Friedemann Friese

Huch & Friends

2〜6人
60分

ファウナ

駿河屋で購入
ファウナとは分類の事。
生物は界、門、網、目、科、属、種と人の手によって分類されている。
地球上には数多くの動物が棲んでいる。
これら人類の友となる動物たちを分類してみよう。

プレイ感

わしのあまり好きでないフリーデマン・フリーゼが珍しくもドイツゲーム大賞にノミネートされた。なんでもゲームというよりクイズという。ネットでの評判も上々のようなので、小学生の頃、動物といえばあきお君と異名をかってたわしが買わん訳にもいかん。そして飼育係に立候補し、学校が飼うてたウサギに餌を与えてた程の実力の持ち主であるわしが、負ける訳にもいかない。泊まりがけのBBQにてムゲン、タカダ、フジとの4人プレイにて。


スタートプレイヤーから順番にカードホルダーの動物について、生息地、全長、体長、体高、体重、尻尾の長さを予想して駒を置くのだ。出題は動物によって微妙に違ってたりするが、この6項目についてのどれかである。また生息地は複数にまたがっているものがほとんどで、生息地が多い動物ほど当たった場合の得点は少なくなっている。そのままどんぴしゃ以外にニアピンでも得点が入る。先に規定のポイントを取ったプレイヤーが勝ちだ。

上記通り、まったくの動物の物知りクイズだ。


こんな感じでホールダーに動物カードが入っており、答えをかくしている。動物の特徴を当てるのだ。裏面にも動物が描かれているが、裏面の黒縁はかなり難しい問題となっているので、最初は緑縁でやった方がいい。それでも相当むずい。

またムゲンの持ってきた奴は和名シールを貼ってなくて、さっぱり解らん。解らんけど、形だけで勝負なのだが、アシカかオットセイか解らん奴が出てきた。一体これはどっちやと議論となった。

ムゲン「たぶん、これアシカですよ」

わし「トドという可能性はないか?」

タカダ「トドって牙ありませんでしたっけ?」


上から体重、全長/体長(問題による)、しっぽの長さ。単位はドイツのゲームなのでメートル法。こうやって手番に予想して駒を1つ置く。範囲内なら当たりで、当たりのマスの隣はニアピン賞をもらえる。

わし「まあ、ほなら、わしは尻尾0cmに置く。だってこれって脚やで?」

タカダ「あああ!! しまった。そうか、ずっと尻尾やと思ってたら考えたらそれ脚ですわ。盲点やった」

とまあこんな感じで進むのだ。そしてオープン。

尻尾5〜10cm

(|| ゜Д゜)ガーン!!

こ、こいつ尻尾持ってたのか…

※実際の長さは忘れたので適当。実家においてきて手元にないので調べられない。

ムゲン「これ、絵にだまされたら駄目ですよ。しっぽ隠し持ってたりする」

みたいな、そんなゲームだ。


生息地の予想ををしたい場合はマップ上に置く。ひたすら動物カードをじっと見つめて、サイズを指で測る。

なんかウサギが出てきた。なんせムゲンのでは和訳シールを貼っていないのでレビューに困る。

ここで一発逆転を狙おうと、さんざんぱら、賭ける。

わし「これどう見てもヨーロッパにおる」

ムゲン「そうっすかねえ」

わし「だってやで、ヨーロッパつうたらウサギ食うやん。ピーターラビットのお母さんを食うお国柄やで。これは生息地の広さからいってもヨーロッパ一帯に住んでるとしか思えん。まずはイギリスやな」


全員がパスしたら、答え合わせである。動物カードの下には答えが描かれている。で、わかりやすくするために、答えの場所に黒の駒を置く。外れた駒は没収だ。

ムゲン「あ、でもそうかも。なんかヨーロッパ臭い」

わし「せやろせやろ」

もう、明らかにこいつはヨーロッパ。欧州の香りがプンプンしやがるぜ。ムゲンもそれに乗っかって二人でヨーロッパ一帯を攻めまくる。

そしてオープン。

ムゲン「全然、ちゃいますやん! これこんなとこに棲んでるんかあ」

とゲームはこんな感じで進んだ。

そして、負けた。ベベだった。

_| ̄|○

所要時間60分


ひとりが規定の得点を満たしたらゲーム終了。このうさぎには騙されたわい!

ムゲン「これむっちゃおもろいっすわ。もっかいやりましょうよ!」

とその後、2回やった。

なんとか1回は勝った気がするが、かなりむずい。如何に自分の感覚が曖昧かが解る。

後日のプレイ

後日TAMがどうしてもやりたいというので、わしの日本語化したファウナでTAM夫妻とmiaと4人で一緒にやった。

オランウータン 生息地1箇所

わし「ええ!! オランウータンって生息地1カ所だけ?」

TAM「どこなんですかねえ」

皆があれやこれやと議論してる中、さっとmiaはとある場所に置いた。

TAM「もっと孤島じゃないですかね」

わし「いやあ、そこちゃうやろ。こういう奴ってのは、山地に棲んでるで」

mia「チベットって。そんな寒いところにいるわけないじゃん」くすっと笑う。

わし「あ、お前、知ってるんか、これ」

mia「いや、解らないけど、ここかなと」

そしてオープン

mia「やった!」

わし「お前、TVかなんかで観たことあるやろ!」

mia「なんとなく」

キタネー!!

