Friedemann Friese

2F Spiele

2〜6人
60分

電力会社カードゲーム

駿河屋で購入
この『電力会社カードゲーム』は、著名な『電力会社』および『新電力会社デラックス』から地図を省きつつも、60分で『電力会社』その興奮を味わえる姉妹ゲームだ。
各プレイヤーは、それぞれ強力な電力会社のCEO(最高経営責任者)となり、他社よりも多くの電力を発電できるように奮闘することになる。
ゲーム中はオークションで発電所を手に入れ、発電に必要な資源を購入し発電を行う。
各ラウンドの発電量が増えるほど収入も増えるため、増えた収入を元手に更なる発電所を獲得し発電量を増やしていこう。
ゲーム終了時、もっとも多く電力を発電していたプレイヤーがこのゲームの勝者だ。

プレイ感

電力会社は初版から難しい要素を減らしていき、とうとうカードゲームでは電力供給の部分だけとなった。発電したら全部売れる。これなら6歳でもできるかもということで、miaとコタと3人でやってみた。


こういうボードゲームをそのままカード化したやつってのは、どうしてもセットアップが複雑になる。時間をかけて説明書通りに完了。


上に競りを行う発電所を並べる。数字の下が資源である。数字が価格を表しており、1の価格は特別な場合にしか出ない。一番下のウランは2の価格のは2個だが、3の価格のは1個しかないという事だ。

発電所の競りから行う。手番プレイヤーは4つある発電所から好きなのを1つ選んで、自分から値段をつけて競りにかける。ここで落札したプレイヤーはこのフェイズから抜ける。最初のラウンドでは各自、発電所を1つ落とす必要がある。最低落札価格は、発電所の番号であるが、一番左のカードは1エレクトロから入札できるマーカーがおかれる。
発電所は一人につき3基までしか持てないので、それ以上買うと、廃棄する必要があるが、ゲームの特性上、強力な発電所に買い替えていかないと勝てない。


左から石油、石油天然ガスのハイブリッド、石炭の発電所。数字は最低落札金額と出て来る順番を表し、数字が高いほど優秀な発電所だ。左下が発電に必要な資源で、その右が手に入るお金だ。例えば左の発電所なら、石油2個を消費することで5エレクトロ手に入る。
購入した資源は最大値を上にしておき、プレイヤーは使用するたびに減らしていく。

次に資源購入を行う。発電するために必要な資源を手に入れるのだ。資源は、石炭、天然ガス、石油、ウランの順に高級である。このフェイズは、手番順が逆になる。人気がある資源は、高くなる経済原則が作用するので、資源は早くに買えば圧倒的に有利なのだ。
資源は、自分が持つ発電所が利用できるものしか買えず、またストックも2倍までしか持てない。例えば1回の発電で石炭を2個必要とする発電所は、石炭しか買えず、4個までしか買うことができない。資源はカード1枚につき1つではなく、表記されている最大数が売られている。カードを回転させることで消費を表し、0個になったら捨て札にする。
また1エレクトロの資源は、だれかが資源を廃棄せざるを得ないときに置かれるだけで、通常は2?4エレクトロとなっている。

最後に、発電を行う。資源を1回分消費して、発電所に書かれている金額を受け取る。この金額に応じて、手番順が決まるので、資源購入順を早くするため、わざと発電しないということもできる。

こうやって、発電所でラスト1ラウンドカードが出たら、次のラウンドで終わり。最後は発電所は6枚で競りを行う。そして最後の発電は、エレクトロを貰わず、それがそのまま勝利点となるのだ。手持ちのお金は10エレクトロで1勝利点という少なさなので、最後にガンガンに発電したら勝ちだ。

このゲーム、ボードゲーム版のボード部分を抜いただけで、システム上のセットアップは大変だが、やることはそれほど難しくない。

最初の競りで、コタが安めの原子力発電所を落札する。どうにも手加減してしまうのはしょうがない。ドイツゲームは微妙な差が、大きな差となるので後々に響いてくるのだが、ボードゲームを好きになって貰わないと困るので、多くの親は同じことをするだろう。


コタの初期発電所。かなり優遇してしまった。緑のエコ発電所は資源いらずで4エレクトロ手に入る。一見強そうに見えるが、発電所は3枚までしか持てないのでもっと強力な発電所に買い換える必要がいずれ出て来る。

