Edgar Cayce
George S. Parker
Harry Gavitt
Parker Brothers
TOMY
Winning Moves
3〜10(8)人
60分
ピット
駿河屋で購入
あるよ、あるよ、小麦あるよ。
大麦ないか? 大麦ないか?
ライ麦ならあるよ。
コーンはない?
プレイ感
わしらは毎年欠かさず正月にうちで働いていたバイト連中を集めてゲーム大会を行っている。もうかれこれ15年以上もやってて社会人となった今でも未だに集まってるのだ。で、そのゲーム大会初期に一際目立つゲームがあった。それがこのピットだ。最初ルールを読んだ時「なんじゃ、これ?」と思ってたが人数が集まった時、やるゲームがないと気づき10人まで出来るこのゲームを出してきた。
あまりにもふざけたルールに、説明を終えると、とりあえず全員が集まる前にいっぺん4人で試してみようという事になった。スタートの合図と共に、全員が大声を張り上げ始めた。皆、大爆笑。これ、ごっつおもろいんちゃうの! と正式にゲームスタートした。なんせ、このゲームは非常に近所迷惑なので、マンションでやる事は不可能。あれからやる機会もなく15年経った今、キャンプ場なら大丈夫やろという事で久々にやる事になった。今回は旧版のわしのパーカーブラザーズ版ではなく、ムゲンのウィニングムーブズ新版。メンバーはムゲン、mia、Kei、タカダ、フジの6人。
これがウイニングムーブズ版。今回はわしのパーカーブラザーズ版じゃなくてこちらを使用した。
手札は9枚で、全て同じ種類の穀物(新版では商品)カードを集めたら、ベルを鳴らす。それでカードに書いている得点を貰う。再びシャッフルし直して、繰り返して先に500点集めたら勝ちだ。
カードの集め方だが、手番というものは存在せず、自由に1〜4枚を交換していく。相手に交換枚数を提示し、OKなら自由に交換していくのだ。全ては早い者勝ちである。
ただし今回は牛と熊カードを1枚ずつ入れる追加ルールを入れてみた。ブル(牛)はジョーカーで8枚でOKとなり、ベア(熊)は(牛も)誰かが上がった時点で、持ってるとマイナス20点となる。これだと10枚の手札と9枚の手札のプレイヤーが出てしまい不公平という事で全員10枚ずつになるようにダミーカードを入れる事にした。ちなみに今回の新版やと中身が穀物じゃなく金やガス、オイル、チョコレートなどの商品なので、ブルとベアがさっぱり意味不明だ(笑)
こんな感じで人数分の種類のカードを入れて、9枚揃えれば勝利のベルを鳴らせばいい。一気に交換出来る枚数は1〜4枚までだ。ちなみに集めるものによって点数が違う。
ベルが鳴ればゲームスタートだ。
チーン!
「4枚、4枚!!」
「3枚、3枚!!」
あちこちで、叫び声が!
「3枚? 3枚、オッケー!」
「4枚オッケー!」
「4枚、4枚」
「ほい」
Kei「あの、ちょっと、これうるさくないですか?」
わし「4枚、4枚」
ムゲン「オッケー」
タカダ「3枚、3枚」
わし「よっし、もう3枚でええわ」
Kei「あのう、ちょっと…」
ムゲン「4枚、4枚!」
わし「おっけー」
Kei「あのう…」
もう無我夢中で叫ぶ。途中、このゲームが初めてのKeiが横でなにやら言うが、誰も相手にせず。
かまってると負ける。おしとやかにやるゲームではないのだ。
なんせひたすら力業で交換しまくって集めるゲームだ。何故か同じカードばかりが回ってくる。
中には
フジ「2枚、2枚」
誰も2枚なんて交換せん。ど素人が!
プロの競り師なら3枚か4枚でしょ!
mia「4枚、4枚!」
わし「全然けーへんやんけ!」
もう同じ商品がぐるぐると回ってくるだけ。
ムゲン「3枚、3枚」
わし「オッケー、3枚」
と、その時
ちーん!
