Klaus Zoch

Peter Schackert

Huch & Friends

2〜4人用
5分

ベッポ

ヤギのベッポはいつものようにお散歩してました。
「やあ、今日は良い天気だなあ」
ところがです。近所で評判の悪がきジョンが、草陰からパチンコ玉でベッポを狙っているではありませんか!
ぱちん!
ベッポのお尻に見事命中。
「イタタタタタっ!!」
ベッポは狂ったように、駆け出しました。
あっちにどん、こっちのどん、塀や木々にぶつかるたびに方向転換。
「アイタタタタタ!」

プレイ感

今年、子供ゲーム大賞に、たくさんの良作が揃った。その中で受賞したのは日本では無名のベッポ。磁石を使って、ベッポを弾き飛ばすという仕掛けというのが理解出来ない。磁石は引きつけるもので、飛ばすものではない。という訳で、joeyamaさんから購入してみた。仕掛けをみて驚いた。な、なるほど! ちょっとだけ練習して、miaと二人プレイにて。


盤の中央付近に超強力磁石が埋め込まれている。これは誇張表現じゃなく、どれくらい強力かっつうと、くっついたものを垂直に引っぺがそうとすると、大人でも難しい強力さだ。その上にベッポの木製駒を置く。端っこにパチンコ玉を転がす発射台みたいなのを設置して、その方向に玉を転がすのだ。


あの台からパチンコ玉をベッポの方向に転がす。ベッポの下には超強力磁石が仕込まれているのだ。一旦、くっつくと取るのに苦労する。ボードが歪みそうなのだ。

ころころころ…

近くまできたパチンコ玉は、超強力磁石によって一気にひきつけられる。

ばちんっ! (とマジでこんな音がする)

そこに置いてあったベッポ駒は玉にはじき飛ばされ、猛烈な勢いで箱の中をすべりまくる。


こんな感じでバチコーン! とベッポが飛んでいく。で、ベッポの止まったところが、次に進めるマスだ。青のわしは次の小麦がmiaが居座っているので、その先の小麦のところまで進む。mia「えー!」

で、ベッポが止まったエリアが、自分の駒を進める絵柄だ。一番近いその場所に移動する。よくあるように、間近に別の駒があれば、それをすっ飛ばして次のマスに移動出来るって奴だ。こうして一番最初にゴールしたら勝ちというただの双六なのだが、相手の駒をはじき飛ばすと、相手はスタート地点に戻される。


この一カ所に強力な磁気があって、肩こりによく効くのだ。隣に住んでる佐藤のばあちゃんも「ああ、肩こりがすっかりとれたわい」と喜んでいた。ちなみにベッポの置き方は非常に重要でずらすことによって飛ばす角度を変える事が出来る。

非常によく出来ているのが、ベッポの置き位置、パチンコ玉の転がし加減、スピード、方向によって、ベッポを後ろ向きに飛ばすことすら可能なのだ。すっげー!

ありとあらゆる方向に、ベッポを飛ばす事が出来る。


ひゃっほー!

mia「えー、上手く狙えない」

わし「ふははははー、死ねやー、おらー!」

miaの駒を次々に吹き飛ばして進むわし。

構造がいまいちつかめてないmiaはベッポを使ってわしの駒に当てる事が出来ない。

かたや、ベッポの鬼と化したわしの攻撃が始まる。

わし「おらー!」

mia「むかつく」

一瞬にしてゴール!

所要時間3分


勝利! ついでにmiaの駒まではじき飛ばした。

mia「もっかい!」

わし「お、後ろにおるな」

mia「ここなら安心」

わし「そうかな? ここじゃ…」

ばちん!

mia「ええー! どうして後ろに飛ばせるの?」

ふひひひひー

またしてもわしの圧勝。

結局、miaのもっかいコールで10回ほどやったが、全勝した。

一度などは、ゴール寸前で一歩しか進めない場所にベッポを飛ばしてしまい、下手をこくmia。
そして、見事それを吹き飛ばして、振り出しに戻してやった。


初勝利目前のmiaだが、ベッポが跳ね返り…


mia死亡w

miaのコメント

つまんない。

ソマーリオ

見事な仕掛けに驚いた! よくぞまあこんな超強力磁石をくっつけたもんだ。パチンコ玉を取るときは、滑らす感じで取らないとボードがいがみそうになる。子供だけでやると取れなくてつぶしてしまいそうだ。

おもろいのは、ほんまに熟練度でベッポをありとあらゆる方向に飛ばす事が出来るところ。おはじきはおはじきなのだが、ちょっと風変わりなおはじきなのだ。

それだけじゃない。四つ葉のクローバーの木製駒があって、これがベッポ駒と同じ高さとなっている。最初、湖のマスに置くのだが、このマスに止まったプレイヤーは、今後この駒と一緒に進む事が出来る。

想像通り。ベッポが突撃してきても、だるま落としのように、四つ葉のクローバー駒だけが飛んでいって、自分の駒はそこに留まるのだ。見事なくらいに。その場合は、当然スタートに戻る必要はないが、四つ葉駒は、当てたプレイヤーのものになる。また、だるま落としのようにならずに、駒ごと吹っ飛ばす時もある。その場合は、スタートに戻らなくてはならないというアナログゲームならではのアクシデントもある。


四つ葉のクローバーに乗るとそのまま進む事が出来る。そしてこれがだるま落としのようになり、クローバーだけが吹っ飛ぶ。凄い!

おもろいわ!

もう、この仕掛けだけで十分に子供ゲーム大賞受賞だ。他にどんな素晴らしいゲームであっても、このベッポの仕掛けにはかなわない。まさに相手が悪かったと言うことだ。磁石をつかったまさに逆転の発想だ。

ただし、わしみたいな奴にはすさまじくおもろいツールなのだが、女性受けはあまりよくない。ちょっとテクニックが必要なところがよくないみたいだ。もの自体も単純な双六というのも飽きが早いんじゃないかとも言われてる。しかし、子供には大受け間違いなし! そしてわしゃ、これ大好きだ! わしの思う欠点は、箱がやたらとでかいところ。これは広いフィールドを駆けめぐるベッポには必要な広さなのだろうが、大阪に持って帰って、甥や姪と一緒に遊ぶのに障害となる。個人的評価は当然だ。

なんせ、ブラック伝次郎さながらの、この理科の発想にしびれました。

gioco del mondo