Matthias Cramer

alea

2〜5人用
60分

グレンモア

17世紀のスコットランド地方。
あなたは一部族の長として、この土地を開拓することを目指します。
ここにはネス湖などの特別な地があり、支配すれば大きな勝利を得ることが出来るでしょう。







プレイ感

ネットでもおもろいと話題になってたが、なんか地味な印象でなかなかやる機会がなかった。ロー、タメラ、OEC、miaとの5人プレイにて。ルール読むのが面倒だったので、やったことがあるタメラに説明して貰った。


一番後ろのプレイヤーが、好きなタイルの位置に駒を置いてそのタイルをとる。タイルは自分の領土として配置ルールに従っておく。その時、置いたタイルに縦横斜めに接しているタイルは、能力が発動されてその効果を享受する。3回の決算を経て、ポイントが一番高いプレイヤーが勝利。


このように全員一列にならべてケツのプレイヤーが進んだ先のタイルを取っていく。取ったタイルを自分の陣地に組み合わせて領土としていくのだ。左上にマークがあるタイルは取るのに必要なコストだ。

タイル配置ルールは、川は上下方向に、道は左右方向に繋げていく。繋がらないタイルは置いてはいけない。そして繋げる時、人夫がいる駒の縦横斜めにしかおけない。


ここから川(青)は上下に、道(白)は左右につなげていく。タイルは置いた時に発動する能力が右下のマークで、その置いたタイル(も含めて)に上下左右に繋がってるタイルは中央下にある能力が発動する。これが若干ややこしい。またタイルを置くには人夫駒の上下左右のどれかに置かなくてはならない。

タイルを置くと、まず配置ボーナスとして右下に描かれているものが貰える。そして、そのタイルを含めて、縦横斜めに接しているタイルは、能力が発動されて中央下のものが貰えるのだ。この感覚に慣れる事が出来るかどうかがこのゲームの楽しむポイントとなっている。

後ろからタイルを取っていくタイプは、一見すると数多くの選択肢があるように見えるが、一気に進んでしまうとかなり不利となるのでてれこになって取っていく事が多い。

ロー「やっぱりウイスキーかなあ」

わし「まあ、出てくる資源の中でウイスキーだけ別駒やし、勝利点に絡むし、テーマ的に最も重要なんやろ」

そんな訳でタイミング的にわしもウイスキー醸造所が欲しかったのだが、ローにしてやられる。


タイルには番号が割り振られ後半に行くほど強いタイルとなっている。中央にあるのは価格表で、数字の数だけお金を置く。例えば一番上の木を売ると1ゴールドが入る(お金を取る)が、買うには2ゴールド要る(2の場所に2ゴールド置く)。このように需要と供給によって価格変動するようになっている。資材は自分の手番にいつでも売り買い出来るが、買うた資材はすぐにその手番で消費しなくてはならない。つまり買いだめ禁止である。

タメラは石切場を取っていく。

タメラ「このゲームは序盤は、無料でタイルは手に入るんですが、途中から資材がないと手に入れられなくなります。石、木がよく使われるんで重要ですよ。じゃ、僕は石切場を貰います」

そうやってささっと石切場を取るタメラ。

タメラ「じゃ、もう1個石切場貰います」

そうやって自分だけささっと石切場を取るタメラ。

石という貴重な資産はタメラが独占した!!

わし「あれ、石ないな。しょうない、これ売って石買うわ」

小さいボードには市場があって、資材の売り買いが出来る。需要が高ければ高値売れるし、低ければ安くなる。

mia「あ、石がない。しょうがない。石買わなきゃ」

そうして石の価格があがったところで…

タメラ「あ、石2つ売ります」

全員「おい、これ仕込まれたんちゃうの?」

これを延々繰り返す。石が重要と気づいた頃には、石タイルが全然出てこねえ。

最後の方に固まってでた。

全員「おい、これ積み込まれたんちゃうの?」

タメラ「そんなことないですよ」

わし「だって、木なんてあんまり要らんような気がするぞ。石ばっかりや」

タメラ「いや、そんなことはないです。たまたまそういう風に見えるだけです」

ロー「わしなんか、酒浸りの毎日で、もう酒しかないんだけど」


ウイスキーしかないローはとても貧乏。ウイスキー駒は特別に六角形である。

ウイスキー戦略をとるローは非常に貧乏。まじで酒だけの飲んだくれ生活だ。

OEC「僕、人ばっかり取ってるんですけど?」

人ばっかり取ったOECは、中国人民解放軍ばりの人、人、人である。

決算は変わってて、最下位との差に得点する。決算に関係するのはウイスキー、キャプテン(人夫をタイルから外に出すとキャプテンとなる)、伝説パワー(枚数)である。

例えば、最下位プレイヤーのウイスキーが1個で、自分が3個なら、2個の場所をみて得点する。最高は常に6個差なので、それ以上は同じ得点だ。この得点のおもろいところは、自分が最下位の得点源だったら、邪魔する事が出来るところである。

