それいけ! 日本のメーカー 後編(新興編)

後半スタートッ! ちゃんちゃちゃちゃんちゃんちゃんちゃんちゃん〜♪

不二商
かつて輸入ゲームを一手に引き受けて完全日本語版をも出してくれたメーカー。このメーカーがなければ、私がドイツゲームに触れる機会など10年は遅れていただろう。いち早くドイツゲームの楽しさに気づき、草分け的存在であったので、撤退したのは残念至極である。弱小メーカーらしく営業力が弱かったようだ。しかし今こそ再参入して自社が育てた日本ドイツゲーム業界をリードして貰いたい。

グラパックジャパン
突然、彗星のように現れたボードゲームメーカー。その母体などまったく知らないが、おそらく出版関係から派生した会社でないかと思う。メーカーの特徴は、目を惹くほどに洗練されたコンポーネントデザインの良さ。これこそ日本の匠の技であり、密かに日本を代表するメーカーになるのではと予感させる。ただ昔の日本のメーカーなどと同じくラインナップを揃える為に一気にゲームを出したので、若干ゲームとして疑問に残る部分はある。ドイツメーカーが熟成に時間をかけてゲームを推敲するのを見習って貰いたいところである。価格が若干高めの設定である事を考えると、厳選して出して貰いたい。間違いなく世界を驚かせるゲームを出せる筈だ。

ビバリー
輸入ではなく、完全日本語版を出してくれる熱いメーカーである。私の持っているレアかなと思うゲームに「暗殺者ゲーム」というのがあるが、輸入していたのはこの会社である事を最近発見して驚いた。なんとルールは手書きコピーである。w このメーカーはパズル系のゲームを得意としているようで、ゲームフリーク物よりも一般受けした物を日本語化しているようだ。不二商なき今、その寄せる期待は大きい。

シュウクリエイション
かつて、キディランドなどの店頭に、くるくる回る少スペースの棚にブック型のゲームがたくさん並べられていた。磁石でないのにくっつく妙な盤と駒、旅先のお供であるポケッタブルシリーズだ。クルー、モノポリーやピクショナリーといった名作ゲームもこのシリーズにあった。それ以外にもラミィキューブなどの日本語版も出しており(日本大会の主催はここであった)、独自の日本ゲームシーンを演出していた。携帯テレビゲームに押されて倒産してしまったのは本当に残念だ。旅先でモノポリーやクルーが出来たっていうのを今の人は知っているだろうか?

パルボックス
かつて日本でブームを巻き起こしたシミュレーションブーム。その中で日本人好みともいえるガンダムや銀河英雄伝説などのSFシミュレーションゲームを作り上げたツクダというメーカーがあった。残念ながら倒産してしまい、バンダイに吸収されてしまったが、パルボックスというブランドでその理念は生き残った。パルボックスはバンダイが送り込むアナログへの回帰である。ポケッタブルシリーズはパルボックスブランドで再発売されているのはとても心強い。

はなやま
日本人にはモノポリーよりもバンカースというモノポリーもどきのゲームの方が馴染みがある筈だ。未だに残るダイヤモンドゲーム、コリットゲームなどの昔懐かしいゲームなどは全てはなやま製である。現在も地道にボードゲームを生産しているのには驚きと共に賛辞を送りたい。日本のゲーム事情を知りたければはなやまをみればいい。今でも手に入ると思うとほっとしてしまう程である。11個のゲームをパッケージングするなど、これひとつで家族で楽しむには十分だとも言えるが、ここはあえて新しいドイツゲームを勉強して飛躍を遂げて貰いたい。

トライソフト
カタンの開拓を輸入し、その後日本語版まで出したメーカー。その登場が早すぎたのが残念だ。その他にも日本語版を出しており、カタンをカプコンに奪われたとはいえ、密かに復活もあるのではないかと期待している。今はボードゲームが日本でブームになるのを待つのみ、そういった感じがする。私の持っているカタンはトライソフトの初期版だが、木製の駒でとても好感が持てる造りだ。不二商の代わりに是非フリーク向けのゲームの日本語版を出して欲しい。私たちは待っている。

カプコン
カタンの開拓の日本語版を現在出しているメーカー。その中身はカプコン版独自にアレンジしていて、昔のモノポリーを思わせるチープな造りになったがセットアップはやりやすくなった。それ以外にもクニッツィアの指輪物語ボードゲームの日本語版を出しており動向に注目してたが、それ以後ぱったりとボードゲームの噂は聞かなくなった。その理念はゲームリパブリックに受け継がれたようだ。ただしカタンの開拓は素晴らしいネットゲームとして開発されており、ボードゲームの火付け役となる要素は十分ある。今の日本の状況を考えるとテレビゲームからの逆輸入というのが普及に一番近道かも知れない。ボードの方でも新しく元カタンに近いバージョンと持ち運べるタイプのカタンをはなやまから販売する事から、これからも期待十分である。

ゲームリパブリック
元カプコンの岡本専務が独立して作った会社。本来はテレビゲームソフトの会社であるが、岡本社長がモノポリーやカタンなど部類のゲーム好きで、密かにドイツゲーム大賞を狙う為にボードゲーム事業を始めるという噂である。ねこねこより前に発売しようと思ったゲームがあったらしいが、発売前にとてもおもろないという事実に気づいてあんぐりしたらしい。w 一体どんなゲームだ?? と未だにどんなゲームだったかを教えてくれない。ボードゲームに対する愛が感じられ新しい資本としてとても期待出来るメーカーである。日本のパイオニアとなる可能性は十二分に秘めている。

その他、任天堂なども昔はボードゲームを手がけていたが、このメーカーが再びボードゲームを作るというのはちょっと考えられない。セガもピクショナリー日本語版を出していたし、ナムコもドルアーガの塔を出していたが、これらはコナミも含めて十分ボードゲーム業界に参入する可能性はあるだろう。コナミは遊戯王などのTCGでその下地は十分である。ソニーは、、、絶対にないと思う(笑)
それと安田均率いるSNEはメーカーじゃなくてデザイナー集団という位置づけなので省いた。

個人的に思うのは、タカラのところで書いたように、メーカー主体のボードゲームはもう受けないだろうという事である。仕事のノルマを果たす為に自社内でアイデアの再生産ばかりして劣化現象が起きるからである。クリエーターの第一条件が真面目にこつこつする事である、なんて聞いた事がない。それが大丈夫なのはMBやバンダイなど版権物をしっかりと持ってる大手くらいなものだ。ボードゲーム作家がいて、プロデュースするメーカーがある、そんな流れが世界的に主流なのは当然だ。只飯を食わせる必要がない。そう考えると旧体質である玩具メーカーよりも、印税などでそんなシステムに慣れた出版社が出した方が面白いんじゃないかと思う。また流通を考えても玩具屋さんは大手くらいしかなくなってしまったが本屋さんはまだたくさんある。問題はゲームに詳しい編集者がいないという事だ。非常に柔軟と噂の講談社さん、チャレンジしてみませんか? :)

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