高らかに勝利のベルの音が。
一同「えー!」
タカダ「揃いました! チョコレートの100点です。むっちゃ嬉しい」
チョコレート9枚揃えたタカダ。勝利者はすかさずベルを押す。これが最高に気持ちいいのだ。本来は手札9枚なので全て同じカードになるのだが、今回は横の指輪はダミーとして入れたカードなので関係なし。
9枚揃っているか確認する。というのは、このゲーム、よく間違いがあるのだ。今回の版では、色が解りやすいので、そういうのはないが(逆にそれが残念だったりするが)パーカーブラザーズ版は、色といい絵といい非常に紛らわしく出来ているので、よく間違いがあったのだ。
わし「ほんまや。…あーー!! くっそー、最後ムゲンにベア掴まされてるやんけ!」
最後にベアを渡されて、チンされた時のむなしさといったらない。
むっかつくわあ!! 最後ベア渡された。こんな事ようあるのよ。。
得点を紙に書き、配り直す。
ムゲン「隣の女子高生とかかなりびびってるんじゃないですかね。深夜に騒ぎ出したと思ったら、ちーんの音でぴたっと静かになるんですから」
わし「まあ、横の話し声が一瞬止まったもんな。じゃあ、前々からやろうと思ってたサイレントピットやろか」
ムゲン「なんすか、それ」
サイレントピットとは、わしがこのゲームを知ったファミ通にて、あまりのやかましさ、消耗の激しさに、無言で必要枚数の指を立てて競りを行うというものだ。これなら静かだし、スタミナも温存できる。
わし「というわけで、サイレントピットな」
勝者であるタカダが開始のベルを鳴らす。
チーン!
わし、4本指を立てて交渉する。
mia、うなずく。
交渉成立で、無言で交換。
ムゲン、3本指を立てて交渉する。
Kei、うなずく。
交渉成立で、無言で交換。
ところが、手札を解りやすくソートする時間は、指が使えない。
わし(さ、さんまい、さんまい…)
ムゲン(よんまい、よんまい…)
と小声でついつい言うてしまう。
あちこちでひそひそ声で交渉が行われる。
その光景にげらげら笑い出す声も混じり合って…
チーン!!
みんな「まじで!」
ムゲン「やったー! 揃った」
結局、サイレントピットといいながら、小声がこぼれる妙なピットとなりました。
腹よじれるくらい笑い声が絶えない中、勝利したのはタカダ。
タカダ「やったー! 初めて勝った!」
所要時間30分
今回はショートバージョンでやったので30分で終わった。要は何点取れば勝ちかを最初に決めるだけだ。フルでやれば人数にもよるが1時間以上掛かると思っていい。
フジのコメント
声が小さくって中々勝てないゲームだけど、またしたい! って思うゲームでした。
考えなくて良い、だけど面白い!! 特にサイレントピットははまりそうvv
タカダのコメント
騒がしくてもOKな場所で、のどの調子が良い日が最適ですね。
それからサイレントバージョンは無理だと思います、みんな気合が入ってきますので!
miaのコメント
これ揃うことあるのか? ってくらいまったく揃わなかった。何度交換しても今交換したばっかりのが回って来た。パーティーゲームとしては盛り上がる。場所と時間を選ぶけど。
Keiのコメント
これ、最高におもろかったですわ! ただ近隣の苦情覚悟でしなダメですけど。あきおくんの言った通りに、声出さないバージョンや、色々なやり方を独自に考えると、よりおもろいと思いますね。ただ声がカラッカラになりますが。(>_<)
ムゲンのコメント
もぉ、これはゲームの原点。懐かしかった。、誰とでも仲良くなるにはこのゲーム!