わしは石炭、miaは天然ガスの発電所だ。

わしが石炭にしたのは、現在、市場に出回ってる石炭が安いからで、miaはそこがまだぼやっとしてたようだ。

コタのウランも2個で2エレクトロという安さ。

3人が違う発電所を買うたので、資源購入は平和裏に終わる。それぞれがそれぞれの資源を購入するだけだ。

そして発電してエレクトロを貰う。ボード版と違うのは、いつでも全開で発電してもすべてお金がもらえるところ。

さて2ラウンド目、ここから資源と相手との発電所とにらめっこして、欲しい発電所と入札価格を決めていかねばならない。

原材料の相場をみると、石油が安い。誰も石油の発電所を購入していないので当然である。
わしは2回分の発電資源を持っているので、ここは無理して石油発電所を手に入れた。

つらいのはmiaの天然ガスである。資源が高いのだ。
コタはごまめらしく、ここでもまた自然エネルギーの風力発電所を手に入れる。

mia「ちょっと、それ資源なしで発電できるって強すぎない?」

誰もが最初はそう思う。でもそこはフリーゼ、きちんと調整されていて、自然エネルギーの発電所は、若干、発電量が小さいのだ。
電力会社をやったことのある人なら分かるが、発電量がちょっと小さいというのはこのゲームでは致命的な要因となることがある。ちょっとの違いで勝利を逃す。

また手元に置いておける発電所が4枚までという縛りも効いている。
いずれにせよ、ゲームを進めていくと、次々に発電所をとっかえひっかえしていかないと勝てない。この小さな発電所もそう遠くない日に廃棄となるのは目に見えている。

次のラウンドでは、石油、天然ガスのどちらでも構わないハイブリッド型の発電所を手にする。

ここまでくるともっとパワーのある発電所が必要となってくる。
それは、石炭だ。

そう、このゲームでは石炭でもエネルギー効率が良くなり、石炭だろうが、石油だろうが、原発以上の発電量をほこる発電所がばんばん出てくる。コタも原発を捨てて、大量に資源は要るが大量に発電できる石炭発電所に買い替えてる。


コタは時代に逆行するようにエコロジーな発電所から、このようなどす黒い発電所に変化。

こんな感じでラウンドが進み、とうとうラスト1ラウンドマーカーが出た。

最初に書いたように、勝利は最後にどんなけ発電をできるかである。4枚の発電所の性能が勝負だ。

最後の競りは6枚競りである。
お金は10エレクトロで1勝利点という安さなので、発電に使う資源のコストだけを残して金に糸目をつけずパワーのある発電所を手に入れたい。

結局、発電所のパワーがあるコタが勝利にみえる。

が、最後、エレクトロを勘定してみると、わしが1点差までつめよった。
確かにお金は点数は低いが、意外と勝利を左右することがわかった。最後、もう少しお金を節約して発電所を買うてれば、なんとかなったかも知れない。


わしの最終。ちらっと上に見えるのが順番表で、競りは左から、資源購入は右から手番を行う。順番は全開の発電量によって並べられる。


miaの最終。天然ガス発電所を作動させられない痛恨のミス。


コタの最終。

ルール説明時に意味が分からなくてぐずついてたコタだが、やってみるとすぐに理解した。ボードゲームはルール説明のときはさっぱり分からないが実際にやってみると分るというのがほとんどだ。まあ、ぐずついてたので、かなりハンデをあげてしまったが、しょうがない。

所要時間60分

ソマーリオ

電力会社はすっかり忘れてしまったが、たぶんボード部分以外のルールは同じなのだろう。このゲームはカードの流れがミソですべて自動に決まる。システムが動きを完全に保護している。これはフリーゼデザインの特徴だ。

ゲームとしては電力会社の発電部分を取り出した形で、これだけでひとつのおもろいゲームになるのだからもともとの電力会社ってゲームは一体なにもの? という話になる。

最後、ごちゃごちゃいわず、発電量で勝ちってのもシンプルでいい。
カードゲームだが、内容はボードゲームくらいの濃厚さがあるが。

コンポーネントは電力会社そのまま。発電所カードはそのまま互換性があるんちゃうかな?

でもやっぱり電力会社はボードがあってこそ、その前段階の発電所の購入や資材の購入が活きてくると思う。最初から電力会社はルールが難しくて無理な人に、先にこのカードゲーム版をやらせるというのはいいかもしれない。

gioco del mondo