Klaus Teuber

カプコン
はなやま

3〜4人
70分

カタンポータブル

前々から1280円と値段も安いのでこれは買うといてもいいかと思っていたカタンポータブルを購入した。といってもヨドバシで934円だったが。

なにこれ!

開けて驚いた。

ちょ激しくこれについては語るで!

最初、開けたとき、なんじゃこら? と思った、確かに。

ぺらぺらのシートが数枚入ってて、「いちいちこれ切り取って発展カードと産物カードにせんとあかんの? めんどくせっ」と思った。更にやばいことに、厚紙打ち抜き加工された街道、開拓、町。物凄くしょぼい打ち抜きで、細かいわ、切り取りにくそうやわで、「まあ、値段が値段やしこんなもんやろ」と思った。

ところがだ! いざルパン三世カリオストロの城を見ながら切り抜いてると、様々な事に気づいた。クラリス、可愛い……じゃなくて、これ、むっちゃ考えられて作られてる、と。

まずカード類、凄いよ、これ。とても小さいので持ちやすくするために細長く作られてあるばかりか、手に持った時に、マークを見やすいように上に印刷されてるのよ。

なんつうユーザーフレンドリーな内容じゃ!


上の方にマークがされており、手に持っても見やすい。


発展カードの裏はこんな感じ。やはり見やすく出来ている。

次に驚いたのは、最初から土地に数字が割り振られているところ。割り振られてる癖に、数字タイルが別に用意されてるねん。やる時はさくっとプレイ出来るのに、その気になれば数値を変える事も出来る。千変万化はカタンのいいところやけど、セットアップが面倒なのが欠点。これならその両方を利用出来る!


最初から数字が割り振ってある。土地は3つでひとつになっててセットアップを早く出来るようになっている。飽きたら切り取ればよろしい。磁石になっているので盤に張り付く。


周りの港を見て欲しい。全部なんでも港になってて、3:1になってる。盤は鉄板になってる。


それにこの専門港を貼り付けるだけなのだ。もち磁石。これは凄いアイデアだ! 考えに考えられとる。


これが数字タイル。飽きたらこれを使ってセットアップ可能。

そして凄いのは、街道とかの駒タイル。これただの紙やと思ってたら大間違い。くっつきよんねん。マグネロボガッキーンのように。なんか分からんけど、くっつく。あまりにも不思議なんで鉄板が入ってるんかと余った紙をめくってんけど、そんなものはない。でもくっつくねん、見事に。


オチナーイ! コレNASAデカイハツサレタシンソザイネ

宇宙でカタン出来るとは! 宇宙飛行士の必需品!

なんといってもその気配りが凄いねん。各自に渡す資源で何を建設出来るか表が同じく磁石になってて、その横に駒を全て並べておけるようになってる。

おいおい、まじかよ!

さいころ。この大きさなら絶対にスクールパンチシリーズで採用されてたちゃっちい奴……わしの目は誤魔化されへんでぇ! これはひとつ上等の奴やん!

そしてボードも蓋が間違って開かないように、ロック出来る機能がついてるばかりか、一旦ゲームを開始するとぱかつかないように、スライドで芯まで入れる事が出来る仕掛け。


これをスライドさせればボードはぱかつかないのだ。なんという気配り!

誰じゃー、これ作った奴は! 出てこい。わしゃな、こういう職人気質でユーザー第一優先の作りはいっちゃん好きなんじゃ。プライドを感じるぜ。最近のテレビゲームに欠けてるのはコレやで、ほんま。開発者だけが楽しめるゲームばっかり作るなっちゅうねん。楽しむのはゲーム買うた人やから。そこらへん勘違いしてねーか?

一人1個以上100個未満買えー! いや、冗談抜きでこれ、まじで凄いよ。これ、欧州とかで出しても爆発的に売れるで。いや、ほんま。ちょっとあいつら手がでかいから、そこらへんがちょっと気がかりやけど、世界で1兆個売れるね。

まじで感動しているあきおであった。持っていて絶対に損はない。

正直、最初のバージョンのカプコンカタンを見たときは、あまりのしょぼさに衝撃を受けた。何もかも解ってないと思った。これが出たからには正直に書いてもいいだろう。あれは全然駄目だった。ゲームに対して愛情がなかった。コンポーネントに対して何も解っていなかった。ところが、このポータブルカタンは一体なんだ!!

こんなに凄いものを日本は作れるのかっ! この価格で! まじで信じられん。

おいおい、今までは一体なんやってん? 本気出したらやっぱり日本て凄いんやんけ!

わしゃね、これほどコストパフォーマンスに優れたゲームは見たことないよ。これでわずか1280円とは。前々からボードゲーム普及の鍵のひとつに価格設定があると言うてたけど、これは見事に満たしておつりがくる。


かなり薄型なので、入れるのに苦労するがこんな感じで入れると入る。

わしゃ、これで確信した。日本はイケル! 今はまだあかんかも知れんけど、いずれ世界中で日本の作ったボードゲームが遊ばれる日は絶対にくる!!

先日、ゲームリパブリックの岡本社長が、ボードゲームの普及を本気で考えている事が解った。わしも出来るだけ協力するつもりである。もう一度、皆でわいわいとボードゲームを楽しむ日はくる。かつて日本には優れた編集者がいないと書いたが、わしがなれるように努力しようと思う。こんなに優れたコンポーネントを作れるなら、優れた編集者が絶対に必要だ。また現在そんな方向に進みつつもあるのだ。頑張る!


でも、これ印刷ずれで、教会のカードってすぐ分かるんすけど(笑)
このように褒めたが実際にゲームをやるとかなり小さいのでやりにくい。メインにはならず、あくまで持ち歩く旅行用にという意味で紹介したい。ポケッタブルシリーズとよく似た位置づけですな。よって使いやすい本家とは違いとしておきます。

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