Doris Matthaus
Frank Nestel

Doris & Frank

3〜4人
90分

原始スープ

駿河屋で購入
プレイヤーは自分のアメーバに新しい能力を与えてくれる遺伝子を獲得して、原始スープ世界の頂点を目指すことになる。
最初のうちは、アメーバはただ漂いながら、たまたま見つけた有機物を食べるだけの存在だ。だが、遺伝子を得るに従って、他のアメーバをだしぬいて有機物をかすめとる方法を身につけていくだろう。
遺伝子の種類は、より早く移動できるようになるもの、寿命を延ばすもの、攻撃的なものなどさまざま。バランスよく使って、生存競争を勝ち抜いていこう。

プレイ感

相当古いな、これ。まだメビウスが白黒のカタログファイルを使ってた時、おすすめ度◎であった記憶がある。
テーマもわしの大好きなタイプなので、ほんま、ボードゲーム初期のころに買うた思い出。ただこの頃は、日本語化シールがついてる筈もなく、プレイするのには遺伝子カード一覧が各プレイヤーに必要だった。

生物というのはお互いに密接に関わりあって、それぞれの老廃物を栄養分として生きているというのを教えたくて、久々にコタ9歳とmiaと3人プレイすることにした。


このゲーム、当時はヘビィゲームとしてジャンル分けされてたが、ルールブックはたったの4ページで、今のゲームからしたら思いっきりライトゲームに入る。

最初のセットアップがくそ面倒で、各色の小さいコマを2個ずつ全てのマスに置く必要がある。
手番は各フェイズ毎に順番が、得点マーカーの昇順降順によって決まっており、この順番はとても重要となっている。
1の移動と食事以外は得点の高いプレイヤーから行うだけだが。


初期セットアップ。2個ずつ駒を置くのが超面倒だが、やっているとこれが食い物に見えたり、うんこに見えたりするようになる。

1.移動と食事 昇順
手番プレイヤーの数字の小さいアメーバから、環境カードに示された方向へ移動するか、1BP(バイオポイント)使ってサイコロを振った方角へ移動するかする。それから食事を行う。食事は、自分以外のコマ各1個ずつだが、3人プレイの場合は、どちらかを2個、どちらかを1個食べる。その後、うんことして自分のコマを2個置く。
もし食事ができなければ、1DP(ダメージポイント)を受け取る。
2.環境変化 降順
環境カードを交換し、オゾン層レベルと遺伝子レベルの合計を比較する。もし遺伝子レベルの合計が超えていれば、その差額をBPで支払うか、遺伝子カードを捨てて以下にしなくてはならない。
3.遺伝子カード入手 降順
遺伝子カードをBPを支払って購入する。
4.細胞分裂 降順
10BP受け取る。それから6BPを支払って自分のアメーバの隣に新しいアメーバを置くことができる。
5.死亡判定
DPが2個乗っているアメーバを手元に戻す。
6.得点 降順
アメーバの数、遺伝子の数に従って、得点マーカーを動かす。

こうして、得点マーカーがダークエリアゾーンに誰かが入ったらゲーム終了。一番得点が高いプレイヤーが勝ちである。


移動は真ん中に置かれた環境カードの赤色の方角に移動する。自力移動といっても、サイコロで進む方向が決まるだけだ。ここに書かれた数字がオゾン層レベルとなる。大きいと遺伝子カードが守られやすいということ。

このゲームの違うところは、敵のアメーバと共生しているので、自分だけしかいないエリアに配置するとすぐに自分のうんこだらけになって死ぬところである。そういった意味では通常のドイツゲームのやり方は通用しない。

よって、なるべく敵近くにアメーバを摺り寄せて配置する。そして自分のアメーバ同士はできるだけ遠ざけるほうが良い。

最初のターンは余裕。地球の海は栄養分たっぷりで慈愛に満ちている。

遺伝子カードは、得点の高いプレイヤー順なので、わしは一番最後だ。
3人プレイでは遺伝子カードの種類も枚数も絞られる。
コタは、どこにでも細胞分裂可能な胞子を、miaは自力移動を2回行えるスピードを手に入れた。

わしはあんまり良いのが残ってなかったので、1手番待ってみることにした。


遺伝子カードの大きな数字の合計がオゾン層レベルを超えているとBPを支払うか、カードを廃棄する必要がある。逆に購入コストは左の方に小さく書かれているので注意。

2ターン目に流線形を買う。これで自力移動のコストが0になる。

ここで大きなルール間違いを犯していて、miaのスピードは自力移動をコスト0で行っていた。本来は自力移動を選んだ場合2度目の自力移動がコスト0でできるというものだった。ここはメビウスの古い訳では誤解が生じやすい。

そしてここらへんから段々と飢えてくることになる。移動というのはアメーバにとって風の吹くまま環境カードの命じるままなので、思うようには動かない。自力移動にせよ、文言的にはどこにでも行けそうだが、単にサイコロで行先を決めるだけなのだ。

