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moo
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2人
15分 |
ダズル
『Dazzle』は「純潔」「暁」「螺旋」「信仰」といった
ときに人を惑わせる4つの象徴を取り合う対戦ゲームです。
またお互いが相手の運命を握る
ちょっと変わった雰囲気で進行します。
相手に握られた「貴女の運命」を予測しながら
あなたの持つ「相手の運命」を悟られないようにプレイしなければなりません。
ブラフも交えた、お互いの思惑が絡み合い、
選択するカード、そこに注がれる微かな感情から
戦局が刻一刻と変化していきます。
プレイ感
今回の賽苑のゲームは二人用でカードゲームという事であんまり買う気がなかったが、帰りしなにOEC君にDazzleを見せて貰ったら、恐ろしくコンポーネントの出来がいいので、オビ湾と一緒に買いに走った。二人用なので、試しにどんなもんかとmiaとやってみる事にした。
自分の8枚ある手札から2枚を相手に出す。相手は、1枚を自分のパワーカードとして、残りの1枚を得点カードとして駒の下に伏せておく。次は相手が出してきたカードを同様に自分が選り分ける。それからカードを互いの山札から2枚ずつ補充する。これを手札がなくなるまで繰り返してゲーム終了。パワーカードを比べて多い方が駒の下の得点カードを総取りする。得点の多い方が勝ちだ。
このカードの美しさは実際に手にとらんと分からんと思う。マークはエンボス加工。カードは光の反射が解るようにザラザラのカードだ。真ん中に立つ4本の駒は「純潔」「暁」「螺旋」「信仰」を表すみたいやけど、まあ、はっきり言うてテーマなんかないゲームだ。ただし削り出しの木製ってのが凄い。
ルールはこんだけで非常にシンプルだが、カードは1〜3まであるのでこのままやると山札によってカード運が強くなるので、Dazzleシャッフルという特殊な方法で公平に分ける。
ルールを読んだ感じでは、かなりモヤモヤっとした感じのゲームになりそう。
駒の下に得点カードがおかれてそれぞれのパワーカードで取り合う事になる。裏面にもカードの強さが描かれているので一番上のカードの点数だけは解るようになっている。
最初は解らんやろうという事で先攻を取ったわしが、2枚のカードをどのように出すか悩む。
1と2の色違いのカードを出した。
mia「うーん、よくわかんないけど、2を自分のカードにして1を得点にする」
わし「あ! そらそうやわ」
自分の手札ってのはすなわち相手のカードなのだ。自分のカードになる事は絶対にない。
当然、大きい数字を自分のパワーカードにするに決まってるやんけ。
それだけ解れば出し方の基本は簡単である。
基本は同じ数字のカードを提示していけばいいのだ。
今回のキーは赤色と青色。赤は高得点カードが眠り、青は今後益々出てくる事が予想出来る。
自分の手札にあるという事は、相手がどの色にどれくらいのパワーが出るか解るという事だ。
つまり緑が多ければ、緑は諦めた方がいい。そしてこちらが緑だらけというのを隠さないと、緑のカードを得点カードにされていってしまう。
うーむ、おもろいやんけ。
そこで活きてくるのはDazzleシャッフルだ。バランス良く数字が出てくるようになっている。
後半になるとmiaがぽつりと言う。
mia「これ、面白いね」
なるべく僅差で活用に仕向けるわし。
もうひとつ山札がなくなった頃にDazzleシャッフルの良さが見えた。なんと3のカードが奇数になっており、提示する時に必ず、2か1と組み合わせて出さねばならなくなっているのだ。
数字違いを提示する場合、よくよく気をつけねばならない。つまり数値の小さいカードを魅力的にみせるようするか、通常通り大きな数字を取らせるようにするか、場の展開によって組み合わせを決めるのだ。
このゲームのポイントは、自分の手札にないカードが自分の物になるという事だ。また全てのカードを使う訳ではなく、あらかじめ何枚か抜かれているので完全には読めないが、十分プレイの指針となる。
結局、最後は2セット獲ったわしが1セットのmiaに圧勝した。
所要時間15分
結局、狙い通り赤と青で圧勝。miaは緑だけ。同点の黄色はどちらも得点しない。
miaがもっかいやりたいというので、すぐに2回戦目。
これが最後の8枚。Dazzleシャッフルすると3は必ず余るところがミソ。これをどう組み合わせて出すかが腕の見せ所である。
ここでmiaは2と3みたいに数字の違うカードを提示しまくってくる。
ええんかいな??
mia「いいの」
しかし、結果は、2セットずつ獲り、得点差は僅か2点でわしが勝利。
今回は2点差で勝利。
miaのコメント
なんだか不思議なプレイ感だけど、面白い。デザインだけの同人ゲームじゃなかったのね。凄いなあ。
ソマーリオ
実のところ賽苑は、お洒落なんやけどゲーム作りに関してはどうなんやろと思ってた。アートがメインでゲームも出来るよってのが去年のイメージ。
ところがこのDazzleはゲームとしてのおもろさはレビューを読んでの通りだ。システムはジャガーのピラミッドの2枚提示方式なのだが、考える部分が基本的に色だけなので、ジャガーよりも見通しがいい。
それでもゲームの楽しさの肝が初心者には解りにくいところがあるので万人には勧められないが、ある程度ドイツゲームのジレンマを知っている人なら、十分に賽苑の意図するところが解るだろう。今回の収穫はmiaが1ゲーム目からそのジレンマに気づいた事だ。つまり中級者ならお勧め出来るという訳だ。
同人ながらオリジナリティについても十分感じられ、メーカー製ながらシステムを丸パクりしている某カードゲームなんかは是非見習って欲しいものだ。
また長考気味になるシステムだが、少々考えたところで15分くらいで収束するので、何度もやってみたくなるだろう。
コンポーネントはもう、実際に手にとって見て貰いたい。これは下手にメーカーに作らせるより、このまま同人版の方がいいんじゃないかという代物。
カードには光るプレートのような印刷が浮き彫りになって施されており、まともなメーカーなら赤字でこんなもんは作らんだろう。黒を基調とした美しい4色の絵柄も素晴らしい。
また賽苑独自の形をした木製の駒はでかくて存在感がある。難点は表面の塗装にニスが混じっておらず、ざらついているところだが、これくらいは目をつぶってあげたい。
これを収める箱も日本人の匠ともいわせる段ボールの折り込みで見事に収まる。もうちょいカードのところに遊びが欲しいけど、まあ、素晴らしいの一言。
2度やっただけでこのゲームが何度も何度もテストプレイをした結果こうなったというのがよく解り、その賽苑のゲームに対する姿勢に好感を抱いた。Dazzleシャッフルなんかもろテストを繰り返した結果出来上がった方法なのだろう。そういった工夫が随所に伺えて、にやっとしてしまう。moo君もテストプレイばっかりしてましたと言うてた。そやろうなあ。
最初はカードゲームで2300円かあと思ってたが、中を開けてみて納得した。内容物をみてがっかりした同人ゲームもあるが、賽苑のゲームで救われた気がした。機会が有れば是非やってみて欲しい。ただしかなり渋めなのでそのつもりで。終始、想像力を働かせながらゲームするのでプレイテンポが悪いところがありをつけるかどうか悩んだが、どうにも繰り返しプレイしたい衝動に駆られる。それで付けないのはどう考えてもおかしい。
ゲームマーケットにいけなかった人も、ボードゲームフリークで取り扱っているので早めに買うべし。