このベルを鳴らす瞬間が最高に気持ち良いんです。
TAMのコメント(今回は居なかったが)
喉がちぎれるほど大きな声を出さないと負けるゲーム、ってイメージですw
サイレントピットは未プレイなのでコメントできません(おそらく面白いだろうと思ってますw)が、パーティゲームの中では1,2を争うくらいに好きなゲームですね。
ソマーリオ
相変わらずの最強パーティーゲームという座は揺るぎない。当時、2年連続声のでかさでわしが勝者となったが、今回はさすがに年齢的な衰えが来ているのか、初めて負けてしまった。
いや年齢的な衰えというより、同じカードばっかり回ってきたので、終いに変更したら、相手も変更してて、まったく集まらなかったという、ピットによくある方程式で破れたといえる。
同じカードばかり来る場合、もうあかん、と思って集めるのを変更した頃には、他の人も同じように集めるカードを変更してしまうのだ。
それにしてもウイニングムーブズ版は、親切であるのに驚いた。わしの持ってるパーカーブラザーズ版は、えげつない事にカードの絵柄全てが薄い橙色で、認識が無茶苦茶悪くできている。わざと間違えさせるために、こうしたとしか思えない作りなのだ。最初それがむっちゃむかついたが、こうして視認性のいいピットをやると、あのピットらしさが薄れてくるとさえ思うから人間というのは不思議だ。あの間違いが笑いを誘うのだ。
これがわしの持ってるパーカーブラザーズの日本語版を手がけたトミー製品の奴だ。
チーン!
一同「えー」
タカダ「やったー、1枚、2枚…あ、あれ8枚しかない」
わし「3枚、3枚」
ムゲン「2枚、2枚」
と間違いと解った瞬間、それがなかったかのようにいきなり競りが再開されるのだ。
それがこの版にはほとんどなくなったと言える。
さらには気が付けば
わし「あ、あれ手札8枚になってるやんけ!」
と闇雲に交渉している内に、枚数が間違って手渡され、麻雀のいう少牌となってあがれない時もあった。
まあ、百聞は一見にしかず。見よ、この恐るべき視認性の悪さを。あたかもわざと間違えろとゲームデザインしてるが如く。つうか完全にそれを狙ってるとしか思えない仕様に殺意さえ抱く。
さらに急ぐあまり、
わし「もうはよせえ」もたつくタカダの手札の端っこから交渉枚数をむしり取った時もあった。
タカダ「すんません、すんません、こっちです。許してください」
という感じやったな、たしかw
それら全てがピットのおもろさを100倍にもしてくれる。それは残念ながらあの糞嫌らしい視認性の悪いパーカーブラザーズ版でしか発生しにくい。
また慣れてくると、開始の合図の前にアイコンタクトでもって、一番初めに交渉する奴を決めてるケースもある。つうか、全員そうなってくる。アイコンタクトとこっそり指を出して枚数を指示して開始の合図と共に、一目散にそいつめがけて一瞬にして交渉が成立する。
パーカーブラザーズ版は最大人数10人まで出来、2年目のときは10人ピットをやった事がある。ブルとベアを入れると、ダミーは用意出来ないので、適当に10枚の人と9枚の人が出てきて有利不利が出てくるが、正直、このゲームのルールの無茶苦茶さを考えるとあまり影響がないのだ。
そして、10人の開始ベルがなった瞬間、
全員「4枚!!」
と中央に枚数を差し出して10本の手がガッチーンとぶつかった。
で、こりゃあかんと、全員が立ってウロウロしながら交渉した事もある。集めようとする手札はテーブルの上に置けないので、皆、胸のポッケにしまって、やってた。
ほんま、阿呆や。
そして今回初めて採用したサイレントピットは、あのピットの声のでかさが勝利の秘訣という激しさこそなくなったものの、おもろさは大きく減じない事が解った。これなら疲れにくいのでフルプレイの長時間プレイが可能だし、なによりマンションでピットが出来る事を証明した。来年の正月は再びピットをやる時代が戻ってきたとピット大好きのムゲンは、今から愉しみにしているようだ。こいつ毎年ピットやりましょうというて来てたのだが、あまりのしんどさに却下したものだw
※サイレントピットはピットを何度か経験した後でないと面白みが解らないので、しばらくは通常通りのルールでどうぞ。
ピットはかなり古いゲームだが、正直、これに勝るパーティゲームというのはわしゃ知らない。しかしながら、プレイするには相当な覚悟で持って臨んで貰いたい。あー、そうそう、昔からベル付きのデラックス版とベル無しの通常版があるが、絶対にベル付きのデラックス版がお勧めである。無ければ、収拾がつかなくなるし、あのベルの音と共に声がやむのが風情(?)があっていい。通常版を買うてもベルは別途100円ショップなどで購入すべし。
gioco del mondo