Epoch

エポック
ウォーゲームエレクトロニクス -3-

2人
40分

決戦関ヶ原-EWE3-

慶長5年9月15日
石田三成は、豊臣秀吉の政権を奪おうとする徳川家康を排除すべく美濃の関ヶ原に10万の精鋭を集めた。
家康率いる東軍は、小山評定にて軍団の結束を固め、中央に布陣。
三成は笹尾山、宇喜多秀家は天満山、小早川秀秋の松尾山、南宮山には毛利秀元と東軍を包囲して西軍は布陣した。
明治になってドイツの軍事顧問メッケル少佐が、この布陣をみて西軍勝利と断言した。
しかし、家康は西軍の他の武将を内応させ、裏切りを確約させていた。
霧掛かる関ヶ原にて、天下分け目の合戦に火ぶたが切られた。

プレイ感

ウォーゲームブームの後半1983年に、もっと若い世代をターゲットにエポック社がエポックウォーゲームエレクトロニクスシリーズ(通称EWE)をリリースした。このころ、素晴らしいウォーゲームというのは、出来る限り史実を忠実にシミュレートしたものと決まっていた。そのおかげでルールがとんでもなく複雑で、プレイ時間が異常に掛かり、勝敗は最初から決まっているものも多々あった。今からは考えられないプレイアビリティの低いものが賞賛された時代であった。その時代に、僅か40個の磁石付駒と、電子判定装置を付けてEWEは登場した。プレイ時間は僅か30分。30分で歴史上の戦いをやるっていう試みが凄い。

わしも時代の流れに載っかってしまい「難しいゲームこそ最高!」と信じていた。まさにボンクラ。せっかく変わったシリーズが出たんやからと、兄貴と相談して1個だけ買おうという事になった。それがこの関ヶ原である。
司馬遼太郎の関ヶ原を読んで以来、もうやりたくてしょうがなかったが、どこにしまい込んだのか解らなかったが、年末、実家に帰った時に発見した時は小躍りしたわ。miaとの二人プレイにて。


関ヶ原といえばなんつっても西軍である。家康大嫌いのわしとしては絶対に西軍だ。考えたらこのゲームかなりやったと思うが西軍以外あまりやった事がない。というわけで大阪人のわしは当然ながら西軍、東京人のmiaは東軍担当でゲームスタート。


ほぼ史実通りの配置となっている。上の電子判定装置ってのはどれも6分の1なのでサイコロを振っときゃええやんという話だが、まあ、そこはそれ。晴れなら6移動力、雨なら4移動力を貰える。平地、街道は1移動力、川、丘は2移動力必要だ。上の電子判定装置を使って手番に色々な処理を行っていく。

まずは東軍からである。電子判定装置を使って天候を決める。晴れなら6、雨なら4の移動力となる。それから、関ヶ原最大の肝である調略判定が行われるのだ。まずは長束、安国寺、長宗我部の調略判定だ。

ボタンをぽちっと押すと電子音と共に赤色LEDが点滅する。

ぴ〜、ぴりりりりりり・り・り・り

わし「中立になりやがった」

mia「どゆこと?」

わし「この3駒は、ひっくり返って戦闘に参加せん」

駒を裏向けると、中立と書かれている。つまり、中立を決め込みやがった訳だ。

わし「まあ、確率2分の1やし、しょうがないか。次は吉川、毛利の判定や」

ぴ〜、ぴりりりりりり・り・り・り

わし「ほっ、助かった」

次の調略判定は、朽木、脇坂の2駒。

ぴ〜、ぴりりりりりり・り・り・り

mia「これ、成功?」

(|| ゜Д゜)ガーン!!

