Johannes Schmidauer-Koenig

AMIGO

2〜5人
30分

モルタールの入り口

amazonで購入

黒魔術師ウルフリードがモルタールを暗黒の国にしてしまった。
人々は、時が満ちたとき、暗黒との戦いに挑む英雄が現れるという予言を切に願った。
あなたは、伝説や物語でしか知られていない生き物をポータルから呼び出して、その英雄となるべく立ち上がる。

プレイ感

前にCOQが呼びかけてくれたゲームの寄り合いはOttimo会として設立された。その第一弾は、タナカマは仕事の都合上これなかったので、COQ、えりえりと3人で行った。場所はえりえり家である。

家についたえりえりの最初の一声「コバエが湧いてて、見つけたら殺して」

LINE通知がきたCOQの最初の一声「道に迷った」

┐(´д`)┌ヤレヤレ

というかね、コバエ殺してって、それゲーム以前の話やんけ。素手で殺すっちゅうんかい!

えりえり「あ、見つけた、バシっ」
もちろん素手





COQ、来たし、そろそろやるか。

最初に取り出したのは、モルタールの入り口というカードゲーム。

COQ「この作者、まだそんなに有名じゃないんですけど、カードゲーム作らせたら凄いんですよ。メビウスが元々発売してたんですが、あまり人気にならずに流通がなくなりました。僕はドイツAmazonから輸入しました。カードゲームなのに濃厚で…」

と、毎回COQ、ここから10分くらい熱く語りだす。

いんじゃんしてCOQが親となった。ここでこいつはいつも「このゲーム、スタピーが圧倒的に有利なんですよ!」というのだが





わし「言わんのかい!」

まあ、ええわ。
すまん、前口上が長くなった。

えりえり「あ、コバエ、バシっ」

モルタールの入り口の個人マットのコバエを叩くえりえり。

COQ「ちょっと、ちょっと!!」

COQ涙目。


各自、2つのポータルを持つ。ここにクリーチャーを召喚するのだ。
カードはパールカードという1〜8の描かれたカードと、クリーチャーカードと分かれており、パールカードを4枚オープンに、クリーチャーカードを2枚オープンにして場に並べておく。


簡単なセットアップ。クリーチャーカードの裏面はダイヤカードの代用となる。

手番は以下から3回のアクションを行う。
・場のパールカードを1枚取る(山札からブラインド引きしても良い)
・場のクリーチャーカードをポータルに配置する(山札からブラインド引きしても良い)
・場の4枚のパールカードを流して補充する
・手札を使ってポータルのクリーチャーを召喚する


初期手札は0枚なので、自分で一から集める必要があるが、上限は5枚までだ。

クリーチャーは、ツーペアだったり、ストレートであったり、フォーカードだったり、はたまた合計数字が10であったりと、それぞれポータルからの召喚コストが違っている。

クリーチャーカードは召喚すると数字を上にして置く。これが勝利点である。当然、召喚コストが高いと勝利点が高いカードになるのだが、実はそれ以外に特殊能力をもつキャラもいる。いちいち説明するとキリがないが、永続的に使える能力と召喚時に一度だけ発生する能力がある。


ポータルの上には2枚のクリーチャーを置ける。この魔女はカード2を1枚で召喚できる。そうした場合、天地を逆にして横にのけとく。
ゲーム中の写真なので、分かりづらいクリーチャーとなってしまったが、この魔女は勝利点なしのダイヤが手に入るということだ。(2は勝利点ではなくパールカードである)
特殊能力は2のカードをダイヤにできる。青地は手番に1回使える永続効果、赤地は召喚時に1度だけ行う特殊能力である。
すでに得点が2になっているガーゴイルは、□=□=□が条件なのでスリーカードで召喚したのだ。

そうそうダイヤの特殊能力だけは説明しとく必要があった。ダイヤはキャラカードの裏面に描かれており、それを1枚手元においておく。これを使うとパールカードの数字を1つ上げることができるのだ。下げることはできないし、8→1にもできない。

手札上限は手番終了時に5枚という厳しいものなので、うまく召喚するキャラをポータルに配置していく必要がある。

こうして12点集めたプレイヤーがいたら、もう1周回ったところで勝敗を決める。

ルールを聞いてるだけでもめっちゃおもろそうやんけ。

ちゅうわけでスタート

最初はパールカードを集めるところから始まる。
普通こういうのは手札を最初に配っとくもんやけど、どうやら手札0から始めるぽい。

ゲームの説明中チラ見した、女司祭がやたら強そうやった。召喚コストは7777である。

わし「じゃあ、7を貰って…」

えりえり「あきおさん、アレ狙ってんの?」

わし「そやで」

まあ、いつ出るかわからんけど。
なんとなく数字が高いのを集めてたけど、現在、数字の高さよりもペアを必要としている。
そもそも数字の大きさってのはそんなに関係ないようだ。

