Friedemann Friese

2F Spiele
アークライト

2人
45分

ファミリア

だが、一つ言っておく。末の息子が国を追われている。
わしは、息子を安全に国に戻してやりたい。息子に罪は無い。
わしは迷信深い。
万が一、息子が事故にあったり、警官に撃たれたり、あるいは首を吊ったり、雷に打たれても、わしはここの誰かを憎む。その時は許さん。





プレイ感

なんとマフィアのゲームで、最近、珍しくなった二人向けのゲーム。わしのオールタイムベストの映画はゴッドファーザーであり、これは逃してはならん。というわけで、早速miaとやってみた。


ストリートにマフィアのカードが並べられ、これらをスカウトしてカードを集めるのがゲームの目的だ。マフィアは4つの色に分かれており、カードを取得するには、同じ色のランクが1つ下のカードを2枚必要となる。例えば、ストリートにいる青ランク3のカードを手に入れたければ、手札から青ランク2のカードを2枚出す。手に入れたカードは手札にして、使ったカードの1枚を自分の場(組事務所)にさらしておく。

これを繰り返して山札が2回切れたら、ゲーム終了。手札と自分の場にあるカードの勝利点の合計が高い方が勝ちである。

ルールをざくっと読んだ限りでは、手札と自分の場にある違いが解りにくいが、自分の手札にあるカードはアクティブなのだ。場にあるカードは使えない非アクティブのカードと思えばいい。

プレイヤーが最初に持つカードは各色ランク0のカードが4枚。ストリートにあるランク0のカードは上記のスカウト方法をとらず、そのまま獲得出来るので、ランク0のカードをまず集める事からゲームは始まる。なんせ2枚そろえないとランク1のカードが手に入らないのだ。


最初は各色0ランクのカードを4枚。ここから組織を強くしていく。ストリートには最初6枚のカードがランダムに並ぶ。これらをスカウトしてマフィアを作るのだ。サイズは若干長めでとても使いやすいサイズだ。

miaは緑の0カードを早々に手に入れて、ランク1のスカウトを行う。これがやられた。というのは、各色によって特殊能力があり、緑の能力はマーセナリー(傭兵)で、自分のランク未満の他の色(エラッタで自分の色でも良いと出た)として使ってもいいという能力だ。

mia「じゃ、このマーセナリーを青の0として使って、青の1を取る」

組事務所に置くのはどっちかなので、当然、一緒に使った青の0を置いて、マーセナリーは手札に戻す。

mia「今度は、黄色の0として使って、黄色の1を取る」

と、こんな感じで散々やられまくる。

わし「ちょっとちょっと、それ強すぎひん?」


手札の赤の0のカードを2枚出して、ストリートにいる赤の1のカードをスカウトする。このように同じ色のカードの1つランク下のカード2枚でストリートにいるカード1枚をスカウト出来る。

わしは狙った0のカードがなかなか手に入らなくて、四苦八苦。
1がタイミングよく出ても手番の綾でmiaに先に取られてしまう。
こうしてどんどんと手札だけが増えていく。

わし「欲しい。緑の0が。なんも出来ひん」

とひたすら山札からめくるが、なかなか出てこない。ストリートに0のカードがなければ、1枚ほかして、そのランクの枚数だけストリートを補充出来る。それは何度でも出来るのだが、なかなか出やがらねえ。


組事務所にわしは二人しか居らんがmiaは7人もいる事からマーセナリーにやられまくってる事が解る。カードの下に書いてるのが勝利点だ。

mia「あ、緑の0がでた。うーん、赤の0にしよかな」

運悪くmiaがめくったときに出やがる始末。一旦、赤の0を取ったmiaだが、ちょっと待ったが入る。

mia「なんで緑が欲しかった?」

わし「強いやん。そいつが居らんとなんも出来ひん」

mia「うーん、まあ、赤でいいか」

わし「助かったぁ。じゃ、わしは緑貰う」

途中からぱたりとmiaのスカウトが止まった。
手札の0のカードが無くなってきたからだ。

わしは散々やられたおかげで手札だけは豊富である。そこから巻き返しをはかる。

が、緑のランク1を取ってもほとんど使えないフェイズに移行してやがったのだ。はっきり言うて、黄色のブルートがおれば、こんなん要らんかった。

黄色の能力はブルート(用心棒)で、自分のランクだけストリートにいるカード1枚のランクを下げる。例えばランク2のブルートは、ランク1か2のカードをランク0にすることで無料で手に入れる事が出来るようにするのだ。この能力を使ったら組事務所に置くのだが、2枚そろえなくてもいいので恐ろしく強い。ランクが残ったとしてもより高位のカードを手に入れる事も出来る。例えばランク4のカードをランク2に下げればランク1のカード2枚でスカウト出来る。

このブルートの能力を最大限に利用するのが青のアカウンタント(仕分け人)である。こいつらを組事務所に置く事で、自分のランクと同数のカードを組事務所から手札に戻し、同じ枚数を手札から組事務所に戻すという交換能力を持っている。つまりブルートをガンガン復活させては使うのだ。

