか決める。

買う場合は、お金と既に手に入れたカードを好きに組み合わせて自分のものにする。競る場合は、自分から値をつけて時計回りに競りを1度だけつけて高いプレイヤーが手に入れるのだが、この場合はお金を使ってでしか買えない。売る場合は、価値の半分(切り捨て)のお金を貰って終わりだ。

こうやって順番にやっていき、全パーツをそろえたプレイヤーは「生きてるんじゃあ!」と叫びゲーム終了。足した点数が一番のプレイヤーが勝ちである。


こうやってこっそり肉体の一部を売買して集めていくという悪趣味なゲーム。まあ、フランケンシュタイン博士ですな。

序盤はどうにも的を得ないまま、とりあえず競りにした方が安く買えることに気づいたわしはひたすら競りにかける。

パーツは、その部位によって価値の範囲が決まっており、なぜかわしゃ、腕ばっかりを手に入れることになる。

タナカマ「おお、その腕はアックスボンバーに使われた腕ですよ!」

わし「おお、まじ、買う!」

そそのかされて、腕3つも買うてもたやん。

(|| ゜Д゜)ガーン!!

こんなけ腕があったら相当気持ち悪いな……あれちょう待てよ。

わし「これって、片腕だけなん? 片腕、片足で、生きてるんじゃあ! つうてでてきたら相当気持ち悪いんすけど? しかも腕3本。腕3本いうたらわしゃ”名張の五つ最後の手”しか知らんで」

タナカマ「いや、たぶん2本で1セットですw」

しかし、こうして手に入れたパーツは、買うときにお金として使うことができるのでそれほど悪くはないのだ。要は物々交換できるのである。

わし「あれ、これって、売らんと周りに回るだけでお金が枯渇してしまうんでは?」

タナカマ「そうなんですよ」

結局、買うたり、競ったりするうちは、この5人のなかでのお金が動くにすぎないので、経済状況は最初に貰ったお金以内に抑えられてしまう。全体的にお金を豊かにするためには、誰かが売って外貨を稼がねばならないのだ。

さすがに持ち主のタナカマはよく知っていて、しょっちゅう売っては外貨を稼いでいる。そういうことやったのか。


売る場合はこのように自分の前に出して重ねて捨て札にしておく。売値は価値の半分だが、誰かがこれをしないと金銭の周りが悪くなり全体の景気が悪化する。どこぞの経済音痴の友愛脱税総理大臣に是非このゲームをやってもらいたい。

この日、絶好調であったOECが暴動カードを引く。このカードは、お金かカードかのどちらか1種類だけで購入しなければ買えない特殊カードなのだ。買わずにいると、暴動が収まらなかった事になり、罰則がある。

OEC「うわ、お金が足りない」

なんと暴動カードに対して、余分にカードで支払う羽目に陥る。

もったいなあ。

しかしOECの不幸はこれだけでは収まらなかった。

OEC「うわ、また暴動です。とほほ」

暴動カードは手に入れるとそのまま物々交換として使えるのだが、買うときにはどちらか一方でしか支払えないので、余分に払う羽目によく陥るのだ。

こうして村人の暴動をやたら受けたOECはほぼ最下位決定だろう。

わしはといえば、とりあえず3本も腕があったんじゃ意味がないと、これを使って脳味噌を買うことにする。

わし「お! 8点の脳みそ。つうことは光明寺博士の脳味噌級やな」

とかなんとか言いながら、タナカマは低くてもいいから、部位を集めて完成させる事に集中している。


だいぶ集まってきたが、実はこれかなり後半やねんな。つまり出遅れまくり。わしゃなんせ価値の高いのを集めようとしてパーツが少ない。同じパーツの場合は、重ねておいておけばいい。後に物々交換として使えばよろしい。

わしはできる限り高性能なものを集めたい。

タナカマ「うわ、これはあきおさんには渡したくないなあ。売ろう」

むー、わしが持ってないのをしっかりとチェックしてるなあ。

しかし、ここにきてやっぱりというか、タナカマの戦術がまったくもって正しい事が理解できた。

あまりいいのばかり買うても集まりが悪くなるってのはこの手のお約束。ノミのサーカスでも安めでもいいから集めた方が強いのと一緒である。

タナカマ「Qちゃんの足がでた!」

わし「買う!」

阿呆かっちゅうの。また高い買い物してしもうたわ。。。

そうこうしているうちに……

タナカマ「生きてるんじゃあ!」

と、完成。やられた。


タナカマが完成。完成したら5ポイントのボーナスがもらえる。さすがに上手い! ボード下にあるのがタイル内訳表。パーツによっては、価値の幅が違うので、これで参照しながらゲームをする。たとえば脳みそは重要らしく最大値は10まであるなどの違いがある。

タナカマぶっちぎりの勝利。

所用時間30分

OECのコメント

(説明)
ゾンビの身体のパーツを買ったり競ったりして揃える。
全部そろえたら「生きてる!」って叫んで得点計算。
それぞれのパーツには価値の大小があるんがミソ。
(作戦とかプレイとか)
序盤、価値の大きさが分からないまま、手首と太もものイイヤツをゲット。直後、村人の暴動二連発を食らい、資産がジリ貧になる。
中盤、ジリ貧を引きずりながら、思うようにパーツが集められない。
終盤、やっと資金調達のノウハウが身に付いてきたところで、タナカマさんが「生きてる!」って。
(感想)
案の定、競りゲームが弱い・・・悔しい
村人の暴動にしてやられた感もあるが、それ以上に競りマネージメント力の無さが・・・
僕の半分しか揃ってないゾンビよりか、腐った巨神兵の方がよっぽどイイ出来だわ。

ソマーリオ

テーマは非常にブラックだが、いわゆるネタゲームという感じではなくしっかりとプレイバランスが取れている。このテーマだからこそのおもろさが、しっかりと活きているってのが素晴らしい。

パーツを1枚ずつ買うたり、競ったりと、特にこのゲーム特有のシステムではなく、古くからのシステムをそのまま使っているが、その分、非常に安定した楽しさがある。テーマが奇をてらってるだけに、システムのオーソドックスさにむしろ変な感じすらする。
このゲーム特有のシステムとしては、村人の暴動と、競りや買い物をするときの使い方である。

競りは安価に手に入るのだが、お金でしか買えない。買うのは、物々交換でも可能。この差はかなり大きいのだ。よく機能している。

またもうひとつ、本文には書かなかったが、相手が捨てたカードを場に戻せる方法もある。この場合、捨て札の一番上をその価値を払って戻して、買うことができるのだ。2倍の出費を迫られるので、今回やった人はいない。タナカマに聞いても、やる人はほとんどいないとの事だ。

非常にオーソドックスなセットコレクションながら、フランケンシュタイン博士よろしく、テーマが非常にマッチしていて、欲しくなった。ゲーム時間が短いってのもいい。
ちなみに今回のルールは第1版のルールらしく、改訂版のルールもあるらしいが、メーカーのホームページでは載ってないなあ。

ま、下の動画のようなゲームですわw

gioco del mondo