Michelle Schanen

Drei Magier

2〜6人
15分

おばけの森

冒険好きな子どもたちのグループは、おばけの階段にいた老おばけを驚かしてしまいました。そのため、子どもたちもおばけに変身させられ、大騒ぎの取り違いゲームに取り込まれてしまったのです。子どもたちが再び正気を取り戻したとき、幸運なことに秘密の地下道を発見し、ようやく老おばけから逃れることができました。

…そして、このゲームでその続きが始まります…

らせん階段の上から、子どもたちは崩れ落ちかかった丸い塔に直接たどりつきました。そこからは、木が生い茂った小さな森と、川沿いに謎めいた道が見えます。子どもたちは、今すぐに家に帰りたくなりました。でも、しばらくすると子どもたちは、2匹の意地悪な見習いおばけたちに、あとをつけられていることに気がつきます。2つ目の幸運は、大きなドワーフが子どもたちを助け、おばけの森の案内をしてくれることでした。
まずは、川に落ちずに、滑りやすい丸太の橋を渡ることができるでしょうか…

プレイ感

紺碧さんが絶賛するので買うてみた。ストーリーとしてはオバケだぞ〜の続編らしいが、ゲームとしては完全に別物で続編にする理由はないが、マーケティングを考えての上なのだろう。姉、兄夫妻、甥、姪との6人プレイにて。


前作オバケだぞ〜と同じくスタートとゴールがあり、サイコロを振って進むだけの双六である。そしてもちろんオバケがついてくる。オバケの目が出ると動けなくなるのだ。更にこのゲームのもう1人の主人公ともいうべきドワーフがいて、こいつに皆、磁石でくっつくようになっている。一旦くっつくと、一緒にぞろぞろ進むので楽ちんこの上にない。ところがオバケをかぶせられると、磁石が弱まり、一緒について行くことが出来ずに、1人だけ森に取り残されしょんぼりとなる。そういうゲームだ。


基本はただの双六。ドワーフには磁石が入ってて、ドワーフを動かすとくっついて一緒に移動出来るのだ。そして、オバケ駒を被せられると磁石の効き目が弱くなり、離れてしまうという仕掛けとなっている。もちろんオバケに被せられてる間は進む事は出来ない。

最初は大きなドワーフにくっついて皆一緒にぞろぞろ進んでいく。しかし丸太の橋のところで工夫があり、ここは一度に1人しか通る事が出来なくなっている。ドワーフと一緒に渡ろうとすると…

甥「わあー、川に流されるん!」

そう、どぼんと全員、スタート地点に逆戻りするのだ。


この丸太橋を一緒に渡ろうとすると、どぼんと転落して、川に沿ってスタートまで戻されてしまうのだ。青甥、オレンジ姉が今回の犠牲者。手前でオバケに被せられているのは黄わしとピンク姪である。

それを避けるために2回目やったとき甥は

「オバケ被せて」

と言う。前半は、オバケを被せる事で、ドワーフから離れて行動する事が出来るようになる。つまり川のどぼんを避ける事が出来るのだ。実は前半は、なんとか一人だけでドワーフにくっつくように作戦が必要なのだ。それが出来ない場合は、逆にドワーフにまったく近づかないという作戦が成り立つ。

このゲームもオバケだぞ〜と同じく、他人の駒も動かす事が出来るので、無理にドワーフに誰かの駒をくっつけてどぼんさせる作戦も有効である。

※ちょっと謎なのは、ドワーフにくっついている駒を外して単体で動かす事が出来るのか? ってことだ。ドワーフにくっつくと一緒に移動すると書いてる事から今回は不可とした。

ドワーフは優しい住人で、子どもが川にどぼんと落ちても、橋向こうで待っていてくれる。ここからがドワーフの本領発揮である。こいつにくっつかないと確実にゲームから脱落してしまう過酷なレースとなる。