わし「寝返りやがった!」

朽木、脇坂、小早川の3駒は、確率6分の1ながら裏返すと完全に東軍の駒となるようになっている。特に手強いのは次の判定の小早川で、こいつは戦局を左右する4の戦力を持っているのだ。阿呆の癖に。金吾の癖に、4だ。
小早川の裏切りは免れたが、1ターン目に半分の調略を成功出来たのは大きい。

移動フェイズはシミュレーションゲームらしく、全ての駒を最大で6マスまで移動出来る。将棋とかに慣れていれば、全ての駒を動かせるってのがなじめないが、ほんまの戦場を思い描けば将棋のルールがおかしいと気づくだろう。

miaは、おそるおそる、1個ずつ動かす。
ここらへんは慣れた人でないと戸惑うかも知れんな。


なんか阿呆が1匹突出してきたので、ぶち殺しw

このゲームではウォーゲームの基本ともいうべきゾーンオブコントロール(ZOC)の概念がある。ウォーゲームの基本ルールといってもいいルールで、訳すなら戦闘支配マスと呼べばいいか。といっても難しいものではなく、敵駒と隣接したらそこで移動を停止しなければならないというルールだ。

蛇足となるが、ちょっと前に同シリーズの日本海大海戦というのをヤフオクで入手した事がある。これにはZOCの概念がなくて、気持ち悪いのなんのって。それが嫌で速攻売ってしまったが、考えたら艦船が支配エリアに入ったからといって減速したら、ただの的やな。。
ZOCがないとなんで気持ち悪いかというと、簡単に敵の背面に回れるのだ。簡単に挟み撃ちできる。実際の戦闘で正面から突撃して、敵の背面に回るなんて事はまず出来ない。止まらなければならないのは、相手が武器を持って構えているのに、何も無かったかのようにスルーするなんて出来ないだろう。それがこのZOCによって表されているのだ。

※ちなみにZOCからZOCへの直接移動は禁止されており、その場合は一旦ZOCから抜け出て改めてZOCに入り直さなければならない。

そして戦闘である。戦う駒は攻撃側が決める。この場合miaだ。隣接している敵駒に対して、自駒は必ず1度だけ攻撃をしなければならない。駒が繋がって連続している場合、ひとつの戦線としてまとめて解決する事が出来る。どう解決するかを攻撃側が決めるのだ。


寝返った駒は赤色の面にして東軍として参加する。右におる長束、安国寺、長宗我部は中立を決め込みやがって、動きやがらん。毛利が西軍の仲間になったので、ひとり決戦の場へ急ごうとするが、山内勢に止められている。

例えば2、2、3の間に入り込むように隣接する敵駒の4と5があれば、戦力比を7(2+2+3)対9(4+5)として解決してもいいし、4(2+2)対4と、3対5の2つの戦闘にしてもいい。この戦闘の分割は非常に重要なのでよう考えなければならん。駒の戦力比に、電子判定を加味するのだ。

ぴ〜、ぴりりりりりり・り・り・り

電子判定は、自軍か敵軍かに1,3,5の戦闘力を加味する。その差が同点なら小競り合いのまま駒はそのまま。下回ると、1マス後退する。更に2倍以上になると壊滅となり、駒を取り除く事になる。ここで戦闘の解決が重要という意味が分ると思う。前述でいえば、7対9で攻めれば、最良(12対9)でも相手を後退させるしか出来ないが、下手すればこちらは全滅(7対14)の憂き目にあう。ならば、4対4と3対5に分けた方がいいのだ。もちろんこれは時と場合によるが、基本はこうだ。


やべぇ! 脇坂みたいなしょっぱい裏切り者に挟撃されとる……(|| ゜Д゜)ガーン!!
miaに6対5で宇喜多をねらい打ちされたが、電子判定装置の目は攻撃側の退却であった。防御の退却なら宇喜多はZOCに引っかかり退却出来ずに全滅するところであった。助かったぁ!

わし「げえ! 大谷刑部が、裏切り者の朽木脇坂勢に押されて後退した」

mia「やった」

大谷吉継といえば、関ヶ原でも一二を争うかっちょよさ。ライを煩っており、顔面は崩れ、皮膚はただれのため鎧をつける事も適わず、さらに目も見えぬが、その作戦能力の高さはかつて太閤秀吉が百万の兵を率いらせたいと言わしめた程の大傭兵家。関ヶ原の合戦でも、もうかっちょええのなんのって! もうここはわしのようなド下手な文章ではなくわしの敬愛する司馬先生の関ヶ原を是非読んで貰いたい。泣かせる。このゲームでも島津義弘、宇喜多秀家、石田三成と並ぶ最強の5戦闘力が与えられているにも関わらず後退してしまうとは…

