Leandre Proust

Grammes Edition

2人
15分

クラッシュオブデッキ

あなたは、エレット群島に生き残った魔術師です。
何百もの島々が巨大な橋で結ばれているこの地域。かつて橋は群島に偉大さと繁栄をもたらし、島々の間で盛んに交易が行われていました。橋を通してのみ運ばれる富は、住む人すべてに快適で豊かな生活をもたらしました。
しかし今日、人口の増加と資源の枯渇、そして魔術師の盲目的な思惑により、エレット群島のバランスは大きく崩れてしまいました。
日々、地球は破壊され、海は最も脆弱な島々を飲みこんでいっています。魔術師たちは、群島の中でも最も安全な島々を支配するために戦っています。これらの敵対する土地で生き残るためには、橋を渡り、他の魔術師と戦って自分の土地を主張する必要があります。

プレイ感

えりえりが「このゲームが最近熱いんすよ。是非プレイして欲しい」と2組の小さなカードゲームを持ってきた。二人用なので別々にやろうという事らしい。
椅子の配置から、わし対COQ、タナカマ対えりえりとなった。


橋のカードを2枚置く。戦いの場所が2箇所という意味だけである。といっても特殊能力に関係あるので、上の橋、下の橋という意味で捉えておく。


今回ドラフトで取ったカードと拠点カード。拠点は上下に意味がある。

ベーシックとしては、バランスの取れた組み合わせがあるのだが、今回はドラフト形式でカードを選ぶという形を取った。実はこのゲーム、後日、ルールを読むと初心者用にバランスの良い組み合わせが載ってたのだが、この時はドラフトするもんやと思ってた。このせいでタナカマはボコボコにされることになる。酷いやつだ、えりえりめ。タナカマはボコられすぎて10kg痩せてたとTwitterにつぶやいたのはその通り。


一番左に拠点カードを要塞側(塔の絵)それ以外はシャッフルして持つ。順番は変えてはいけない。
召喚するときは、拠点カードを抜いて左から4枚を召喚できる。召喚するとずれるのでずれた4枚目も召喚可能になる。
マナは拠点を含めた枚数なので、フルで9マナ出る。

以下、ドラフト方式。
カードを4枚めくる。先手プレイヤーが、カードを1枚とり、後手プレイヤーがカードを2枚とり、残った1枚を先手プレイヤーが取る。今度は先手後手を交代して同じようにやっていき、4ドラフト、つまり8枚ずつ受け取る。これが自分のデッキだが、シャッフルしてそのまま手札にする。一番左に要塞/砦カードの要塞側を上にして持つ。

手番のフェイズ1は、手札の枚数だけのマナが出る(基地カード含む)。

※例外としてスタートプレイヤーの最初の手番だけ6マナとなる。

フェイズ2は1で出たマナを使ってカードを召喚したり、呪文を唱えたりする。召喚出来るカードは左から4枚だけ(要塞/砦カードは無視)で、必要なコストはカード左上に書いている。
召喚したらどちらかの橋の前に置く。丁度相手のカードと対面で向かい合う形になっていく。すでにクリーチャーが置かれていたら、列を作るように後ろに並べていく。
橋だから一列縦隊のようだ。


このように召喚するとマナが減るし、拠点のHPも減るという面白い仕掛けとなっている。
カードが破壊されると一番右に戻ってくるので、不思議なことに拠点のHPが回復するのだ!

フェイズ3で攻撃を行う。クリーチャーは召喚されたターンには攻撃できない、MTG(マジックザギャザリング)の召喚酔いと同じだ。呪文は即座に効果を発揮させて、手札の右端に戻る。
攻撃は橋から遠くのクリーチャーから順番に行っていく。攻撃される方は橋に近いクリーチャーからである。
敵クリーチャーがいた場合は、そのライフをみてそれ以上のダメージを受けたら、持ち主の手札の一番右端に戻る。空いたところは後ろのクリーチャーを橋に近づけて埋める。
もしクリーチャーがいなかった場合、要塞/砦に直接ダメージを与えることになる。
この要塞/砦ってのがプレイヤーのライフと思ってよい。

要塞/砦は受けたダメージだけ手札で右側に移動させる。右端までいった要塞は砦にひっくり返して一番左に戻す。まだダメージが残っていてもそこで終わりだ。
もし砦が右端までいったら負けである。つまり要塞/砦カードが手札で2周すると負けということだ。

あとはクリーチャーに特殊能力が備わってて、召喚酔いのない奴だとかトランプルみたいな能力だとかがある。

えりえりから「たったこれだけのカードで、ライフの管理も出来てシステムが美しいんすよ」と熱く語られる。

確かに。

えりえり「面白いのが、クリーチャーを喜んで召喚させまくってると、自分のライフが弱くなるんすよ」

なるほど。

ちゅうわけでゲームスタート

わしが、強いクリーチャー取ったらええやろと選んでると横でえりえりから「あんま強いのばっかり取ってると厳しくなるっすよ」と言われ、召喚コストの安いカードも取ることにする。

ドラフト終了後、すぐにクリーチャーを召喚

COQはすかさずメテオ呪文で粉砕。


このように橋に一列縦隊に並ぶ。攻撃は橋から遠いカードから相手側の橋から近いカードに順番に行う。
この場合は、手前のカードから橋向いの樽みたいなカードへまず攻撃を行うのだ。橋の順番もあって、上の橋から行うというルールがあるが、今回は下の橋にカードがないので無視。