中盤になると固有名詞付きの特別の地タイルが出てくる。

わし「伝説の土地やな!」

タメラ「いや、伝説かどうかは解らないですけど…」

わし「伝説の土地や!」

タメラ「…まあ、伝説の土地です。これはスコットランドにある実際の場所になっててそれぞれ特殊効果があります。ネス湖とかもありますよ。またこのタイルの枚数も得点に絡んできます」

わし「もう、これは伝説の土地を集めるしかないな!」

ウイスキーをローに取られ、牛でもうけようとしたのもローに取られ、未だ作戦がなかったわしは伝説の土地作戦に出る事にした。

かなり無理して城タイルを取る。

わし「よっしゃ、特殊効果は何?」

タメラ「ウイスキー駒がもうひとつ乗るだけですね」

わし「しょぼいやん。かなり無理して取ったのに」


伝説の土地にはこのようにタイルがある。タイル右下に書いてあるのが勝利点に関係するキャプテンマークだ。

しかしそこからもわしの戦略はぶれずに伝説の土地で勝負していく。


伝説の土地タイルはこのようにたくさんある。

タメラ「ネス湖です。こいつは人の血を吸うんですよ」

ネス湖を取るには人駒を1個犠牲にせねばならない。しかしネス湖の恵みとして毎回好きなタイルから発動させて資源を手に入れる事が出来る。

うーん、わしには要らんなあ。

そこはOECが取る事にした。人いっぱいおるから。


徐々に広がっていく自分の土地。人駒を外に出しているのは勝利点に関係するようになるキャプテン駒。一度外に出してしまうと二度と中に入れる事は出来ない。ま、管理職やなw

結局、このまま石不足のペースでゲーム終了。
最後はお金も1ゴールドが1勝利点になるのでかなり重要となってる。

当然、タメラの勝利。

でもわしが僅差の2位やった。意外と伝説の土地作戦は強いのかも?


これがわしの最終結果。

むしろ驚いたのはウイスキー戦略をとったローが全然さえなかった。これってウイスキー弱いんかな??

所要時間60分

タメラのコメント

このゲームはこの値段で頑張りすぎなくらい頑張ってるんですよ。もうちょい値段あげてもいいくらい。

miaのコメント

最初やったときはイマイチよくつかめなかったけど、2回目にやった時からじわじわとおもしろさが解った。

ソマーリオ

下馬評通り、非常におもろかった。タメラの言うとおり、よくぞまあ、この値段でこんなけ詰め込んだなと感心した。

なんとなくだがプエルトリコの雰囲気を持ってる。ウイスキー戦略は貧乏になるところといい、まるでもろこしマンセー戦略だ。ただし強さにおいてはどうかな? 実はおもろいのでその後miaと二人プレイしてみた。
もろこし好きのわしはローにやられたウイスキー戦略がどうしてもやりたくて試したのだが、結果、ボコボコに負けた。特に二人プレイでは伝説の土地にある、黄色や村のタイル数によって勝利点が得られるという効果がやたらと強いので、やる場合はノンプレイヤーキャラクターを二人にした方がいいと思う。

コンポーネントはタイルは薄く小さく、特別の地の字は小さすぎて読みにくく絵柄も解りにくい。それでも駒も含めてこの値段でこれだけのものをそろえたってことは特筆に値すると思う。満足度は非常に高い。

一番後ろのプレイヤーがタイルを取っていくというやり方は、あまりシステム的には大きく機能していないように感じた。この手のシステムって結局、1つずつてれこに取っていく事が多い。大きくジャンプして取った場合、取得タイル数が少なくなる。これが不利になるかといえば、グレンモアではきちんと調整機能が備わっていて、最後の決算時に一番タイル数が少ない人と比べて枚数の多い分だけマイナス点を食らうように出来てる。
この機能のおかげで実は思い切ってジャンプしてもいいのかもとこれを書いてて思うようになった。この点については次回検証してみたい。

※再プレイして検証してみたが、やはり初期に大きくジャンプするとかなり辛くなるのでお勧めしない。その帳尻を合わせるために後半はたくさんのタイルを取ってしまい、まったく良いところなしだった。
そしてもうひとつ二人プレイ時のノンプレイヤーを二人にしてみたがこれも失敗。1個でやった方が良いと思う。結構洗いざらい持ってかれるので運の要素がでかくなる。

その他、新たに置いたタイルと隣接するタイルが発動するってのがゲーム的な感覚で掴みにくい。特に資材を勝利点に変える事が出来るタイルの発動のイメージが解りにくいのだ。この点からプエルトリコがあるならイメージし易いプエルトリコをやった方がいいんじゃないかと思ってしまった。

ただし確実にプエルトリコにない良い点もある。それは二人プレイできる事、値段がかなり安い事、コンパクトな事、日本語化の必要なく楽しめる事だ。これだけでプエルトリコを持ってる人も十分買うに値する。ただしメビウスにはもうちょっとだけ頑張って貰って、伝説の土地の和訳名称までルールに付けて欲しかった。

と思ったらこちらで綺麗な日本語シールを作っていました。早速使わせて貰います。

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