自分の周りは自分のうんこだらけになる。

こうなることを見越して、わしは次なる進化、サバイバルを手に入れた。こいつは飢えた場合、他のアメーバを攻撃して食べてしまう、肉食の遺伝子なのだ。

わし「食う」

mia「腹立つー」

わし「食う」

mia「何それー」

コタ「わわわ」

コタは慌てて防御の遺伝子を買う。こいつがあれば、サイコロ勝負になるのだ。

3回ほど、襲った後、その怖さに驚き、みな、逃げてしまった。
そうなると当然

うんこだらけ

となる。miaも逃走の遺伝子を買うて、サバイバルはほぼ無効化された。遺伝子カードを読むと、同じ価格で防御よりも逃走のほうが100%助かるので強いと思うんやけどな。

まあ、そんなこんなで、いつの間にやら地球上の海はわしのアメーバであふれかえっている。当初、かなり時間が掛かると思われた得点ペースも、アメーバが7個に増えると、毎回6点入るので、ぐんぐんと進みだしたのだ。

そこから、わしはホールドを買い、紫外線を防御しようとUVカットを手に入れる。
実のところ一回7個まで増やすと、一番コストが掛かる細胞分裂をする必要がなくなるので、BPの手持ちが増え、遺伝子カードをたくさん持てるようになる。
コタは、触手を使って、わしらのうんこをお弁当にして移動して、繁栄をしだす。


黄色が大繁栄しているが、そのせいで、黄色のうんこだらけとなっている地球。遺伝子カードも大量にゲットして、このまま高等進化に進むのか。
細胞分裂はBPを大量に消費するので、全アメーバ出してしまえばBPが余ってくる。そうすると遺伝子カードを大量に保持することもできる。
少し見にくいが、灰色の丸いのがアメーバに刺さっているのがダメージマーカーである。これが2個載ると死ぬ。

miaはというと

mia「サバイバル買う」

サバイバルを使って、わしのアメーバを食い始めた。

わし「しもうた!! 攻撃ばかり考えてたので、防御手段ないやん」

移動と食事は、昇順なので、miaの手番の方が早くて、肉食同士ではあるもののmiaに大量虐殺されてしまった。

わし「やばい。このターンで勝利条件達成しようと思ってたのに」

7個あったわしのアメーバちゃんは4個に激減。


あれほど大繁栄してた黄色が、4個に。ちなみにアメーバの形はよく見てみるとすべて色ごとに違う。拡張セットのアメーバの形も違っている。

しかしそれでも遺伝子カードの枚数でなんとかゲーム終了条件に到達。

最後はmiaが1点差でコタをかわした。

所要時間100分

コタのコメント

すごい面白かった。触手はやっぱ強いよね!

miaのコメント

最初聞いてたのとイメージが違った。もっと進化するのかと思ってた。

ソマーリオ

かなり不思議なプレイ感である。今のどのゲームとも似ておらず、コンポーネントと相まって独特の光を放っている。競争相手であり、協力プレイでもある。自分だけが抜け出ようとするとしっぺ返しを食らうが、それを防ぐために遺伝子カードがあるともいえる。

遺伝子カードの組み合わせでコンボを使えるが、今にしてみればそれほど多くのコンボはないものの、逆にいうと多くのカード効果を覚える必要がないため、1度やってみればすぐに覚えられるのが良い。少し残念なのはこのゲームの真価は4人プレイ時であり、3人プレイだとフードが偏るし、使えない遺伝子カードもあって、多様性が減るところだ。

実はこのゲーム、ヨーロピアンゲームコレクションというPS2のソフトに収録されていた。ただ残念なことに、効果音がいまいちというか酷くて、そんなにやりこめなかった。げっぷの音がなるのだ。

見ての通りボードは物凄く地味。カラー駒を目立たせるために地味にしているようだが、さすがにこれはちょっとデザインセンスを疑う。
カードは、表のカラー面はドイツ語だが、裏面は白黒だが英語表記となっている。

木製の駒は各色ごとに形が違っている懲りようでさすがに値段がそれなりにしただけあって良いものだが、これまた機能性を重視したせいでアメーバとしての雰囲気はまったく出ていない。
わしの記憶違いかもしれないが、確かこのゲームを出したいがために自分らで会社を起こしたような記憶がある。間違ってたらすまん。

そういった意味でコンポーネントはよいのか悪いのかよくわからない。
Z-manから再販されたようだが、コンポーネントがまったく変わっていないところをみると、これはやはり完成形なのかw

初期配置や処理の面倒臭さのせいでプレイ時間が掛かっているが、やっていることはシンプルで処理の手間を除けば割とすんなりと進むゲームである。

このゲーム、テーマも内容も好きだったので、5,6人用拡張セットも購入したが、果たしてやる機会はあるのだろうか。

gioco del mondo