|
Frank Czarnetzki
|
Zoch
|
2〜8人
90分
|
盗賊の親方
宝石業界は震撼した。
贋作の存在が宝石そのものを駄目にしたのだ。
モラルの欠如した宝石商たちは手元にあるダイヤ、サファイアの贋作を処分しようと、密かにばらまき始めた。
プレイ感
木製の超豪華コンポーネントは明らかにゲームの範疇を超えてる。一時あちこちで話題になり、価格が上がったがそれで売れなくなり、再び価格を落とした。それを見て、つい輸入してしまった。多人数でやったほうがおもろいので、TAM夫妻、オキ、ムゲン、タカダの6人プレイにて。
このゲームは、密輸業者、宝石商、女宝石商、盗賊、盗賊の親方、探偵と役割がある。各1枚ずつ配られその特殊能力を使って、手元の贋作を宝石箱に入れ、中に入ってる宝石を手に入れることを目指す。
初期設定は、適当に宝石を入れていき、落ちた分は赤いクッションの上に置いておく。木箱は上下にひっくり返り、引き出しは上下両方に入るようになっている。役割カードを同時に公開してその能力に従ってゲームを進行する。全て使うと隣に一式渡す有利不利をなくすドイツゲームによくある形式。
この役割がややこしい。備忘録として箇条書きにしてみる。
1.密輸業者、宝石商、女宝石商は、贋作を箱に入れるのが主な役割。
2.盗賊、盗賊の親方は、引き出しを開けた宝石を入手できる。
3.密輸業者と探偵は対立しており(頭数が多いほうが勝ち)、どちらも皆が落としてしまった宝石を入手できる。
4.探偵が多いと女宝石商は有利。
役割の順番に手番を行っていくのだが、基本は、手元の贋作を箱に放り込むか(1)、引き出しを開けて宝石と入手するか(2)である。引き出しは上下にあり、下になってる引き出しの宝石は当然開けたときに、落ちてしまう。落としてしまうとその手番に何も出来ない。落とした宝石は赤いクッションの上においておく。これを分配するのが3である。
この役割の関係がやたらとややこしくて、序盤、プレイアビリティは低め。
さらに、宝石をどこにしまったかの記憶がさっぱりない。なぜなら、手番の終了時に、3つある段のうち1つを90度回し、さらに上下をひっくり返すことが出来るのだ。説明書には、木製なので木目や特徴をみて覚えておくというヒントまで記されている。
記憶力のいいTAM嫁でさえ、「さっきので解らんようになった」とつぶやく。
大量に、宝石をボトボト落とすみんな。落とした宝石は赤いクッションに置くのだが、これに上手く探偵を選んだオキが、ごっそりダイヤをゲット。
げぇえ! これで勝負決まりちゃうん?
と思いきや、再び、ボロボロと落としたときにTAM嫁が探偵でごっそりゲット。
これほど記憶力の要るゲームなら、探偵が有効やんけ!
と、満を持して、探偵を出すと、またタカダとバッティングした。
(|| ゜Д゜)ガーン!!
しかもふたりで3個を分配というしょぼさ。
うーむ。。
皆、何時探偵を使うかに頭を使う心理戦になった。
ところが。ここであのTAMが凄い手腕を発揮。
密輸業者を選び、引き出しを開けた。
TAM「あれ、ボク間違ってるんかな」
そこにはごっそりと宝石が。サファイヤは2点、ダイヤは1点である。
わし「密輸業者は、貰えへんで。赤いクッションの上におかんと」
ところが
TAM「密輸業者はボクひとりで探偵はいないんで、これ全部貰えるんですよね?」
一同「おおおお!!!」
こ、こいつ。最近やたらとゲームが強くなってきてやがる。確かに赤いクッションの上にも宝石が大量にあり、一気に宝石を手にするにはこの方法しかないのだ。
泣かず飛ばずはわしとタカダ。ことごとく狙いがバッティングして、宝石少なし。
そこでわしはルビーに目をつけた。ルビーは盗賊の親方だけが開けることが出来る奥の引き出しに入っている。失敗した引き出しの特徴を暗記した。そこだけ暗記だ。
同じく、それに目をつけていたTAM嫁は盗賊の親方を選んだ。
や、やべぇ。やられる。タカダ、ひっくり返せ、ひっくり返せ。
タカダ「じゃ、ひっくり返して終わり」
ヨッシャー
TAM嫁「あー、ひっくり返された」
ふふふのふー
※基本的に引き出しを開くときは、そのままの状態で開けなければならない。ひっくり返したり回すのは、手番の最後だけである。つまり、今、あのルビーの入ってる引き出しは下になってるのだ。このまま開けると落としてしまう。
そしてわしが狙ってるとも知らず、TAM嫁はひっくり返してしまう。
わしは、高鳴る心臓を抑えながら、手前の引き出しを開けてダイヤをまずゲット。それから盗賊の親方のテクニックを使って、奥の引き出しを開ける。
皆「わ!」
ふふふ、そこには燦然と輝くわしの誕生石ルビーが入っている。盗賊の親方だけが、敷居の奥の部屋を開ける事が出来るのだ。ルビーは4点もある。
TAM嫁「あー、狙ってたのにー」
このルビーを手にしたのが大きかった。そこから2つ目のルビーも手に入れ、サファイアとダイヤが多いTAMとトップ争いをする。
終始、ダイヤ1個分リードを保ったまま、最後の贋作ダイヤを放り込んでゲーム終了。
※終了条件はいくつかある。
勝利。所要時間75分
最終的にはこんな感じ。黒のクッションは点数となる本物の宝石。白いクッションは贋作となりマイナス点となる偽物の宝石。つまり全ての偽物をはいたのだ。
TAMのコメント
これは覚えきれません。難しいですねえ。
ソマーリオ
ふかふかした宝石マットといい、ゲームに使う宝石箱だけでなく、ゲーム自体を入れる箱も木箱で、コンポーネントの全てに高級感が漂っている。
ゲームはかなり本格的で、パーティゲームではない。宝石箱の仕掛けを使った奥の間にあるルビーの在り処や、宝石商が使うことの出来る警報装置(引き出しを開けたときに落ちると警報装置がなるというルール)は、ゲームの雰囲気を大人が遊ぶものにしている。
例えば本物の美術商が集まる場で、このゲームが余興として使われても不思議ではない、それくらい大人の香りのするゲームなのだ。
問題は、先に書いたように、1度やっただけではこのゲームの真の面白さがわかりにくいといったところ。どれとどれが絡んでいるかという、心理戦に当たる部分が何度かしなければわからないところだ。この部分がわかるようになれば、相当面白いゲームになると思う。モノが高いので何度もやらなければ、勿体無いし、このゲームほど雰囲気のあるゲームはまずないので、何度もやってこのゲームの世界観にしっとりと浸ってほしい。
金持ちがやると、本物の宝石を使ってやりそうだ。しかし本物の宝石をつかったとしても、コンポーネントが負けていないってのがこのゲームの凄さだ。
キャラクター役割表をまとめたものをおいておく。これを片手にやるとちょっとだけプレイアビリティがあがると思う。