得意のジャンルで本領発揮!
グランプリは誰の手に!
タカラ
スクールパンチ -6A-
2〜4人
45分
クイズグランプリゲーム
君の頭のコンピューターを使って数字に挑戦!
得意のジャンルとチャンスカードをいかせばグランプリは君の手だ!
プレイ感
スクールパンチシリーズ
で一番面白いものはと訊かれたら、即座にクイズグランプリが思い浮かぶ。甲乙つけがたいなあというのは一切なし。クイズグランプリである。スクールパンチがTVシリーズとして出したひとつであるが、テレビっ子であるわしゃTVシリーズをいっぱい買った。テレビに参加している気分に浸りたかったのだろう。TAMがやたら古い日本のゲームを物色し始めたので、こいつがNo1といって出してきた。4人プレイくらいでやりたかったのだが、とりあえず二人プレイにて。
クイズグランプリは、クイズにスポーツ、文学歴史、科学、芸能音楽、ノンセクションとジャンルが分かれており、それぞれ10点から50点まで5段階の難易度になっている。解答した出演者が、クイズのジャンル(難易度は簡単な順に)を選ぶシステムになっている。このゲームはこのクイズグランプリそのままのシステムだ。
そう、こいつはジャンルごとにクイズが設問されている。つまり何度かやってクイズの答えを知ってしまえば、出来なくなるゲームか? 答えはノーだ! ならばクイズの問題数が相当多いのか? 答えはノーだ!
このゲーム最大の特徴は、クイズの答えは必ず数字になるようになっているところだ。プレイヤーは0〜9までの数字の書かれたカードを5枚手札にする。この5枚の手札で、四則演算(×÷+−)を行って答えを出すシステムになっている。つまり『虹の色は何色ある?』という問題なら、手札の8と1を出して、「8−1で7色」と答えるわけである。40点の問題は4枚以上を使って、50点の問題は必ず5枚を使って答えなければならない。
どーだ! すげぇだろ! 昭和50年代にしてこのシステムである。
あきれるくらいに素晴らしいシステム。日本のゲームをなめちゃいかんぜ。兄と何度やったことか。数字カードは擦り切れてボロボロである。
得点ボードの上に問題がみっしりと置かれる。そして30点の上にはチャンスカードを置いておく。2枚だけが本物のチャンスカードで後はダミーだ。左が得点ボードでこのゲージで現在の得点がひと目で解る。まるでドイツゲームのようだ。マイナスはマイナス札を使って表示出来るようになっている。解答者は左から山本浩一、木樹希羅良(きききらら)、西郷ひろみ、渡辺真佐子である。
この説明を受けたTAMも大興奮。
TAM「な、なんすか、これ! 凄い! なんつう奥深さ!」
問題数も、1ジャンルごとに7枚ずつあり、当時としては異色の作である。
出演者の名前がまた実在の人物をパロっていて笑かせる。木樹希羅良って! と子供の頃よく言うてた(笑)
TAM「奥深いっすわ」
わし「ほな、科学の30」
パヤッ『火星の衛星はいくつ?』
わし&TAM「わかんねぇ!!」
解答カードは1〜9まであり、手札は常に5枚だ。これを使って答えを出す。左にあるチップは解答ボタンで先に押した方が解答権を得る(笑)
そう、なめては困る。やたら難しい問題もあるのだ。
TAM「奥深いっすわ! スクールパンチ」
ち、ち、ち、ち…
TAM「えーい、ここは一か八か。ピンポン。9−7+1で3。でもこれの答えどうするんですか?」
わし「ふふふ、この説明書をみよ。全問題と答えが書かれているのじゃ!」
TAM「奥深いっすわ!! あなどれん、あなどれん、スクールパンチ!」
誤解答を繰り返し、ひたすらマイナス街道まっしぐらなTAMに対して、得意分野の科学を攻めて着実に得点を重ねていくわし。
『チャンスカード』
30点のゾーンには2箇所チャンスカードが隠れている。これは自分の得点を50点まで賭ける事が出来るのだ。ダミーカードの中に2つチャンスと書かれたカードが入っている。これはテレビでも実際にあったシステムで、見事にそれを再現しているのだ。
このチャンスカードも勝ち取り、快進撃をつづけるわし。ところが、手札がひっじょーに悪くなってしまった。1,2,1,3,2。問題は『光の速度は秒速何万km?』である。無理。これででかい数は作れない。。。でかい数を作るときは掛け算を使うのだが、これではさすがに…
さらに『除夜の鐘の数は?』とか、そんな問題ばかり。
こっからTAMの恐ろしいまでの反撃が開始される。
次々に問題をクリアし、さらには勘で答えた問題も当ててくる。
最後の科学の50を解いた方が勝利するというところまで迫ってきたのだ。
最終問題。科学の50!
『昆虫の脚の数はいくつ?』
わし「7−1+9ー9×1で6!」
所要時間45分。勝利!
TAMのコメント
奥深いっすわ。これ、まじで凄いっすね。物凄く勉強なるし。欲しい。欲しすぎる。
ソマーリオ
あの
クイズグランプリ
をそのまま再現することに大成功している作品である。今でも十分にゲームとして通用する正統派であり、問題さえ変えてやれば(いや変えずとも出来る)ずっと楽しめることが出来る。
クイズグランプリは、あまりにも正統派のクイズ番組で地味な番組だったので、このゲームはあまり人気がなかったようだ。確かわしもこれを買うとき、「クイズグランプリは、ついでに買うかな」と思ったものだ。テレビ番組の人気がそのまま繋がる。この時代は、人気テレビ番組のボードゲーム化がいくつかあったが、
スクールパンチ
はそのお手軽さから、かなりの数が出た。
スクールパンチ
にはいくつかの名作があるが、ルールをイメージしてみるとドイツゲームという洗練された中、今なおきちんとしたゲームとして通用するのがいくつかあるというのはとても凄い事だと思う。例えばパネルクイズアタック25も、完全実力勝負なのだが、あのアイデアには脱帽する筈だ。どちらも人生ゲームというサイコロ運だけのゲームから見事脱却した、素晴らしいシステムを持ったゲームだ。運と実力そして知識が見事にミックスされている。これはクイズグランプリというテレビ番組のシステムがきちんと作られていたからに他ならず、そしてそれを見事にゲーム化した本作品は、
スクールパンチ
という子供がやるお手軽ゲームの枠を超えて、歴代日本トップクラスのゲームとして君臨しているといって差し支えない。45分、がちんこの本気勝負できる。
gioco del mondo