Henrik Berg
&
Åse Berg
Huch & Friends
White Goblin Games
2~4人用
30分
ラッタス
14世紀ヨーロッパ
ペストが大流行し、多くの人が命を失いました。
ヨーロッパの人口は3分の2に減ったとされます。
このペストの脅威を上手く逃れ生き延びましょう。
プレイ感
ペストをテーマにしたという変なゲーム。興味はなかったんやけど、TGFのテンディズブースで雑談してたら、ダメージ品販売の値付けがあって、タナカマが「これはダメージでかい。2000円」と言うたのを「これ2000円は高いやろ。もっと安うせえや」と適当に野次ったら「よし、1300円」となってオビ湾が「これ1300円やったら絶対買いですよ」と言いだし、タナカマも「買いましょう。絶対にお得です」となって、買うことになったという一品。
二人でも楽しいという話なのでmiaとやってみた。
うーむ、今から考えてみたら、どうせ破損品やし、わしに買わせてレビューさしたら、一石二鳥やんけという意味やったんかも知れんぞw
恐るべし、テンディズ。
手番の最初に、階級カードを1枚手に入れるが手に入れなくてもいい。それからマスにあるネズミタイルの数だけ自分の駒を置く。疫病駒を1マス必ず動かし疫病を発生させる。疫病発生の条件は、疫病駒のいるマスにネズミタイルとプレイヤー駒が置かれている事。ネズミタイルを1枚めくり、発生条件を確認して、どちらかがマスからなくなるまでこれを繰り返す。
最終的に、全てのネズミタイルがボード上に配置されて、全てのマスで疫病発生させて、生き残った駒が多いプレイヤーが勝利する。
今回は二人プレイなので明るい場所だけでゲームを行う。これは初期配置。ペストタイルにポイントがある。
階級カードにはそれぞれ特殊能力があって、何枚でも保持出来て、全ての能力を使う事が出来る。相手の階級カードを取る事も可能である。階級カードは強力な恩恵をもたらすのだが、疫病発生のメカニズムにより、取れば良いというものではないというのがこのゲームの肝となっている。
ネズミタイルの裏は疫病の発生条件が描かれており、まずはそのマスにいくつの駒があるかがチェックされる。書いてある数以上の駒数があれば、次に一番下にあるMもしくはAのマークをみる。MならMostでそのマスで最多のプレイヤーが駒を1個除去する。AはAllで全員だ。それから、中央に描かれた階級マークを見るのだ。
描かれた階級タイルを持ってる人はマークの数だけ自分の駒を除去しなくてはならない。つまり、階級タイルを持てば持つほど疫病にかかりやすくなるという事だ。
疫病駒がいるところにプレイヤー駒とペストタイルがあれば、ペストタイルをめくる。この場合、駒が3個以上あればペストが発生するという事だ。
つまりこのペスト、農民集中で蔓延したり、王集中で蔓延したり、はたまた魔法使い(謎)集中で蔓延したりする。出る確率は調べてみると大体同じくらいだ。
miaは最初におそらくこのゲームで最も人気のある王を選ぶ。王の特殊能力ってのは、自分の駒を1個、宮殿内に避難させる事だ。ここは絶対に疫病に掛からない。
わし「それ強いな」
ここで同じタイルを取ってもおもろくないので、わしは騎士を選択。騎士は疫病駒を2マスまで移動させる事が出来、疫病駒を(誰の物でもない)プレイヤー駒2個分と換算出来る能力だ。どういう事かというと、疫病の発生条件である駒数を2個引き下げて、発生しやすくするのだ。これがかなりえげつない能力なのはやってて解った。
miaは王様、わしは騎士タイルを取る。この階級タイルは何枚とってもいいが、破棄することは出来ない。相手のを取る事も可能だ。
わし「じゃあ、疫病駒をお前の密集してるとこに動かして、騎士の能力を発動させてネズミタイルをめくる。発生条件は4+なので、発生」
mia「えー、どゆこと。わたしの駒は2個しかないよ?」
わし「ほれ、騎士の能力で、2個プラスになってここは4個あるように勘定されるんや。だから発生」
mia「酷い!」
しかし酷いか知らんが、miaが自分の駒を順調に宮殿に避難させてるのを見ると、王の圧倒的に強いんちゃうか。最後はペストが吹き荒れる訳やから、これ王取らんと負けるで。