しかし大丈夫! ドワーフはちゃんと丸太橋の先で待っててくれるのだ。ここは是が非でも先に進めたいところ。

とりあえず、川にどぼんした姉親子は、ひたすら自力でドワーフの待つ丸太橋を目指す。

わし「よっしゃあ、くっついた!」

ドワーフはわしを連れてえっちらおっちらと進んでいく。ま、動かしてるのはわしやねんけど、そんな感じ。

姪「追いついた」

わしと姪を連れてドワーフは進むが、意外と出目が悪いまま途中、太陽のマスに入ると、オバケたちは目がくらんで一旦茂みに退散する。

そこにチャンスが生まれ、兄嫁、ドワーフに追いつく。

兄嫁「追いついた!」


この太陽の広場に到着するとオバケは目がくらんで一瞬退散してしまうのだ。これを機に、全員が猛追を始めた。ただ未だ丸太橋を渡っていない兄を除いてはw

手番が回ってこずドワーフがまだ進めないうちに甥も一気に4をだしてきた。

甥「追いついた」

こうなっては4人の目が全てドワーフに使われる事になる。するとどうなるか……

ドワーフ「おらおらおらおらー!!」

ドワーフ猛然とダッシュ!

兄「なにぃーー!」

姉「えぇーーー!」

こうなるともう止められない。

ドワーフ更に猛然とダッシュ!!

「おらおらおらおらおらーー!!」

兄&姉「あかん、速すぎる」

そしてそのままドワーフ、ゴォォォーールゥ!


唖然とする二人を置いて一瞬にして森を去った。うぃうぃ。

わし&兄嫁&甥&姪「やったー!」

所要時間15分

おもろいやんということで即座に2回目。

2回目も川にどぼんの後、ドワーフにたどり着く。

ところが、今度は太陽の広場でくっついた時にジョーカーコインを使うものが出た。

兄「お前な」

姪「じゃ、こっち」

甥「なんで、俺ぇ?」

次々にオバケを被せられドワーフから離れていく。


太陽の広場に集められるジョーカーコインは一度だけ使用出来る。これを使えば、好きなプレイヤーにオバケを被せる事が出来るのだ。わしはゴール直前にやられてしまった。

最後に残ったのは兄嫁。

兄嫁「しめた。だっしゅー!」

やられた。。。1人で逃げ切りやがった。

ソマーリオ

このゲーム、紺碧さんの話によると絶対に多人数でやって欲しいと言われた。という理由から、マックスの6人プレイにてやってみたが、確かにおもろかった。特に最後の乱戦からの一気抜けだしは、かなり癖になる。

物語には起承転結が必要だが、このゲームはただの双六をちょこちょことルールをいじることで、ゲームに見事な物語性を持たせるのに成功している。最初の起は、スタートからドワーフに追いつくまで。承は、丸太橋を越えるところ。転は、太陽の広場からのジョーカーコインによる被せ合い。そしてゴールである。

子どもたちが、森の中を駆け回り、ドワーフと一緒に家路につく姿がゲームの中にありありと浮かんでくるのだ。過不足なく追加されていくルールは見事であるとしか言いようがない。これくらいのゲームならば、雑誌の付録程度でも十分作れる筈なのだが、市販品として完成されているというのは一重に何度も行ったテストプレイの結果なのだろう。確かにこの子どもたちの狂想曲は、少人数ではまったく味わう事は出来ないだろう。最低でも5人必要といった紺碧さんの言葉にも頷ける。よくよく見ると最大人数6人というのは非常に貴重なゲームのように思われる。

内容的にはオバケだぞ〜と同じような要素を持たしたゲームではあるが、こちらのゲームの方が温い気持ちになるのは大きなドワーフ駒の存在だろう。ドワーフは子どもが大好きで一緒に森を歩いてくれるが、丸太橋では一瞬子どもたちの都合を考えずに、そのまま突っ切って川に落としてしまう。子供は川に流されて溺れてしまうかもしれない。悪戯心とも言うべき、妖精独特の冷たさである。これは童話の世界にしばしば登場するシーンだ。

人が抱く未知なるものへの恐れそのものだろう。異世界の住人たちは、人間世界にそれほど興味を持ってる訳ではない。だが根本的にその性質は善なのだ。だからドワーフは丸太橋の向こうで子供達を待っていてくれる。面白いのは、一緒にドワーフがスタートまで戻るような甘ったれた親切心じゃなく、自分で戻ってこいという厳しさがそこにみえるのだ。

このゲームをやってみると、自分が子ども時代に帰り、自然と戯れた時代を思い出させる。妖精や神の存在が近くにあった時代だ。どうにもこのドワーフが、トトロに見えてしょうがない。

gioco del mondo