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Martin Wallace
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Space Cowboys
GPゲームズ
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2〜4人
30分
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ネビュラ
駿河屋
世界のゲーム専門から名作との呼び声高い「ネビュラ」、ついに日本語版が発売!
何世紀も前に繁栄した“ネビュラの谷"、いまは霧に閉ざされたこの遺跡をよみがえらせましょう。
立ち込める霧を晴らしながら資源を獲得し、新たな建物をたてていきます。時にはプレイヤー同士で協力しながら、5つの建物を建てたプレイヤーが英雄となるのです。
霧が晴れていくデザインが美しく、多彩な戦略が楽しめる名作ゲーム。
プレイ感
マーティンワレス作品だが、珍しくもライトにプレイできるとのことで購入した。コタ9歳とmiaとの3人プレイにて。
ルールを読んでみて、なんかようイメージが沸かないのでネットで調べてみたら、鉄道ゲームを無理にテーマを変えているものと合点がいった。草原タイルってのは、線路なんやと。
手番には2アクション行える。同じアクションを選んでもいい。
・草原タイルを置く。置き方は自分の発掘駒か建設タイルか、草原(タイルも含む)につなげるように置く。すでに置かれた草原タイル(線路)は誰のものでもないのでくっつけることができるわけだ。また化石の森に置く場合は2アクション使う。化石の森には特別な効果はないんで、単に鉄道敷設しにくい場所ってことだ。
・建設タイルを置く。建設予定地マスに、自分の建設タイルを置く。建設予定地マスには2個まで建設タイルや遺跡駒を置ける。
・発掘駒を置く。資源タイルのある好きな場所に、自分の発掘駒を置いて、資源駒に置き換える。資源タイルは貰う。これは勝利点になる。
・資源駒を移動させる。何も置かれていない草原を通って、資源駒(他人の発掘駒のものでもいい)を1個、自分の建設タイルの上に置く。
・遺跡を建てる。手札もしくは共通の場にある遺跡カードに必要な資源駒を自分の建設タイルの上にある資源駒を使って、自分の遺跡駒を建てる。その時、資源駒が余れば、失点として自分の在庫ボードに置いておく。余らせずぴったり建てろってことだ。遺跡カードの特殊効果を使いたければ、すぐに使う。
※資源は日本語版はタイルなのだが、本来は駒だったので、資源駒と表記している。
黒タイルはすでに取り除かれてないが、それが資源駒に置き換わる。タイルの色は出てくる資源を表しており、そこに発掘駒を置くと資源駒が登場する。黒いマスは禁断のマスで立ち入り禁止。霧のかかっていない薄っすらと茶色のマスが建設タイルをおける場所だ。
こうして、5個の遺跡駒をだれかが建てたら、その他のプレイヤーは1回ずつ手番を行ってゲーム終了。
ボード上の発掘駒や建設タイルに残った資源駒は、失点として自分の在庫ボードに移動させる。
得点は、建設カード、資源タイル、草原タイルボーナスの合計から在庫ボードの資源駒の失点を引いて決める。
このゲーム、自分の建設タイルマスにある資源駒は誰でも使えると思ってたので、2回目のプレイである。
発掘や資源駒に自他の区別がないので、てっきりそう思ってた。
個人ボード。草原タイルは左から使っていき、1つの山を使い切ると勝利点が入る。建設タイルは半分のタイルになっており、1つのマスで二人のプレイヤーが共存できる。
最初は、既に資源駒が出ている場所に近いところにある発掘エリアに建設タイルを置くのは基本だ。
初期配置で資源駒が出ているマス(黒の資源タイルは資源駒に置き換える)があるのだ。
コタ「ここに建設」
mia「同じく」
まあ、そうなるわな。わしだけはぶられた感は否めないが、そういったマスは3個ほどある。そこを埋めるとすぐにコタも埋めてきた。
これにより協力プレイが生まれる。なんせ同じ建設マスなので資源駒が運べるように草原マスをお互いにつなげていくのだ。
コタ「木を運ぶ」
わし「わしも同じく」
草原タイルでつながっている資源駒を自分の建設予定地に運ぶのだ。草原タイルは誰のものでもないし、資源も自分の建設予定地に置かれない限りは誰のものでもない。
資源駒はそれなりにあるのだが、複数に運ばれるとあっという間になくなってしまう。
早い者勝ちだ。しかし、ここでとりあえず資源駒を運んでおこうと思うのはお勧めしない。
わし「この石運ぶんじゃなかった。。。」
そう、使わない資源駒があると建設時にマイナス1点となるのだ。
わし「共通の場でも、手札でも木と石の組み合わせでええのがないやんけ!!」