ポータルに欲しいカードをキープする感じなのだが、出ているメデューサは攻撃的なカードで特に欲しくないのだ。

というわけでブラインド引きが有効とみた。

えりえりは、88とデカ目のカードを持ってたが、ここにきて最強キャラのライオンを引く。召喚コスト8888で勝利点5である。


えりえりの場の方が分かりやすい。恋人は8のカード2枚で召喚できて勝利点2、ライオンは8のカード4枚で勝利点5だ。

わし「うぉお、これめっちゃ強いやん。さっきのオバハン司祭より強いカードがあったとは」

えりえり「コストの数字被っとる」

しかし、ここでえりえりの鬼引きが始まる。
序盤にでなかった8がここにきて頻発する。

えりえり「よっし、召喚」

いきなり5点も獲得しやがった。

わしは小物をぼちぼち召喚するも全然点数は伸びない。
確かに特殊能力はあるものの、それがうまく活かされていない。
COQはもっとひどくて特殊能力オンパレードで、まるで城之内くんのようにイキって「2を8に変えて、召喚!」みたいにやってるが点数はてんでなし。


えりえりは高得点召喚を繰り返すのに対して、小物ばかりで点数が伸びない!

出てくるキャラは特殊能力のやつばっかり。
神龍みたいなやつは1111だが勝利点0である。もちろん、どの数字カードでも1枚持ってるという強力なジョーカー能力はあるが。

わし「点数が欲しいんじゃあ」

COQ「ほんまですね。ちなみにこいつを召喚して勝った人はいないです」

メドゥーサを使って、えりえりがカードを集めて、そろそろ召喚しようかという時に、ぶっとばしたりもしたし、えりえりが、2回パールの衣替えをしても欲しいのが出なかったりもした。

えりえり「特殊能力ついてる奴おらん」

そう、得点ばかりなのでやたらと強いのだ。あれほどしくってるのに、なんでや。

そんなふうに見ているうちに、わしが欲しかった2のカードを取り忘れて、6のカードをぼやっとして取ってしまったら、COQがすぐに補充したので戻せんようになった。

わし「しもうたああ!! 何ボケたことしとんねん」

えりえり「あきおさーん、わたし6欲しかったのにぃ。2あげるって2」

とかそんな状態でも

えりえり「ほい、これで12点」

舐めとる。

所要時間30分


あっという間に12点集められてしまった。このゲームはさらに1周回るので、12点で満足しては勝てないので注意。

えりえりのコメント

ライオン強かったすねえ。特殊能力なくて勝てたっす。

COQのコメント

最初にすんなりとライオンをやられたのが痛かった。このゲームはカードゲームとしてトップレベルの出来だと思います。

ソマーリオ

ファンタジーの要素を残しつつ、単なるキャラゲームじゃないシステムであるというだけで評価はめっぽう高くなる。

召喚の方法もセットコレクションを上手く使っており、なおかつルールに破綻がない。そもそもセットコレクションは、集めて物を買うという人間本来の本能にもとづいているため、非常に満足度が高くなるが、こちらも例にもれず、召喚したった感がめっちゃめっちゃあるのだ。

パールカードを集める場合、他のプレイヤーの動向を気にしながらという間接的な攻撃があるため、相手との絡みもしっかりとある。もちろん召喚キャラカードに対しても同様だ。直接攻撃を嫌う人にはぴったりだろう。

基本的に特殊能力は、自分優位になるものが多いが中にはメデューサやウィルオーウィスプみたいなカードもある。後者は、他のプレイヤーが自分のところに召喚できてしまうというもので、「こんなんだれが使うねん?」と聞いたら「ラストブラインド引きへの戒めですよ」とのこと。なるほど。

それよりもこのゲームの最大の美点は、ゲーム全体に対する見通しの明るさだ。どうすれば勝てるかが分かるというのは、楽しむために最も重要であると言っていい。ごちゃごちゃやっても結局は12点集めるだけなのだ。

カードだけでこれだけ濃厚なゲームが出来るというのは文句なし。
いやあ、良いな、良い。

現在、メビウスからは流通させていないが、日本語ルールは公開されているようなので、並行輸入品を買うかCOQみたいに輸入しても良いかもしれない。

わしも購入したが家族間でも好評である。
ただ少し気になるところがあって、ライオンが強すぎる。勝率が非常に高いので、4点+ダイヤぐらいが適当じゃないかと思う。
そういった意味では、神龍も勝利点2くらいあっても良いと思う。
というのは、特殊能力よりも得点の方が強いのだ。

もうひとつ特徴を見つけた。
通常、ドイツゲームでは手番を無駄にしてしまうと負けるのだが、このゲームでは流したけど目的のカードを取れなかったり、カード枚数オーバーで捨てても勝負になるのだ。ボードゲームに慣れ親しんだプレイヤーならやってると思うが、頭の中で相手が何手番無駄にしたかをカウントしているのだ。
ある意味緩いところがあり気軽にプレイできる。ここは好き好きだろう。

gioco del mondo