更に天満山に陣取っていた小西行長も後退を余儀なくされる。

しかし中央の戦線は、miaのびびりが入ったため戦闘投入が少なく降着状態のまま、西軍のターンである。

まずは天候…雨。むう。そして調略判定であるが、これは既に決まった調略については行わず、残りの吉川・毛利と小早川のみ行う。

ぴ〜、ぴりりりりりり・り・り・り

わし「よし、吉川毛利がこっちにきた」

この二人は確率2分の1なので東軍に寝返らなかったら、わりかし簡単に西軍に参加してくれる。
問題は金吾だ。この小早川秀秋は、もう関ヶ原一、いや戦国武将一といっていいほど、むかつく阿呆だ。史実では、このボケナスが家康に天下を取らせたっていうんやから、なんとも歴史とは皮肉なもの。実際の関ヶ原でも、最大戦力に近い一万五千人を投入していた。こいつは毛利よりも近い中央に布陣しているために、趨勢に大きな影響を及ぼす。

が、動かない。調略失敗である。

小西、島津、宇喜多という最強軍団をずらっと整列させ、中央の戦線を押し上げる事にする。天満山の田中を後退させ、小西を再び天満山に進撃させる。山は移動力が2必要だが、攻撃力が+1させる要衝である。取らない手はない。

ウォーゲームの基本ルールとして、退却して空いた場所に通常の移動とは関係なく即座に進軍させるというルールがある。これにより戦線を押し上げていく事が出来るのだ。

エイ! トゥトゥトゥトゥ… エイ! トゥトゥトゥトゥ…(武田軍団の掛け声)

田中隊壊滅、筒井隊壊滅!

わし「よっしゃあ! 押せや、押せやあ」

しかし

わし「ええー! また大谷後退!?」

なんか今日の大谷刑部は、電子判定の女神に見放されているようだ。攻撃力の高さから壊滅させられる事はないが、どんどんと後退していく。

(まあ、ええ。大谷は金吾の抑えとしておいとこう)

勝利条件は、西軍は家康を壊滅させる事だが、東軍は三成を壊滅させるか、戦闘力を合わせて10以上、街道を抜けて西上するマスに入れる事でもいい。金吾の場所は、中山道に近いため、下手をすると一瞬で抜けられてしまう。また、後背から襲われると非常にうっとおしい事にもなるので、大谷は中央に出さず要としておいとかねばならない。

関ヶ原の戦いというのは僅か数時間でその雌雄を決したという。このゲームでもその展開は速い。

大谷が三度目の正直、朽木脇坂を壊滅させようと進軍、朽木脇坂の後背を戸田が抑える。これで完全に挟み撃ちである。こうなると例え後退の目であっても戸田のZOCに入ってしまうため、駒は退却出来ず壊滅となる。これが挟み撃ちの怖さである。予定通り、裏切り者を壊滅させた後、大谷を前線へ進撃させる。


ようやく朽ち木脇坂を撃破した大谷は、中央へ進軍。攻撃力5は西軍にとってあまりにも貴重な戦力。しかしこのころ、既に中央では東軍は括弧撃破の憂き目にあってほとんど勝敗がつきかけていた。もうひとつの貴重戦力の毛利は、相変わらず山内勢に阻まれ、悲惨な最期を迎える事になる。

中央の戦線は主力を押し上げると同時に、今でも語り継がれる最強の作戦家島左近を山伝いに家康本陣へ駒を進めて寝首をかく作戦だ。が、どうにも天候の目が悪く、最期まで晴れにならず遅々たるものだった。