他に

アンデスヤマネコ 生息地1箇所

わし「おい、もうこれアンデス山脈しかないやんけ」

TAM嫁「やった。じゃ、わたしからなんでアンデス山脈に」

mia「うーん、そしたらもう体重しかないか。じゃ、ここ」

わし「ええとこ取られたなあ。じゃ生息地のニアピン狙いで」

と順繰りやってて、ニアピンも全部埋まった。

TAM「へえ、じゃ、僕はここにしますわ」と海に置く。

わし「そこ海やんけ。…あ、あああ!! そこって隣なんか!」

TAM「そうなんですわ」

そう、陸地に棲む生物なんで、すっかり陸地のニアピンばかり考えてたら、海域もニアピンであったのだ。

わし「きたねえのう。ほな、これで終わりかな。あ、いやちょっと待て。そこがありならここも隣やんけ」

TAM「気づかれたかあ!」

と、こういうケースもあるので、よくよくボードを見るべし。

ムゲンのコメント

これ、むっちゃいいですわ。教育的やし、誰でも出来るし。いやあ、むっちゃ気に入った。むしろ和名がない方がおもろいんちゃいます?

miaのコメント

オランウータンがでた時、ほくそ笑んだ。でもアンデスヤマネコはないわあ!

ソマーリオ

如何にうんちくを垂れるかがこのゲームを楽しむポイント。というか果たしてコレはゲームなのかという根本的命題に突き当たる。

ゲームとしてのシステムを楽しみたいという人にはまったく向かない。ゲームやったって感じがまったくしなかった。仲の良い友達と、与えられた話題に対して会話を楽しむといった感じだ。相武紗季がめっちゃ可愛いとか、いやいや意表をついてクワバタオハラの小原が萌えますなあとかのノリとまったく一緒だ(※個人的趣味ですw)。それこそ彼女らのBWHや出身地をゲームにしてもいいのだ。

アイドルやプロスポーツ選手では、興味のある人とそうでない人と楽しさに大きな差が出る。そこで誰もが知ってる普遍的なテーマとして動物を持ってきたというだけの話なのだ。動物について語れと言われても、何を語っていいのか解らない。ならば誰もが納得できる体長や生息地をテーマにしようとなったに違いない。

老若男女誰もが楽しめるようになったと言っていい。そして駒がついてないだけで、事実上、もっとプレイ人数が増えても問題ない。これは確かにドイツゲーム大賞にノミネートされてもおかしくない。

ゲームのシステムとしては、予測駒が間違ったらボッシュートされてしまうが、ある一定の数が無くなってしまえば元に戻るとか、脱落しないようにほどほどの罰を与えているのは良い。ここらへんのシステム化がドイツゲームらしいところ。フリーゼに似合わずw

動物カードは300種類と相当な枚数があり、1ゲームで使用するのは14,5種類ぐらいなので、まず覚えてしまってゲームにならない、なんて事は起きない。多分同じ動物でもしっかりと覚えきれないので、大丈夫だろう。自分の動物に対する認識の曖昧さに驚くと思う。緑の表面は簡単な動物で、裏の黒面は難しいとなっているが、簡単な方でもこのように体たらくだ。あなどってはいけない。
カードは白黒だが、デフォルメされる事なく、いい仕上がりだ。また動物についてくわしく記述したブックレットが付いているが、残念ながらドイツ語でまったく読めないのが非常に残念。

出来れば、日本語化した方がいいと思うが、ムゲンのnon日本語化版をやってみても、さほど大きなマイナスとはならなかった。が、せっかくやるのだから知識として覚えておきたいと思うので、わしのは当然、日本語化してる。TAM夫妻とやったときはわしのんであった。
是非、家族みんなで一緒にやってみて欲しい。ただし、ゲームとしての楽しさを期待すると肩すかしを食うので、ゲームをやりたい時にはわしゃ絶対コレを出さない。皆でクイズをやりたい時に出すモノだ。そういや昔トリビアルパスートというクイズゲームがあったけど、誰も分からずゲームにならないなんて事をどっかの記事で読んだ気がするが、ファウナはその心配はまったくなし。

恐竜や昆虫などで、続編が出て欲しいかな。恐竜なら、年代を出題できる。

なんと、このファウナのレビューで2009年度のドイツゲーム大賞のノミネート作をすべてレビューし終えた。しかも年内というおまけ付き。それはすなわち、わしにとって今年のノミネート作は少なくとも一度は手元に置いときたくなる粒ぞろいだったという事だ。顧みると、カードゲームの新風、協力ゲームの傑作、元祖ドイツゲーム大賞、物知りクイズ、パクり、と非常にバラエティに富んでいる。
来年はこうは行かないだろうが、ワンパターンになりつつあるドイツゲームに、来年も素晴らしい作品が出る事を祈りたい。

gioco del mondo