となる。
カード4枚が共通の遺跡カードで、誰でもこの資源駒を用意すれば建てることができる。その他に自分だけが建てられる2枚の遺跡カードもそれぞれ持っている。
建てたらすぐに特殊効果を使用できる。つまり遺跡駒は同じ形ではあるが、ゲーム的には、それぞれカードに書かれた遺跡であるということになる。別段意味はないけど。
しかしながら、手をこまねいていると
mia「あ! くっそう! 売り切れじゃん」
となる。
白駒のわしは軽く建てられるカードばかりを選んだので、すでに3つ建てた。
なんで余ったらマイナスなんねん! というのは理由はないが、システム的に非常にうまくできている。さすがワロス。じゃなくてワレス。
さらにこのゲームを特徴づけているのは、発掘のタイミングである。
発掘駒を置いたプレイヤーの第一声は、ほぼ
mia「さあさ、持って行ってやぁ。ええ資源あるよー」
だ。
余らせると失点になるのだから、持って行ってもらわないと困るのだ。
コタのボードをみると草原タイルをかなり使用している。そうすると青字の点数が手に入るのだ。それと余らせた資源1枚が載っている。
発掘駒を置くリスクってのがある。資源駒は誰のものでもないのでリスクはしょわなくてはならないのだが、資源タイルは勝利点がついているので、2個さえはけたらプラマイ0となる。
しかし、終盤に発掘駒を置くかどうかというのは非常に悩みどころで、ニーズがあるのか? と悩むことになる。
わしは、資源駒が2個でも建てられたら、どんどんと建てていく作戦をとった。最初に5つ建てたら追加で2点貰えるのだ。
わしが3個のときに、miaはまだ1つも建てていなかった。建てていないといって安心してはいけない。建設現場には資材が置かれているので、一気に建ててくる可能性がある。
mia「この禁断の地と化石マスが絶妙な位置にあって悔しい」
そう化石マス、絶妙。とてもうざいところにあるのだ。
また最もよくできているのは、最初の黒タイルの資源駒である。黒タイルはランダムに1枚抜かれる。つまりゲーム通じて1種類だけ資源が足りないのだ。それがめちゃめちゃ効いてて、絶妙の枯渇さを醸し出しているのだ。
こうして、最後までテンポよく遺跡を5つ建ててゲーム終了。
所要時間30分
わしはまったく草原タイルを使っておらず、遺跡を5つ建てた。安物のばかりを建ててスピード勝負したのだ。一番左のカードは5つ目を建てたボーナス点カードである。
miaも4つ建てた。コタは2つしか建てていないが、そんなに点差は離れていない。
点数はぶっちぎりかと思いきや、そうでもなかった。
どのような作戦を取ろうとも、勝負になるようにできている。
コタのコメント
2連続でやったのでちょっと飽きたが、またすぐにやりたくなってくる。
miaのコメント
わずか30分で濃厚なプレイ感があってよい。
ソマーリオ
これはよくできていた。恥ずかしながらワレスの鉄道ゲームはまだやったことがなく、山積みとなっている。ルールが多く時間が掛かるという先入観から、なかなか出せなかった。
ちゅうわけで本来なら、違いを中心にまとめるのだが、それはできない。すまん。
鉄道ゲームの面白さを、9歳でも理解できるルールでまとめあげた手腕は凄いとしか言いようがない。
たった30分でこれほど濃密なプレイをできるのは、他に類をみないだろう。
鉄道プレイの楽しさと、資源を集めてものを建てるという二つの良さがこのゲームには備わっている。お互いにライバル関係にありながら、建設タイルもそうだが、発掘駒においても協力的で、自分の行動が皆のためになるという独特のプレイ感を持っている。点数パターンが絶妙で誰も損をしないのだ。
また資源の枯渇の面においても、当初ある資源をすぐに枯渇し始め、次の資源を掘る必要がでてくる。1種類足りないのも見事に機能しており、誰かが発掘を開始していくことになる。
カードの効果については別に難しいものでもないので、最初から採用してもよい。プレイ感に大きな影響は与えないが、フレーバー程度には変更があってプレイの幅が少し広がるだろう。基本ルールでは禁断の地はまったく使えないが、カード効果により草原タイルが置けたりするのだ。
コンポーネントは日本向けに簡略されているところは残念ではあるが、その分、カードが日本語化されており価格も安くなっているので痛しかゆしだ。
資源駒は、本来は駒だったのだ。タイルに変更されているので、重ねることで視認性が悪くなった。
ボードの絵柄は、禁断の土地は、ドラゴンだったり、底なし沼だったりとファンタジーな感じがしてよい。
というわけで、これを機会に蒸気の時代を出してくるかという気持ちになっている。こういったヘビィゲームのステップアップとしてもよい出来だと思う。
何より子供でもできるワレスの鉄道ゲームという事だけで買う価値は十分にある。