このメテオが強力で厄介。呪文はすぐに手札に戻ってくるので、くるくる回る。逆に毎回マナを使わなくてはならないというデメリットはある。


待望のオーガが動き出す。手前のシャーマンは隣のカードに召喚酔いをなくす効果があるので、同時に出したオーガが動き出し、しばしボコボコにするものの、メテオを食らわされ撃破。

終始わしはこのメテオでやられまくることになるが、わしの手元には呪文が一切ないのが悔しい。

しかしやられても再び出した4/4のオーガがやたらと強くてCOQよぼよぼになる。
トランプルのような狂暴付きで、敵を倒すごとに次の敵を倒すというめちゃめちゃな奴だ。これでCOQのヘボヘボ軍団をタコ殴りにして、拠点へダメージを与える。

えりえり「オーガ、めちゃ強いっすよね」

戦局をみたえりえりが話しかけてくる。
タナカマはその頃、ボコられすぎて涙目だ。


COQなんとかしないと、直ダメージで合計10である。

COQ「やばい。全然強いの取らなかったんで止められない」

メテオで殺されるも、次々と強力なクリーチャーでCOQを圧倒。

わし「城之内くん、サレンダーしても良いよ」

結局、そのままわしが押しきって勝った。
手札の勝利やな。

所要時間15分


最後はこんな感じで終わり。4枚もカードを出すと、出せるマナは5しかなくなるし、拠点のHPも減るというよくできたシステムである。

COQのコメント

いやあ、これ良いなあ。よく出来てる。現代のブルームーンじゃないすか。

ソマーリオ

手札の中でぐるぐる回る感じはめちゃめちゃ新しいな。よくぞまあ、こんな面白いシステムを考えたもんや。この輪廻転生ともいえるアイデアは東洋人に違いない。

ふと橋が2ついるのか? と思うのだが、システム的に均衡することがあって、それを防ぐための方法としてあるらしい。

そんなことは置いといて、ほんまわずか32枚のカードでこれだけのものが作れるっていう人間の想像力の凄さよ。
COQもそうだがわしも昔MTGをやってたが、ややこしかったマナとライフの管理が、非常にエレガントに概念を作り上げている。驚くべきことに、その中にドイツゲーム的なシステムの制約が入っているのだ。

えりえりによると1ユーロで配りまくってたらしく、流行ると追加デッキを発売しだしたとか。MTGのように進めばより複雑なカードになるだろうが、現状は追加の特殊能力アイコンだけでなんとか済ませているようだ。テキストが入ると、もうMTGの世界だ。

ただ一番最初のセットだけでも何度でも遊べるし、非常に面白いファンタジー世界の戦いができる。
MTGでデッキを組むには金も時間もかかるがお手軽に、よく似たプレイ感で楽しめるのだ。

そして、なんとこの第一弾は、自分で印刷してプレイできる。またBGAでプレイもできるので印刷しなくても遊ぶこともできる。日本語ルールも公式で機械翻訳されている。すべて上のリンクからどうぞ。

わしは早速、印刷して作った。裏面はインク代も掛かるので、背面が透明じゃないスリーブを買うてきた。百聞は一見にしかず。すぐに印刷してやってみるか、BGAでプレイされたし。
と、書いたが、その後、この上記サイトから送料わずか3.95ユーロで輸入できるので、フルセットを注文した。

とまあ、いいところだけを書いたが気になるところがあって、ソージロとも数回やってみたがわしがボコられ、ソージロがボコられといつもワンサイドゲームになった。えりえりに訊いてみるとドラフト次第ではどうしようもないけど、逆転も可能だよとの事。
まだ基本カードでしかやっていないので、新しい能力のカードがきてやり込んだら更に評価は上がる可能性はある。

それと途中に書いてたルールに記載されたバランスの良い組み合わせは以下
DECK 1 : ANNIHILATION, BARON, BOOM!, BRUTE, CARAPACE, PARTISAN, REVENANT, TROLL
絶滅、男爵、ドーン!、野蛮人、甲羅、パルチザン、亡霊、トロール
DECK 2 : ABOMINATION, ALPHA, COMBUSTION, LIEUTENANT, MICROCTOPUS, OGRE, SCRIBE, SHAMAN
忌まわしい者、最初のもの、燃焼、副長、ミクロクトパス、オーガ、魔法書士、シャーマン
DECK 3 : BRIGAND, DISCIPLE, GNOME, GRRR, MARTYR, METEORITE, PARASITE, VORTEX
盗賊、弟子、ノーム、ガルルル、殉教者、メテオ、寄生虫、渦
DECK 4 : ABERRATION, ASSASSIN, CARNIVORE, CYCLONE, MACHINE, MUTANT, REPTILE, ZOMBIE
異常種、暗殺者、肉食獣、サイクロン、戦闘マシン、ミュータント、爬虫類、ゾンビ

その後

デッキを次々にやっていっているが、Deliquescence以降、カード能力がぶっ壊れててゲームにならん。
飛行はあかんわ。

まあ、結局、発展性を考えたらマジックザギャザリングみたいにテキストに書かないとバラエティに富んだゲームはできないというのを痛感した。

gioco del mondo