いらついたわしは、三成も山伝いに押し上げて、左近をサポートさせようとした。

ここに空隙が生まれた。

中央戦線を押し上げすぎたおかげで、戦列に穴が空き、そこを抜けて井伊直正が三成の後ろについた。なんと、加藤嘉明との挟み撃ちである。

わし「まじでえ!!」

戦力差は7対5。確率3分の1で、三成は壊滅である。


ぐおう、油断したぁぁぁ! このゲーム最大の山場である。

mia「いけ!」

ぴ〜、ぴりりりりりり・り・り・り

わし「頼む。頼む!」

mia「あ〜失敗」

わし「助かったぁ!」

この絶好の機会を逃した東軍は、西軍の猛攻にさらされる。
家康の本陣まであと少し。

金吾「やぁやぁ、われこそは小早川金吾中納言秀秋なりぃ。三成殿遅れてしまい申し訳ござらん」

ここにきて小早川の調略成功。さすがは金吾というべきか…


ここでぼっこぼこにしばきあげる! ここまできて負ける事はありえない。

ちょっとだけ異変があったとすれば、吉川・毛利が、池田輝正、浅野幸長、山内一豊の各個撃破先鋒の憂き目にあい、壊滅してしまった事だ。

山内一豊ごときに壊滅させられたのは口惜しい。こいつ嫌い。金吾の次に嫌い。
実力もないくせに、他人のふんどしで土佐藩主になった男や。

しかし、それ以外は、圧倒的な戦力で一気に徳川に襲いかかった。

わし「家康の首取ったり! エイエイオー! エイエイオー!」

所要時間40分


見事、家康のクビを獲った! 西軍の勝利である。

1回だけじゃ解らんとmiaが言うので、即座に同じ軍を率いて二戦目である。

二戦目はいきなりmiaの調略が成功して、吉川・毛利以外、最初の手番で全員寝返る。

わし「なんじゃ、そりゃあ!」

しかもわしは吉川・毛利を調略失敗。次ターンでmiaが吉川・毛利も中立を決定してしまう。

なんと二ターンで、全員、家康に内応。

気が狂ったように、裏切りまくった。盤面は赤色に埋め尽くされる。


2ターン目でこれはないって! 真っ赤っかやんけ!! (|| ゜Д゜)ガーン!!

次々に西軍が撃破される中、小西、宇喜多まで壊滅させられた。
西軍は戦列を維持出来ず、バラバラの状態である。

(これは酷い…)

mia「でもこれくらいハンデ貰わないと」


怒濤の進撃を食らう西軍。

わし「いや、ここまでくるとさすがに無理やわ。かくなる上は…金吾お前だけは許さん!」

大谷と木下で挟み撃ちにして、撃破。

もうそれだけで満足。(´ー`)y-~~~

と思いきや、部隊運用になれていないので、ちょこちょこ弱点が見え隠れする。
このまま力押しは不可能。戦線になっていない。こうなれば、穴を見つけ一気に家康を狙って、一か八かの勝負をするしかない。


ピラニアのように次々に襲いかかる東軍。こんなん勝てるけー!

穴を開ける為に左近を犠牲にして突撃させる。

さすがは左近、穴を開けた。徳川の本陣が見える。
ここで晴れが出れば、一気に徳川の駒に戦闘を仕掛ける事が出来る。

わし「よし、晴れた」


そして壊滅食らう西軍。しかし、よく見れば徳川への攻撃のチャンスが生まれてる!

大谷、島津の最強部隊を一気に徳川の駒へ隣接。
さらに確実に壊滅させる為に、三成も徳川へ持って行く…と思いきや

わし「あっれぇ? ちょっと待てよ。これ影武者ちゃうんか?」

mia「さあねえ」

このゲームの素晴らしいところは徳川家康には影武者がいるところだ。徳川駒は二個あって、どちらかが影武者で、どちらかが家康と描いている。当然、家康を討ち取らねば、意味がないのだ。

なんか嫌な予感をしたわしは三成は攻撃せずに、そのままにした。ここで突撃して影武者であれば、次ターンに完全に包囲されてタコ殴りされる。
このままゲームを続けても戦力差が大きく開いてしまった今、勝つ見込みはないだろう。この勝負に賭けるしかない。しかし、それでも、ほんの僅かな勝利の可能性があるのなら、三成は攻撃に参加させるべきではない。万に一つ次に隙が出来るかも知れない。あるかないか解らんが、それを待つ。

大一大万大吉!

※三成が使ってた旗印。一人が万民のために、万民は一人のために尽くせば、皆が幸福になれるという意味らしい。

おお! なんかこんな風に書いててほんまもんの三成の気分になってきた。柿は腹をこわすから食わん、だ。

ぴ〜、ぴりりりりりり・り・り・り

わし「死ねやあ! よっしゃ、壊滅」

…裏を返す。

わし「影武者かぁあ!!」


影武者かぁ!

