Aureliano Buonfino
Lorenzo Silva
Lorenzo Tucci Sorrentino

Hobby Japan
Horrible Games

2〜4人
45分

スチームパーク

駿河屋で購入
「スチームパーク」は遊園地を作って集客を競うユニークな経営ゲームだ。ルールがすぐに覚えられ、難易度に応じて2段階のゲームが楽しめるようになっており、簡単な方はまだ不慣れなゲーマー向け、より戦略的な方は困難に挑むのが好きな人向けになっている。
この経営ゲームでは、プレイヤーは自分の遊園地を建設し、それを地域で一番稼げるものにするのが目的。マリー・カルドゥアの素晴らしいイラストが描かれた立体アトラクションを建設していけば、目の前であなたの遊園地がどんどん成長していくことだろう。
ただしこの遊園地には極めて厳しい環境条例があり、遊園地が吐き出すゴミは可能な限り抑える必要がある。
客を引き寄せ、トイレを作ってゴミを抑えながら遊園地を拡張していこう。
また、どんな戦略をとるにせよ、その判断は素早くしなければいけない。計画にかける時間が短ければ、遊園地に手を加える時間がより増えるのである。
「スチームパーク」の勝利を目指すなら、最高だけでなく最速も目指さなければいけないのだ!

プレイ感

テーマ的にも見た目にも映え、しかも日本語版が出たにもかかわらず今ひとつ話題にならなかった。前からやりたかったが、さいころを何度も転がして早い者勝ちという仕様が、子供の寝静まった我が家でやるには厳しいものがあるので、タナカマ夫妻、COQが来たときに出した。


手番順を決めるために、フェイズ1では自分のさいころ8個を持って同時に転がす。で、気に入ったさいころをキープしてその他をふり直すのを、手番関係なく繰り返す。で、全部キープしたプレイヤーは、1から順番に順番タイルをとっていく。残り1人になったら、3回だけふり直して最後のタイルを受け取る。ここまでが早い者勝ちだ。


最初に配られるボーナスカードにより、最初の指針が決まる。

それからゴミの処理を行い、出たさいころの目を使ってアクションを実行していく。
アクションは、アトラクション建設、施設建設、ゴミ掃除、カード実行、客寄せ、敷地拡大がある。
最後に客1人につき3金の収入があり、ラウンドが終わる。

基本的にはアトラクションを建設して、その上に客を乗せてお金を稼げばいい。お金が勝利点だからだ。
こうして6ラウンド終了後、最終的にゴミをお金で処理して、一番お金が多いプレイヤーが勝ちである。
ちなみにゴミが30以上あると理由問わず負けだが、そこまでまったくいかない。

ネットでみたところ、このゲームのポイントはゴミの処理らしい。システム的にも、お金は入る一方なので、如何に上手くゴミ処理をするかというのがテーマのようだ。

わし「よーいどん、でさいころ振り始めるんやけど、どこかのクソCOQみたいにめっちゃ小さい声でやったり、皆が準備出来てないのにやるのはあかんとルールには書いてるからの」

よーいどん

さいころを振りまくる。なんせアトラクションを建設したいのだ。
上手く目がでて、わしが2番に順番タイルを取る。


サイコロをキープしたらこの豚のマークに乗せて、残りを振りなおしていく。これでいいやと思ったら、順番カードをとって他のプレイヤーを待つ。右上のマークはゴミを2個捨てる事ができるという意味だ。後ろの順番になるとゴミが増えるマークがついてる。

それから全員、順番タイルを手に入れて、ゴミフェイズへ。

順番タイルには特殊効果があって、1番と2番はここでゴミを処理出来る。4番はゴミが増えるのだ。

最初はゴミないので、あまり意味はないかもしれん。

で、アトラクション建設である。アトラクションは3,2,1マスの大きさがあり、それぞれさいころの目の数も必要だ。アトラクションの色による違いはないのだが、どの色のアトラクションを建設するかは、実は最初に配られるカードで大体決められる。
カードに、その色のアトラクションにのみ効果があると書かれているので、普通はそれを建設する筈だ。
わしは緑のアトラクションのカードがあったので、その3マスアトラクションを建設した。

それから施設を建設して終わりである。施設にはさいころの目を変更したり、お客さんの色にかかわらず乗せたりと、特殊効果を発揮する。実はこれがかなり強いので、この施設を中心にゲームを組み立てた方が良かったというのは後での感想である。


