Knut Happel

Schmidt

2〜4人用
30分

アンコールワット

アンコールワットはカンボジアの奥深く建設された寺院である。
鬱蒼と繁る原生林に、誰がこれほど大きな寺院を建てたというのだろう。
ほんの少し気を緩めてしまえば、木々が寺院を覆ってしまう。

プレイ感

雰囲気がたっぷりで、さくっと出来そうなので暇つぶしにBBと二人でやってみた。こいつの変わってるのは、女性が好みそうな箱庭系があまり好きじゃないことである。さてどうなるか。


手番に行えるのは2アクションである。タイルを配置するか、駒を置くか。タイルの配置にはルールがあって大まかに言えば繋げて置かなければならないのと、原生林は相手のボードにしか置けないってのとがある。カルカソンヌ以来のタイル配置系にしては珍しい、タイルを被せて置く事が出来る。原生林が寺院を浸食するイメージを描いたいわばこのゲームの肝である。

手タイル(非公開情報で常に5枚持つ)から、自分の寺院を繋げるように配置していくが、手タイルに原生林タイルばっかりのわしは、自然、BBの陣を攻撃する動作を主に行う。

BB「やめてよー。自分のとこ置きーさ」

「ないねんもーん。いや、まじで」


いきなりの原生林浸食で、大あわてで水タイルを置くBB。水タイルは浸食を防ぐ。わしは1点の中庭コースである。なお原生林は縦横、他のタイルは縦横斜めに接触していれば置く事が出来る。

そうこうしているうちに中庭タイルが集まりだした。このタイルは最後の得点が1点しかないが(寺院3点、仏塔2点、中庭1点)、仏像駒を隣接させれば縦横に繋がっている面積分1点ずつ入るのだ。

序盤の戦法は、原生林で相手を威圧しつつ、中庭連結作戦である。

BBのアンコールワットは原生林を避けて、水タイルを配置した為、横にそれまくったへんてこな形になっていく。

※水タイルの上に重ねておく事は出来ないので、これは原生林防止になるのだ。ただし、自分のタイルも置けないので逸れていく事となる。

「お前、むっさ変やぞ」

BB「うるさいなあ」

その点、わしのアンコールワットは素晴らしくびゅーりほーだ。ステキ!

ある程度中庭を連結した時点で、仏像配置。この駒は1個しかないので、きちんとしたタイミングで置かなくてはならない。


縦横に隣り合った中庭タイル分の得点をゲット出来る仏像駒を配置。すかさず同じような効果をもたらす噴水駒を配置するBB。奴も原生林で攻撃をしてきたので要所要所で水タイルを配置して便座ブロック!

しかし、ここではたと気づく。虎の形をした駒である。これは仏像の原生林版である。可哀想なくらい原生林に覆われているBBのアンコールワットで、こいつを配置すれば、逆に得点を与える事にならないだろうか?

おおお! よう考えてるのう。多人数でやった時、原生林個人攻撃を受けたとしてもこれで逆に勝つ事が出来るのだ。

というわけで、BBの原生林が繋がらないように誘導しつつ配置。

水っ気の多いBBアンコールワットの勝ち筋は、もう一種類の駒、噴水である。こいつは水版の仏像である。それを教えてあげると、嬉々として水を繋げて噴水を連結。もちろん、虎も連結。


あっという間に王女3枚。補充時に王女タイルが5枚引かれたら泣いても笑ってもゲーム終了である。また3種類ある駒は、ゲーム中1度しか使えず移動も不可なので注意が必要だ。

そうこうしているうちに、王女タイルが5枚引かれてゲーム終了。最後は一気に引きまくった。

点数は原生林に覆われていない点数タイルの合計+駒設置による得点の合計である。中庭仏像作戦があたり、余裕の勝利。

所要時間35分


こんな感じで、仏像マンセーで勝ち。しっかりと虎も配置で得点。わし的にはこの虎駒すげえ好き! ガオガオー! と言いたくなる。ベンガル虎はもう絶滅しかけやけどさ。さ、皆で原生林配置して虎を復活させるのだ。

BBのコメント

点数の計算が解らんかって失敗したなあ。

ソマーリオ

よくも悪くもさくっとしたプレイ感である。最初の置き場所選択が多くて、どうおいたらいいのかさっぱり解らなかった。

ちょっとルールを間違えて(二人の時はタイルを何枚か抜いておくのを忘れていた)、冗長な感じになってしまったが、本来はもっとさくっと終わる感じだろう。

タイルの形や衝立に描かれている仏像が全て違うなど、細かなディテールはなかなかのものだが、なんかゲームがしっくりとこない感じである。理由を考えてみたが、やられているのかやっているのかさっぱり解らないからの気がする。ゲーム自体が盛り上がりに欠け淡々と進むのだ。

※淡々と進む=つまらない という図式ではない。ローゼンケーニッヒも淡々と進むがかなり面白い。

ここらへんが解ってくれば面白いゲームになるだろう。また今回は二人でやったので自然に原生林は相手に置くという形になったが、多人数でやった場合はどんな風になるのか、そこらへんも知りたいところだ。

二人プレイの場合、原生林でつぶすには2点以上のタイルでないと意味がないなど(最低点の中庭1点を自分側に配置しても同じであるので)細かな点数計算による打ち筋が必要となってくるので、損得勘定がはっきりとしたゲームなのが、賛否両論といったとこか。またその割に多人数の場合、キングメーカー(その人の一手でどちらが勝つか決まってしまう)的な事が出来てしまいそうなルールは大丈夫かなと心配になってくる。

タイル配置制限(1巡までの間に一人のプレイヤーは最大4枚までしか原生林を配置されない)はあるが、いっそのこと左隣にしか配置出来ないというルールにした方がいい気がする。相手を抑えるのは上家の責任つうことで。テストプレイをやっているだろうから、誰にでも配置出来る方が楽しく問題もないと出たのかも知れないが。ここらへんは実際にやってみない事には解らない。なんせキーを握るのは虎である。他のサイトをみるとほとんどで二人推奨してるなあ。

と色々ネガティブに書いてみたが、ゲーム自体は難しくなく、初心者でも熟練者に勝てる運もしっかりとあるので悪くないゲームだ。またコンポーネントの美しさは、見てて飽きない。あまり深く考えずサクサクやるゲームだろう。

gioco del mondo