Ralf Lehmkuhl

Gecko

2〜5人
50分

三畳紀

生物にとって二度の大絶滅があった事はご存じだろうか?
白亜紀の恐竜大絶滅、そして歴史上最も大きな絶滅であるペルム紀である。
海洋生物の96%が絶滅したと言われる。
次に始まる三畳記は二億五千万年に始まった。
地球上には、ただ一つの陸地パンゲア大陸があるのみである。
大陸を形成するプレート運動により、パンゲアは引き裂かれ、いくつかの大陸が生まれた。
大絶滅を生き延びた生物は環境に適応し、様々な形に変化していく。

プレイ感

わしは生物学好きである。つぼにはまったテーマから絶対に買おうと思ってたが、周りの評価は低く、買う気がなくなった。ところが恐竜駒が立方体からイクチオステガに変わり、新版がどうしても欲しくなって購入した。周りの評価から期待出来ないのでBBとまず二人プレイにて確かめる事にした。


このゲームを一言でいえば、パンゲアから独立した大陸に多数を占める駒を置けば、勝利点が得られる。パンゲアから独立した大陸に1つでも生物を置いておかねば、永遠に失われる。逆に1つでも置いておけば繁殖可能である。


初期配置。パンゲアという割に二人やと小さい。。。真ん中の火山が南極大陸であり、このゲームの基準となるタイルだ。ここから遠ざかるようにタイルはプレート運動を繰り返す。

大陸は毎ターン確実に動く。このルールがこのゲームの肝で、外周に一辺でも接しているタイルを選び、そのタイルを取って、元の大陸に南極(中央部にある)から遠ざかるようにくっつける。南極=パンゲアと思ってくれていい。


出すカードと同じ外洋に接しているタイルを取り除き、南極に遠ざかるようにして動かすだけ。タイルから落ちているBBの駒は、スイマーと呼ばれタイルを動かすと生物は取り残されるルールとなっている。もちろん次ターンで隣のタイルに上陸可能。段々と変化していく様子を撮っていこう。

パンゲアはぐにぐにと変化し、その間にわしの生物とBBの生物も覇権を争って移動や繁殖を繰り返す。パンゲアにいても得点にならないのだ。分裂した大陸で多数を占めないといけない。

とうとう、初の新大陸が出来た。本来ならここで中間得点があるのだが、二人プレイだと最終得点しかない。暫定でわしが勝っている。最終得点は新大陸のタイル数だけ貰えるので、大きな大陸ほどいい。


初の大陸が右端に誕生! 山ばかりの大陸で、増やしにくそう。山岳生物の楽園になるか!

手番に出来るアクションは、移動(一マス動かす)繁殖(一個増やす)スイマー救助(海に残された生物を3つまで隣接するタイルに載せる)大陸移動(追加で大陸移動できる)の4つで、4アクションポイント(二人プレイは3アクション)をつかって好きに行う。


そうこうしているうちに、大陸が段々と出来上がる。最も巨大な下の大陸は緑が豊富で、生物の楽園となりそうである。勝利点は、大陸の数なので、ここを抑えるものがゲームを制しそう。

BB「アキオトプスは繁殖ばっかりしよるからなあ」

わし「うっさいな。ええやんけ。繁殖させろや」

BB「わー、私の恐竜が襲われる」

わし「襲われているうちが華やぞ(謎)」

そうこうしているうちに、どんどんと大陸が分断されていく。仲でも一番大きな大陸が勝利のキーとなった。ここにBBザウルスが多数を占めているが、わしの必殺能力を使えば一発で逆転可能である。


大量に、生物を繁殖させようとする。

わし「繁殖!」

巨大大陸で、インアウトを繰り返すアキオトプス。

わし「おろ? 赤玉が出た。。。」

ここにきて精子に限界が見えてきたのだ。赤玉にはしっかりと「玉切れ!」と書いてある。

*恐竜駒には限りがあるので、上手く配分しなくてはいけない。

むー、しょうがない。どっかの恐竜をスイマーにして犠牲にしてストックを増やそう。

とか思っているうちに、BBも同じ作戦を取る。

ま、それでもうちの全繁殖能力(エロティックパワー)を使えば、同点には出来る。

BB不気味に移動させる。

隕石が地球に激突! 地球の環境は激変した。ラストターンである。
最後に2アクション行える。これであの大陸を同点にしよう。


隕石が出た! 最後に手番を行うが……

と思いきや

わし「あ、あれ? 繁殖できひん!!」

そう、すでに土地タイルいっぱいにまで恐竜が置かれていたのだ。1つのタイルにつき、森4ステップ3岩2と決められているのだ。

BB「わーい! やったー! 思った通り」

わし「お、お前、それで動かしたんか?」

BB「そやでー。どうどう? 強なった?」

所要時間25分

わし「ま、負けたー!」

(|| ゜Д゜)ガーン!!


最後に手番を行ったが、配置制限ルールのおかげで負けてしまった。BBがそうさせないように、上手く移動させたのだ。

BBのコメント

アキオトプスはほんま繁殖ばっかりするから困るわぁ。

わし「偉そうに言うなつうの。お前もさっきまで交尾してたやんけ」

わーわーわー!!

でも、これおもろかったわ。どう? 強なったでしょ?
ちゃんと勝った事書いてや。すぐに頼むで。

ソマーリオ

今回二人プレイでやっただけだが、悪くない感じ。ちょっとアブストラクトぽいところがあり、計算してやるタイプだが、多人数になるともっと覇権を競いあっておもろくなるだろう。というか二人プレイのパンゲアは小さすぎてダイナミックさに欠ける。

プレート大陸の運動は上手くシステムとマッチしており、恐竜駒と相まってとてもいい感じである。

ネットでは、大陸が離ればなれになって寂しくなっていくとあったが、生物学好きとしてはこれはこれで多種多様の生物が生まれる感じがして逆に楽しくなってくる。

プレイ時間も短く、ルールも非常に簡単なので、たまに出してやりたくなる。(長考しやすいゲームなのでそういうプレイヤーとやる場合は注意する事)弱点はタイルをセッティングするんがめんどくさいところと、タイルの種類はいまいち意味がない気がするところだ。このプレイ時間ならもう少し複雑なルールでも良かったのにと思う。特にアブストラクト寄りになってしまっているのは、このタイルに意味が少なく、それと連動しているカードの引きの部分だけが運要素になっているからだ。もう少し遺伝子などを加えて運の要素を加味すると良かった。

このゲームは確か、生物ゲームの傑作、原始のスープのドリスマテウスの友人が作り、氏がゲーム化した筈である。この大陸移動のシステムは簡単で面白いので、是非、バージョンアップをして貰いたいが、あまり人気はないようなのが残念である。

ちなみに旧版の立方体の恐竜駒は箱庭的な楽しさもこのゲームの売りとなるので楽しさは激減するものと思われる。絶対に新しい版をお勧めする。

gioco del mondo