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与儀新一
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ホビージャパン
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2〜4人
20分
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天下鳴動
時は戦国。あなたは武将となり、日本全国の城をかけた決戦に挑む。
時は戦国。あなたは武将となり、日本全国の城をかけた決戦に挑む。
軍勢の配置を左右するのは、3つのサイコロ。
戦況を意のままに操る軍略カードは、最後の切り札だ。
知力と幸運なしにこの戦いを支配することはできない。
一国の争いは飛び火し、天下を巻き込む戦乱へ。
援軍が援軍を呼ぶ波乱の展開に刮目せよ。
プレイ感
ゲームマーケット大賞を取り、ホビージャパンが商品化した。見かけがいけてないが、ふうかさんのTwitterでなんかおもろいみたいなことを読んだので、予約してみた。
くにちーの戦国が大好きなコタ(9歳)なら、はまるかもとmiaと3人でやってみた。
セットアップとして、2から12の城タイルをボード上のマスにランダムに配置する。
自分の手番にはサイコロを3個振る。この時1度だけ振りなおしても良い。
サイコロを2個と1個の組み合わせにする。2個の合計が目的の城タイルとなり、残りの1個割る2(端数切り上げ)が兵駒の数になる。
自分の兵駒をすべて配置したら、1の刀タイルを貰って一旦ゲームから抜ける。
サイコロを振る代わりに1度だけ戦略カードを選んでプレイすることもできるが、誰かが兵を配置し終えたら、このアクションは選べない。
最初は、ランダムに城タイルを置く。ある意味カタンと同じ使い方である。
さいころを振り、2個で場所を、1個で兵数が決まる。この場合だと、5,6、7のどれかの場所にそれぞれ、2個、2個、1個を配置するのを選択する。兵数はボード右下に描かれている。
当初は大きな数の方が点数が高いので強いと思っていた。
こうして全員が、兵駒を配置したら合戦解決に進む。
2の城から順番に、兵駒の数で1位2位を決める。1位はその城タイルを、2位ははその半分(端数切捨て)の小城タイルを貰う。独占であっても2位のタイルは貰えない。同数の場合は、刀タイルの若い順つまり早く兵の配置を終えたほうが勝利する。
合戦で1位となったプレイヤーは、隣国に自分の兵があれば、そこに援軍駒を2個ずつ置く。たとえ勝った国の自分の駒が1個しかなくても援軍駒は2個ずつだ。
こうして12の城まで合戦をやり、取得した城タイルの合計点で競う。
わし「おいおい、12の城、北海道の徳山館て。10も首里城とは」
コタ「なんか変だよねえ」
mia「6,6,5! やった。徳山館に駒3個置く」
一見すると、12の城が強いように思うが、それは間違いである。
このゲームのポイントは、連鎖、だ。
戦略カードは、ゲーム中1度だけ使える共通カードだ。非常に強力だが、つい忘れがちなので使っていこう。また誰かがゲームを抜けるとカードはもう使えなくなる。
当初は、全員、さいころの出目がでたらなるべく大きな組み合わせを使って、大きな数字の城を攻めていた。また、できるだけ駒数を配置できるように、工面していた。これまた間違いで、全員が15個配置できるので慌ててやる必要はない。刀の不利さは残るが。
わしもなんとか徳山館に駒を置きたくて、2回に分けてようやく3個置くことができた。
このままでは刀勝負である。しかし、ゲームの終盤になって戦略カードを使えば、確実に12を取ることができると気付いた。ポイントは徳山館の横の米沢城である。わずか2点の城だ。しかし、この城がこのゲームでは一番強いとようやく分かった。
米沢城もわしとmiaは3個ずつである。そこで追放を使って、miaの駒1個を徳山館に放り出した。これで仕掛けは完璧である。
これでうまくいくはず。
ボードはこうなった。
そうこうしているうちにわしが1抜けした。
二人もすぐに兵配置完了。
まずは米沢城。ここで追い出したおかげでわしが勝利し、春日山、小田原、そして徳山館に2個ずつ援軍を送った。
そこであっという間にパワーバランスが変わった。
戦力が拮抗していた3の春日山で、勝利するとさらに、稲葉山、小田原に援軍を配置し、次々にこの効果が派生していった。
圧勝である。
効果は次々と連鎖していく。黄色の軍勢が一気に増えているのがわかるだろう。
所要時間20分
コタが面白い! もっかいやりたい! というので、すぐに再戦。
最後はこれだけ落とすことができた。
今度は、コタがわしの真似をして、次々と連鎖を成功させて圧勝。
ハンニバルからスキピオのようだ。
コタのコメント
こういうの大好き! 面白い。ぴっぐテンみたいに何度もやりたい。(目を輝かせながら)
※時々でてくるがコタの面白いの基準はぴっぐテンであるw
miaのコメント
これ、コタが好きなタイプだからヘビィローテーションになりそう。
ソマーリオ
サイコロの使い方を工夫したゲームとしては、非常によくできている。サイコロの取捨選択がボード上の制約を受けて、立体的なシステムとなっている。
連鎖のシステムも面白くて、ここまでぶっ壊れた得点システムを採用したのには驚きだ。このゲームでは圧勝か完敗しかない。けなしているのではなく、褒めている。というのはこのゲームが1時間もかかるゲームであれば、欠点としてあげているところだが、20分のゲームとしてみると面白さに直結しているのだ
ルールは簡潔で完璧。
しかしコンポーネントはせっかく商用として出すならもうちょっと頑張って欲しかった。
駒はせめてミープルにすべきだ。
またボードがとてもめくれやすいのは困ったものだ。
背景として歴史考察をうんぬんというのは野暮というものだろう。日本地図も変だ。
でもそこは目をつむって遊ぶべし。
やりたいのはシミュレートではなく、ゲームとして楽しいか否かだ。
サイコロの制約上地図は、11分割にしかできないので、ファンタジー世界など架空の地図にしても良かったのだろうが、きっと作者は日本の戦国時代にこだわった。わしもそっちの方が嬉しい。
地図は当然、接している国の数が違う。京、清州城、春日山城は設置数が4と多く、首里城、館山は1個しかない。ここに平坦さはなく陣取りの要素がしっかりと練り込まれている。
またやるたびに、城タイルが変わるので、城の重要度が変わるのもおもしろい。よくできている。