David Parlett

Ravenburger
Abacus

2〜6人
60分

うさぎとはりねずみ

おいらはウサギのマックス。
ここらじゃ、最速マックスと呼ばれてるぜ。
横にハリネズミは、相棒のトンガリ。
俺たちの庭でバトルしようっていうのかい?
受けて立とうじゃないか。





プレイ感

ドイツゲーム大賞作品を集めてた頃に、梅田のキディランドで見つけた瞬間購入したが、値段の高さにびっくり!
Ravensburgerのこのシリーズはドラダやアンダーカバーにしろ3000円やったのに、5000円くらいしたので、レジの打ち間違いかと思ったくらい。それでも仕方なしに買うた思い出がある。レビューするために久しぶりに出してきた。姉、兄嫁、甥、姪、miaとの6人プレイにて。


にんじんカードの消費量に応じて進めるマス数が違ってくる。手番には、手持ちのにんじんカードを消費して、その数を進めていく。1マスだけなら1にんじんだが、5マス進もうとすると15にんじん、30マス進もうとすると465にんじん必要と、消費量はマス数が多ければ多いほど指数関数的にあがっていく。


コースをぐるりと一周して帰ってくるレース。進める数は、手札からにんじんカードを消費して進める。右下はレタスカードで、これをすべて使い切ってからでないとゴール出来ないというちょっと厄介なカード。妙にリアリティのある絵柄は好感が持てる。

にんじんの補充は、順位による。マス目には数字が描かれており、次に手番が回って来たときに、その順位ならば順位×10にんじん貰える。つまりトップ目やと、にんじんの補充が少なくなるので、接戦となるという事だ。
他にウサギのマスは指示カードを引く、にんじんのマスでは±10にんじん出来るなどがある。なんでにんじんをマイナスするのかというと、実はゴールする時はぴったりの数でないと駄目で、その時手持ちの残りにんじんが順位×10以下にしないとゴール出来ないのだ。初心者のうちはどうしても余ってしまう。

ゲームを左右する重要なマスがレタスである。最初に3枚レタスカードを貰っており、こいつを全て使わないとゴール出来ない。それを消費するのがレタスのマスで、ここに止まるとレタスを1枚捨て1回休みとなり、順位×10にんじん貰えるのだ。人数が多いとレタスがなかなか消費出来ずに困った事になる。1回休みというのもあって、なかなかマスが空いてくれないのだ。

これら以外にもにんじんを手に入れるハリネズミのマスがある。ここは一番近くにバックして入り、戻った数×10にんじん貰える。

要はサイコロじゃなくて、カードを使って進めていけってゲームだ。そしてにんじんを得る量は常に自分の今の順位×10が基本となってる。


ハリネズミマスは、バックでしか入ることが出来ないマス。例えば白のわしがハリネズミに戻れば1マスだけなので10にんじん手に入る訳だ。ボード上で一番多いのは数字のマス。これは次に手番がきたときの順位だとにんじんが貰える。レタスマスは1回休みのため駒を裏返す。にんじんマスはにんじんを調整するマス。うさぎはカードを引くマスだ。

なんせ昔にやったときにひたすら困ったのがレタス。こいつをどれだけ早く消費するかが勝負の分かれ目とさえいえるくらい重要だ。わしゃ最初のほうの手番を引いたので、当然、いっちゃん近くのレタスマスへまっしぐら。進める数はあればあるほど進めるというのではなく、マスを狙ってにんじんを勘定するのだが…

姪「うーんと、今こんなけにんじんがあるから、全部使ってここまで行ける」

うーん、、小学2年生には結果を先にみて過程を出すというこの概念は難しかったようだ。にんじんをあるだけ使って進もうとする。

先頭に立つと前述したように、補充が少なくなるので、競馬の逃げ馬のように段々と息切れしてくるのだ。
やはり中盤やや後ろから強烈な差し足で決めるのが一番いいだろう。


現在黄色がぶっちぎってるが……
見れば分かるとおりコンポーネントはヨーロッパ風の絵本のようで、非常に美しい。これこそ外国のゲームって感じがする。

ところがこれが6人ともなるとなかなか思うようにはいかない。ハリネズミのマスはバックでしか入る事はできないので、選択肢がかなり少なくなるのだ。

甥「ウサギ行く…やった! 今支払ったにんじんが返ってくる」

思いっきりにんじんを消費して進めたくせにそれはかなりでかい。

それから全員ウサギマス狙いに…w

つってもわしのバージョンでは、枚数の少ないカードで決めるので、一旦出てしまうと全部使い切るまでは、再び出てこない。新バージョンでは、サイコロで指示を決めるようになっているので、改良されているようだ。この部分は確かにサイコロで決めた方が良さそうである。メビウスが、内容を公開してくれている。

元々貧乏性のわしは、にんじんを常に多めに持っておかないと心配でしょうがない。それゆえひたすらにんじんを集めまくったが、これは後半非常に後悔する事になる。

ところどころ、順位をわざと外したりするやらしいプレイをしつつ、レースはやはりというか、レタス勝負になってきた。

前に出るのはたやすい。でもその前に出るプレイが、レタス狙いをすべきだという事実に今気づいた。1回休みが効いているので、なかなか入る事の出来ないマスなのだ。わしは1位とかでレタスを消費してたかだか10にんじん手に入れるよりも、5位くらいで50にんじん手に入れたい。これがレタスのタイミングを大きく遅らせる事になる。


後半やはりばてて後方に下がる。レースは非常に混沌とした感じになる。

このゲームをやってていつも思うのは、ゲーム中盤過ぎたあたりで

(うわぁ、にんじんが消費しきれねえ!)