2日目、アトラクション、施設を建設したものの客がゼロである。

皆も同様にアトラクションを建設した後、お客さんを乗せる。
お客さんには好みがあって、基本的に自分と同じ色のアトラクションにしか乗らないのだ。
袋の中に各色1個ずつ客駒を入れておく。で、自分の好きな色の駒(つまり自分のアトラクションと同じ色の駒)を1個袋にいれて、1個引くのだ。自分のアトラクションに乗せられれば、それを受け取るが、乗せられない場合は袋に戻しておく。
つまりくじ引きの要領で、お客さんがくるという事だ。

これらのアクションは1度しか出来ないが、好きな順番にやっていい。

次は収入である。客1人につき3金貰える。

わしの1手目は、まず建設することを重視していたため、客寄せをしなかった。
つまり収入ゼロだった。

わし「しもうたあ!」


だいぶ賑わってきたアトラクション。これでガンガンと収入が入る。

アクションは好きな順番に出来るので、建設後、客寄せをすれば良いだけだった。
しかも一度来た客は帰らないので、ずっと収入をもたらしてくれるのだ。ゴミも出るけど、このゲームでの収入はこれしかないので勝つ為に必要だ。

あっきーの客寄せが、とある考古学者のように引き寄せる。

COQ「ゴッドハンドじゃないですか。イカサマしてるんじゃないでしょうね」

あっきー「してないしてない」

そういうCOQも客を引き寄せる。

相変わらず怪しい男だ。


他のプレイヤーのアトラクションはこんな感じ。

2ラウンド目が過ぎた当たりで、皆がそれぞれ、怪しい動きにはたと気づく。

ちょう待てよ。

タナカマ「施設、これ、皆、1回だけでやってますか? 施設1個につき、1回だけですよ?」

皆「あー!! 通りで強いと思った」

例えば、客寄せを2倍に出来る効果なら、1回だけ2個入れるのだ。全部の目について2倍ではない。

そこから出来るだけ巻き戻す。

タナカマ「よっし。細かいとこはあるかも知れないけど、これ以降はもう不問でやりましょう」

わしはアトラクション建設で大きな失敗をする。
同じ色のアトラクションは隣接させなければならず、他の色と隣接する事は出来ないというルールだ。

空白マスが大きく出来上がってしもうた!

もうちょい考えて配置したら良かったと後悔したが、実はこのゲームではここらへんは大きなマイナスではなかった。

大事なのは、客入りである。
こいつらが定期的に収入をもたらすとは先に書いた通りで、他のプレイヤーは、違う色の客でも1ラウンドだけ乗せられるハリーポッターに乗りにきたらタナカマボッターだったので帰ったのだ。それに反してわしは純粋USJ大好きギャルだけの遊園地として、固定客を確保していたのだ。つまり、毎度無駄なサイの目を用意する必要がない。もちろん、少しでもボッターに乗せられればいいのだが、ここは完全に引き運である。


最後はこれ。おもいっきりヘボい拡張をしてるなあ。

この差が、徐々に現れ始め、お金うはうは状態になった。
もちろんゴミも出るが、そこはもう最後に金で解決である。どっかの土地成金の山に埋めさせて貰うだけだ。

で、最後、ゴミをお金で処理してゲーム終了。

わしの勝利。

所要時間45分

タナカマのコメント

見た目がよくて、意外と楽しかった。

ソマーリオ

飛び抜けて面白いという訳ではないが、なんとなく楽しいというのが感想だろうか。個人的に、自分の遊園地を作り上げる楽しさというのが見た目に反して少し希薄に感じる。
各アトラクションに、大きさ以外特別な効果がないからだろうか? 効果があるのはむしろ施設の方なのだが、こちらはタイルを+に交差させるだけの構造なのが残念である。また様々な特殊効果があるにもかかわらず、一目で区別しにくい。

システムとしては最初にリアルタイム振り直しでさいころを確保し、サイの目に応じたアクションを実行するというところはまだ陳腐化していないシステムで良いと思う。

全面的に箱庭的な楽しさを演出すれば、もっと楽しくなるように思うのだが、ボードが非常に狭く、せせこましい感じがよろしくない。色ごとにアトラクションをくっつけるというアイデアもあまり活かされていない。

コンポーネントは立体構造、絵柄どちらも非常に素晴らしいが、実際にある観覧車やジェットコースターのようなアトラクションの方がより燃えると思う。それに対して特殊効果をつけると「わしの遊園地じゃあ」と嬉しくなんのになあ。

というわけで、ゲームとしてはプレイ時間も短くシステムも含めてそこそこ楽しいとは思うが、せっかくの立体構造を生かし切れていないちょっと惜しいゲームだった。
でも子供とやるのは適度に緩くて楽しそう。

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