あちこちから東軍の部隊が集結してきた。さすがに勝利の可能性はほとんどゼロに近い。

mia「取ったぁ! 三成を取った!」

さすがに隙はなかったか。無念。。

しかし勝ち負けは戦国の習い。負けて満足じゃ。

所要時間40分

miaのコメント

ちょっと難しかったかな。もう少しやり込まないと楽しさまでは解らないかも。

ソマーリオ

久々にやってみたが、非常にエキサイティングやった。確かに昔からおもろいと思っていたけど、ホビージャパンに洗脳されていたのか、ルールが簡単ですぐに終わるという事=子ども向けというイメージでしかなかった。今やれば、非常に濃厚な時間を過ごす事が出来る。EWEは全部で12作品出たが、この関ヶ原が一番の傑作であると誰もが認めている。

確かに調略判定による裏切りや、移動力の増減、極めつけの影武者というルールは見事に機能しており、あのややこしい関ヶ原の合戦のムードを僅か30分で出来るゲームとして非常に上手く再現している。そういった再現性の良さはともかく、ゲームとしての完成度もかなり高い。
特に2戦目の影武者はかなり熱かった。2戦目は内応の連続で、ぼろ負けすると思ったのだが、経験の差で最期の最期までもつれ込んだ。そして唯一の勝つチャンスであった突撃が影武者であったってのは、まさにドラマであった。
確かに相手の駒の動きを見てると影武者か家康かなんて解るのだが、miaの下手さからみてひょっとしてという期待があったのだ。負けたが、やれるだけはやったという満足感だけが残った。

電子判定装置は6マスあり、普通の六面体のサイコロでも同じように出来るといってしまえば、野暮というものだろう。大体において各マスが均等に6分の1であるとエポックは発表していないし、どういったアルゴリズムを組んでいるか解らないが、ランダムに6分の1にするのはプログラムで研究されているくらい難しい問題なのだ。

史実の関ヶ原の合戦は、このゲームのように現場で調略をしたわけではなく、始まる前から家康が謀臣正信を使い、散々西軍に内応を約束させた結果に過ぎないのだが、その部分までプレイすると恐ろしく時間が掛かり、かつルールが非常に複雑になる。これは同じエポックのウォーゲーム関ヶ原で再現されているので、そちらをやればいい。その複雑な部分を簡単にまとめあげたのは、まったくもって素晴らしい。これによってゲーム展開は変わってくるのだ。

ウォーゲームにしては少ないルール分量と30分というプレイ時間の短さ、40個しかない駒の量を考えると、10回ほどやるとパターンが読めてきて飽きがくる事は確かである。しかしながら、あちこちで現在でも十分に通用する煌めきが決戦関ヶ原にはある。むしろドイツゲームに慣れた身としては、普通のウォーゲームよりも高い評価をつけたい。20年経った今でもまったくもっておもろさに陰りはない。

近年、ドイツゲームぽいウォーゲームといえば、リチャードボーグが出したメモワール44が有名だが、あれより遙かにプレイ時間は短く、ヒストリカルで、ルールは簡単で、理に適っている動きをするように思うがどうだろうか?

関ヶ原を知れば知るほどこのゲームは楽しくなってくる。途中にも書いたが、是非とも司馬遼太郎先生の関ヶ原を読んで欲しい。文章が苦手という人ならば、光栄がDSで出した采配の行方をやってみてもいい。あれならゲームなのでお手軽に出来る筈だ。どうみても逆転裁判にしか見えず、三成の絵が萎えてしまうところはあるが、光栄らしく史実にあった背景を持っているので悪くはない。

あー、忘れてた。このゲームで史実を反映していない部分がある。それは島津である。島津は三成にむかついて合戦に参加していない。ところがこのゲームでは特に何があるわけではなく、普通に西軍の駒として使えるのだ。もし史実通りに動かすとするならば、徳川が動いた時という設定がいいかも知れない。ただそうしてまうと西軍の勝ちは難しくなるだろう。

gioco del mondo