わしは無理して、黄色の3を取ってから立場がごろりと変わった。このカードを使い、さらに上位の黄色の4を獲得。こいつは最上位のブルートで、つまりこいつがいれば、他の最高位のカードが手に入るという事だ。もちろんランクが高い程、勝利点は高い。


この4の最強のブルートを取ってからはやりたい放題となった。どんな奴でもこいつ1枚でスカウトできる。一度使うと事務所に置かれるので、アカウンタントを使って再び手札に戻して何度も使うのだ。

狙うはもちろん

わし「ドン・コルレオーネ!」

赤のカードは名門ファミリーで、特殊能力はないが、勝利点が他のランクより1段階高く設定されている。ドン・コルレオーネ似の赤のランク4は唯一の15点(他のランク4は10点)なのだ。このゲームの目指す目的はずばり名門ファミリーを集める事にある。

mia「やられたー!」

わしはもう一人の緑のランク4も欲しかったのだが、miaのなかなか手際よい作戦でアカウンタントを獲れなかった。アカウンタントが出たと思ったら流されてしまったのだ。

どちらも、名門ファミリーが出たら、獲らなきゃ負けると、必死に手に入れる。

2週目の山札が尽きてゲーム終了。

1点差でわしの勝利。ドン・コルレオーネのおかげや。

所要時間45分


最後はこんな感じ。2回目の山札が切れたらゲーム終了。事務所と手札の下に書いてる勝利点を合計して勝敗を決める。真ん中にいる赤の4はドン・コルレオーネにしか見えん。

おもろいというので、すぐに2回戦目。

2回戦目はうってかわってわしがマーセナリーの1を早々に手に入れて、他のカードを次々にスカウト。

ところが先にやったように途中からぱたりと手が止まった。

マーセナリーは、序盤は強いのだが、中盤以降手札が減りかなり失速する。

同じようにmiaは巻き返しをはかってくる。なんとかドン・コルレオーネを手に入れたものの、miaは他の名門ファミリーをしこたま手札に貯めており4点差で負けてしまった。

miaのコメント

最初はランク1つ上のカードを取る感覚がちょっと解りにくかったけど、凄く面白い!

ソマーリオ

これは無茶苦茶おもろいな。久々に二人向けゲームでやわ。たったこれだけのシステムやのに、拡大再生産のゲームとなってるのは凄い。

マフィアの組織を作るっていうイメージにもぴったりで、テーマとシステムの融合性も高い。カードは変形縦長カードで、これまた手にぴったりなじむ完璧な出来映え。唯一の不満点は(といってもわしだけか)絵柄が好きじゃないことくらい。なんかフリーゼが起用する絵って、濃くてあんまり好きじゃない。どう見ても普通のおっちゃんにしか見えん人も居るし。。。


こ、これ、普通のおっちゃんやん! でも3という強さという。

しかし、絵柄は全て違っており、並べると背景が全て繋がっているという豪華仕様に、文句を付けるわしの方が悪い。

マーセナリーの高位があまり強くないという事を除けば、非常にバランスが取れている。マーセナリーは低位こそ役に立つが、高位が手に入る頃はブルート旋風が巻き起こってるのでそれほど重要ではなくなるのだ。また緑色に対してマーセナリーの能力が使えないってのも弱く感じる一因かも知れん。

※マーセナリーの能力は他の色に対してのみ使える。間違ってたらごめん。その後、kurosukeさんからエラッタが出ており、緑にも使えると教えて頂きました。ありがとうございます。これで緑の強さのバランスも取れる。

ルールのお手軽さ、値段、日本語版が出た事の手に入れやすさ、とゲームを知ってる人なら是非とも勧めたい。ちなみに日本語版といっても、箱とルールが日本語なだけで、言語依存もなくドイツ語版を買うてもまったく問題はない。

二人用のカードゲームだが、ゲーム時間は45分とがっつり掛かるのでやった後の充足感は高い。(その後マーセナリーの修正ルールでやると若干早くなったが)このレビューから何度もやってるがランク2以上のアカウンタントが2枚あれば、ぐるぐる回せるので、これとブルートを組み合わせるのがポイントだ。ただし手札が1枚ずつ減っていくので、あまり調子こいてやってると、手札がデッドロック状態になるので注意されたし。

それにしてもフリーゼは、ビール侯爵といい、ファミリアといい、さすがと思わせるデザインをする。ちなみにあまりにもおもろいので、TAMがゲームを訊いてきたのですぐに勧めた。

ゴッドファーザーはコッポラの最高傑作映画だが、その原作の小説がむちゃくちゃおもろいのだ。むしろ映画化に当たってよく原作の雰囲気を損ねず、内容もまったくといいってほど変更せずやったなあと感心した。そう考えると映画だけで十分と思うかも知れないが、映像だと流されてしまうようなシーンの意味を深く知ることが出来るので、小説が嫌いでないなら絶対に読んでほしい。
ちなみにゴッドファーザーは1だけが原作の部分であり、2はあまりに人気が出たために出した蛇足である。3はさらにその蛇足で、かなりの駄作だ。2はまだ楽しめるが、3は不要だろう。

gioco del mondo