と毎度毎度思う事だ。

アホみたいに集めまくったおかげで、ゴール条件に適わず毎手番にんじんマスでマイナス10ずつ調整したりする情けない姿をいつもさらす事になる。

今回も、ゴール直前になって

わし「じゃ、10にんじん減らす」



わし「このまま残って10にんじん減らす」



以下同文

とやってる。

※にんじんマスは、移動せずともよく毎手番このようににんじんを±10ずつ調整することが出来るマスなのだ。

さらには、ゴール目前にして

わし「レタスカードあと2枚も残ってんすけど?」

と初っぱなに消費した以外ずっと持ち続けるというへぼさ。

大量のにんじん。大量のレタス。まさに二重苦。

さあ、君ならどうする? つうか他人に質問投げるなっちゅうねん。

それを尻目に、一度だけにんじんで調整した、兄嫁が1位でゴール。

兄嫁「やった!」

よっしゃ、これで2位ゴールならば、敷居が20にんじん以下と下がる。

…レタスあるっちゅうねん!! (|| ゜Д゜)ガーン!!

わし「ふぃ、なんとかレタスを消費した。これでゴールを目指せる」

つかね、あと2マスなのに60にんじんもあるのはどゆこと? (|| ゜Д゜)ガーン!!


もう阿呆かと。ここにきてゴール出来ず指をくわえて待つしかない。ここから怒濤のバックが始まった。。。

しょうがない。ここはハリネズミにバックしてバックしてバックして、一気に狙うしかない。

バックすることでにんじんは増えるが、前に進める消費にんじんは飛躍的に高くなる。それを使ってゴールを目指すのだ。

そういうプレイをしている間に、次々に皆はゴールしていく。

なんせね、にんじんが多すぎて敷居が下がるにも関わらず、まだにんじん数がオーバーしてゴール出来ないのよ。

結局わしは4位になってようやくゴール。

miaと3人で小学2年の姪と争ってる。。(|| ゜Д゜)ガーン!!

べべはmiaでした。

所要時間60分

ソマーリオ

このゲームはご存じの通り、初代ドイツゲーム大賞を受賞した作品で、起源はもっと遡る。バックギャモンのようなスタートとゴールがある双六なのだが、サイコロを使わずカードを使って進めるというのはかなり斬新なデザインだった。

よく出来ているのは、日本の双六では前に進めれば単純に優位というものだが、このゲームでは前に進めればにんじんが手に入れにくくなり、後方で仕掛けを誤るとにんじんが有り余ってゴール出来なくなるというシステムを考えた事だ。この時からドイツゲームは始まってたのだろう、マスという存在ではなく、相手との位置関係によって、ゲーム展開が変わってくるという濃厚な駆け引きが既に存在している。

スタートとゴールのある双六というものは、まず数字があり、そこからマス目の指示という答えがあるのだが、このウサギとハリネズミに限っては、先に答えを出し、そこから数字を引き出すという子どもには複雑な過程を行う。
そのおかげでレースゲームにありがちな、軽いテンポじゃなく、濃密な戦いが演じられる事になる。

ちょっとした欠陥があるように思う。それがウサギカードの枚数の少なさであり、これはリメイクされ(しかも安くなった!)Abacusの新版ではサイコロによる指示というものに置き換えられて改善されている。メビウスが和訳チャートを公開してくれているのでこの版でもウサギマスはさいころで解決は可能だ。むしろこれはそうした方がバランスがいい感じがする。

もうひとつは、レタスマスの配置と数である。数度やった限りでは、レタスを前半に全て使い切ったプレイヤーがこのゲームに全て勝利している。やってみると解るがレタス3枚も消費するというのは非常に苦しいのだ。皆、それであえぐ。へたくそな段階で、レタスマスを先に抑えたプレイヤーが勝利するというのでは、ちょっと初心者には勧められない。また最初のプレイヤーが最初のレタスマスに飛び込めるというのは、かなり大きな欠陥のように思う。
ここらへんも新版では配置が調整されているらしい。個人的には3枚はきついので2枚くらいにした方がいいように思っている。というか実はこのレタスをうまく処理するゲームなのかも? わしがへたっぴなだけか。


Geekより拝借。これがAbacus新版のボード。わしゃ断然、自分のRavenburger版がええわ。レーシングスーツ着てるとは雰囲気台無し。

こういった事から、今回のプレイではちょっと冗長な印象を受けてしまった。メンバーがちょっと不味かった。こういったゲームはもう少し大人とカツカツな感じで戦うものだった。昔やった頃は、自分でにんじんを調整して、上手くゴール出来るとマネージメントをかなりやった感があって楽しかったのだが、今はゲームも進化して自分が贅沢になったというのもあってはなしとした。昔でいえばアンダーカバーなどはを付けたと思うが、今となっては軽すぎるので、おそらく付けないだろう。

とはいっても、先行逃げ切り、追い込み一気などの展開は競馬や競輪の駆け引きと通ずるものがあるので、競馬が好きな人は、持ってても損はないゲームのように思う。昔、競馬好きの友人に勧めた記憶がある。

gioco del mondo