わし「じゃ、王を取る」
mia「あ!」
そこからはお互いに王の取り合い。取っては宮殿に置き、取っては宮殿に置き。
結局、この2つがやたらと強いと思うんやけど。左上の盾のマークが宮殿でペストの影響を受けない場所だ。
このゲームのおもろいところは、置ける駒数がネズミタイルと同じという事。つまりペストで全滅しやすいマスはたくさんの駒が置けるという事だ。ネズミタイルがないところでは駒を置く事が出来ない。
現実的にはとてもへんてこな話だが、ゲームとしてはハイリスクハイリターンとなってて試みは悪くない。
ペストは非常に強力で、こんなのが……
全滅しました……
取れば取るほどメリットはあるが、リスクも高くなるという階級タイルもそうだが、このゲームではリアリティよりもゲームとしてのバランスに重点がおかれて作られているようだ。
途中で今度はmiaが気づく。
mia「じゃ、騎士貰う」
ネズミタイルは4以上が多く、二人プレイの2個3個じゃ発動しにくいのだ。しかも騎士は2マス先まで動かせるので、遠くの獲物(わしの駒のみのマス)を逃がさない。
王と騎士はこのように行ったり来たりした。
ネズミタイルが3枚もあれば一撃で5個くらいの駒(自他併せてだが)は吹っ飛ぶ。ペスト恐るべしだ。
わしは後半になると、農民を手に入れる事にした。農民は1個余分に置けるのだ。最後の生き残りは農民に掛かってると踏んだ。
そして駒を置く時、miaと同じマスに置くことにした。そうしておいて、あえて自分でそこに疫病駒を動かしてペスト発生させる。1個でも生き残ればしめたもの。
わし「全滅かい! (|| ゜Д゜)ガーン!!」
やっぱりこのゲームの勝敗は宮殿にいくつ逃げ込めたかに掛かってるようだ。
だって最後に全てのマスでペストチェックするんやもんな。
最後はこんな感じで閑散としたヨーロッパになりました。これじゃあ、大航海時代は迎えられまへん。
そして結局、宮殿ではmiaが優勢なものの、農民の力で2個差で勝利。
所要時間30分
miaのコメント
思ったよりもシンプルで良かった。またやってもいいかも。
ソマーリオ
シリアスなテーマなのにやってることは軽快である。ルールは非常に簡単で、メリットとデメリットが解りやすく特殊効果が多い割にはプレイヤーへの見通しは悪くない。
最後はヨーロッパのボードから人があまりいなくなり、ペストがなくなる感じがよく出ているが、よくよく途中経過をみれば、ヨーロッパにたくさんの人が置かれる事はないので、テーマの再現性はあまり期待しない方がいいだろう。また宮殿にわんさか逃げ込んで助かった人ってのもいまいち再現性はおかしい。
とは言うものの、ゲームとしてみるとわずか30分で陣取りゲームをそれなりに楽しめるというのは大きな魅力だ。
コンポーネントは、まあ、こんなもんやろという内容。階級タイルはでかく持ちやすくなっているが、駒を立方体じゃなくて人型にして欲しかったかな。
ほどほどに遊べるのは良いところなのだが、いかんせん、宮殿は五分五分で押さえたとして最後のネズミタイルのめくりで勝敗はほぼ決まりやんけという欠陥があるように思った。
なんとなく出てきたネズミタイルをカウンティングすればそうではないのだろうか?
その後、またやってみた。今度はなるべく宮殿に頼らず、別の階級でやってみる事にした。白羽の矢をたてたのは、商人と魔法使い。商人は、3駒まで隣のマスに移動出来るというもので、魔法使いは2枚のタイルをみて交換する事も出来る。
特に商人はかなり効果的であった。疫病駒がくるたびに逃げる逃げるw 集団疎開じゃあ。
あまりにも逃げまくるので、miaも真似してわしの商人を奪い出す。オイオイ、真似すんなやあ。
とまあ、意外と他の職業も強いので多人数でやったらもっと楽しめそう。
ただ、やっぱり、最後のネズミタイルで勝敗は決まる気がした。B級ボードゲームってジャンルがあるならまさにラッタスこそB級ボードゲームだろう。
テーマに反して非常にお手軽なゲームなので、こんなシリアスなテーマにせず、リメイクしてファミリー向けに出して欲しい。なんか
スクールパンチ
感覚やねん。
gioco del mondo